自動運転「レベル3」、2030年までに実現へ

【クアラルンプール】 マレーシアは2030年までに、一定の条件下での自動運転「レベル3」を目指す方針だ。投資貿易産業省のシム・ツェツィン副大臣が11日、明らかにした。

自動運転については、米国自動車技術者協会(SAE)の定めるレベル0(運転自動化なし)―5(完全運転自動化)までの6段階レベルが、国際的に広く参照される技術基準となっている。今回、シム氏が言及したのは、この「レベル3」にあたり、運転席に人が乗車した状態での自動運転となる。

シム氏は、マレーシアでの自動運転の議論はまだ初期段階としたうえで、今すぐ準備を始めなければ取り残されるリスクがあると警告。同省傘下のマレーシア自動車・ロボット工学・IoT研究所(MARii)で基礎研究を開始すると言明した。また、センサーや半導体、ソフトウェアなど幅広い技術が必要になるため、業界にスキルアップを働きかけると同時に、国としてのインフラ整備を促進していく方針だ。

自動運転については、米国では人の乗車を不要とする「レベル4」に基づくロボタクシーの商用運行が拡大しつつある。また国連欧州経済委員会(UNECE)の自動車国際基準会議(WP.29)で、安全基準整備が進んでおり、近く合意される見通し。
(マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、5月11日)

マレーシア航空、4月の定時運航率90%超を記録

【クアラルンプール】 マレーシア航空は11日、4月の定時運航率(OTP)が90%以上を達成したと発表した。今年に入り85%超を維持しており、特に3月以降、中東情勢により各航空会社が影響を受ける中、2カ月連続で90%を上回ったという。

OTPは定刻から15分以内に出発した割合で、マレーシア民間航空局(CAAM)は各航空会社に対し85%以上を業界目標として求めている。これに対し、同社は2025年通年で84%だったが、今年第1四半期には88%まで改善した。

同社は2024年にOTPが一時70%台に低下したのを受け、搭乗手続きや地上業務を含むネットワーク全体で継続的な改善を進めており、今回はその結果としている。
また旅行需要も好調で、3月は前年同月比30%増、4月も同8%増となった。

マレーシア航空グループの航空事業最高経営責任者のブライアン・フーン氏は、地政学的な不確実性や需要変動が続く中だからこそ、信頼性と柔軟性の確保が重要と強調。新たに「ナウ・ボーディング」キャンペーンを実施し、追加料金なしでフライト変更を無制限に行えるフレックス運賃などを通じ、利用者の利便性向上を図るとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、5月11日、発表資料)

高所得者層対象の燃料補助金削減を近く決定=アンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は、燃料補助金制度の合理化、特に高所得者層を対象とした制度見直しを近く最終決定すると述べた。中東紛争に伴う原油価格高騰を受けて政府の補助金負担が増大しており、政府は補助金合理化には基本的に同意しているという。

高所得者層を対象とした燃料補助金制度の合理化案については、国家経済行動評議会(MTEN)傘下の危機管理タスクフォースが作成した関連文書が1カ月前に提出され、過去3週間にわたって精査されてきた。ただアッパーミドル(中流上層層)への影響を避けるため、所得上位何パーセントに適用するかについてはまだ決定していないという。与党連合内部からは生活費の高騰の影響をより強く受けている低所得者層(B40)や中所得者層(M40)に補助金をより重点的に配分すべきとの声が上がっている。

アクマル・ナスルラー経済相は先ごろ、アンワル首相が国内燃料供給継続に関する計画を近く発表する予定だと公表。国内の経済活動を維持するために十分な国内燃料供給を確保することに重点を置くと述べていた。政府は6月までの供給量は十分確保していると保証している。
(ザ・スター電子版、ボルネオポスト、ベルナマ通信、5月11、12日)

グローバルハブ、マレーシア留学支援プロジェクトを開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 グローバルハブジャパン(本社・東京都渋谷区)は11日、マレーシア高等教育の認知拡大などを目的とした、留学支援プロジェクト「マレーシア・ユニバーシティ・パスウェイ」(MUP)を発表。マレーシアの高等教育省傘下の「エデュケーション・マレーシア・グローバル・サービシズ」(EMGS)と提携し、日本の高校生のマレーシアの大学への進学機会の創出を図る。

