UMWトヨタ、非国産初の年間販売台数4年連続10万台超え

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーター(UMWT)は、2025年12月の販売台数が1万4,284台となり、年間総販売台数では10万2,417台を記録。非国産車ブランドとしては初めて4年連続で10万台を突破した。

ラビンドラン・クルサミー社長は「競争が激しく変化の速い市場において、4年連続で10万台という業績を維持できたことは、意義深い節目」とコメント。高効率内燃機関車やハイブリッド車などバランスの取れたポートフォリオを提供するとともに、ネットワークの拡大やサービス基準の厳格化などを通じ、2026年も勢いを加速させていきたいとした。

また販売戦略の一環として、昨年12月に「トヨタ延長プラン」を導入。ヴィオス、ヤリス、カローラなどの一部モデルを対象に、既存の5年間保証を最大3年間延長できるもの。ベーシックとプレミアムがあり、選択したパッケージ内容に応じ最大8年間の保証が受けられる。
(ジグホイールズ、カーシフ、ザ・サン、1月6日)

アンワル首相に対する満足度、依然50%下回る=MASA

【ジョージタウン】 独立系シンクタンク、マレーシア未来研究所(MASA)が実施した世論調査によると、政府とアンワル・イブラヒム首相に対する国民の満足度は上昇しているものの、依然として50%を下回っている。

同調査は昨年11月15日から12月19日にかけて行われたもので、マレーシア半島部に住む18歳以上の1,604人からの回答を得た。政府に対する満足度は、2025年6月の41%から49%に上昇した。

アンワル首相の業績に対する支持率も、半年前の33%から46%に上昇した。同時に、首相の業績に不満を持つ人の割合は51%から37%に減少した。MASAは「政府と首相に対する国民の感情は改善しているものの、全体的な満足度は依然として50%を下回っている」と指摘している。民族別に見ると、中国系回答者の58%が首相の業績に満足していると回答し、インド系回答者が42%、マレー系回答者が40%と続いた。

評価は改善したものの、連邦政府による主要懸念事項への取り組みに満足していると回答したのはわずか39%だった。マレーシア国民が最も懸念する問題は生活費で、回答者の42%が挙げた。次いで汚職が12%だった。経済発展と政治的安定はそれぞれ9%、民族的権利、公共福祉、雇用機会に関する問題は4%にとどまった。

国会議員のパフォーマンスに関して、回答者の36%が与党議員に満足していると回答したのに対し、野党議員に満足しているとの回答は27%にとどまった。
経済に関する世論は賛否両論で、回答者の50%が国の経済パフォーマンスに満足していると回答した。しかし個人所得に満足していると回答したのはわずか41%だった。

政策面では、回答者の63%が「ROM95」ガソリン補助金の合理化を支持し、身分証明書の使用と月300リットルの上限設定を含む実施方法に55%が満足していると答えた。

しかし不満の声が多い政策もあり、回答者の75%は売上・サービス税(SST)の拡大に不満を持ち、54%は新しい電気料金に不満だと回答した。

物議を醸したマレーシア・米国相互貿易協定については、国家主権を損なうと考える回答者はわずか35%にとどまった。

次期総選挙後の首相候補として支持する人物について尋ねたところ、カイリー・ジャマルディン氏が52%の支持でトップとなり、次いでムヒディン・ヤシン氏が46%、ナジブ・ラザク氏が41%、アンワル氏が39%、マハティール・モハマド氏が33%と続いた。
(ザ・スター電子版、1月6日)

リンギは8年ぶりの高水準になる見通し=MARC

【クアラルンプール】 格付け会社のMARCレーティングスは、通貨リンギはさらに値上がりし、8年ぶりの高水準になる可能性があるとの見通しを示した。年央の予想相場は対米ドルで3.93リンギ。国内の基礎的条件の改善と米国における利下げ見通しが理由だ。

市場は米連邦準備制度(FRB)による2回の利下げを織り込み済みで、3回目の利下げの可能性も33-45%あるとみている。利下げが行われればマレーシアとの金利差が縮小し、米ドル安を誘発するため、リンギ資産の魅力が増す。

昨年10月の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議における貿易イニシアチブ(ASEAN域内物品貿易協定の高度化、中国・ASEAN自由貿易区3.0議定書の調印など)により輸出増が見込め、経常黒字の拡大でリンギ高が期待できるという。

堅固な基礎的条件を背景に国債は値上がり(利回りの低下)が見込める。民間では17件の起債が予想され、償還が長期の債券が多いため、価格変動を起こすことなく市場は債券を吸収できる見通しだという
(エッジ、1月2日)

生活費指標、セランゴール州のシャアラムとペタリンでKL超え

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア統計局 (DOSM)が発表した 「2024年生活費指標 」によると、セランゴール州のペタリン及びシャアラム地区が、首都クアラルンプール(KL)を上回り基本支出(PAKW)が高いことが明らかになった。

