米国のマレーシアに対する相互関税、交渉を継続中

【クアラルンプール】 米国のマレーシアに対する相互関税について、モハマド・ハサン外相は10日の下院審議で、米国と交わした覚書の具体的内容について、投資貿易産業省が米側と交渉を持っていると明らかにした。

モハマド・ハサン氏は「覚書は締結したが、特定の条件に関する交渉はなかった。条件について合意に至れば、批准手続きに進む」と語った。

米国はマレーシアに対する追加関税(相互関税)を当初の25%から19%へと6ポイント引き下げ、25年8月以降、実施している。モハマド・ハサン氏はまた、インドの外相から「米国との交渉は非常に厳しい」とのアドバイスを受けたことも明らかにした。

米国が60余りの鉱物を重要鉱物に指定し、重大な関心を表明していることについてモハマド・ハサン氏は「米国は最新テクノロジーに重要鉱物が必要であることに気付いた。技術面である国に後れを取っているため、重要鉱物をコントロールし在庫を積み上げるための同盟の構築を望んでおり、わが国に提案してきた」と説明した。
(ザ・サン電子版、エッジ、ザ・スター電子版、2月10日)

2025年腐敗認識指数、マレーシアはランク54位にアップ

【クアラルンプール】 汚職を監視する国際的非政府組織(NGO)、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は、2025年度版の「腐敗認識指数(CPI)」を発表。マレーシアのスコアは前年の50点から52点に改善し、世界ランクは前年の57位から54位へと3ランクアップした。

同指数は182カ国・地域を対象に、世界銀行や米国の国際人権団体フリーダムハウスなどの機関が調査した13の調査をもとに100点満点で指数化、ランク付けしたもの。点数が低いほど腐敗が著しいとみなされる。

TIマレーシアのレイモン・ラム氏はスコア改善の理由について、マレーシアの国家汚職対策戦略に加え、マレーシア汚職摘発委員会(MACC)による政府高官に対する積極的な執行を挙げた上で、政治資金をより明確かつ公正なものにするための政治資金法が必要だと指摘。「拘束力のある情報開示要件、寄付の上限、独立した執行メカニズムが依然として存在しないため、不透明な政治資金と不当な影響力が構造的な腐敗リスクとして残り続ける」と述べた。

トップ3は前年と変わらずデンマーク(89点)、フィンランド(88点)、シンガポール(84点)となり、東南アジア諸国連合(ASEAN)ではブルネイ(63点、世界ランク31位)がシンガポールに次いだ。その他のASEAN諸国は、東チモール(44点、73位)、ベトナム(41点、81位)、インドネシア及びラオス(34点、109位)、タイ(33点、116位)、フィリピン(32点、120位)、カンボジア(20点、163位)、ミャンマー(16点、169位)の順となった。ワースト1は南スーダン及びソマリア(9点)だった。日本は昨年から横ばいの71点で18位タイとなった。
(フリー・マレーシア・トゥデー、2月11日、TI発表資料)

アンワル首相、自民党圧勝を受け高市首相に祝意

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は9日、総選挙で自民党が圧勝したことを受け、高市早苗首相に対する祝意をフェイスブックに投稿。「2国間の包括的戦略的パートナーシップを次のレベルに引き上げるため、引き続き連携していくことを楽しみにしている」とした。

アンワル首相は投稿の中で、昨年10月に就任直後の高市首相が訪馬したことに対し、「両国にとって重要な課題に、真摯なコミットメントと熱意を持って取り組んでくれた」と振り返った。

さらに選挙結果について、「高市首相の日本経済再生ビジョンと、新世代の有権者を鼓舞する力が反映された」と評価。日本のために「働いて、働いて、働いていく」という高市首相のモットーに触れながら、二国間関係のさらなる強化への期待を示した。
(ザ・スター、マレー・メイル、エッジ、2月9日)

プトラジャヤの無軌道路面電車システム計画、高額費用で中止

【クアラルンプール】 プトラジャヤ市政府は、同地で計画されていた全自動高速輸送システム(ART)の建設を中止することを決定した。ロー・スーフイ副首相府相(連邦直轄地担当)が下院議会質疑で明らかにした。ARTは無軌道路面電車で、専用レーンを走行する無人運転のゴムタイヤ式公共交通システム。

