高速道の新料金徴収システム、4月にも試験運用開始か

【クアラルンプール】 高速道路料金所の混雑緩和に向け、導入が計画されているマルチレーン・フリーフロー(MLFF)料金徴収システムについて、一部の道路運営会社などが4月にも独自に試験運用に踏み切る可能性がある。

経済紙「エッジ」などによると、MLFFシステム開発の有力候補の1つが、高速道路運営サービスの投資持株会社PLUSエキスプレスウェイズの子会社のテラス・テクノロジ。テラス・テクノロジは現在の料金徴収システムを提供しているため、有利とみられている。MLFFシステムは非接触で、ナンバープレートなどの自動認識により料金を徴収するシステムのため、道路交通局のシステムと連携させ、未払いの通行料がある運転者は、道路税の更新を認めないことなど検討しているという。

そのほか、高速道路運営を手掛けるプロジェク・リンタサン・コタ・ホールディングス(プロリンタス)や、高速道路運営の特別目的会社アマナ・レブラヤ・ラクヤット(ALR)、決済サービスのタッチ・アンド・ゴー(TNG)などもシステム提供が取り沙汰されている。

道路運営会社がそれぞれMLFFシステムを構築する方が費用を抑えられるという意見がある一方で、高速道路運営会社32社が加盟するマレーシア高速道路コンセッション協会を通じて、各運営会社の出資で非営利組織を設立し、単一のシステムでの運営をすべきとの意見もある。

こうした混乱の背景には、2023年に公共事業省が入札ではなく特定の企業を指名してMLFFシステムの発注を行い、問題になったことが挙げられる。もともと25年までのシステム導入が目標とされており、今後の動きが注目される。
(エッジ、2月10日、ポールタン、2月12日)

国内初の食料自動販売機を展開、ペイネットが農業局と連携

【ペタリンジャヤ】 銀行間決済システムを運営するペイメント・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)と政府機関の連邦農業マーケティング局(FAMA)は共同で、国内初の食料自動販売機の展開に乗り出した。青果などの農産物や、しょうゆ、缶詰食品などを1日24時間販売する。

自販機は利用者が増えており、スナックフード、飲料以外に、サプリ、スキンケア商品、生鮮品も販売されるようになっている。今回展開する自販機での支払いはQRコード決済などすべてデジタル決済。在庫補充など機器の管理には、指定のアグロバザーがあたる。アグロバザーはFAMA傘下の電子商取引プラットフォーム。

ペイネットのフィルダウス・ガニ氏は「消費者は便利さを重視しており、自販機は国民の食品入手方法に変化をもたらしている」と述べた。農業者には従来の販路以外の販売手段が提供される。
(ザ・サン、2月10日)

ファイアフライ、スバン空港発着2路線を3月に新たに就航

【クアラルンプール】 マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)傘下の航空会社ファイアフライは、セランゴール州のスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)でのナロージェット機の運航を拡大し、3月24日からサラワク州のクチン国際空港と、シンガポールのチャンギ空港を結ぶ2路線の運航を開始すると発表した。

新たな2路線は、ボーイング「737-800」型機を使用。就航を記念し、クチン間は片道219リンギ、チャンギ間は189リンギのプロモーション運賃を提供する。運賃には10キログラム(kg)までの受託手荷物、7kgまでの機内持ち込み手荷物が含まれ、機内で無料ドリンクも提供される。受託手荷物30kgと無制限の予約変更ができる「フレックス」にアップグレードすることもできる。

スバン空港を利用するファイアフライ便は、すでに就航しているペナンとコタキナバルと合わせ4路線週28便となる。
(ザ・スター、エッジ、2月7日)

5G利用者、1819万人に=通信相

【クアラルンプール】 高速通信規格「5G」サービスの利用者が2024年第4四半期の時点で、1,819万人に達し、人口密集地域の82.4%をカバーした。

ファーミ・ファジル通信相が5日、フェイスブックに投稿した。それによると、人口の5割強が5Gを利用していることになり、「短期間で最高の成果を挙げつつあり、より優れた通信インフラの構築に向けた重要な前進」とし、「イノベーションの機会が確実に広がり、生産性の向上につながる」と強調した。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、2月5日)

韓国コンビニのイーマート24、店内カフェでハラル認証取得へ

【クアラルンプール】 韓国系コンビニエンスストアのイーマート24は、店舗内のイートインスペース「eカフェ」に関し、年内にeカフェ全店舗でイスラム開発局(JAKIM)が発行するハラル(イスラムの戒律に則った)認証の取得を目指す。

イーマート24は韓国の小売り大手、新世界グループが手がけており、2021年に海外1号店としてマレーシアに進出。現在、マレーシア国内で80店舗以上を展開している。セランゴール州バンギとシャアラムの2店舗が、すでにハラル認証を取得済みで、今後毎月5店舗程度ずつ取得していくという。

イーマート24ホールディングスのヴィトン・パン最高経営責任者(CEO)は「ムスリムフレンドリー(イスラム教徒への配慮のある)の料理を提供するのは重要な一歩」とする。同社は昨年、5年以内に300店舗まで拡大する計画を打ち出しており、今回のハラル取得で市場での存在感を高め、より幅広い顧客層にアピールしていくとみられる。
(ラクヤット・ポスト、ザ・スター、2月5日)

生成AIディープシークは脅威でなくチャンス=デジタル相

【クアラルンプール】 ゴビンド・シン・デオ デジタル相は4日、中国の新興企業ディープシークを始めとする新たな生成AI(人工知能)の出現は、マレーシアのデータセンター産業にとって脅威ではなく、むしろ需要増につながる可能性があるとの見方を示した。