同社は2010年創業で、これまでも「マレーシア留学サポートセンター」を運営してきた。新たなMUPでは、マレーシアの大学進学ルートについて高校成績などを目安に整理しながら、大学選択から留学ビザ申請まで一貫した支援体制を提供する。また成績優秀者に対しては、授業料が免除される給付型奨学金の案内なども積極的に行う。現在、「協定校推薦」という枠組みのもと、マレーシアの40大学(国立・私立・欧米大学マレーシア校)と、日本の高校28校が参加しているという。

EMGSは留学ビザの管理を担う機関。日本の民間企業がEMGSと提携するのは初という。EMGSの統計によると、2025年の日本からの留学ビザ申請人数は1,900人超で、国別では第9位で、年々増加傾向にある。

MTUC解散仮処分、新たな組合連合結成の動きが活発化

【ペタリンジャヤ】 団体登録局(ROS)が労働組合の総連合会、マレーシア労働組合会議(MTUC)に登録抹消の仮処分を行ったことを受け、労働法改革連合(LLRC)に所属する複数の労働組合はMTUCに代わる新たな労働組合連合の結成に向けて活動を活発化させている。

全国運輸機器・関連産業労働者組合のN・ゴパル・キシュナム氏は、MTUCの解散は労働運動にとって深刻な影響を及ぼし、労働者は国内外における重要な代表権を失うことになると言明。新たな連合会はマレーシア労働組合連盟(MFTU)と命名され、すでに暫定委員会が設置されていると述べた。ゴパル氏は暫定委員会の下、MFTUの事務局長を務めている。

暫定委員会には、サラワク銀行従業員組合(SBEU)、マレーシア半島船員全国組合(NUSPM)、マレーシア看護師組合(MNU)、サバ医療サービス組合(SMSU)、電子産業従業員組合北部地域(EIEUNR)が参加している。暫定委員会の委員長はSBEUのCEOであるアンドリュー・ロー氏が務め、NUSPMのイクマル・アザム・タナラジ氏が副委員長を務めている。

ゴパル氏は、「MFTUの目標は、マレーシア半島部、サバ州、サラワク州の労働者を代表する、幅広い分野を網羅する連盟を設立し、労働組合法に基づいて登録することだ」と強調。「7月末までに登録に必要な法的要件を満たし、年内に設立総会を開催する予定だ」と述べた。

MTUCは、監査済みの財務諸表および会計帳簿の提出命令に繰り返し従わなかったため、5月7日にROSから暫定的に解散命令を受けた。MTUCは、命令発令日から30日以内に内務相に不服申し立てを行う権利を有する。
(フリー・マレーシア・トゥデー、5月10日)

配車のグラブ、仲間同士での「シェアライド」機能を導入

【プトラジャヤ】 配車サービスのグラブ・マレーシアは8日、グループで1台の配車車両を共有する「シェアライド」機能を発表した。AI(人工知能)を活用し最適ルートを提示し、運賃の割り勘までアプリ上で完結できる仕組みで、個別利用と比べ最大40%の節約が可能としている。

新機能は、同僚同士の通勤や、友人と同じイベントに参加する場合など、少なくとも乗車地点もしくは降車地点のどちらかが同じの複数人によるグループ利用を想定。オンデマンドバスのように、不特定多数の利用者を自動的にマッチングするものではない。

まず幹事となる人が乗車地点と降車地点を設定。共有リンクを通じてグループメンバーを招待し、全員が参加した時点で予約が確定となる。その後、AIが乗降の順番を決め、渋滞状況などに応じて運行中でも柔軟に調整される。

もともとフードデリバリーのグループ注文機能にヒントを得たもので、支払い面の利便性向上が特徴となっている。利用者全員で運賃を均等に分けるか、走行距離に応じて按分するかが選択でき、利用者間での個別精算は不要で、アプリ内で決済が完了する。

新機能に関しては、交通渋滞を緩和し、通勤コストを削減するための幅広い取り組みの一環として、運輸省も導入を支援。8日にはアンソニー・ローク大臣らによる体験イベントも行われた。ローク氏は「こうしたさまざまなサービスと、既存の公共交通システムとの連携を強化することで、自家用車への依存を減らしていきたい」と述べた。

シンガポールなどでは先行導入されており、グラブは今後、インドネシア、ベトナムなどにも拡大していく方針。
(マレー・メイル、スクープ、5月8日、techENT、5月9日)

