補助金付きガソリン価格、最大2カ月は維持可能=首相

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相はホルムズ海峡封鎖の影響に言及し、レギュラーガソリン「RON95」の補助金付き価格を現在の1リットルあたり1.99リンギで最大2カ月間維持できると言明。政府は引き続き情勢を注視していくと述べた。

アンワル首相はイラン紛争の影響を抑制するよう努めると述べた上で、ホルムズ海峡の長期封鎖は前例のない経済危機を引き起こす可能性があると警告。状況を軽視せず、官民を問わず誰もがイラン紛争に警戒する必要があると述べた。

またイラン紛争が経済と地域の地政学に与える影響は依然として制御可能だとした上で、ホルムズ海峡で足止めされている200隻の船舶が貿易と経済に影響を及ぼすだろうと指摘。「船舶の航路が迂回のために長くなるため、輸送コストの上昇にもつながるだろう」と述べた。

その上で「事態の長期化による経済への影響は避けられないため、政府は早急な対策を講じることになるだろう」と言明。商品価格、中小企業の輸入価格、そして食料品価格も上昇すると予想されると述べた。
(ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、3月6日)

ムヒディン元首相に対する汚職裁判が開始、首相経験者で2人目

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ムヒディン・ヤシン元首相(第8代首相、野党連合・国民同盟=PN前議長)の汚職を巡る裁判が9日、クアラルンプール高等裁判所で開始された。首相経験者が汚職で告発されるのはナジブ・ラザク第6代首相(現在収監中)に次いで2人目。ムヒディン氏はすべての罪状について無罪を主張しており、裁判で争っていく構えだ。

ムヒディン氏が告発されているのは、職権乱用4件と「ジャナ・ウィバワ」計画に関連したマネーロンダリング3件の合計7つの罪状。ムヒディン氏が地位を濫用し、当時党首を務めていた統一プリブミ党(PPBM)のために、コロナ禍の経済対策である「ジャナ・ウィバワ」計画に基づく政府プロジェクトに関連する複数の企業から総額2億3,250万リンギの賄賂を受け取った罪に問われている。

訴状によると、ムヒディン氏は2023年、ブカリー・エクイティ、ネプトゥリス、マムフォーの3社、そしてエンプロザーブ・グループのアズマン・ユソフ社長個人から賄賂を受け取ったとして4件の罪に問われている。ムヒディン氏はまた、2021年2月から2022年7月にかけてPPBMの銀行口座にそれぞれ1億2,000万リンギと7,500万リンギ、500万リンギの不正に受け取った金を不正に入金したとして、3件のマネーロンダリングの罪にも問われている。

検察側は冒頭陳述で、支払われた賄賂はムヒディン氏の私腹を肥やすためのものではないことを認めた上で、「被告人がPPBM党首と首相を兼任していなければ、PPBMは献金を得ることはなかった。ムヒディン氏は間接的な利益があった」と主張した。

巡礼帰国困難者は減少、中東便再開受け

【クアラルンプール】 中東情勢の影響で、一時は約2,300人以上のマレーシア人が中東諸国に取り残されていたが、商業航空便の再開などで3月8日時点には641人まで減少した。

マレーシアでは、ハッジ・ウムラ巡礼でサウジアラビアを訪れていた人たちを中心に、帰国が困難な状況になっていた。外務省は3月6日時点で、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)の主要空港を中心に2,367人が取り残されており、国外への避難計画を進めるとしていた。

また、マレーシア航空もハッジ・ウムラ巡礼専用の「アマル」便の運航を8日から再開。エアアジアとバティック・エアも、8日と9日に相次いでジェッダ(サウジアラビア)発の運航を再開した。

こうした状況を受け、外務省は8日午後5時15分時点で、中東に取り残されているマレーシア人は641人に減少したとする一方、5日に発令した渡航勧告は継続するとした。

さらに、エミレーツ航空もドバイ(UAE)―クアラルンプール(KL)間の運航を再開した。一方、マレーシア航空は、ドーハ(カタール)便を13日まで見合わせている。
(ビジネス・トゥデー、ザ・スター、3月7日、ベルナマ通信、3月8日)

