世界イスラム経済白書、マレーシアが12年連続トップ

【クアラルンプール】 米国のコンサルティング会社「ディナスタンダード」の「世界イスラム経済白書」の最新版(2025/2026年)で、マレーシアは12年連続の首位を維持した。

同白書は、7つの産業セクターを対象に、グローバル・イスラム経済指標(GIEI)を算出・評価する。マレーシアは、ハラル(イスラムの戒律に則った)食品、イスラム金融、ハラル医薬品・化粧品でトップ、メディア・レクリエーション分野で2位、旅行とファッション分野では4位となり、総合で1位になった。

2位以下は、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、インドネシア、バーレーンの順となった。

また白書ではセクターごとに、2024年を基準とした今後5年間の世界市場の成長見通しも示した。ハラル食品は2024年の1兆5,300億米ドルから、2029年には2兆600億米ドルに達すると予測。マレーシアにおける海外からの投資事例として、オタフクソースの1,230万米ドルの調味料工場や、ベーカリーチェーン「パリバゲット」を展開する韓国SPCグループによる2,900万米ドルの工場などが紹介された。

そのほかの分野の成長予測は下記の通り。
イスラム金融:資産5兆9,900億米ドル→9兆7,200億米ドル
ファッション:3,470億米ドル→4,440億米ドル
旅行:2,490億米ドル→4,240億米ドル
ハラル医薬品:1,120億米ドル→1,460億米ドル
ハラル化粧品:920億米ドル→1,240億米ドル
メディア・レクリエーション:2,760億米ドル→3,640億米ドル
(ザ・スター、6月5日、ビジネス・トゥデー、6月3日、発表資料)

米通商代表部の関税案、投資貿易産業省が説明

【クアラルンプール】 米通商代表部(USTR)が2日、強制労働により生産された可能性のあるモノの輸入を巡り、マレーシアを含む60カ国・地域に対し10-12.5%の関税を提案したことについて、投資貿易産業省(MITI)は4日声明を発表。「マレーシアで強制労働が行われているとの意味ではなく、強制労働により第3国で生産されたモノ、原料をより分ける輸入禁止法をマレーシアがまだ制定していないとの意味だ」と説明した。

マレーシアが12.5%ではなく、低い方の10%の税率を提案されたことは、米との相互貿易協定でマレーシアが強制労働品の輸入を禁止すると約束したことが評価された結果だという。

MITIによれば、10%の税率は最終決定ではなく、USTRの調査完了およびマレーシアと米側との交渉を経て最終的に決まる。施行は、通商法122条に基づく全世界一律の10%関税が7月24日に期限を迎えた後になるという。
(ビジネス・トゥデー、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、エッジ、6月4日)

ネグリセンビラン州議会が解散、ジョホール州に続き

【セレンバン=アジアインフォネット】 連立政権内における対立が深まっていたネグリ・センビラン州のアミヌディン・ハルン首相(希望同盟=PH所属)は、州議会を5日付けで解散すると発表した。これによって同州では60日以内に選挙が行われることになる。

州議会の解散は1日付けのジョホール州に続くもので、同日選挙になるか選挙委員会(EC)の判断が注目される。また任期満了が年末に迫っているマラッカ州も、これらに追随して前倒し解散する可能性がある。

2023年のネグリ・センビラン州議会(定数36)選挙では、国政で与党連合を率いるPHが17議席を獲得してトップ政党連合となり、統一マレー国民組織(UMNO)が中核をなす第2連合の国民戦線(BN、14議席)と連立政権を樹立したが、同州UMNO支部内でPHに対する不満が高まっていた。

対立激化の直接の引き金となったのは、正統性を理由に州君主選定の権限を有する4大首長が現トゥアンク・ムフリズ殿下に対して「解任宣言」を行ったこと。州首相の任命権者である州君主の正統性が失われれば州首相の正統性も失われることになるため、UMNO所属の州議会議員14人全員がアミヌディン氏への支持撤回を表明した。

これにPH州支部側も態度を硬化。解散・選挙に向けてUMNOと全面対決する姿勢をみせた。総選挙を控えて友好関係を維持したいPH及びBN(特にUMNO)の中央組織が仲裁に入り、双方の州支部はいったんは矛を収めたものの、選挙によって決着をつけるべきとの気運が高まっていた。

なお同州君主の正統性の問題はいまだ法的決着には至っておらず、現在もトゥアンク・ムフリズ殿下が王位についている。

プロドゥア、大学向けカーシェアサービス事業を開始

【クアラルンプール】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は、大学を拠点としたカーシェアリングサービス「ユーカー」(UCar-e)を開始する。

新サービス開始にあたり、▽マレーシア北部大学(UUM)▽マレーシア・プトラ大学(UPM)▽マレーシア工科大学(UTM)傘下のマレーシア日本国際工科院(MJIIT)――の3機関と提携した。プロドゥアの車計50台が今月から段階的にキャンパス内の専用スペースに配備される。

各大学の学生と職員が対象で、キャンパス内の寮と講義室の移動などを想定している。アプリを通じて予約から返却まで可能となる。燃料管理やメンテナンスなども学生に任せる予定で、歩合制の報酬が支払われるという。

背景には、車両維持コストの上昇や、駐車スペース不足、交通渋滞などから、大学生らZ世代の自動車所有志向の変化が挙げられる。ザイナル・アビディン社長兼最高経営責任者(CEO)は、「所有からサービスベースの価値提供に重点を置いた『モビリティ・アズ・ア・ライフスタイル』戦略の一環」と強調した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、カーシフ、6月2日、発表資料)

第6次大規模太陽光発電入札が今年中に開始=副首相

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー移行・水利転換相は、「第6次大規模太陽光発電(LSS6)」計画の入札が今年中に開始される見込みだと述べた。「LSS6」で目指す発電容量は2,000メガワット(MW)規模で過去最大規模となる。

