マレーシア、半導体後工程の投資魅力度指数で台湾に次ぐ2位

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 世界的な経営コンサルティング会社A.T. カーニーは7日、「半導体後工程(バックエンド)製造の投資魅力度指数」を発表。30カ国・地域中、首位の台湾(総合スコア6.0)に次ぎ、マレーシア(同5.7)が2位に入った。

指数は、▽運用コスト・関連インセンティブ▽資本インセンティブ▽事業環境――の3区分で構成される。それぞれ50%、20%、30%の比重で、28のパラメータを基に投資立地としての魅力度を評価した。3位以下はインド(総合スコア5.5)、中国本土(同5.3)、ポーランド(同5.2)が続き、日本(同4.3)は13位だった。

マレーシアは、運用コスト・関連インセンティブはトップの3.7だったが、事業環境が1.4で、特に資本インセンティブが0.6にとどまった。レポートでは、世界的に供給網の分散化が進む中で、マレーシアはコスト効率の高い市場の一つとなっており、事業環境の安定性が際立っていると評価した。

同社は先月、前工程に関しても主要12カ国・地域を対象とした魅力度指数を発表。首位は台湾(総合スコア6.62)で、韓国(同6.56)、中国本土(同4.89)が続き、マレーシア(同3.97)は5位、日本(同3.40)は8位だった。

デジタルインボイス、自主的修正には罰金を免除

【クアラルンプール】 中小零細企業支援策の一つとして政府は、納税者がデジタルインボイスの内容を2027年12月31日までに自主的に修正する場合、内国歳入庁(IRB)の罰金を免除する「自発的開示プログラム」を導入する。企業、特に中小零細企業が直面する問題を政府は認識しているか、また政府としてどのような措置を講じているかとの議員の質問に、アンワル・イブラヒム首相が7日の下院審議で答弁した。

政府はまた、デジタルインボイスを完全順守する企業に資本控除を認める税務上の奨励措置を前倒し実施する意向だ。機械購入など適格的支出を課税所得から控除する措置で、情報通信機器の購入、デジタルインボイスに利用するソフトウェアの修正などが適格費用として認められる。

このほかアンワル首相は、西アジア紛争の影響を受けた企業に運転資本として提供した融資あっせん・融資保証額は150億リンギに上ったなどと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、マレー・メイル、7月7日)

自動車産業向け新優遇制度、来年導入へ=MITI

【ラワン】 投資貿易産業省(MITI)は、自動車部品の国産化を促す新たなインセンティブ制度を、2027年に導入する方針だ。ジョハリ・アブドル・ガニ大臣が7日、明らかにした。

新たな優遇制度は、「カスタマイズド・インセンティブ・メカニズム」(NCM)といわれるもので、昨年から見直しを進めてきた。現行制度は、2014年の「国家自動車政策(NAP)」に基づき、現地組立(CKD)生産拠点を設けた外国メーカーや、電気自動車(EV)の開発などに適用されているが、政府との「ケース・バイ・ケース(個別交渉)」で進められることが多く、プロセスの不透明さが指摘されていた。

このため、新制度ではプロセスを簡素化・透明化。またエンジニアリング、ソフトウェア開発、エレクトロニクス、バッテリー技術といった高付加価値分野への投資を優先し、地元の中小企業(SME)が単なる部品の輸入や単純組み立てに終わらないよう成長促進を図る。

ジョハリ氏は、マレーシアが東南アジア諸国連合(ASEAN)市場への製造・輸出拠点になる戦略の一環と強調。NCMの導入に向け、現地調達率の算出方法も改良していると補足した。業界関係者との協議も進めており、「来年の導入を目指しているが、詳細な時期は後日決定する」と付け加えた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、エッジ、7月7日)

エアボルネオ、KLとチャンギの2路線でジェット定期便開始

【クチン】 サラワク州営航空会社のエアボルネオは、クチン国際空港と、クアラルンプール新国際空港(KLIA)及びシンガポールのチャンギ空港を結ぶ2路線を開設する。 使用機材はいずれもボーイング「737-800」型機で、同社にとってジェット機による初の定期便運航となる。

