マレーシアのデータセンター市場は年率15%成長=GIIリポート

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 グローバルインフォメーション(GII、本社・神奈川県川崎市)は、マレーシアのデータセンター市場規模は、2025年に1,260メガワット(MW)と推定され、2030年には2,530MWに達し、年平均成長率(CAGR)は15.01%と予測されるとするリポートを発表した。

GIIが発表した市場調査レポート「マレーシアのデータセンター:市場シェア分析、産業動向、成長予測(2025年―2030年)」の概要によると、2025年には7億1,000万米ドルのコロケーション(設置サービス)収益が見込まれるとしており、2030年には18億7,320万米ドルに達すると予測され、2025―30年のCAGRは21.41%と見込まれるとしている。

2023年の市場シェアはティア3データセンターが大半を占め、予測期間で最も急成長している。ティア1及び2セグメントは、2021年に0.59MWのIT負荷容量に達し、2022年には2.39MWに成長した。2029年には3.59MWに達する見込みで、CAGRは5.99%と見込まれている。一方、ティア3は2021年に257.85MWのIT負荷容量を記録。2022年には457.66MW、2029年には1,379.11MWに成長すると予想され、CAGR17.07%とより高い成長が予想される。なおティア4は、近い将来停滞が続くと予想されるが、今後数年でビジネス機会が拡大すると考えられる。

デジタル消費者の増加が、マレーシアのデータセンター需要を押し上げると予想される。5Gの拡大とマレーシアの通信事業者の企業間の合併が進み、マレーシアのデータセンター設備が増加している。マレーシアのデータセンター市場は適度に統合されており、上位5社で62.24%を占めている。

PLUSとインソン、合弁でセレンバンR&RにEVハブ整備

【クアラルンプール】 高速道路運営のPLUSマレーシアと、インソン・グリーン・テクノロジー(M)(YGT)は11日、高速道路のサービスエリア(R&R)に、電気自動車(EV)充電施設と飲食施設を併設したハブを整備・運営する合弁契約を締結。最初のハブとして、南北高速道路(NSE)のセレンバン(下り)に2027年の完成を目指す。

契約は、PLUSの子会社のテラPLUSと、YGTの子会社のグリーンEVチャージの間で締結された。PLUSが飲食店と小売り施設、YGTがEV充電器の整備・管理をそれぞれ担当する。信頼性の高い直流(DC)急速充電器に加え、充電中に楽しめる活気ある小売店や飲食店で、EV充電体験を包括的に高めることで、他のEV充電インフラとの差別化を図る。YGTは石油・ガス(O&G)のインソン・ホールディングス完全子会社。

両社は共同声明で、未来を見据えた高速道路への変革に向けた重要な節目としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、6月11日)

世銀、マレーシアの今年のGDP成長率予測を3.9%に下方修正

【クアラルンプール】 世界銀行は「世界経済見通し」報告書を発表し、2025年のマレーシアの国内総生産(GDP)成長率予測について、1月の予測から0.6ポイント下方修正し3.9%とした。

下方修正の理由は貿易障壁の上昇による予測不可能なマクロ経済への影響で、世銀は社会支出プログラムや公共投資といった財政支援が行われているにもかかわらず、これが成長を圧迫する可能性があると指摘している。また、マレーシアにおける緩やかな財政再建が継続するとの見通しも示されている。

同報告書によると、輸出志向型の製造業が大きな国の一つであるマレーシアは、貿易摩擦の再燃、貿易コストの上昇、主要国の成長鈍化といった大きなリスクにさらされている。製造業購買担当者景気指数(PMI)や財貿易指標など、製造業活動の指標は最近悪化している。

マレーシアなど、貿易依存度の高い新興市場・発展途上国(EMDE)の一部では、世界的な貿易政策の不確実性が高まる中、製造業PMIの新規輸出受注指標が11月以降大幅に低下しているという。

マレーシア以外にも、東アジア・太平洋(EAP)諸国の成長率予測が大きく下方修正されており、フィリピンとベトナムの成長率予想はそれぞれ0.8ポイント下方修正され、5.3%、5.8%となった。またタイの成長率予想は1.1ポイント下方修正され1.8%に、ミャンマーは4.5ポイント下方修正されマイナス2.5%としている。
(ザ・スター電子版、セランゴール・ジャーナル、ベルナマ通信、6月11日)

5月の新車販売、プロドゥアが過去最高を記録しトップ

【クアラルンプール】 道路運輸局(JPJ)の統計によると、2025年5月のブランド別自動車販売台数はダイハツ系プロドゥアが3万1,398台でトップとなり、月間過去最高を記録した。プロドゥアの年初5カ月の販売台数は14万3,860台となり、通年目標である35万台の約41%を達成した。