再生可能エネルギーの拡大と並行して電力網の安定化を図るため、LSS6以降の太陽光発電プロジェクトすべてに蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)の設置が義務付けられる。

ファディラ氏は、マレーシアは段階的な導入計画の下、約2,000MWのBESS容量を目指しているが、この数値は将来の需要に応じて調整される可能性があると述べた。既に複数のプロジェクトが開始されており、最初の100MWプロジェクトは稼働を開始しているほか、次の段階では400MWのプロジェクトが現在開発中だという。

ファディラ氏は、電力の需給予測は6カ月ごとに見直され、発電計画が国のニーズに合致していることを確認していると述べた。需要が予想以上に増加した場合は、年間発電容量目標が調整される可能性があるという。
(ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、ザ・サン、エッジ、6月3日)

補助金なし「RON95」3.72リンギに引き下げ、4日から

【クアラルンプール】 財務省は3日、4―10日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり3.92リンギから3.72リンギへ20セン引き下げた。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も前週の4.65リンギから、4.35リンギに30セン引き下げた。半島部のディーゼルの小売価格についても、「ユーロ5 B10」および「B20」を4.87リンギから4.67リンギに20セン引き下げ、「ユーロ5 B7」ディーゼルも4.87リンギに引き下げた。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ引き続き据え置く。

今回、2週連続で全面的に値下げとなったものの、同省は「中東紛争が継続すれば、世界的な在庫減少と供給逼迫により、原油および石油製品価格に新たな上昇圧力がかかる可能性がある」と警戒感を示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、ザ・スター、エッジ、6月3日)

所得税査定に対する不服申し立て、オンラインで可能に

【プトラジャヤ】 所得税額に関する不服申し立てにオンライン方式が加わった。内国歳入庁(IRB)の1日の発表によると、1967年所得税法に基づき査定税額に対する不服や不服申し立ての期間延長を求める際、納税者はIRBポータルサイトMyTaxを通じ電子的に行うことができる。

これまでの、手作業による文書を使っての手続きからの転換であり、納税者はIRB窓口に足を運ぶ必要がなく、いつ、どこからでも不服申し立てが可能になる。ただし、キャピタルゲイン税、源泉徴収税、捜査活動に基づく査定に対する不服には、オンライン方式は使えない。

不服申し立て、または期間延長申請がどのような状態にあるかを納税者は知ることができ、申し立てが認められたか、却下されたかもオンラインで通知される。

企業、協同組合、信託、有限責任事業組合(LLP)など組織の場合は、取締役や組織管理者を通じ申し立てを行う。
(サ・サン電子版、エッジ、マレー・メイル、6月1日)

SNS利用に年齢確認を義務化、児童らのオンラインリスク軽減

【クアラルンプール】 ソーシャルメディア(SNS)事業者に対し、公的書類による利用者の年齢確認が6月1日から義務づけられた。1月に施行された「オンライン安全法2025」(ONSA)に基づくもので、16歳未満の子どものSNS利用が禁止される。

6月1日に施行されたのは、児童保護規約(CPC)とリスク軽減規約(RMC)。ONSA施行を受け、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)が2月以降、業界関係者や市民社会団体などとの協議を経て策定した。16歳未満の登録禁止に加え、ポルノコンテンツ、金融詐欺などの有害コンテンツによるリスク軽減も目的としている。対象は、フェイスブックやインスタグラム、X、ティックトック、ユーチューブなどで、年齢確認などの義務を怠ったサービスプロバイダーは、最大1,000万リンギの罰金を含む制裁措置を受ける可能性がある。

今後、SNSのアカウント登録時にMyKad、パスポート、MyデジタルIDなどを通じた年齢確認が求められるほか、既存ユーザーに対しても6カ月かけて段階的な確認実施が予定されている。また16歳未満と特定された既存ユーザーは、アカウント停止などの措置が講じられる前に、写真や動画などのデータを保存するため1カ月の猶予期間が与えられるという。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、エッジ、6月1日)

ジョホール州議会が解散、60日以内に選挙へ

【ジョホールバル】 ジョホール州のオン・ハフィズ・ガジ州首相は1日、同州議会を解散したことを明らかにした。同州のトゥンク・イスマイル摂政の同意を得て実施したもので、これにより60日以内に州議会選挙が行われることになる。選挙委員会(EC)が近く選挙日程を決定する。

本来の任期満了は2027年4月21日だったが、約10カ月前倒しで選挙が行われることとなる。ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)などのインフラ計画の進展もあって国民戦線(BN)率いるオン・ハフィズ州首相は高い支持を得ており、前倒し実施で現職効果を最大化する狙いがあるとみられる。

2022年の前回州議会選挙では、統一マレー国民組織(UMNO)が中核となっている政党連合、国民戦線(BN)が56議席中40議席を獲得し、州議会で憲法改正が可能な3分の2の絶体多数を確保した。アンワル・イブラヒム首相率いる与党連合・希望同盟(PH)は12議席、野党連合・国民同盟(PN)とマレーシア統一民主同盟(MUDA)はそれぞれ3議席と1議席を獲得した。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、6月1日)

ソフトバンク、マレーシアなどで国際ローミングサービス拡充

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ソフトバンクは28日、マレーシアなどを対象とする国際ローミングサービスの拡充を発表した。

マレーシアでは今回、通信大手マキシスの5G(第5世代移動体通信)ネットワークが追加され、ユーザーは5Gにつながりやすくなる。パケット定額サービス「海外あんしん定額」(L、980円/24時間/3GB)などが利用できるという。

マレーシア以外では、インドネシアとトルコでVoLTE(4G音声通話)対応の国際ローミングなどが利用可能になった。