バティックエア、ペナン―メダン&シンガポール線を12月8日就航

【ジョージタウン】 バティック・エアは、ペナンとメダン(インドネシア・スマトラ)及びシンガポールを結ぶ直行便を12月8日に就航すると発表した。機材はいずれもボーイングB738型機を使用し、デイリー運航となっている。

ペナン―メダン間のスケジュールは、往路の「OD312」便はペナン発が17時45分、メダン着が17時45分。復路の「OD313」便はメダン発が18時45分、ペナン着が20時40分となっている。

ペナン―シンガポール間のスケジュールは、往路の「OD831」便はペナン発が8時20分、シンガポール着が9時45分。復路の「OD832」便はシンガポール発が15時20分、ペナン着が16時45分となっている。

バティック・エアはさらに来年にはコタキナバル及びクチンとペナンを結ぶ直行便を導入する予定。国際線では2025年10月末までに中国・昆明とペナンを結ぶ新たなチャーター便を開始する予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、10月17日)

ジェトロ、マレーシアデジタル経済公社と協力覚書を締結

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)は21日、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)と10月15日に協力覚書(MoC)を締結したと明らかにした。10月22日にはMoCの締結式を予定している。

両機関の更なる連携強化を通じた両国のイノベーションの促進を目的としたもので、▽デジタル経済における二国間貿易と投資の促進 ▽市場参入支援 ▽専門家交流――の3つのポイントで連携を強化する。日本とマレーシアのデジタルエコシステムの発展に向けた両機関の連携をより一層強化し、日本への展開を目指すマレーシアのテック企業、マレーシアへの展開を目指す日本のテック企業に寄り添ったサポートを提供。 両国の著名な専門家が双方のイベントや会議に参加することで両国間の情報の共有を円滑にし、イノベーションの機運醸成を図る。

ジェトロとMDECはそれぞれ日本とマレーシアにおけるテックスタートアップやコンテンツ企業の海外展開支援と、海外企業・スタートアップの対内投資促進を支援している。両機関はこれまでも協力して企業支援を行っており、特に2017年からは両国のスタートアップ企業、投資家などのネットワーキングイベントの開催や、両国のイベントへの企業派遣、マッチング支援など連携を深めてきた。

愛知県豊田市とクチンサウス、友好都市視野に協力関係強化

【クアラルンプール】 愛知県豊田市と、サラワク州のクチン・サウス議会(MBKS)は、友好都市協定締結を視野に、持続可能な都市開発や文化交流などでの協力関係を強化していく方針だ。

MBKSのウィー・ホンセン氏が、豊田市で14―16日に開催された、国連経済社会局(UN DESA)主催の「2025国際首長フォーラム」に出席に合わせ、太田稔彦市長と会談した。両市の交流は、豊田市足助地区の住民らが2014年にクチンで和太鼓演奏をしたのがきっかけで続いてきた。

今後は、より長期的な協力関係を目指し、文化交流や、学生交換プログラムなどを推進していく。さらに国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿って、スマートインフラ開発などでも協力の可能性を探っていくという。
(ダヤクデイリー、ボルネオポスト、10月16日)

連邦歳入の40%はサバ州の権利、コタキナバル高裁判決

【コタキナバル】 連邦政府歳入の連邦政府と州政府間の配分に関するサバ州弁護士会が起こした訴訟で、コタキナバル高等裁判所は、現行の連邦政府とサバ州政府との取り決めは憲法違反であり、連邦政府は40年近く、歳入の40%はサバ州の権利との規定に違反してきたとの判断を示した。被告は連邦政府と州政府で、連邦政府側は控訴する見通しだ。

判決では、連邦政府歳入の40%はサバ州に支払われるべきとし、1974年から2021年までの配分額を算定する義務が連邦・州政府にあるとした。セレスティナ・スチュエル・ガリド裁判官は判決で、連邦政府と州政府の取り決めは連邦憲法に違反しており、権限を逸脱していると述べた。

マレーシアの歳入源と歳入配分は連邦憲法により定められており、特にサバ州とサラワク州に対しては道路整備補助金など特別な取り決めが設けられている。
(マレー・メイル、ザ・スター電子版、ジェセルトン・タイムズ、10月17日)

【総点検・マレーシア経済】第532回 2026年予算発表、その特徴は

第532回 2026年予算発表、その特徴は

10月10日、マレーシアの2026年予算が下院に上程されました。税収は2025年見込みより2.7%増の3431億リンギの見込みとなっています。経常支出は1.8%増に抑え、開発支出も810億リンギと前年の800億リンギからほぼ横ばい、結果として財政赤字のGDP比は2025年の3.8%から3.5%に減少する見込みです。