登録台数2位はプロトンの1万2,751台で、年初5カ月は5万9,133台となった。3位はトヨタの1万1,183台(累計4万7,424台)で、4位はホンダの6,065台(累計3万976台)、5位はJAECOO(チェリー自動車傘下ブランド)の1,768台(累計7,566台)、6位は電気自動車(EV)専業のBYDの1,148台(累計4,355台)、7位は三菱の1,111台(累計5,836台)、8位はEVのテスラの1,075台(年初来1,810台)が続いた。

車種別で5月単月トップはプロドゥア「ベザ」(9,163台)で、2位は「アジア」(7,608台)、3位は「マイヴィ」(6,215台)と前月に続いてプロドゥアがトップ3を独占した。4位以下はプロトン「サガ」(5,357台)、プロドゥア「アルザ」(4,357台)、プロドゥア「アティバ」(2,901台)、トヨタ「ヴィオス」(2,688台)、トヨタ「ハイラックス」(2,390台)、ホンダ「シティ」(2,134台)、プロトン「X50」(1,893台)、プロトン「S70」(1,751台)となった。

EVでは最も売れたテスラ「モデルY」(985台)がようやく18位に顔を出し、プロトン「e.MAS7」(862台)は20位内に入れなかった。
(ポールタン、6月11日)

台湾博覧会が23日からKLで開催、200社超が出展へ

【クアラルンプール】 台湾博覧会2025が23日から3日間、クアラルンプール・コンベンションセンター(KLCC)で開催される。台湾政府経済部と台湾対外貿易発展協会(TAITRA)の主催で、8回目となる今年は、人工知能(AI)関連を中心に200社超の台湾企業が出展。両国の関係強化が期待されている。

台湾博覧会は2017年から開催されており、これまでに1,200社の台湾企業が参加。16万人が来場し、4億米ドル(16億9,000万リンギ)のビジネスチャンスが創出されたという。今年のテーマは「より良い生活のための革新的なソリューション」で、AIのほか、ウェルネス、サスティナビリティ、スマートライフ、文化と観光の5分野にゾーンを分けて、最先端技術を採り入れた製品やサービスが紹介される。

マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)などによると、台湾は2024年にマレーシアにとって第4位の貿易相手国だった。貿易額は1,761億リンギ(前年比38.5%増)で、投資は前年比で2倍以上の12億9,000万米ドル(54億6,000万リンギ)に達したという。

10日に行われた博覧会の開会イベントで、TAITRAのケビン・チェン副事務局長は「現在の地政学的およびサプライチェーンの変化の中で、特に半導体、ICT、先進製造業、グリーンエネルギーなどで両国は協力し、より大きな相乗効果を生み出すことができる」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、ベルナマ通信、6月10日)

香川の米粉うどん店「by age 18」、22日にKLに開業

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 香川県の米粉うどん店「by age 18(バイ・エージ・エイティーン)」が22日にクアラルンプール(KL)にオープンする。

同店は、ブランディングデザインを手掛ける「人生は上々だ」(本社・香川県高松市)が2023年に創業。KL店が2号店になる。創業時からプラントベース(植物由来)、グルテンフリー、アルコールフリーにこだわってメニューを開発。食物アレルギーやハラル(イスラムの戒律に則った)、ベジタリアンなどにも受け入れられやすいよう工夫してきた経験を生かせると、KLへの出店を決めた。

KL店では、米粉などの材料はすべて日本から輸入し、香川の本店で研修を受けたスタッフが店内で製麺して提供する。サイドメニューはKL独自のものの展開も予定している。複合ショッピングゾーン「ザ・ファイブ」A棟に位置し、営業時間は平日(月曜休業)は11時半―15時と18時―22時、土日祝は11時半―22時。

マレーシア航空、ビジネスクラス中心に日本発キャンペーン開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア航空は10日、グローバルキャンペーン「タイム・フォー・プレミアム・エスカペード」を発表。予約期間は今月19日まで、旅行期間は2026年5月31日までで、日本発(東京・大阪)のビジネスクラスを中心に国際線往復が特別価格で利用できる。

クアラルンプール(KL)への往復料金は27万4,540円(燃油・諸税込)からで、クアラルンプール新国際空港ターミナル1では、ファストトラックサービスや、マレーシア航空のゴールデンラウンジの利用に加え、メルセデス・ベンツとの提携によるプライベート送迎サービスもあるという。機内では、新しいメニューを取り入れたアジア料理のベストセレクションも提供される。またマレーシア行きの場合、小児運賃は大人の75%、幼児運賃は10%で利用できる。

そのほかのビジネスクラス料金は、バリ島往復が最も安く17万450円(同)、バンコク・プーケット往復17万5,260円、シンガポール往復21万2,400円(同)から。エコノミークラスもお得な運賃が設定されており、KL6万7,320円、バリ島5万6,960円、シンガポール5万4,040円から。

