第5世代移動体通信網、Uモバイルがイーステルに卸売り

【クアラルンプール】 第5世代移動体通信(5G)ネットワークの敷設業者、Uモバイルは5Gと4G(第4世代)の通信回線の一部を、イーステルのブランドで携帯電話サービスを提供するアンカー・コミュニケーションズに卸売りする5年契約を交わした。Uモバイルが5G回線を卸すのは初めてで、今後も同様の契約をほかの通信会社と交わす意向だ。

アンカーは2026年第1四半期をめどに仮想移動体通信事業者(MVNO)としてサービスを開始する。提供するのはデータ、音声、SMSサービスで、国際直通ダイヤル、ローミング、携帯電話番号ポータビリティーもUモバイルはサポートする。MVNOとは既存の通信事業者から回線の一部を借り受け、自社ブランドでサービスを提供する事業者。

アンカーはギグエコノミー(個人がインターネットなどを介して単発の仕事を請け負う働き方、およびその経済活動全体)やクリエイターに焦点を当てたサービスを提供する。
(エッジ、ビジネス・トゥデー、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、10月13日)

家電販売のセンヘン、東マレーシアで住宅用太陽光発電設備を販売

【クアラルンプール】 家電販売のセンヘン・エレクトリック(KL)は14日、プログレスチャー・パワーと提携し、東マレーシアで住宅向け太陽光発電設備を販売すると発表した。東マレーシアでは2026年から住宅用太陽光発電補助が新たに導入されることになっており、両社はこの機会をとらえて事業拡大を図る。

今回、センヘンが東マレーシアで運営する「センヘン」「センQ」の20店舗で、▽太陽光発電システムのみ▽蓄電池システム(BESS)のみ▽太陽光発電とBESSの組み合わせたパッケージ――の3タイプを販売。無利子分割払いなど、支払いでも柔軟なオプションが設定されている。設置・サポートはプログレスチャーが担う。

連邦政府の2026年度予算案で、サバ州での電力供給安定に向け太陽光発電への補助などが盛り込まれたほか、サラワク州営電力会社のサラワク・エナジー(SEB)も26年から、住宅用太陽光発電設備に対して最大1万2,000リンギを補助する。

センヘンのリム・キムヘン社長は「太陽光発電は都市圏の人だけでなく、すべてのマレーシア人にとってシンプルでアクセスしやすく、有益なものにしていくべきだ」としている。
(ボルネオポスト、TNグローバル、テックネイブ、10月8日)

ノースポートの9月の取扱貨物量、過去最高の133万トン達成

【クアラルンプール】 セランゴール州クラン港ノースポートの9月の月間貨物取扱量(FWT)が過去最高の132万7,883トンを記録した。運営会社ノースポート(マレーシア)が13日、発表した。

9月は、バラ積み貨物、液体バルク、ドライバルク、RORO(貨物を積載したトラックなど車両ごとの運搬)の各部門で取扱量が増加。昨年10月に記録した127万7,409トンを約5万トン上回った。

また年初9カ月の累計貨物取扱量は960万675トンで、前年同期比較で4.2%増加した。2024年は、2001年の会社設立以来最高の年間貨物取扱量(1,269万1,633トン)を達成しており、今年はそれを上回る可能性が高いとみられる。

ノースポートのニック・ムザニ暫定最高経営責任者(CEO)は「2025年の第4四半期に向け、効率的かつ持続可能な港湾運営を通じて、生産性の向上、サービス能力の拡大、国内貿易の成長支援を引き続き優先していく」としている。

ノースポートは、マレーシア最大のコンテナ港湾運営会社MMCポート・ホールディングスの傘下企業。
(ベルナマ通信、10月13日)

リンギは今後も上昇する、会見でアミル第2財務相

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、内需に支えられ通貨リンギは今後も上昇を続けるとみている。アミル・ハムザ第2財務相がブルームバーグ・テレビのハスリンダ・アミン東南アジア主任特派員との会見で明らかにした。