KLIAへは20日に就航。1日2便で、往路のMY5003便(クチン発7時10分、KLIA着9時)、復路のMY5002便(KLIA発9時45分、クチン着11時35分)と、往路のMY5005便(クチン発13時、KLIA着14時50分)、復路のMY5004便(KLIA発15時35分、クチン着17時25分)となる。就航初日は午後便のみとなる。

7日から予約を受け付け、片道運賃がエコノミークラスで375リンギ(諸税込み)、ビジネスクラスで736リンギ(同)からとなる。

チャンギへは27日に就航。1日1便で、往路のMY363便(クチン発18時50分、チャンギ着20時25分)、復路のMY364便(チャンギ発21時15分、クチン着22時50分)となる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ダヤクデイリー、7月6日、ビジネス・トゥデー、7月7日)

サイムダービー、KL中心部の一等地で高級複合施設の再開発計画

【クアラルンプール】 不動産開発大手のサイム・ダービー・プロパティ(SDP)は、クアラルンプール(KL)中心部にある物件を1億6,000万リンギで買収し、高級複合施設として開発する計画だ。

取得するのは、アンパン・パークの交差点の北西付近の物件。敷地面積1.46エーカーで、政府系投資会社ペルモダラン・ナショナル(PNB)が所有する。現在は地下1階地上15階建てのオフィスビルが建てられており、PNB系の私立大学「トゥン・アブドゥル・ラザク大学」(UNIRAZAK)が84%を占有し、メインキャンパスとして使われている。

SDPは6日、PNBとの間で取得合意に達した。買収手続きは2026年第4四半期までに完了見込み。取得後は、総開発価値(GDV)9億リンギ規模の高級複合施設として再開発する予定で、2028年に着工し、着工後5年以内の完成を目指す。UNIRAZAKは移転すると推測される。

SDPグループのアズミル・メリカン最高経営責任者(CEO)は「今回の買収は、KL中心部への参入を象徴する重要な節目となる。立地の価値を生かした、他に類を見ない高級開発を実現し、当社の存在感をさらに強化していきたい」としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、エッジ、7月6日)

基礎医療保険を今月末から試験導入、来年全国展開へ

【クアラルンプール】 保健省は、新たな基礎医療保険・タカフル(イスラム式相互扶助保険)制度「メディアサス(MediAsas)」の試験導入を今月末から10月まで実施すると発表した。2027年1月から全国展開する方針。民間医療費に関する合同閣僚委員会(JBMKKS)の下で実施される。

「メディアサス」には医療保険単体である標準型の「メディアサス・テラス(MediAsas Teras)」と、標準型に保障を追加した「MediAsas Fleksi」2商品を用意。対象年齢は85歳までとし、加入資格も従来より幅広く設定することで、長期にわたり手頃な保険料で保障を受けられる制度を目指す。医療費急騰を抑制する効果も期待される。

試験運用プログラムには、▽AIA▽アリアンツ▽グレート・イースタン▽プルデンシャルBSNタカフル▽エティカ・ファミリー・タカフル▽シャリカット・タカフル・マレーシア・ケルアルガ――の保険及びタカフル6社、首都圏クランバレーの選定された病院が参加する。保険料は過去の保険金支払実績と医療費の上昇率に基づいて決定され、加入年齢70歳までの想定保険額は月額60リンギから550リンギ程度の範囲内に収まる見込みだという。

アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は、「より幅広い加入資格基準と独自の製品特性により、長期的に手頃な価格で利用できるよう設計されており、より多くのマレーシア国民が医療保障を受けられるようになる」と説明。「試験導入を通じて制度の運用を検証し、来年の全国展開を円滑に進めるとともに、利用者が一貫したサービスを受けられる仕組みを構築したい」と述べた。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、7月6日)

食品廃棄物、約80%の家庭が分別せず=統計局

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は2日、2025年全国世帯指標調査(NHIS)に基づく家庭の食品廃棄物パターンに関する公式データを発表。家庭一人当たりの年間食品廃棄物排出量は31.9キログラムから97.3キログラムに達していることが分かった。