税収の伸びは、SST(11.6%増)、所得税(9.4%増)、法人税(6.5%増)の増収に支えられています。一方で、ペトロナスによる配当は前年の320億リンギから200億リンギへと大きく減少し、政府の投資収入全体でも504億リンギから367億リンギへと137億リンギの大幅減となる見込みです。それでも、税収全体としては経済成長や細々とした増税、優遇政策の廃止などの積み重ねで2.7%増を確保しています。

 

経常支出は3382億リンギと前年の3322億リンギから1.8%増に抑えられていますが、それに貢献したのが補助金の改革です。9月末のRON95の改革で一巡した補助金改革によって、補助金・社会扶助は前年の571億リンギから490億リンギと14.1%減となっています。2024年は674億リンギだったので、2年間で184億リンギを削減したことになります。一方で、公務員給与や退職金の支払い、債務の支払いなどはジワジワ増加しています。

 

開発支出はほぼ横ばいですが、金額として大きく増えているのは交通分野で、これはインフラ開発関連が増加するためです。一方で、大幅に減少しているのは農業分野で、前年の29.4億リンギから5.5億リンギに81.3%も減少しています。ただ、これは灌漑・排水事業が環境分野に、農業融資が金融分野の支出として再分類されたことが原因で、実質的な減少ではありません。

 

財政赤字を抑えるための、細かいやりくりに加えて、財政再建に貢献していると思われるのは治安(Security)部門への支出が117.4億リンギと前年の118.6億リンギから1%減少していることです。国防関連に絞っても78億リンギから80億リンギへの微増に留まっています。地政学的な変化にともなって世界中で防衛費が大幅に増加している中で、それがほとんど横ばいですんでいることは財政への負担を軽くしています。ASEAN諸国との友好関係、また、ASEAN自体の中立性が大きく貢献していると言えます。

熊谷 聡(くまがい さとる) Malaysian Institute of Economic Research客員研究員/日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員。専門はマレーシア経済/国際経済学。 【この記事のお問い合わせは】E-mail:satoru_kumagai★ide.go.jp(★を@に変更ください) アジア経済研究所 URL: http://www.ide.go.jp

家庭からの電子廃棄物、企業責任でリサイクル法制化

【クアラルンプール】 政府は、電子廃棄物(eーwaste)管理に関する法的枠組みを策定中だ。拡大生産者責任(EPR)を導入し、メーカーや小売業者などに一般家庭からの廃棄物の回収・リサイクルの責任を負わせる。

今回の枠組みでは、家庭から出されるテレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、パソコン、携帯電話の6つが主な対象となる。EPRは、製品の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたり、生産者(メーカー、小売業など)が責任を負う考え方。日本では、2000年に制定された「循環型社会形成推進基本法」などを通じ導入されているが、マレーシアではこれまで法的には盛り込まれていなかった。

電子廃棄物の処理業者には「1974年環境品質法」に基づくライセンス取得と、環境影響評価(EIA)の提出を義務づけるという。政府は今後、環境局(DOE)を通じ、企業や一般などからパブリックコメントを募るなど、最終的な法制化を進める。

また、天然資源・環境持続可能性相を兼任するジョハリ・アブドル・ガニ農園一次産業相は、電子廃棄物の輸入はすでに禁止されていることを改めて強調。加えて、国際協力機構(JICA)を通じて日本政府が技術支援を提供すると言明した。
(ビジネス・トゥデー、10月16日)

24年の出生数は41.5万人で9.0%減、80年以降で最低

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は「2025年版マレーシア人口動態統計」を発表。2024年の出生数は41万4,918人で1980年以降で最低となり、2023年の45万5,761人から9.0%(4万843人)減少した。

男児は21万3,919人(51.6%)、女児は20万999人(48.4%)で、男児が女児を上回った。

民族別では2023年はマレー系が30万5,494人(全体の67.0%)だったが、2024年には27万2,718人(65.7%)に減少。インド系も2万64人(4.4%)から1万7,914人(4.3%)に減少した。一方、華人系は4万4,818人(9.8%)から4万4,914人(10.8%)に増加した。

出生数の減少により、粗出生率(CBR、人口1,000人あたり)は前年の13.6人から2024年には12.2人に低下した。CBRはすべての州で前年比で減少したが、トレンガヌ州は19.3人で最も多く、ペナン州は10.1人と最も少なかった。