アミル氏は、12カ月後にリンギは対米ドル相場で4リンギに近い3リンギ台後半まで値上がりすると述べた。現在と比べ5%の値上がりで、2018年以来のリンギ高になる。

アミル氏は「経済の基礎的条件はしっかりしており、米連邦準備制度理事会が金融緩和のペースを緩めても、リンギには追い風がある」と述べた。年初8カ月間にリンギは米ドルに対し5.8%値上がりした。

歳入源として政府が検討している希土類の採掘についてアミル氏は「埋蔵場所を確定するため政府は地図を作成中だ。複数の政府と戦略的提携について協議している」と述べた。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、10月13日)

日馬の環境ウィーク、15日からKLCCで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 「日本・マレーシア環境ウィーク」が15日から、クアラルンプール・コンベンションセンター(KLCC)で開催される。

同ウィークは日本の環境省と、マレーシアの天然資源・環境持続可能性省が共催。脱炭素社会の構築に向け、グリーンビジネスの成長に両国が協力していくことを目的とする。「マレーシア国際グリーンテック&エコ製品展示会・会議(IGEM)2025」に合わせて開催される。企業や研究・学術機関、行政など、17日までの3日間で600人を超える参加者が見込まれている。

ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB) や水素・アンモニア技術、 バッテリーを含む使用済み自動車(ELV)、水・廃棄物汚染対策などをテーマにしたセッションのほか、企業展示、ネットワーキングタイムなどが展開される。参加無料。

環境ベンチャーのイノカ、サンゴ研究でトレンガヌ大学と提携

【クアラルンプール】 環境ベンチャーのイノカ(本社・東京都文京区)は10日、マレーシア・トレンガヌ大学(UMT)とサンゴ研究を共同で推進する覚書(MoU)の締結を発表した。

2019年創業のイノカは、海洋環境を陸上の水槽で再現する「環境移送技術」を手掛ける。2022年には閉鎖環境下でサンゴの人工産卵に成功した。

今回、マレーシア子会社のイノカ・アジアを通じ、MoUを締結した。背景として、東南アジアのサンゴ礁は世界のサンゴ礁の約3割を占めるが、その約85%が絶滅の危機に瀕していることが挙げられる。こうした課題を解決するには、実際の環境を再現して対策を考えることが不可欠となる。このため、海洋科学・沿岸生態系の研究の実績を誇るUMTと提携。同社の技術を活用しながら、サンゴ実験を進める。また、マレーシア水産局に対する実験許可申請などでもUMTが支援・協力する。

イノカは昨年10月にも子会社を通じ、マレーシア科学大学(USM)との間で、藻類・海草に関する共同研究強化でMoUを締結。マレーシアで展開してきた活動をさらに発展させ、東南アジアでの海洋保全と研究基盤構築を加速させていきたいとしている。

ジェトロ、投資開発庁及び外国貿易開発公社と協力覚書

【大阪=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)は13日、2025年大阪・関西万博のマレーシアパビリオンで、マレーシア投資開発庁(MIDA)及びマレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)との間で、協力覚書(MOC)を交換した。

ジェトロとMIDAの協力覚書は、2016年11月に締結された既存の覚書を基盤としたもので、今回情報交換や投資誘致活動への協力など両国における投資拡大を引き続き図ること、新たに大阪・関西万博を通じて創出されたビジネス案件を含む二国間の投資プロジェクトの促進・支援における協力の強化、持続可能な経済発展を目指すことが盛り込まれた。

ジェトロとMATRADEの協力覚書は、貿易促進に関する協力の強化と発展を目的としたもので、ハラル(イスラムの戒律に則った)製品・サービスの促進や貿易関連情報の交換強化を図り、新たに電子商取引における市場拡大や知見の共有を盛り込んで様々な分野での協力を進めていく。