約80%の家庭が食品廃棄物を分別せず他の家庭ごみと一緒に捨てており、分別しているのはわずか20.7%にとどまった。週に500グラム未満の生鮮食品を廃棄していると答えた世帯は48.2%で、同じく加工食品または調理済み食品を廃棄していると答えた世帯は45.6%だった。

生鮮食品の中では、野菜が最も多く廃棄されており、廃棄された食品の29.1%を占めた。これに果物(22.4%)、魚介類(15.0%)と続いた。加工食品または調理済み食品では、コメが16.7%で最も多く、これに野菜(15.8%)、テイクアウト食品(13.8%)が続いた。

家庭における食品廃棄の主な理由については、「賞味期限切れ」が19.3%で最も高かった。これに「残り物の冷蔵庫や冷凍庫での長期間保存し過ぎ」(18.1%)、「食料品の買いすぎ」(15.2%)、「必要以上に調理する」(15.1%)と続いた。

政府、食料輸入依存度削減へ生産拡大を強化

【コタ・ティンギ】 マレーシア政府は、食料輸入依存度を2050年までに50%削減するという目標に向け、国内の食料生産拡大の取り組みを強化する方針だ。副首相を兼任するアハマド・ザヒド地方地域開発相が4日、明らかにした。

同省はこれまでに、食料安全保障の強化を目的に30年間の長期計画を策定。現在年間約800億リンギに上る食料輸入について、輸入依存度を段階的に引き下げ、2030年までに15%、40年までに30%、50年までに50%の削減を目指している。

具体的には、連邦土地再開発公社(FELCRA)や、ゴム産業小規模農家開発庁(RISDA)、各州の農業機関などとの連携を強化し、政府機関が所有する未利用地や遊休地を農業用地に転用。ブロイラー、採卵鶏、肉牛の飼育など、農業・畜産プロジェクトに活用する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、ザ・サン、7月4日)

ムルデカ118にEV用AC充電器32基、国内最大規模ハブに

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)の超高層ビル「ムルデカ118」に、電気自動車(EV)用の交流(AC)充電器32基が整備された。国内最大規模のAC充電ハブになるという。

充電ハブは、インソン・グリーン・テクノロジーズ(YGT)のEV充電部門チャージEVと、ビルを運営する国営投資会社ペルモダラン・ナショナル(PNB)の100%子会社PNBムルデカ・ベンチャーズ(PNBMV)との提携によるもの。各充電器の出力は22キロワット。

同ビルには、マラヤン・バンキング(メイバンク)がすでに本社機能を移転しているほか、商業施設「118モール」は8月28日の開業が有力視されている。PNBMVのイズワン・イブラヒム最高経営責任者(CEO)は「メルデカ118はアクセスに優れた未来志向の拠点であり、EVの推進においても象徴的な役割を果たす」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、7月3日、発表資料)

リバネス、ボルネオ海洋研究所と連携強化の意向表明書を締結

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 創業支援などを手がける「リバネス」(本社・東京都新宿区)は2日、マレーシア・サバ大学(UMS)のボルネオ海洋研究所と、海洋資源を持続的に活用しながら経済成長を目指す「ブルーエコノミー」の実現に向け連携を強化する意向表明書(LOI)を締結したと発表した。

LOIの締結は、6月4日にサバ州コタキナバルで開催された「サステナブル・アクアカルチャー・サミット2026」に合わせて行われた。サミットは、同社のマレーシア子会社リバネスマレーシアが主催する国際会議でブルーエコノミーをテーマに養殖業と海洋保全のあり方などを議論した。LOIを通じ、マレーシアや日本の研究者、スタートアップ企業による研究・開発や人材育成などに連携して取り組む。

またサミットには、陸上養殖システム開発のARK(本社・神奈川県平塚市)と、海洋環境の再現技術などを手がけるイノカ(本社・東京都文京区)も登壇。マレーシアでの共同研究などを強化していく方針を示した。