生活費指標では、州や州都、行政区ごと、また1―4人の世帯数別に、食費・住宅費・光熱費・交通費などを総合して基本支出を算出し、KLを100として相対的に比較した。

州別でみると、KLを上回ったところはなく、セランゴール州が単身(92.0)から4人世帯(91.3)のいずれでも最も高い結果となった。ペナン州、プトラジャヤもすべての世帯規模で80台と高かった。一方、サバ州がすべての世帯規模で60を下回ったほか、サラワク、クランタン、ケダ、ペルリスの各州も低い傾向を示した。

州都や行政区でみると、シャアラムは単身では99.8だったが、2―4人の世帯では100をわずかに上回った。またペタリンも単身(103.3)から4人世帯(106.0)のいずれもKLを上回った。

生活費指標の年間上昇率を州別にみると、プトラジャヤ(106.3)が最も高く、KL(106.1)、ジョホール(105.8)が続いた。行政区ではペタリン(107.9)が最も高く、ジョホールバルとキャメロン・ハイランドが106.9で続いた。

「ゴジラ・ストア」、ららぽーとBBCC内に1月9日オープン

【クアラルンプール】 東宝(本社・東京都千代田区)は、台北に続く海外展開第2弾となる東南アジア初のオフィシャルストア「ゴジラ・ストア・マレーシア」が1月9日にオープンすると発表した。営業時間は午前10時―午後10時となっている。

マレーシア出店はシンガポール法人、Toho Entertainment Asia及びマレーシアのパートナー企業のM&Mクリエーションズ・ホールディングスとの提携を通じたもので、クアラルンプール(KL)市内の「三井ショッピングパークららぽーとブキッ・ビンタンシティセンター(ららぽーとBBCC)」2階の日本を中心としたアニメ、コミック、ゲーム関連の小売店集積ゾーン「ACG BASE」に立地する。

日本国内のゴジラ・ストアのコンセプトを踏襲し、エントランスには2025年5月に東南アジアのゴジラファンに向けて公開されたゴジラ70周年特別映像に登場する約2メートルのゴジラ彫像が設置される。

公式ライセンス商品、コレクターズアイテム、アパレル、ライフスタイルグッズを取り揃え、限定商品もオープン後順次展開を予定している。ファンや家族が集うコミュニティハブとしても機能するようテーマ別展示やイベントなどの開催も予定している。

ナジブ元首相の新たな1MDB裁判、15年の有罪判決

【クアラルンプール】 クアラルンプール高等裁判所は12月26日、政府系ファンド1MDBの汚職事件をめぐる一連のナジブ・ラザク元首相の裁判で、新たな4件の職権乱用と21件の資金洗浄の罪についていずれも有罪を認定し、禁固15年、罰金114億リンギを言い渡した。

ナジブ元首相は先に結審した裁判で禁固12年の有罪判決を受けており、2022年から刑に服している。12年の刑は恩赦委員会により6年に半減されており、2028年8月23日に刑期が終了し、その後、今回の刑が執行される。

高裁判決言い渡しまで7年の審議を要した。ナジブ元首相は「魔女狩りであり、政治的動機に基づくもの」と容疑を否定したが、コリン・シークエラ裁判官は「被告のこうした主張は、被告が1MDBにおける立場を乱用したとの冷厳な事実により否定された」と述べた。ナジブ元首相側は控訴する方針だ。

1MDBはナジブ被告が首相時代に創設された政府系ファンドで、諮問委員会の議長を務めていた。捜査当局によれば、1MDB経由で少なくとも45億米ドルが不正に流用され、ナジブ元首相の口座にも巨額の資金が振り込まれた。ゴールドマン・サックスやハリウッドのセレブも巻き込んだ世界最大級の汚職事件となっている。
(BBC、アルジャジーラ、12月26日、エッジ、12月29日)

アンワル首相が新年演説、首相任期を2期10年に制限の意向

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は5日、新年特別集会で演説を行い、首相任期を2期10年に制限する法案を年内にも議会に提出する考えを明らかにした。与党連合・希望同盟(PH)が2018年の総選挙で掲げていた政治改革に関する公約を復活させたもの。

アンワル氏は「誰にでも任期制限がある。任期中に成果を上げることができれば、次の世代に引き継ぐ方が賢明だからだ。これは首相にも当てはまる」と述べた。

マレーシアは独立以来10人の首相が就任しているが、マハティール・モハマド氏が在任期間最長で、1981年から2003年までの22年間、2018年から2020年まで首相を務めた。

アンワル首相はまた、すべての18歳以上の成人2,200万人を対象とした100リンギの支援金「スンバンガン・アサス・ラフマ―(SARA=基礎的慈悲の寄付)」の支給を2月9日に開始すると発表した。所得層下位40%の世帯(B40)を対象とした「思いやり現金給付(STR)」の第1回支給は1月9日から開始する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、1月5日)

【従業員の勤労意欲を高めるために】第914回:コロナ禍で職場はどう変わったのか?海外拠点3,600人調査で見えた「同僚支援・疲労・コミットメント」(前編)

第914回:コロナ禍で職場はどう変わったのか?海外拠点3,600人調査で見えた「同僚支援・疲労・コミットメント」(前編)

 