事業化調査で同プロジェクトは経済的に採算が取れないことが判明したためで、ロー氏によると、ARTシステムの導入にかかる総費用(インフラ整備、システム設置、運用・保守を含む)は、予備調査により10年間で2億1,195万リンギと見積もられ、プトラジャヤ市の地方自治体としての財政能力を超えていると判断されたという。

運輸省はプトラジャヤ市と共同で2024年5月1日から2024年8月31日まで試験プロジェクトを実施し、その後、プロジェクト提案者プトラジャヤ市に検討のための実施提案を提出していた。試験プロジェクトはイレカ・コーポレーションと中国国有企業、中国中車(CRRC)グループの傘下企業である中車城市交通(CRRCアーバン・トラフィック)の合弁会社であるモビルスが担当したと報じられた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、2月9日)

完成車EVの輸入に充電施設の設置義務化を検討=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 電気自動車(EV)の輸入完成車(CBU)を販売する自動車メーカーに対し、EV充電施設の設置義務付けが検討されている。ジョハリ・アブドル・ガニ投資貿易産業相がこのほど、下院議会で明らかにした。

ジョハリ氏によると、昨年12月31日現在、全国で合計5,624基の公共充電器が設置されている。目標では、交流(AC)充電器8,500基、直流(DC)急速充電器1,500基の合計1万基とされてきたが、全体で56%の達成率となった。内訳では、DCが目標を28%上回る1,923基となったのに対し、ACは3,701基と目標の40%にとどまった。

ジョハリ氏はこの整備状況について、「EVの普及が進んでいないからではなく、戸建て住宅に住む多くのEV所有者は自宅でリーズナブルなAC充電で賄っているためだ」と説明。今後も公共施設としてはDC充電を重視していくと強調した。

さらに、DC充電1基あたりの設置費用は約21万リンギとし、完成車EVの輸入には、「将来的に充電施設の設置が要件となる可能性がある」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、2月5日、ポールタン、カリカーズ、2月6日)

ジョホール州で建設中のデータセンター、住民による初の抗議活動

【ジョホールバル】 ジョホール州ゲラン・パタで建設中のデータセンターに対し、近隣住民50人余りが粉塵被害を訴え建設現場で抗議活動を行った。健康被害の恐れや、上水供給に対する不安を訴えている。データセンター建設への抗議活動は国内で初めて。ブルームバーグが報じた。

中国の中聯雲港数据科技(Zデータ)のデータセンターで、開発用地をZデータに売却した不動産開発のトロピカナが建設を請け負っている。ジョホール州ではデータセンター建設がブームだが、ほとんどは工業団地やプランテーション跡地など住宅地から離れている。しかしゲラン・パタの建設地は住宅地から約1キロと近い。

着工は2025年初頭だったが、同年末、工事管理が貧弱として現地当局が2週間の工事停止命令を出した。近隣住民の不満も高まり、42歳の住民は「毎日車を洗浄しなければならない。きれいな空気は全く吸えなくなった」と語った。ほかの住民も、洗濯物を外に干せないほど粉塵で空気が汚染されていると主張している。

同データセンターの隣接地ではNTTデータによるデータセンターが計画されているが、着工はまだだ。
(エッジ、2月7日)

日本酒のマレーシアへの輸出量は369kl、総額4億4千万円

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本酒造組合中央会(本部・東京都港区)は6日、2025年度(1―12月)の日本酒輸出実績を発表。マレーシアへの輸出量は369キロリットル(kl)で81カ国中16位となった。比較的高価な日本酒が輸出されている傾向にある。

輸出量では対前年比2.0%増だった。輸出額では4億4328万円で13位となり、前年比12.4%増となった。1リットルあたりでは1,202円で、前年の1,091円から10.1%アップで上昇率では4位となった。

1リットルあたりの平均輸出単価は2015年は771円だったが、昨年は1,368円に上昇した。単価の上昇率トップ(14.0%)のタイと比較すると、タイは輸出量ではマレーシアの約1.7倍の625klで9位に入った一方、輸出額は11位の5億円で、1リットルあたりに換算すると765円にとどまった。同会では、マレーシア、タイ、ベトナムなどの東南アジア諸国は、今後も経済成長や人口増加が見込まれることから、国ごとに異なる法規制や商習慣の調査を踏まえて効果的な施策を展開し、日本酒市場の開拓と定着を図りたいとしている。

