【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議出席のために訪馬した高市早苗首相は26日、クアラルンプール市内でアンワル・イブラヒム首相と20分間にわたり会談。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現に向け、両国の協力関係を一層強化し、友好関係を発展させていくことなどで合意した。
両首相は経済分野では、二酸化炭素の回収・貯留(CCS)やアンモニア発電、脱炭素化・エネルギー移行で協力が進展していることを高く評価。炭素クレジットの創出を通じて両国の排出削減に貢献する二国間クレジット制度(JCM)の早期署名に向け、協議を加速させることで一致した。また、液化天然ガス(LNG)の安定供給やレアアース(希土類元素)、人工知能(AI)でも連携を一層強化していくことを確認した。
安全保障分野では、無償の資金協力の枠組みである「政府安全保障能力強化支援」(OSA)を通じた、日本からの無人航空機(UAV)と救難艇の引き渡しについて、アンワル首相が謝意を表明。新たに潜水作業支援船等の供与でも合意した。
高市首相は、カンボジア・タイ間の停戦合意におけるアンワル首相の取組に敬意を表し、停戦を後押しするため、マレーシアに停戦監視用機材の供与を決定したことを伝えたという。
就任後初の外遊となった高市首相はこのほか、フィリピンのマルコス大統領、豪州のアルバニージー首相とも相次いで個別会談。25日夜から24時間強の短い滞在中、クアラルンプール日本人墓地の慰霊碑で献花するなど、精力的に活動し、外交デビューを印象づけた。