2032年までに9GWのガス火力発電容量を追加=経済相

【スバンジャヤ】 マレーシア政府は2032年までに約9ギガワット(GW)のガス火力発電容量を追加する方針だ。アクマル・ナスルラー経済相が8日、2044年までの石炭火力発電の段階的廃止に向けた取り組みの一環として明らかにした。

同氏は、人口増加や気温上昇に加え、データセンターなどのエネルギー多消費型産業の電力消費拡大を背景に、電力需要は今後も増加すると予測。2044年までの石炭火力発電の完全廃止を改めて強調した上で、電力の安定供給を確保するには、ガス火力発電の追加容量が必要と説明した。

またアクマル氏は「今後5年から10年の間、エネルギー需要の管理は供給の管理と同様に重要になる」とし、発電容量を増やすだけでなく、二酸化炭素排出量の削減や、省エネルギー・エネルギー効率化を進める必要性を指摘した。

さらに、送電網やより広範なインフラへの継続的な投資も必要と付け加え、エネルギー移行・水利転換省やエネルギー委員会との連携を強化する方針を示した。
(ビジネス・トゥデー、ザ・スター、ベルナマ通信、9月8日)

マレーシアのイチゴ栽培で、日本のwelzoとCULTAが提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 農業・食品関連の専門商社「welzo」(本社・福岡市博多区)は8日、農業ベンチャー企業CULTA(本社・東京都小金井市)と業務提携に関する基本合意書を締結したと発表。マレーシアでのイチゴ栽培などで協力し、現地の生産環境に適した品種・栽培技術の確立と展開を目指す。

welzoは、肥料・農業資材の販売や農業技術開発などを手がけている。またCULTAは、ゲノム情報やAI(人工知能)などの先端技術を活用し、交配育種の高速化に取り組んでおり、独自品種のプレミアムイチゴブランド「サクラドロップス」をキャメロンハイランドで生産している。

今回、両社の技術や知見を組み合わせ、まずキャメロンハイランドでのイチゴ栽培を通じ、現地環境に適した栽培手法・生産資材などの実証を進める。将来的には他地域への拡大も視野に入れる。一方で、welzoの日本国内の農業ネットワークを活用し、CULTAの独自品種の生産者を開拓。海外における現地生産モデルの構築と、日本国内での生産者開拓を並行して進めることで、気候変動下でも持続的な生産を可能にする新たな農業の仕組みづくりを目指す。

welzoは昨年6月、シンガポール子会社を設立したほか、今年5月には、マレーシアなど東南アジアで生鮮食品の産地直売EC(電子商取引)を展開するセカイマルシェ(本社・東京都千代田区)に出資するなど、東南アジア事業を強化している。

LBSビナの「KITA@サイバーサウス」に「マイディン」出店

【デンキル】 不動産開発のLBSビナ・グループがセランゴール州デンキルで進める旗艦プロジェクト「KITA@サイバーサウス」の商業エリアのアンカーテナントとして、スーパーマーケット「マイディン」が出店することが決まった。

プロジェクトは約256ヘクタールで、約1万6,000戸、計6万7,000人が暮らす大型タウンシップを開発するもの。総開発価値は約70億リンギと見込まれている。

同社は5日、マイディンを運営するマイディン・モハメド・ホールディングスと賃貸借契約を締結。敷地面積約0.55ヘクタール、延床面積2万4,000平方フィート規模のスーパーで、商業施設「KITAアベニュー・スクエア」と一体的に整備される。

LBSビナによると、同タウンシップではこれまでに約40%が完成し、約3万人が暮らしている。また購入者の約63%が40歳以下という。約5%が現在開発中で、残りの55%は計画段階という。リム・ホックサン会長は、今後の人口増加に合わせ商業施設やサービスをさらに拡充する方針を示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、ザ・スター、エッジ、9月7日)

MAHA2026の覚書総額103億リンギ超、売上高も目標超え

【プトラジャヤ】 マレーシア最大の農業展示会「MAHA2026」は6日に閉幕し、会場での直接販売の売上高が7,300万リンギを超え、目標の5,800万リンギを上回るなど、農業・農産食品産業に大きな経済効果をもたらしたと農業食糧安全省は評価している。

同省によると、10日間の期間中で97件の覚書(MoU)が締結され、総額は103億5,000万リンギに達し、目標の80億リンギを大幅に上回った。来場者数も目標の400万人を上回る500万人超となった。このうち、40%に当たる200万人超が若者で、同省は「若い世代の間で農業などへの関心が高まっていることを示している」とした。

またアンワル・イブラヒム首相は閉会式に出席し、MAHAで生まれた投資や貿易の機会を実際の成果につなげるため、今後のフォローアップが重要との考えを示した。
(ベルナマ通信、9月7日)

35年までのブミ経済転換プラン見直しへ、年内にも着手=通産相

【クアラルンプール】 アクマル・ナスルラー経済相は、アンワル・イブラヒム首相が2024年に打ち出した2035年までの10年計画「ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)経済転換プラン(PuTERA35)」の詳細な見直しを2026年末から27年初めにかけて実施する方針を明らかにした。