合計特殊出生率(TFR)は、前年の1.7人から2024年には1.6人に減少。マレー系とインド系は前年比で減少したが、華人系は2024年に0.9人で横ばいだった。マレー系は1.9人で最も高く、インド系は1.1人だった。

2024年の死亡者数は19万8,992人で、2023年の19万6,965人から1.0%(2,027人)増加した。粗死亡率(CDR、人口1,000人当たり)も2023年の5.9人から2024年は5.8人に減少した。男性の死亡者数は11万3,866人(全体の57.2%)で、女性の死亡者数は8万5,126人(42.8%)だった。

民族別ではマレー系が2023年の10万1,829人(51.7%)から2024年には10万3,118人(51.8%)となった。華人系とインド系の比率はそれぞれ26.3%と8.4%で横ばいだった。

外食「シュガーバン」が半島部に進出へ、セダプリシャスと提携

【クアラルンプール】 東マレーシアで外食チェーン「シュガーバン」を展開するシュガーバン・コーポレーションは、マレーシア半島部への進出拡大に向けてセダプリシャスと地域フランチャイズ開発契約を締結した。

シュガーバン・コーポレーションの子会社で物流を担当するSBサプライズ&ロジスティックが、セダプリシャスとマスターフランチャイズ契約を締結した。セダプリシャスは10年契約に基づき、シュガーバンの店舗開設・運営、フランチャイジーの募集・サポートに関する独占権を持つ地域開発業者となる。2026年に500万リンギ、2027年に1,500万リンギ、2028年に2,800万リンギの各年間売上目標の達成を目指す。

親会社のボルネオ・オイルのジョセフ・アンブローズ・リー社長は、半島部が東マレーシアの人口の3倍を占める成長市場であることを強調。半島部への進出により「シュガーバン」を全国的な存在としグローバルなビジネスチャンスの基盤を築くことになると述べた。

「シュガーバン」は40年以上前にサラワク州で創業。ローストチキンやセイボリーライスのほか地元料理が看板商品で、現在はサバ州、サラワク州、ブルネイを中心に104店舗以上を展開している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ボルネオポスト、マレーシアン・リザーブ、10月15日)

首都圏などで大規模停電、マラッカ州の発電所事故が原因

【クアラルンプール】 政府系電力会社テナガ・ナショナル(TNB)は、15日午後に発生した首都圏クランバレーやジョホールバルなどの広域に及ぶ大規模停電について、マラッカ州のエドラ発電所で発生した技術的障害が原因だったと発表した。なお電力供給は約1時間半後に完全に回復した。

エドラ発電所は独立系発電事業者(IPP)である中国広核集団傘下のエドラ・パワー・ホールディングスの子会社によって運営されている国内最大規模のガス火力発電所で、落雷によって午後4時12分に自動停止した。これによりマレーシア半島部の最大電力需要の10%以上に相当する2,242メガワット(MW)の電力供給が途絶えた。

TNBは直ちに復旧作業を開始し、電力供給は段階的に回復。午後5時54分までに完全に回復した。またエドラ発電所の停止とは無関係に、他の複数の地域でも停電が発生したという。

こうした広域にわたる大規模停電の発生は約3年ぶり。2022年7月に発生したジョホール州ヨンペンにあるTNBの変電所の設備損傷が原因の大停電では、首都圏のほかペナン、ジョホール、パハンの一部地域が影響を受けた。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、10月15日)

マキシス、生成AIによる会話型の「Miya」をアプリに導入

【クアラルンプール】 通信事業者のマキシスは15日、生成型人工知能(AI)を搭載したアプリ内会話型アシスタント「Miya」を発表した。マレーシアの通信業者として初という。

Miyaは「マキシス・インテリジェンス・ユア・アシスタント」の略で、グーグル・クラウドと共同で開発された。請求書の確認や支払い管理、契約内容の照会のほか、ローミングサービスの提案や最新端末の案内など、利用者はアプリ上で質問や要望を入力するだけで、AIが適切な情報を提示してくれる。すでにアプリを利用している場合、アプリを最新バージョンに更新することで、順次利用できるようになる。

両社は今年3月からは企業向けに生成AIを使った「Mia」を提供。今後は、さらなるパーソナライズ機能を強化し、利用者がよりスムーズにサービスを利用できる環境を目指していく
(ビジネス・トゥデー、10月15日、ローヤット・ドットネット、10月16日、マキシス発表資料)