ゴビンド大臣はこの日の記者会見で「低コストで生成AIを活用できるようになれば、サービスや利用者が広がり、データ需要は増加する。地域のデータハブとしてのマレーシアの地位を強化する機会になる」と述べた。

一方で、懸念が報じられているディープシークのデータセキュリティとコンプライアンスについて政府として調査中であることに言及。「重要なのは、世界中のAI技術の発展に遅れないよう、国がいかに対処していくかだ」と強調した。
(ベルナマ通信、ザ・スター、マレーシアン・リザーブ、2月4日)

ペナン橋での5G利用、Uモバイルが試験運用に成功

【クアラルンプール】 国内2つ目の5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク構築・運営業者に選ばれたUモバイルは、全長13.5キロのペナン橋における5G試験運用に成功した。ダウンロード速度は毎秒120メガビット超を達成。時速80キロの走行中も通話中断は生じなかった。商業運用の開始後は、動画ストリーミング、没入型ゲーム、ハイビジョン放送を楽しむことができるという。

華為技術(ファーウェイ)の5G向けアンテナセットを利用した。ペナン橋のような長い橋では4G基地局を橋の中ほどに設置するのが常だが、5Gアドバンスト(5Gの強化版)技術を利用することで、橋の両端にアンテナを設置するだけで済んだという。同アンテナ技術では、交通量が少ない時は99%の遮断率で超低消費電力を実現する。ファーウェイが「0ビット、0ワット」と呼ぶ技術だ。

Uモバイルのウーン・ウーイユエン最高技術責任者は、5Gアドバンストの利用で、交通安全サービス、人工知能(AI)を活用した監視、緊急時のドローン配備などが橋上で可能になると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月5日、モバイル・ワールド・ライブ、2月4日)

今年の自動車総需要量、アナリストは前年下回ると予想

【クアラルンプール】 金融アナリストらは2025年の自動車総需要量(TIV)について、81万台超と過去最高の販売台数を記録した前年を下回る73万―80万5,000台程度と予想している。

最も高い前年並みの80万5,000台と予想したのはケナンガ・インベストメント・バンク。現地組立 (CKD) 車に対する物品税免除措置の延長に伴う需要を見越したもので、CKD比率の高いダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)がその恩恵を受ける可能性が最も高いとしている。一方で、所得上位15%(T15)や中所得層40%(M40)では、レギュラーガソリン「RON95」補助金合理化に伴い、新車購入控えや、小型車へのダウングレード、ハイブリッドを含めた電気自動車(EV)への乗り換えが進む可能性を指摘している。

逆に、前年比11%減の73万台と予想しているRHBグループは「2024年の高水準の維持が期待できるような、説得力のある要因が見当たらない」と分析。「非国産車部門で価格競争が続き、受注数が軟化しており、引き続き慎重な見通し」としている。またEV販売は成長するものの、市場はまだ小規模で全販売台数に大きな変化をもたらすほどではないとの見方を示している。

CIMB証券は前年比7%減の76万台と予測している。特に、市場の75%を占める価格が10万リンギ以下の車の需要は堅調だとし、この価格帯の車の8割が国産車、残り2割を日本と中国のブランド車が分け合っていると指摘。政策金利も安定が予測されることから「市場全体でも国産車が優位を維持し、64.5%のシェアを獲得する」と予測している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月31日、エッジ、ベルナマ通信、1月28日)

近日開業のKLGCCモール、タイの屋内遊戯施設など出店

【クアラルンプール】 今年第3四半期に開業予定のショッピングモール「クアラルンプール・ゴルフ&カントリークラブ(KLGCC)モール」には、高級スーパーのジャヤ・グローサーや、タイで人気の屋内遊戯施設「ハーバーランド・キッズプレイランド」のマレーシア1号店などの出店が予定されている。

開発を手がける不動産開発大手のサイム・ダービー・プロパティはこのほど、アンカーテナント5社との間で調印式を行った。ジャヤ・グローサーやハーバーランド以外のアンカーテナントはセカイグループ、ACEハードウェア、アジア・バレエ・アカデミー。

KLGCCモールは、クアラルンプール市西側に位置し、延床面積は60万平方フィートで、80以上のテナントが入居する。小売りや国内外の料理を楽しめる飲食店など、すでに7割近くのテナントが決まっているという。サイム・ダービーにとって、KLイーストモール、エルミナ・レイクサイド・モールに次ぐ3番目のモールとなる。既存のゴルフ場やホテル、中高層の高級住宅とともに一体的な開発を行っている。
(ザ・スター、1月24日、エッジ、1月23日)

大阪万博マレーシア館、進捗率86.7%=副首相

【クアラルンプール】 4月に開幕する大阪・関西万博について、ファディラ・ユソフ副首相は1月28日、マレーシア館の建設の進捗率は現在、86.7%と明らかにした。一方で、130億リンギを目標に掲げる貿易・投資誘致額に向け取り組みを強化する必要性を強調した。

ファディラ副首相はこの日、テンク・ザフルル投資貿易産業相やファーミ・ファジル通信相らとともに大阪・関西万博の国内組織委員会の会議に出席後、進捗状況について予定通り最終段階を迎えており「今後は運営準備を中心に移行する」とソーシャルメディアに投稿した。

また、貿易・投資誘致額について、前回ドバイ万博の83億リンギを上回る、130億リンギを掲げているが、そのためには「投資貿易産業省、マレーシア投資開発庁(MIDA)、マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)が協力して、戦略策定の取り組みを強化する必要がある」と述べた。さらにマレーシア館への来場者として、ビジネス、非ビジネスに関わらず計約150万人の目標達成に向け、館内プログラムなどを充実させていくとしている。

万博は4月13日―10月13日までの6カ月間開催される。
(ベルナマ通信、1月28日)