7日にクアラルンプールで開かれた「ブミプトラの富創出と企業支配」をテーマとする対話集会に出席したアクマル氏は、「現在までの全体的な進捗状況を見直す必要がある」と述べ、年末から来年初めまでに現状を示す報告書を取りまとめたいとの考えを示した。

PuTERA35の現在までの進捗状況をまとめた報告書に基づいて行う。設定された目標のうち所定の期間内に達成可能なものを見極めるとともに、政策の実施を改善するために必要な軌道修正を特定する。ブミプトラ系の零細・中小企業(MSME)が国内総生産(GDP)に占める割合目標を現在の15%から2035年までに約2倍に引き上げることも含めて検討する。

一方、PuTERA35の評価についてアクマル氏は、単純に統計や数値だけを見るべきではないと強調。政策がどの程度効果的に実施されているか、また、実際にどのような成果が得られているかを併せて評価する必要があるとの認識を示した。

PuTERA35では、2035年を目標年度に高技能職に占めるブミプトラの割合を2022年の61%から70%へ引き上げ、個人・団体による企業株式保有率を同18.4%から30%への引き上げを目指すこと、GDPに占めるブミプトラ系企業の貢献度を8.1%から15%へ引き上げることなどが盛り込まれている。

また2020年に18.7%だった政府系企業(GLC)や政府系投資会社(GLIC)におけるブミプトラ持株比率を2035年までに20%に引き上げること、2021年に73%だったブミプトラの持ち家比率を2035年までに75%に引き上げることも盛り込まれている。
(ベルナマ通信、ザ・スター電子版、エッジ、9月7日)

「ギグワーカー裁判所」が初審理、請負労働紛争解決制度が始動

【クアラルンプール】 人的資源省は2日、「ギグワーカー裁判所」が初めての案件を審理したと発表した。2025年制定の「ギグワーカー法」に基づく紛争解決制度が、実際の事件処理を行う段階に入ったことになる。

初審理の対象となったのは、配車サービスの某ギグワーカーと、配車プラットフォーム「グラブカー(GrabCar)」を運営するグラブカーとの間の紛争で、人的資源省によると、争点にはグラブカーのプラットフォームの利用・運用に関する問題が含まれ、「Saver Trips」や「Advance Booking」機能、キャッシュバック・インセンティブなどを巡って争われた。

審理はサラワク州クチンの労働局事務所で行われ、スザリカ・サハク氏が判事を担当した。ギグワーカー側は本人が出廷、グラブカー側は同社社員が代理出廷した。「裁判所」は今後、追加の証人尋問などを行う。

人的資源省によると、今後審理が予定されている案件には、プラットフォーム上のアカウント停止・無効化、収入の喪失、アカウントの再有効化、その他のプラットフォーム運営を巡る争いが含まれる。またプラットフォームを介さずに仕事を請け負うギグワーカーからの申し立ても受理しており、既に提供したサービスに対する報酬の支払いを巡る請求なども寄せられているという。

「ギグワーカー裁判所」は、ギグワーカーとプラットフォーム事業者などとの間で生じる紛争について、迅速かつ公正な解決を図るための専用窓口として設置された。
(フリー・マレーシア・トゥデー、9月2日)

マレーシア航空が路線強化、福岡線は12月から毎日運航へ

【クアラルンプール】 マレーシア航空は12月1日から、今月2日に再開した福岡線について、現在の週5便をデイリー便に拡大する。また韓国第2の都市、釜山への運航も再開する。

釜山線は12月2日からで、ナローボディの「ボーイング737ー8」型機を使用し、週4便を予定。1996―1998年の運航以来の再開となる。再開を記念した特別運賃も提供される。

親会社のマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は4日、機材近代化の一環として、ボーイング737ー8型機とエアバスA330neo型機を含む26機をこれまでに受領したと発表。A330neo型機を豪州ブリスベンに投入し、10月25日から週6便から毎日運航に拡充するほか、インドネシア・スラバヤ線も11月1日から週14便から16便に増便する。

また同じMAGのファイアフライは、同社初の中国路線として、昆明への直行便を就航する。就航開始日は調整中で、ボーイング737ー800型機を使用する。

こうした路線拡大に伴い、MAGは機内食施設を新設。クアラルンプール新国際空港(KLIA)近郊で7月に着工し、2028年第4四半期に完成、2029年第2四半期の操業開始を予定している。操業開始後は1日あたり約5万食の機内食を生産できる見込みで、現在の処理能力のほぼ2倍に相当する。
(マレーシアン・リザーブ、ザ・スター、エッジ、9月4日)

 

インドネシア火山噴火、KLIA発着便にも大きな影響

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 インドネシアの火山噴火の影響で、同国首都ジャカルタ近郊のスカルノ・ハッタ国際空港などが6日以降、断続的に閉鎖され、マレーシアでもクアラルンプール新国際空港(KLIA)を中心に空の便に大きな混乱が生じている。