エアアジアX、エアバスA220ー300型機150機を発注

【クアラルンプール】 格安航空会社エアアジアXは、機材戦略の大幅な見直しに基づきエアバス・カナダとナローボディの「A220ー300」型機(最大160席)を150機発注した。契約額は約190億米ドル(743億リンギ)。エアアジアXは同機のローンチカスタマー(初の顧客)となる。

エアアジアXの共同創業者である、キャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)がカナダ・ケベック州ミラベルにある「A220」型機の製造拠点であるエアバス・カナダの工場で売買契約に署名した。納入は2028年から開始される予定で、2039年までに順次行われる。将来的に座席数180席以上の「A220ー500」型機150機を追加購入するオプションも含まれている。

エアアジアXは燃費効率、運航の柔軟性、収益性の向上を目指しており、稼働率の高いナローボディ機への移行に伴い、現行の「A330」型機を段階的に廃止していく計画。「A220」は「A320ceo」などの旧世代機と比較して燃料消費量が約20%少なく、排出量は約20%、運航コストは10%以上削減される。小型であるため、大型ナローボディ機では商業的に採算が合わないような地方都市や新興市場にも収益性のある路線を開設することが可能になる。

エアアジアXはこのほか、「A220」型機の唯一のエンジンサプライヤーであるRTXコーポレーションのプラット・アンド・ホイットニー部門とエンジン購入および長期メンテナンスサポート契約を締結した。
(エッジ、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ブルームバーグ、5月7日)

最大規模のバイオマス発電所、ワスコが運転開始

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー(RE)のワスコ・グリーナジーは、セランゴール州カジャンの他社製紙工場に設置した国内最大規模のバイオマス蒸気システムの運転を開始した。1つの燃料から電気と蒸気を同時に発生させる熱電併給システムだ

燃料はアブラヤシを絞った残渣物など空果房で、80%以上の稼働率を目指している。従来型燃料および送電線への依存、二酸化炭素排出を減らすことにつながるシステムで、カーボンクレジット生成の機会も生じるという。年間最大50メガワットの電力を生産できる。

リー・イーチョン最高経営責任者(CEO)は声明で「農業廃棄物をエネルギー源に転換することで、わが社は国家エネルギー転換工程表に基づくマレーシアの願望を支える」と述べた。

ワスコは自社でシステムを建設・所有・運営する方式を採用しており、蒸気、電力を顧客企業に販売している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月7日)

労働組合会議に解散の仮処分、重要書類提出怠慢で

【クアラルンプール】 団体登録局(ROS)は労働組合の総連合会、マレーシア労働組合会議(MTUC)に登録抹消の仮処分をとった。重要書類提出命令をMTUCが怠ったためだ。

メディアが入手した団体登録局命令の写しによると、MTUCは2020年から2025年までの監査済み会計報告とバランスシートの写しの提出を怠った。MTUCはまた2020年から2025年にかけ、外国居住者、外国の団体、外国政府またはその代理人から提供された資金、財産の申告を怠ったという。

処分に先立ち団体登録局は4月6日、2020年から2025年の間の会員名簿、代議員会議の議事録、外部との関係の詳細、および役員名簿を30日以内に提出するよう命じていた。

「1966年団体法」は7人以上のメンバーで構成される例外を除くすべての団体に適用されるもので、団体登録局は要請された文書の提出を怠った団体を処分できる。労働組合は通常「1959年労働組合法」の下で登録を受けるため「1966年団体法」の適用を受けないが、MTUCは労働組合法の制約を排するため、あえて団体登録局より登録を受けている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、5月7日)

補助金なし「RON95」4.02リンギに引き上げ、7日から

【クアラルンプール】 財務省は6日、7―13日の1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格は、前週の1リットル当たり3.97リンギから5セン引き上げられ、4.02リンギになった。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格は、前週と同じ4.90リンギに据え置かれた。

半島部のディーゼルの小売価格についても5セン引き上げられ、「ユーロ5 B10」および「B20」は5.17リンギ、「ユーロ5 B7」ディーゼルも5.37リンギになった。

一方、「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ引き続き据え置く。

財務省は、西アジア情勢を背景に原油価格が1バレルあたり100米ドルを超える水準で高止まりしているため、と説明。国民に対し燃料の節約使用を呼びかけている。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、フリー・マレーシア・トゥデー、5月6日)