高度人材や投資家向けのビザ要件など見直しへ

【クアラルンプール】 政府は高度人材や投資家向けのビザ要件などを見直す方針だ。2026年度予算案でアンワル・イブラヒム首相が明らかにした。

まず、高度人材向けの居住者パス(RPーT)について、従来は雇用パス(EP)を通じ3年間のマレーシアでの就労実績が確認されていたが、今後は確認不要になる。引き続き収入要件などはあるが、RPーTが認められれば、10年間、滞在・就労が可能になる。

また、今年4月に導入された投資家向けビザについては、これまでは希望者からの申請に基づく形だったが、今後はマレーシア投資開発庁(MIDA)がより積極的に関与し、電気・電子(E&E)など主要産業の潜在的投資家にビザ取得を働きかけていくという。このマルチエントリービザは、有効期間は6カ月で、必要に応じて6カ月間の延長が可能とされてきたが、延長手続きの簡素化を進め、最長12カ月の滞在をより容易にする。

さらに、東南アジア諸国連合(ASEAN)内での熟練人材の移動促進に向け、「ASEANビジネス・エンタイティ」(ABE)制度を導入。他国で取得した資格の認証簡素化など、中規模企業を中心に地域展開を支援していく。

また、マレーシア国民の配偶者と死別や離婚した外国人で子供がいる場合、居住者パスを申請すれば、5年間の滞在・就労が可能となる。従来は滞在資格を失い身分が不安定になりがちだったため、人道的な配慮が講じられることになった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月9日、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、10月10日)

サラワク州で500ヘクタールのカカオ農園を開発=農園一次産業省

【クアラルンプール】 農園・一次産業省は、第13次マレーシア計画(13MP、対象期間2026-30年)に基づき、サラワク州をマレーシアの主要生産拠点とするため新たに500ヘクタールのカカオ農園を開発する方針だ。チャン・フーンヒン副大臣が下院議会質疑で明らかにした。

チャン氏によると、サラワク州政府およびマレーシア・カカオ委員会との協力により、サラワク・カカオ開発プログラムが来年開始される見込み。同省は、請負業者の選定、参加者の登録、アウトソーシングによるカカオ栽培の開発など、植栽活動に3年間で1ヘクタールあたり3万5,000リンギを充当する。

同省は13MPに基づき、サラワク州内の600ヘクタールに及ぶ既存の小規模農家800戸に対しても、1ヘクタールあたり年間3,000リンギの予算で農業資材と機材を提供する予定だ。

同省は第12次マレーシア計画(12MP、対象期間2021-25年)にて、マレーシア・カカオ委員会を通じてサラワク州で700万リンギ相当の5つの主要プログラムを既に実施しており、これにはアサジャヤ・セブヤ・シムンジャン地域を対象とする生産効率向上のためのカカオ増収プログラム、高級フレーバーおよびオーガニックカカオ栽培資材開発プログラム、311.4ヘクタールに及ぶ329戸の農家を対象とした近代化プログラムが含まれる。
(ザ・サン、ベルナマ通信、10月9日)

マ・日国際工科院、14日に展示会「MJIIX 2025」を開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア工科大学・マレーシア日本国際工科院(MJIIT)は、「マレーシア―日本産業&革新展示会2025」(MJIIX 2025)を14日に開催すると発表した。

同イベントのテーマは「産学官連携で広がる新たな可能性」で、マレーシアと日本の産業界を中心に、大学や関係機関も参加し、イノベーション、人材育成、そして持続可能な社会の実現に向けた協力を促進することを目的としたもの。デジタル化、脱炭素、グリーンイテクノロジーなど、両国が共に取り組む課題をテーマに、研究成果の展示や企業との交流、学生による研究発表などが行われる。

主な内容は▽研究・技術展示(MJIITの研究室や企業が最新の技術・研究成果を紹介)▽産業界との交流セッション(企業と研究者のネットワーキング、共同研究の可能性を探るための対話)▽学生研究コンペティション(マレーシア日本人商工会議所基金の支援下での学生による創造的・研究アイデア発表)▽ネットワーキングコーナーにおける学生・企業・卒業生の交流――。