独ルフトハンザ航空、KL―フランクフルト線を10月25日に就航

【クアラルンプール】 独ルフトハンザ航空は4日、フランクフルト―クアラルンプール(KL)間の直行便を2026年10月25日に就航すると発表。予約受付を開始したことを明らかにした。火曜日と木曜日を除く週5便運航する。

ルフトハンザグループの拠点市場であるドイツ、オーストリア、スイス、ベルギー、イタリアからマレーシアに直行便を運航する唯一の航空会社となる。ルフトハンザにとっては、東南アジアでバンコク、シンガポール、プーケットに次ぐ4つ目の路線となる。

機材は新型のボーイング787型機を使用し、座席数は3クラスで計287席となっている。新型機は足元スペースが広く、折りたたみ式レッグレストを備えた新型アレグリスキャビンを備えている。

スケジュールは往路のLH704便はフランクフルトを午後9時30分発、翌日午後4時40分にKL着、復路のLH705便はKLを午後11時55分発、翌日の午前6時のフランクフルト着となっている。
(ザ・スター電子版、ベルナマ通信、3月4日、ルフトハンザ発表資料)

クランタン観光局、観光促進でトップビューホリデーと契約

【ベルリン】 クランタン州観光局は5日、ドイツで開催中の観光産業見本市「ITBベルリン2026」で、日本の旅行会社、トップビュー・ホリデー・ジャパン(本社・東京都新宿区)と230万リンギ相当の観光契約を締結したと発表した。

クランタン州を東南アジアを代表する自然観光地として位置付けるための戦略的な取り組みの一環。契約に基づきトップビュー・ホリデーは、4月より東海岸のクランタン州への直行ツアーを企画・運営。インスパイア・トラベル・マレーシアがインバウンド代理店を務める。年間2,300人の日本人観光客がクランタン州を訪れると見込まれている

クランタン州観光局のモハメド・アズワン・アブドル・ラーマン局長は、豊かな生物多様性で知られるものの、海外からの観光客にはまだあまり知られていないダボンとジェリのエコツーリズム推進を優先すると述べた。手つかずの自然景観、希少な動植物、そしてダボンにある象徴的なグヌン・ストン滝を売り込む。商業化されていない本物の体験を求める自然志向の旅行者を誘致する。

クランタン州観光・文化・芸術・遺産委員会のカマルディン・ムハンマド・ノール議長(国政の閣僚に相当)は、中東情勢の不安定化により、世界の旅行パターンが変化していると指摘。欧州、日本、豪州、ニュージーランドの旅行者が中東経由の航空路線を避けようとしていることから、マレーシアを重要な代替目的地として見ていると述べた。
(シナル・デイリー、3月5日)

中東情勢受け輸出業者支援を強化=MATRADE

【クアラルンプール】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)は5日、米国・イスラエルによるイランへの軍事攻撃を受け、輸出業者向け支援を強化する方針を打ち出した。

同公社が行った予備調査に対し、対象企業の63.9%が影響を受けると回答。うち53.7%が中小零細企業(MSME)だった。輸送の遅延や海上運賃・保険料の上昇、売上高の減少、注文のキャンセル、原油価格に連動するプラスチック系材料などの急騰が挙げられた。また39.1%が、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアを中心とする中東地域に輸出しているとした。

こうした状況を受け、MATRADEの中東諸国の海外事務所を活用しながら、市場・物流リスクに関する情報共有や個別相談を積極的に実施。また代替市場開拓のためのオンラインでのビジネスマッチング強化などに取り組む。

MATRADEのアブ・バカール・ユソフ最高経営責任者(CEO)は「中・長期的な視野での貿易ルートの変更や、輸出リスクの軽減を図り、経済の多角化を通してマレーシアの長期的な貿易の安定性を確保していきたい」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、3月5日)

