日馬の産業協力強化で、日本大使館がセミナー開催

【クアラルンプール】 在マレーシア日本国大使館は3月31日、「新日馬産業協力セミナー」をクアラルンプールで開催。出席した投資貿易産業省のシム・ツェツィン副大臣は、半導体など高付加価値分野への投資拡大を呼びかけた。

シム氏は、2025年の二国間貿易額は1,429億リンギに達しており、製造プロジェクトだけでも2,872件で投資総額は1,079億リンギに上っていることなどを指摘。国家半導体戦略(NSS)や新産業マスタープラン(NIMP2030)などの施策を説明し、現地サプライヤーとの長期的なパートナーシップの構築を促した。

さらに、「マレーシアは17の自由貿易協定を締結しており、日本企業にとって世界市場へのアクセスを可能にする」と補足。イラン情勢などを踏まえ、「マレーシアはサプライチェーンの多様化を目指す日本の投資家にとって、戦略的に有利で信頼できる拠点」と述べた。

テンク・ザフルル・アジズ投資開発庁(MIDA)会長も登壇し、今こそ日本企業が地域サプライチェーンの拠点をどこに置くべきか見極める時だ」とし、両国の協力強化の重要性を強調した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、3月31日)

マレーシア船7隻、ホルムズ海峡を通行料無料で通過=運輸相

【シャアラム】 アンソニー・ローク運輸相は3月31日、ホルムズ海峡で立ち往生しているマレーシア所有の船舶7隻が間もなく通行料無料で安全に通過できるようになったことを確認した。

マレーシアとの緊密な外交関係を考慮し、イラン側が通行を許可すると約束したことを受け、アンワル・イブラヒム首相が国家経済行動評議会(NEAC)に報告した。通行料は無料で、ヴァリオラ・モハマディ・ナスラバディ在マレーシア・イラン大使も明言しているという。

その上でローク氏は、イラン大使館が船舶の安全な通過を保証したものの、海域の混雑のため、船舶は順番に航行する必要があると言明。「多くの船舶が海域で立ち往生している。ホルムズ海峡を通過するには順番待ちをしなければならない」と述べた。

モハマド・ハサン外相は3月28日、マレーシア所有のタンカー7隻がホルムズ海峡通過の許可を待っているとした上で、これらは拘束されているわけではなく、安全な航行時間と正式な許可を待っているだけだと述べた。立ち往生している船舶には、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)、海運大手MISC、サプラ・エナジーなどの所有船舶が含まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ブルームバーグ、エッジ、3月31日)

飲酒運転被害者遺族への賠償義務付けへ、政府が道路交通法改正

【プトラジャヤ】 運輸省は、飲酒運転による死亡事故で有罪判決を受けた運転手に対し、禁錮刑に加え被害者遺族への賠償を義務付けるため、「1987年道路交通法」の改正案を策定している。アンソニー・ローク運輸相が明らかにした。

セランゴール州クランで、飲酒・薬物運転の車との衝突事故により配達員のアミルル・ハフィズ・オマル氏が死亡したことを受けての発言で、ローク氏は「政府は道路利用者の安全を常に確保するため、法律強化と執行の徹底に引き続き取り組んでいく」と言明。飲酒運転や薬物運転をする者には容赦しないと断言した。

2020年10月に改正された現行の道路交通法第44条では、飲酒運転または薬物運転で死亡事故を起こした運転者は、10―15年の禁固刑と5万―10万リンギの罰金刑が科される。再犯者は15―20年の禁固刑と10万―15万リンギの罰金刑が科される。

クランの飲酒事故を受けて飲酒を禁忌とするムスリム社会から怒りの声が噴出しており、イスラム法(シャリア)に基づく「ディヤ」(遺族への賠償金)補償制度の導入を求める声も上がっている。

ズルキフリ・ハサン首相府(宗教問題担当)は、ムフティ(イスラム宗教指導者)、著名人、同省傘下の専門家らが参加し、「ディヤ」の実施に関する協議を開始したと公表。犠牲者の遺族の権利は決して軽視されるべきではなく、「ディヤ」制度導入は遺族への正義と適切な保護を確保するために検討が必要だと述べた。
(ザ・スター電子版、ザ・サン、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、3月30日)

インバウンド協会、観光バス・バン運賃を大幅値上げ

【クアラルンプール】 マレーシア・インバウンド観光協会(MITA)は、ディーゼル価格高騰に対応するため、観光バスとバンの運賃上限値を即日約70―80%引き上げると発表した。バスとバンの運賃は地上コストの25%を占めるため、パッケージ料金全体では少なくとも20%、最大で50%程度値上げされる見通しだ。

