エネルギー戦略の見直しが必要、対話会でアンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は6日、トルコとの関係に関する対話会における基調演説で、エネルギー供給の混乱によるリスクの高まりを背景に、マレーシアはより持続可能な、多様化した、費用効果の高いエネルギー戦略への転換が必要と戦略見直しを表明した。

アンワル氏は「ペルシャ湾岸諸国など戦略的に重要な地域で緊張が起これば、紛争の脅威にとどまらない。現在進行中の地政学上の緊張によるエネルギー供給混乱の影響をマレーシアも免れない」とした上で、エネルギー戦略の抜本的転換を加速する必要があると述べた。

さらに、世界的なエネルギー供給の混乱は価格上昇をもたらし、先進国、途上国を問わず、生産システム、供給網、生活費に波及し、経済の安定を損なうと述べた。

マレーシアは石油輸出国であると同時に輸入もしており、この先3-4カ月、多少の価格変動はあっても安定的供給を維持できる。液化天然ガス(LNG)も国内生産、オーストラリアからの長期調達契約などがあり、不足は生じないという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、4月7日)

スーパーGTマレーシア戦が6月開催延期、コスト上昇受け

【クアラルンプール】 6月にマレーシアで開催が予定されていた「スーパーGT」シリーズの第3戦が、イラン情勢などに伴うコスト上昇を受け、延期されることになった。主催のGTアソシエイション(本社・東京都品川区)と、マレーシアの「HAROスポーツ&エンターテイメント」が8日、発表した。

高級スポーツカーレースの「スーパーGT」シリーズは昨年、全8戦のうち1戦を、セランゴール州のセパン・インターナショナル・サーキットで開催。2013年にも開催されており、12年ぶりの復活として話題になった。2日間で約7万6,000人が来場した。

今年は2年連続の開催としてファンから期待が高まっていた。両社は「難しい決断だったが、延期は一時的なものであり、状況が整い次第、マレーシアで開催するという決意を改めて表明する」と強調。HAROのファリザル・ハッサン最高経営責任者(CEO)は「マレーシア開催が戻ってくる時には、これまでの倍以上にエキサイティングなイベントにすることを約束する」とした。

チケットはすでに発売されており、払い戻しを希望する場合は、4月30日までに申請が必要という。
(ポールタン、4月8日、発表資料)

補助金なし「RON95」とディーゼルが値上げ、前週価格に基づき

【クアラルンプール】 財務省は8日、4月9日から4月15日までの1週間の燃料小売価格を発表。米国・イランの停戦合意を受けて原油国際価格が大幅に下落したにも関わらず、レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格と半島部のディーゼル価格が引き上げられた。

値上げについて財務省は、燃料小売価格が現時点での水準ではなく前週の平均価格に基づいて決定されているためだとし、既存の供給は高値で調達されており、それがガソリンの高値につながっていると説明した。

「RON95」の補助金なし価格は前週の3.87リンギから40セン引き上げ4.27リンギとする。新燃料補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も4.95リンギから40セン引き上げ5.35リンギとする。また半島部における「ユーロ5 B10」および「B20」ディーゼル価格は、1リットルあたり6.02リンギから6.72リンギに70セン引き上げる。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ据え置く。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、4月8日)

公務員の在宅勤務追跡システム、15日から40万人が利用

【クアラルンプール】 15日から公務員に対し在宅勤務(WFH)が部分導入されるが、公務員の出退勤をデジタル的に記録するオンライン個人追跡(スポット・ミー)システムが本格運用される。

公共サービス局によるポッドキャスト(音声番組)で、国家デジタル局幹部のエリサ・サティム氏が述べたところによると、現在265機関の4万人がスポット・ミーを利用しているが、運用状況は良好だ。WFH導入で利用者は40万人になる見通しだが、対応は可能だという。

同システムは行政近代化・管理計画部が2020年に開発した。職場・リモート勤務を問わず出勤、退勤時間を入力でき、遂行した任務の確認を求めることもできる。

WFMの対象はクアラルンプール、プトラジャヤ、セランゴール州および各州都に勤務する、通勤距離が8キロメートル以上の連邦政府職員。
(マレー・メイル、4月6日)

ホルムズ海峡、マレーシアの石油供給に不可欠=ペトロナス

【クアラルンプール】 国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は、マレーシアの原油の約48%は国内で生産される一方で約38%はホルムズ海峡経由で輸入されているとして、マレーシアが産油国でありながらも不安定なこの海上輸送路に大きく依存していると説明した。

ペトロナスによると、残りの輸入は他の地域から調達されており、東南アジア、西アフリカ、その他の供給国が約7%、その他の西アジアが7%となっている。マレーシア国内の石油製品供給量の約48%はペトロナスが担い、残りの52%は他の石油会社が供給している。

特にホルムズ海峡を通過する原油への依存が高く、地域情勢の緊張が高まると供給リスクにマレーシアを晒すことになる。その結果、中東における混乱が続けば、ガソリン、ディーゼル、液化石油ガス(LPG)、ジェット燃料といった主要燃料製品の供給が逼迫する可能性があるという。

財務省のデータによると、国内の石油消費量は1日当たり約70万バレルで、国内の原油生産量(約35万バレル)のほぼ2倍となっている。この不足分は約35万バレルの輸入で補われている。
(ザ・スター電子版、4月8日)

米イラン停戦合意、マレーシア外務省が歓迎

【プトラジャヤ】 ドナルド・トランプ米大統領がパキスタンの仲介を通じてイランに対する軍事作戦を2週間停止すると発表したことを受け、マレーシア外務省はこの動きを歓迎するとの声明を発表した。