ホンダマレーシア、燃料ポンプ交換のため8.7万台をリコール

【クアラルンプール】 ホンダ・マレーシアは10日、予防措置として燃料ポンプを交換するため、ホンダ車合計8万7,490台をリコールすると発表した。不具合のある燃料ポンプと高圧燃料ポンプを無償で交換する。

燃料ポンプのリコール対象となるのは8万4,073台。燃料ポンプのインペラが燃料に長時間浸漬すると膨張し、車両の始動が不能になったり、走行中にエンジンが停止したりする可能性があるという。モデルと年式は、アコード(2013―17年式)、BR-V(2017―18年式)、シティ(2014―19年式)、シティ(ハイブリッド)(2018―19年式)、シビック(2017―18年式)、CR-V(2018―20年式)、HR-V(2015―18年式)、ジャズ(2015―20年式)、ジャズ(ハイブリッド)(2018年式)、オデッセイ(2017―19年式)――。

一方、シビック(2023―24年式)とCR-V(2024年式)の合計3,417台は、高圧燃料ポンプの不具合があり、長期間の使用や過度の負荷により亀裂が生じ、走行中またはアイドリング中に燃料漏れや燃料臭が発生する可能性がある。

ホンダは、対象となるすべての顧客に製品リコールの詳細を含む通知書を送付する。顧客はまた、「ホンダ・タッチ」アプリを使用して車両がリコール対象かどうかを確認することも可能だという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、6月10日)

中小企業協会、SSTの課税対象企業の基準引き上げを要求

【ペタリンジャヤ】 マレーシア中小企業協会(SAMENTA)は、7月1日から施行される改正売上・サービス税(SST)が中小企業経営を圧迫するとして、課税対象企業の基準を引き上げるか、または零細・小規模企業を免税対象に含めるよう求めている。

SAMENTAのウィリアム・ン会長は、現在の年間売上高50万リンギ以上となっている課税対象基準が中小企業を圧迫しているとした上で、これを200万リンギに引き上げてより基準を狭めることを提案。こうした措置により影響を受けるのは中規模以上の企業のみになると述べた。

その上でン会長は、「多くの小規模企業は依然として高い運営コスト、弱い消費者需要、輸出市場の不確実性に直面しており、特に米国の関税撤廃が7月8日に終了した後、状況がさらに悪化する可能性がある」と指摘。「こうした状況下で、SSTの改正が十分な免税措置や高い基準値の設定なく進められれば、最も対応が遅れがちな企業にさらなるコスト負担をかける危険がある」と述べた。

さらにン会長は、改正SSTが原材料費にとどまらず、賃貸料や企業間サービスなどにも適用範囲が広がることが、最終的に消費者への価格転嫁を促し、生活費の上昇を引き起こす可能性があると警告した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、6月9日)

改正SST制度が7月施行、高級品や6つのサービスに課税拡大

【クアラルンプール】 財務省は9日、売上・サービス税(SST)の適用範囲拡大を7月1日から施行すると発表した。リース、建設、金融、民間医療、教育、美容の6つの分野が新たにサービス税の課税対象となり、6―8%の税率が課される一方、売上税は生活必需品に関して非課税のままとし、低所得層や中小企業向けにさらに免税の規定を設けるなど、国民の負担に配慮した。

売上税に関しては、米、食用油、砂糖、牛乳、医薬品、書籍などの生活必需品、さらにセメントや砂といった建築資材も0%に据え置かれる。一方で、高級品は増税し、輸入果物やサーモン、絹などは5%、競技用自転車や絵画などは10%が課せられる。

サービス税の新たな対象となったリースでは、年間収入が50万リンギ超の事業者に対して、8%の課税となる。ただし、住宅や海外資産、特定のファイナンスリースなどは免除される。

建設サービスについては、年間収入が150万リンギ超の事業者に対して、6%が適用される。ただし、住宅建設や公営住宅関連工事は免税となり、二重課税を回避するため、企業間取引(B2B)も免税となる。

金融サービスでは、手数料を伴うものには8%が適用される。ただし、標準的な銀行取引、イスラム金融、為替差益、対外送金などは引き続き非課税となる。ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)、ラブアンを拠点とするサービス、企業間取引についても減税措置を講じる。

民間医療サービスとしては外国人には6%の課税が課され、マレーシア人は非課税で据え置かれる。

教育分野では、生徒1人当たりの年間授業料が6万リンギを超える私立幼稚園、小中学校に6%の課税が課される。高等教育の場合、留学生が対象になる。マレーシア人学生は完全に免除される。

フェイシャルトリートメントやヘアスタイリングを含む美容サービスは、年間収入が50万リンギを超える事業者には8%が課される。

財務省は6月中に拡大範囲の詳細なガイドラインなどを発表する予定だが、年内は懲罰措置は講じない方針。SSTの拡大は、2025年度予算案演説の際に発表され、当初は5月に施行が予定されていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、6月9日)