2024年6月にそれまで1リットルあたり2.15リンギだった包括的なディーゼル燃料補助金制度が廃止されて以降、観光バス、バン、フェリーが補助金制度の対象外となっているための措置で、観光バスの運賃は、シリーズツアーで最大1,100リンギ、国内日帰りツアーで1,900―2,200リンギとなる。またバンの運賃は、定期ツアーで最大900リンギとなる。例えばクアラルンプールからクランタン州へのバス旅行は2,400リンギ、ペナン州とイポーへのバス旅行は1,900リンギとなる。

ミント・レオン会長は値上げについて、国内でディーゼル価格が高騰し続ける中、業界が安全で信頼性の高い高品質な輸送サービスを提供し続けられるようにするための短期的な「即効性のある」措置だと説明。また観光バスへのディーゼル燃料補助金の見直しを政府に求め、バスには1台当たり月間3,000リットル、バンには同2,500リットルの割り当てを提案した。

中東紛争に関連したエネルギー供給の制約により、紛争前に1リットルあたり3.04リンギだった半島部のディーゼル燃料価格は5.52リンギまで急騰している。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、3月30日)

燃料価格高騰を受け、食品価格が最大50%上昇する可能性

【クアラルンプール】 マレーシア露天商・貿易業者協会連盟は、燃料価格の最近の上昇を受け、食品価格が最大50%上昇する可能性があると発表した。

同連盟のロスリ・スライマン会長は、価格上昇は原材料や生活必需品の市場価格の上昇によるものであり、商品の輸送・配送には主にディーゼル車が使用されているためだと指摘。「燃料価格の上昇以前から、価格は既に20―30%上昇していた。価格が50%上昇する可能性も否定できない」と述べた。

ロスリ氏はまた多くの業者は価格上昇のため生産者や卸売業者からの仕入れ量を減らさざるを得なかったと訴えているとした上で、価格上昇に伴い消費者の購買量が減少したため、市場の需要も減少していると指摘。「コストが高騰し、利益が出ない場合、販売業者はわずかな利益率でも販売価格を上げざるを得ない。最も影響を受けるのは、小規模販売業者、露天商、そして一般市民だ」と述べた。

ナシ・レマ販売業者のモハマド・シャー・ベドー・ラハタさん(30)は、「今のところ材料コストは変わっていないが、燃料価格の高騰に伴う輸送コストの上昇により、価格が上昇する可能性があると懸念している」とし、原材料費が急激に上昇すれば販売価格を上げざるを得ないだろうと語った。

補助金付きの「RON95」レギュラーガソリンの価格は、3月26日から4月1日まで1リットルあたり1.99リンギに据え置かれた一方、マレーシア半島部におけるディーゼル価格は1リットルあたり5.52リンギに値上げされた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月29日)

エアアジア、運航を維持し値上げ最小限に抑制の方針

【クアラルンプール】 格安航空会社エアアジアは、イラン情勢の影響下でも運賃の値上げを最小限にとどめ、運航停止は行わない方針だ。親会社であるキャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)が30日、記者会見で明らかにした。

フェルナンデス氏は、燃料費の高騰で運賃調整は避けられないとしつつ、湾岸諸国の航空会社の運航便数削減により、エアアジアの需要が高まっていると説明。グループのオンライン旅行代理店部門であるエアアジア・ムーブの予約件数でも大きな減少は見られず、東南アジア域内の旅行者は増加傾向にあることから、「代替航空ハブとしての地位を確立するチャンス」と述べた。

こうした状況を踏まえ、運航停止は行わず、「競合他社よりも値上げ幅を抑えることを目指す」と強調。また今年後半までにバーレーンにMRO(保守・整備・オーバーホール)用の格納庫を建設するという目標も維持すると付け加えた。

さらにキャピタルAとして4四半期連続黒字を達成できるとの見通しを表明。早急な経営改善が求められる「PN17」ステータスの正式脱却に向け、4月10日までに監査済み財務諸表を提出するとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、3月30日)

中東紛争の緊急影響緩和策、製造業者連盟が政府に要請

【クアラルンプール】 中東紛争の影響が長引く様相を示す中、マレーシア製造業者連盟(FMM)は、減税や補助金支援、港湾料金凍結などの支援策を実施するよう政府に提案した。

FMMが提示したのは、▽紛争関連の混乱により返送された再輸入輸出品に対する売上税と輸入関税の免除▽危機関連の物流コストに対する二重課税控除▽燃料集約型産業へのディーゼル燃料補助金の適用▽重要原材料の優先配分▽港湾料金値上げの延期▽運賃割増金および船会社慣行の透明性向上――の6つの優先措置。

