リンギは今後も上昇する、会見でアミル第2財務相

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、内需に支えられ通貨リンギは今後も上昇を続けるとみている。アミル・ハムザ第2財務相がブルームバーグ・テレビのハスリンダ・アミン東南アジア主任特派員との会見で明らかにした。

アミル氏は、12カ月後にリンギは対米ドル相場で4リンギに近い3リンギ台後半まで値上がりすると述べた。現在と比べ5%の値上がりで、2018年以来のリンギ高になる。

アミル氏は「経済の基礎的条件はしっかりしており、米連邦準備制度理事会が金融緩和のペースを緩めても、リンギには追い風がある」と述べた。年初8カ月間にリンギは米ドルに対し5.8%値上がりした。

歳入源として政府が検討している希土類の採掘についてアミル氏は「埋蔵場所を確定するため政府は地図を作成中だ。複数の政府と戦略的提携について協議している」と述べた。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、10月13日)

日馬の環境ウィーク、15日からKLCCで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 「日本・マレーシア環境ウィーク」が15日から、クアラルンプール・コンベンションセンター(KLCC)で開催される。

同ウィークは日本の環境省と、マレーシアの天然資源・環境持続可能性省が共催。脱炭素社会の構築に向け、グリーンビジネスの成長に両国が協力していくことを目的とする。「マレーシア国際グリーンテック&エコ製品展示会・会議(IGEM)2025」に合わせて開催される。企業や研究・学術機関、行政など、17日までの3日間で600人を超える参加者が見込まれている。

ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB) や水素・アンモニア技術、 バッテリーを含む使用済み自動車(ELV)、水・廃棄物汚染対策などをテーマにしたセッションのほか、企業展示、ネットワーキングタイムなどが展開される。参加無料。

環境ベンチャーのイノカ、サンゴ研究でトレンガヌ大学と提携

【クアラルンプール】 環境ベンチャーのイノカ(本社・東京都文京区)は10日、マレーシア・トレンガヌ大学(UMT)とサンゴ研究を共同で推進する覚書(MoU)の締結を発表した。

2019年創業のイノカは、海洋環境を陸上の水槽で再現する「環境移送技術」を手掛ける。2022年には閉鎖環境下でサンゴの人工産卵に成功した。

今回、マレーシア子会社のイノカ・アジアを通じ、MoUを締結した。背景として、東南アジアのサンゴ礁は世界のサンゴ礁の約3割を占めるが、その約85%が絶滅の危機に瀕していることが挙げられる。こうした課題を解決するには、実際の環境を再現して対策を考えることが不可欠となる。このため、海洋科学・沿岸生態系の研究の実績を誇るUMTと提携。同社の技術を活用しながら、サンゴ実験を進める。また、マレーシア水産局に対する実験許可申請などでもUMTが支援・協力する。

イノカは昨年10月にも子会社を通じ、マレーシア科学大学(USM)との間で、藻類・海草に関する共同研究強化でMoUを締結。マレーシアで展開してきた活動をさらに発展させ、東南アジアでの海洋保全と研究基盤構築を加速させていきたいとしている。