前回は駐在員の「知性」についてでした。今回は筆者が元日に発表した最新論文の内容をご紹介します。本研究では、海外拠点で働く従業員の職場意識が、コロナ前とコロナ禍でどのように変化したのかを分析しました。

調査対象は、日本の製造業多国籍企業が中国に展開する6つの生産拠点で働く従業員3,600人超です。待遇満足、上司・同僚からの支援、仕事の裁量、研修、役割の明確さ、組織コミットメント、疲労感といった8つの側面について、コロナ前後を比較しました。

分析の結果、次のことが明らかになりました。

・同僚からの支援は、コロナ禍で有意に高まっていた
→ 困難な状況ほど、現場レベルの助け合いや情報共有が強まったと考えられます。

・疲労感は、意外にも低下していた
→ 単純な業務量ではなく、「心理的な余裕」や「意味づけ」が変化した可能性が示唆されます。

・組織コミットメントは、個人レベルでも部署レベルでも上昇していた
→ 特に、同僚支援が増え、疲労が減った部署ほど、組織への帰属意識が大きく高まっていました。

重要なのは、これらの変化が個人の性格や偶然ではなく、「部署」という単位でまとまって起きていた点です。現場で日常的に顔を合わせ、協力し合う関係性が、危機への適応を左右していました。

この結果は、特定の国に限った話というより、海外拠点や現場型組織に共通する示唆を含んでいます。危機の時代において、従業員の勤労意欲や組織への関与を支えるのは、制度やトップのメッセージだけではありません。日々の同僚関係や、部署内の支援のあり方こそが、組織の底力を形づくっていることが、データから確認されました。

次回に続きます。

 

Kokubun, K., Ino, Y., & Ishimura, K. (2026). Changes in Workplace Attitudes Before and During COVID-19: A Multilevel Analysis of Employees in Japanese Manufacturing Subsidiaries in China. Thunderbird International Business Review. Early View.
https://doi.org/10.1002/tie.70074

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、組織のあり方についての研究に従事している。この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

 

 

【イスラム金融の基礎知識】第583回 中央アジアでのイスラム金融の課題

Q: 中央アジアのイスラム金融の現状と課題は?

A: 昨年12月8日から11日まで4日間の日程で、UAEのアブダビで「アブダビ・ファイナンシャル・ウィーク」(ADFW)が開催された。中東湾岸諸国の金融機関や監督官庁、ビル・ゲイツなど欧米の財界人などが登壇する大規模なフォーラムだが、最終日には「イスラム金融サミット」と題する2時間のパネル・セッションが組まれた。会場の様子は2026年1月現在、YouTubeのADFW公式チャンネルで視聴可能だが、注目は「基準化とシャリアの規制」と題するセッションだ。登壇したのは、ユーラシア開発銀行(EDB)、アスタナ国際金融センター(いずれも本部はカザフスタン)、フィリピン中央銀行の担当者である。まさに「イスラム金融市場への本格参入はこれから」という国のイスラム金融担当者が登壇して、30分ほどの意見交換を行った。

この中でEDBのアザマット・チュレウベイ氏は、中央アジアのイスラム金融の現状について、イスラム金融に関する法律やイスラム法の解釈が各国でまちまちなため、国際開発金融機関としてのEDBの国境を超えた取り組みを困難なものにしていると指摘した。そのため、このような分断は関係各所の参加によって統一していく必要があるとした。

これに対して、フィリピン中央銀行のアリファ・A・アラ副総裁は、「ムスリムがマイノリティの国でイスラム金融を実践したことから得られた教訓」として、①ビジネスを実施可能にする法律、②立法だけでなく行政や規制当局、会計の専門家など利害関係者の協力、および③存在意義を国家の課題に結び付けること、という三つの必要性を挙げた。チュレウベイ氏も、EDBが各国の規制当局と基準機関であるAAOIFI、IFSBなどと協力体制を築くことで、中央アジアのイスラム金融は次の段階に進めるだろうと答えた。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

 

量子科学者らのサミットがJBで開催、日本の先端技術を発信

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域での量子科学の促進を目的とする「ASEANクアンタム・サミット2025」がこのほど、ジョホール州ジョホールバル(JB)で初開催された。経産省や日本貿易振興機構(ジェトロ)などが「ジャパンブース」を設置し、日本の先端技術を発信した。

サミットの主催は、量子科学に関するマレーシアの大学や研究者らによるコンソーシアム「マレーシア・クアンタム・インフォーメーション・イニシアティブ(MyQI)」と、マレーシア工科大学(UTM)。今年が国連の定めた国際量子科学技術年(IYQ)にあたることなどから初開催となった。11日の開会あいさつでは、オン・ハフィズ・ガジ州首相が「量子技術はテクノロジーの仕組みを根本から変えるパラダイムシフトの始まりである」と述べた。

ジャパンブースには、経産省とジェトロのほか、産業技術総合研究所の量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)、量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)が協力した。

また10―12日の期間中、▽G-QuATとマレーシア国民大学(UKM)▽大阪大学量子情報・量子生命研究センター(QIQB)とUTM――の2つの協力覚書も締結された。