原因となったのは、ジャワ島とスマトラ島の間のスンダ海峡にある火山島、アナク・クラカタウ山。4日に噴火し、火山灰の噴煙が一時、高度5万フィート(約1万5,000メートル)に達した。火山灰はジャワ島とスマトラ島などに拡散し、スカルノ・ハッタ国際空港を含め最大で8つの空港が閉鎖された。

マレーシア民間航空局(CAAM)などによると、KLIAからジャカルタに向かうマレーシア航空、バティック・エア、エアアジア便などのほか、ペナンやクチンなど国内のほかの空港からインドネシアに向かう便も運休した。

さらに、ジャカルタを目指していたオマーンやサウジアラビア発の便が代替空港として6、7日にKLIAに到着するなど影響が拡大した。インドネシア運輸省は7日時点で、欠航や目的地変更などにより計約2,300便、乗客27万人超に影響が及んだと発表した。各航空会社は随時最新の運航状況を確認するよう乗客に呼びかけている。

インドネシアではこのほか、東ジャワ州のスメル山、東ヌサトゥンガラ州のイレ・レウォトロク山、北マルク州のイブ山でも6日にかけて噴火が確認されている。日本の外務省も、インドネシアや近隣国に向かう際は運航状況や気象状況などに注意するよう呼びかけている。

サラワク州西南部で一時非常事態宣言、煙害による大気悪化で

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア政府は4日、サラワク州西南部のセリアン地区で煙害(ヘイズ)による大気汚染が深刻化し、公衆衛生と安全に危険を及ぼす水準に達したとして、同地区全域に非常事態を宣言した。ただ大気汚染はその後改善に向かい、非常事態宣言は7日午前解除された。

サラワク州は隣接するインドネシア側で発生した森林火災の影響を受けて煙害が拡大。4日にはセリアンの大気汚染指数(API)が「危険」レベルの「500」を超える「519」に達し、これを受けて同州政府が連邦政府非常事態宣言を要請していた。

セリアン地区ではその後、大気汚染がやや改善に向かい、7日午前には「非常に不健康」レベルの「222」となった。これにより「非常に不健康」レベルは同州サマラジュと合わせて2カ所のみとなり、「危険」レベルはゼロとなった。

同時刻においては、▽クアラルンプール(KL)▽ペタリンジャヤ▽セレンバン▽マラッカ▽シャアラム――など40カ所で「不健康」レベルを計測した。

連邦政府・首相府(PMO)は7日の非常事態宣言解除声明にあたって、「特にセリアンとサマラハンなど、いくつかの地域ではAPI値が依然として非常に危険なレベルにある」と言明。連邦政府とサラワク州政府が引き続き状況を綿密に監視していくとし、「影響を受けている地域の住民は屋外活動を控え、当局が発令する指示を厳守するよう強く勧告する」と述べた。

非常事態宣言が一時発出されたことを受け、サラワク州教育局は4日、9月7日から11日までの5日間、州内647校を休校すると発表している。

税率3%でのGST再導入を要望=製造業者連盟

【クアラルンプール】 マレーシア製造業者連盟(FMM)は、税率3%による物品・サービス税(GST)の再導入を2027年度予算案に盛り込むよう政府に求めた。廃止前の水準である6%より低い税率とすることで、企業と消費者の負担を抑えながら、製造業の競争力を高める狙いがある。

FMMのジェイコブ・リー・チョーコック会長は、過去の6%のGSTは企業と消費者に大きな負担を与えたと指摘。「3%という合理的な税率であれば、市場に受け入れられやすい」と指摘。GST負担が3%に抑えられれば、製造業がより生産性の高い活動に資金を振り向ける余地が生まれるとの考えを示した。

一方、現在の売上・サービス税(SST)については、製造業のコストと競争力に問題をもたらしていると指摘。SSTではサプライチェーンの各段階で税負担が組み込まれ、回収できない税が製造コストを押し上げるほか、制度の複雑さや解釈の不確実性が負担を増幅させているとした。

FMMが実施した2026年上期の景況調査では、60%の製造業者がサプライチェーンに組み込まれた税負担による生産コストの上昇を挙げたほか、59%が事業用投入品に課された回収不能な税を問題として挙げた。また45%がSSTに伴うコンプライアンスや事務負担の増大を指摘し、42%が課税範囲や免税、制度解釈を巡る不確実性を問題視した。さらに、34%が製品の生産コスト上昇、32%が価格競争力の低下、22%がキャッシュフローへの圧迫を経験したと回答した。

FMMはGST再導入に際して、中小企業(SME)向けの簡素化されたコンプライアンス、生活必需品への配慮、輸出品に対する適切な税負担軽減、迅速な還付制度を求めている。また、政府がSSTの枠内にGSTの一部機能を取り入れることを検討する姿勢を示していることを踏まえ、GSTを再導入しない場合でも、企業が支払った仕入税を控除・相殺できる「仕入税額控除」などの仕組みを導入するよう提案した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、エッジ、9月3日)