マレーシア外務省はこの重要な進展は緊張緩和と、西アジア地域に切望されている平和と安定の回復に向けた重要な一歩であると言明。すべての当事者に対し、敵対行為の再発を防ぐために停戦のすべての条項を誠実に尊重し履行するよう強く求めた上で、地域の脆弱な安定を損ない世界の経済とエネルギーの安全保障を危うくするような挑発行為や一方的な措置を避けるよう強く求めた。

イランは6日、米軍撤退や停戦に向けた制裁解除など10項目の和平案を米国側に示しており、停戦期間内に核開発問題や制裁解除の具体的条件で双方が折り合えるかが今後の焦点となる。

アンワル・イブラヒム首相は、イランが提案した10項目和平案を「平和と安定に向けた重要な一歩」と評した上で「この提案は、地域だけでなく世界全体の平和と安定の回復に明るい兆しとなる。交渉プロセスが誠意をもって行われ、地域が直面する問題の恒久的な解決を目指す強い決意をもって進められることを切に願う」とのコメントを発表した。

米国側の停戦宣言に対しイランのアラグチ外相は、最高国家安全保障会議がイランへの攻撃が停止されればテヘランは防衛作戦を停止すると宣言したと述べた。報道によると関係当事者間の交渉は10日、パキスタンのイスラマバードで行われる予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・サン、ベルナマ通信、4月8日)

「マレーシア観光年2026」、27年末まで1年延長=副首相

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、国内観光業を支援するため「ビジット・マレーシア・イヤー2026(VM2026、マレーシア観光年2026)」を2027年末まで1年間延長することを決めた。中東紛争により世界の観光セクターが混乱している現状を考慮した

アハマド・ザヒド副首相は6日に自身が議長を務めたVM2026国家運営委員会の第2回会合で延長が合意されたと公表。今回の延長によりマレーシアはプロモーション戦略の強化、安全で安定した競争力のある観光地としての地位確立、変化する世界の旅行トレンドへの対応において、より積極的なアプローチを取ることができると述べた。

中東からの観光客数は11―27%減少する可能性があり、最大3,800万人の観光客の減少と最大560億米ドルの経済損失につながる可能性があるという。ザヒド氏は紛争によって国際航空路線が混乱し、原油価格の高騰と輸送費の増加により旅行費用が上昇し、旅行者の信頼感が低下していると指摘した。
(ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月6日)

エアアジアX、運賃を30―40%値上げ

【セパン】 エアアジアグループの航空事業を統括するエアアジアXは6日、ジェット燃料価格の高騰に対応するため、運賃を30―40%値上げしたと発表した。

同社によると、運賃の値上げに加え、燃料サーチャージも最大20%引き上げられたという。グループのボー・リンガム最高経営責任者(CEO)は、「値上げは手頃な価格とコスト回収のバランスを考慮して慎重に分散させながら実施している」と説明し、今後も定期的に運賃を見直していくとした。

運航便数も10%削減したが、ハリラヤ(断食月明け大祭)のピークシーズン後の例年パターンに沿ったものだとした。また燃料ヘッジの導入も検討していたが、価格の急騰で実現しなかったと付け加えた。

一方で、「コスト上昇にもかかわらず需要は依然として堅調」と強調。6月のバーレーンへの就航などの計画は予定通り進めるほか、従業員の解雇や無給休暇の付与は現時点では考えていないとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、4月6日)

外務省、マレーシア船1隻のホルムズ海峡通過を確認

【クアラルンプール】 外務省は7日、マレーシア企業が所有する船1隻がホルムズ海峡を通過した、と発表した。中東紛争の開始以降、イランが海峡通行を許可した初のマレーシア関連の船で、ペルシャ湾内に停留中の船は残り6隻とみられる。

ペルシャ湾内で停留中のマレーシアの船について、アンワル・イブラヒム首相が5日、7隻の航行が許可されたと発言。在マレーシアイラン大使館も6日、Xの公式アカウントで「イラン・イスラム共和国は友人を忘れない」として、船が通過したと投稿していた。

今回海峡を通過したのはタンカー「オーシャン・サンダー」とみられる。国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)傘下のペトロナス・トレーディング・コーポレーション(PETCO)がチャーターした船で、重質原油100万バレルを積載し、3月2日にイラク南部バスラを出航していた。4月中旬にジョホール州ペンゲランで荷揚げされる見込みだ。

このほか、バントリス・エナジー(旧サプラ・エナジー)、MISCなどの船が通過待ちの状態とみられる。
(ベルナマ通信、4月6、7日、フリー・マレーシア・トゥデー、4月6日、ロイター通信、4月5日)

メニコンが現地子会社を名称変更、東南アジア事業推進で

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 メニコン(本社・名古屋市中区)は3日、マレーシアとインドネシアの販売子会社の社名を、それぞれ「メニコン・ビジョン」、「PTメニコン・ビジョン・ケア」 に変更したと発表した。東南アジアにおいて統一して「メニコン」ブランドを前面に打ち出すことで、事業拡大を推進する。

メニコンは2024年、シンガポールの製造・販売会社、オキュラスから、マレーシアとインドネシアの子会社を買収。これまでは買収時のまま、マレーシアでは「オキュラス」、インドネシアでは「PTオキュラス・インドネシア」を使ってきた。
さらに、メニコンは今年2月、1日使い捨てのコンタクトレンズ専用工場をケダ州に開設。グループ最大の工場で、東南アジア地域における重要な生産拠点と位置付けている。

今回の社名変更はこうした生産・販売体制が整ったことを受けたもの。今後、1日使い捨てのコンタクトレンズを中心とする海外向けブランド「Miru」シリーズの展開を本格化させる方針で、東南アジア地域でのブランドプレゼンスのさらなる向上を目指す。