ラフィジ前経済相が汚職疑惑の捜査対象に、英アームとの契約巡り

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ前経済相がマレーシア汚職防止委員会(MACC)の捜査対象に含まれている。アザム・バキMACC委員長は4日、記者会見を開き、ラフィジ・ラムリ氏の補佐だったジェームズ・チャイ容疑者を、政府とソフトバンク・グループ傘下の英アーム・ホールディングスとの11億リンギの契約に絡む権力、詐欺、統治容疑で指名手配したと発表した。

MACCは既に経済省、マレーシア投資開発庁、投資貿易産業省の職員12人に証言を求めており、経済大臣だった者にも証言を求めると語った。アザム・バキ氏は「関係省庁から重要な書類を押収した。閣議でのプレゼンテーションも調査する」と述べた。

マレーシアは半導体チップの後工程では強みを持つが、前工程が弱く、設計能力の強化を狙いに昨年3月、アームと契約を交わし、アームからの支援の見返りに10年間で2億5,000万米ドルを支払うことで合意した。

シンガポールのテレビ局CNAの取材に対しラフィジ氏は「政治的動機に基づく捜査。自分がアザムの停職を公の場で求めたことへの報復だ」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、CNA、ロイター通信、3月4日)

補助金なし「RON95」を2.67リンギに引き上げ、3月5日から

【クアラルンプール】 財務省は4日、3月5日から3月11日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり2.59リンギから8セン引き上げ2.67リンギにすると発表した。

新燃料補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も3.15リンギから10セン引き上げ3.25リンギとする。「BUDI95」適用の「RON95」価格は1.99リンギで据え置く。

一方、ディーゼルの小売価格については、「ユーロ5 B10」および「B20」は1リットルあたり3.04リンギから8セン引き上げ3.12リンギとする。また「ユーロ5 B7」ディーゼルも3.24リンギから3.32リンギに引き上げる。サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギで据え置く。
(ザ・スター、ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、3月4日)

政府、RON95補助金価格1.99リンギで維持の方針

【クアラルンプール】 政府は、米国・イスラエルによるイランへの軍事攻撃で原油価格の上昇が見込まれる中、マレーシア国民向けレギュラーガソリン「RON95」の補助金価格は1リットル当たり1.99リンギで維持する方針だ。

アクマル・ナスルラー経済相は3日、クアラルンプールで開催された、マレーシアの石油・ガス(O&G)産業のトップらが一堂に会するフォーラムに出席。RON95補助金価格に触れ、財務大臣を兼任するアンワル・イブラヒム首相が1日に示した、維持の方針を改めて強調した。アクマル氏は「ブレント原油価格と関連指標を注視していくが、対象を絞った補助金制度のため、維持は可能」との見方を示した。

補助金なし価格については2月26日から、前週から5セン引き上げの2.59リンギになっている。3月5日からの価格は、4日午後8時ごろの発表で注目される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、3月3日)

米・イラン戦争の直接的影響は管理可能=エコノミスト

【クアラルンプール】 米国とイランとの戦争がマレーシアに及ぼす影響について、マラ工科大学のラビアトゥル・ムニラ経営・管理学上級講師は、米国あるいはイランとマレーシアとの2国間貿易への影響より、石油価格、資金の流れ、投資家マインドなど2次的影響の方が大きいとの見解を示した。

ラビアトゥル氏は「国際原油価格が上昇すればペトロナスの収入が増加し、ペトロナスから政府への配当も増えるが、マレーシアは一部の石油製品の純輸入国であり、原油価格の上昇は国内経済に影響する」と述べた。

産業セクター別では、輸送業、航空業、エネルギー消費の多い製造業、農業が特に石油値上がりの影響を受ける。一方で石油上流部門は業績向上が期待できるという。

ラビアトゥル氏は「地政学上の緊張が長期にわたる石油の供給ひっ迫をもたらせば、世界的な経済減速など実体経済へのリスクが高まる」と述べた。マレーシアにとっては外需不振につながるという。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、3月3日)