【クアラルンプール】 投資貿易産業省(MITI)は14日、米国製高性能人工知能(AI)チップの輸出、積み替え、通過すべてに戦略貿易許可の取得を義務づけ、即時発効した。

新規制は、2010年戦略貿易法(STA2010)第12条(キャッチオール規制条項)に基づくもの。同法は本来、兵器などに転用される恐れがある製品を「戦略物品リスト(SIL)」で管理するものだが、第12条では、リスト以外の製品でも、当局が定めるものに対しては、輸出・積み替え・通過を手がける企業や個人は、少なくとも30日前までに当局に通知し、許可を得る必要があると定めている。AIチップを正式にSILに入れるかどうかも引き続き検討されるという。

今回の規制の背景には、米国の輸出規制対象であるAIチップが、マレーシア経由で中国へ迂回輸出された疑惑がある。この疑惑が米国による関税措置の交渉にも影響する可能性があり、規制強化に踏み切ったとみられる。

マレーシア半導体産業協会(MSIA)のウォン・シューハイ会長も「積み替え問題を抑制するために政府が講じるべき必要な措置」とし、支持を表明している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、7月14日)