FMM加盟企業はエネルギーコストと物流コストの上昇に苦慮しており、サプライチェーンの混乱が事業に大きな負担となっている。ホルムズ海峡の閉鎖と紅海航路の混乱により、貨物関連費用、戦争リスク割増料金、海上保険料が200―400%上昇し、喜望峰経由の航路変更により輸送時間が最大14日間延長されているという。

またナフサ、液化石油ガス(LPG)、樹脂、合成ゴム原料、硫黄、包装資材といった重要な石油系原材料の供給逼迫に直面しており、価格も高騰している。こうしたことがマレーシアの製造業全体における納期と運転資金サイクルに影響を与えているという。

FMMは声明の中で「ほとんどの製造業者は2週間から6週間分の在庫で操業している。混乱が続けばプラスチック、化学、電子機器、ゴム製品、食品加工といった各分野の生産継続に影響が出るだろう」と述べた。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、3月27日)

東ティモールのエアロディリ、KL直行便を週2で運航

【セパン】 東ティモールの航空会社エアロ・ディリは28日、首都ディリとクアラルンプール(KL)を結ぶ直行便を就航した。

機材はナローボディのエアバスA319ー100型機で、座席数は122席。週2便(火・土)で、往路はディリ8時発、KL11時15分着、復路はKL12時発、ディリ17時15分着となる。

クアラルンプール新国際空港ターミナル2で行われた就航記念式典には、東ティモールのベンディト・ドス・サントス・フレイタス外務・協力相らが出席。東ティモールが昨年10月にKLで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で11番目の加盟国として承認されたことを踏まえ、フレイタス氏は「今回の就航は、歴史的に重要な意味を持つ」とあいさつした。

2018年創業の同社にとってKL便は海外5都市目の路線となる。シンガポールとインドネシア・バリはデイリー便となっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、ベルナマ通信、3月28日)

レギュラーガソリン購入時の外国発行カード利用、4月から制限

【クアラルンプール】 国内取引物価省(KPDN)は4月1日から、レギュラーガソリン「RON95」の購入時に外国発行のクレジットカード・デビットカードの使用を制限する方針だ。不正購入防止のための措置で、外国発行カードでの購入希望者には、給油所レジでの支払いを義務づけるものとなる。

マレーシアの大手系列の給油所では、ノズルなどが組み込まれた「給油ベイ」にカードなどの決済機能が付属しており、その場で支払いまで完了できるのが一般的だが、今後は給油ベイで外国発行カードを段階的に利用できなくする。外国発行カードを使いたい場合、有人レジで支払いを済ませれば給油は可能。

KPDNのアズマン・アダム事務局長によると、今回の措置は監視強化が狙い。4月1日から外国登録車への補助金付きRON95売買の罰則が強化されることを踏まえ、「外国登録車が外国発行カードで不正購入するケースが多発しており、車両と決済手段の両面から取り締まりを強化する」と説明。現段階ではRON95の購入のみが制限されるとみられる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月28日、ザ・サン、マレー・メイル、3月29日)

補助金付き燃料の購入上限を引き下げ、4月1日付けで

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は26日に国民向けの特別演説を行い、燃料補助金適用のレギュラーガソリン「RON95」の月々の購入量上限を4月1日から一時的に従来の300リットルから200リットルに引き下げると発表した。

世界的な原油高を受けた措置で、補助金付き価格は今後も1リットルあたり1.99リンギで維持していく。また配車サービスやギグワーカーの燃料上限については、それぞれの職務内容や業務の性質などを考慮し、現行の800リットルで維持する。アンワル首相は「近隣諸国を含む多くの国が燃料価格を引き上げている中、マレーシアは補助金付き価格の維持を選択した。しかし現状ではいくつかの調整が必要だ」と国民に理解を求めた。

アンワル首相は、「補助金付きRON95の平均消費量は約100リットルであることが判明した。人口の約90%は月間使用量が200リットル未満であるため影響を受けない」とした上で、あくまで世界の原油価格、供給量、そして世界経済の回復を待つ間の暫定措置であることを強調した。

アンワル首相は、イラン紛争を受けてエネルギー供給の継続性を確保するために補助金付き燃料購入量の引き下げ決定を下したと説明。燃料補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」と対象を絞った補助金政策が継続されるよう、積極的に行動していると述べた。また供給量に関しては十分かつ安定しており、国民のニーズは十分に確保されていると保証した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、3月26日)