81カ国への輸出総量は約3.35万kl、総額が459億円で、それぞれ8%、6%の微増。輸出量では、米国(7,720kl)、中国(6,660kl)、韓国(5,483kl)がトップ3となった。金額では、中国(133億円)、米国(110億円)、香港(48億円)で、1リットルあたりでみると、マカオ(3.058円)、香港(2,376円)、シンガポール(2,190)円となった。

補助金なし「RON95」を2.54リンギで据え置き、2月5日から

【クアラルンプール】 財務省は4日、2月5日から2月11日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格は1リットル当たり2.54リンギで、前週の価格を据え置いた。

新燃料補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も据え置き、3.10リンギとした。「BUDI95」適用価格も1.99リンギで据え置く。

一方、ディーゼルの小売価格については、「ユーロ5 B10」および「B20」は1リットルあたり2.92リンギから4セン引き上げ、2.96リンギとする。また「ユーロ5 B7」ディーゼルも3.16リンギに引き上げる。サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギで据え置く。
(ポールタン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月4日)

電子廃棄物輸入を4日付けで全面禁止、廃プラについても検討

【ペタリンジャヤ】 マレーシア汚職摘発委員会(MACC)は4日、税関当局による「全面禁止」命令を受け、同日付けで電子廃棄物(E-waste)の輸入を禁止すると発表した。「プラスチック廃棄物およびE-waste輸入に関する執行管理指針に関する特別タスクフォース」の第2回会合での決定を受けたもの。

MACCのアザム・バキ委員長は、「環境省(DOE)は関税令に基づき電子廃棄物を全面禁止カテゴリーに指定するよう、マレーシア関税局に申請書を提出するよう指示された」と説明した。

電子廃棄物の輸入禁止は、プラスチック廃棄物とE-wasteが国内に及ぼす実際の影響を評価するための6カ月間の輸入停止をMACCが提案したことを受けて決まった。電子廃棄物はこれまで「条件付き禁止」カテゴリーに分類されており、環境局長は一定の条件下で電子廃棄物の輸入を免除する裁量権を有していた。

同会合では、電子廃棄物問題に関する連携と執行強化に向けた特別委員会の設置も決まった。特別委員会の議長はマレーシア国境管理・保護庁(AKPS)のニック・エザニー・ファイサル長官が務める。

プラスチック廃棄物については、4日の会合でアンワル・イブラヒム首相及び政府首席秘書官の指示に基づき輸入を3カ月間停止することについて議論された。決定に先駆け、投資貿易産業省(MITI)、国家固形廃棄物管理局、固形廃棄物・公共清掃管理公社(SWCorp)は、首相に提出するための詳細なデータを提出するよう指示を受けた。
(ザ・サン、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、2月5日)

メニコン、クリムのコンタクトレンズ新工場で生産開始

【クリム】 メニコン(本社・名古屋市中区)は5日、ケダ州のクリム・ハイテクパークで新工場の開所式を行った。マレーシア工場は、グループ最大となる敷地面積20万平方メートル、延床面積4万5,000平方メートル。1日使い捨てのコンタクトレンズ専用工場として2022年8月に着工した。

生産、物流、倉庫、品質管理機能などがデジタル接続で自動化されたスマートファクトリーで、すでに商業生産を開始している。第1期の生産能力は最大で年間5億枚。現地の人を中心に150人が雇用されているという。

1日使い捨てのコンタクトレンズの需要は年々高まっており、今後、需要動向に応じて第4期まで拡張可能な設計で、将来的には年間20億枚規模の生産体制を視野に入れている。総投資額は10億リンギを見込む。

さらに、既存の各務原工場(岐阜県)とシンガポール工場の生産ラインを増強。マレーシア工場と合わせて、まず2024年度の生産枚数の約4億枚に対し、1.5倍の生産拡大を目標とする。欧州・北米をはじめとする海外市場および日本国内への安定供給を図る。
(ベルナマ通信、2月5日、メニコン発表資料)