米関税措置、マレーシアなどは有利に=ムーディーズ

【クアラルンプール】 格付け会社のムーディーズ・レーティングスは、米国の相互関税はアジア太平洋諸国の信用格付けにマイナスだが、マレーシア、インド、フィリピンなど関税率がそれほど高くない国は米市場でのシェアを拡大する可能性があるとの分析を示した。

マレーシア、インド、フィリピンに対する相互関税率は10-30%で、対米輸出で貿易転換効果が見込める。インドなど巨大な国内市場を持つ国に対し企業は参入を図り、これらの国に生産拠点を移すことで経費の抑制を図ると予想されるという。

ムーディーズは、10%の「一律関税」の対象であるニュージーランド、豪州、シンガポールも関税措置の影響を免れないと指摘する。関税措置から直接受ける影響は少なくても、シンガポールの場合、世界貿易の減速にさらされる。豪州、ニュージーランド、インドネシアは中国が最大の貿易相手国で、中国の需要減で同国への一次産品輸出が減少するという。
(ザ・サン電子版、ザ・スター電子版、4月9日)

プロトン、3月の販売台数が前年同期比9.6%増

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、先ごろ発売した電気自動車(EV)「e.MAS7」と輸出の伸びに支えられ、3月の販売台数が1万3,918台となり、前年同月比9.6%、前月比23.9%増となったと明らかにした。

車種別では、Aセグメント「サガ」が6,154台でトップ。「e.MAS7」は797台、Cセグメントセダン「S70」は2,125台、スポーツ車(SUV)の「X50」、「X70」、「X90」はそれぞれ1,858台、835台、302台。Bセグメントセダン「ペルソナ」は1,482台、Bセグメント・小型ハッチバック車「アイリス」が337台だった。

輸出台数は417台で、前年同月比211%増となった。

1ー3月の販売台数は3万5,068台となった。同期の市場総需要量(TIV)は推定18万4,652台で、シェアは推定18.9%。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ジグホイールズ、マレー・メイル、ボルネオポスト、4月11日)

マレーシア人によるカンボジアでのQRコード決済が可能に

【クアラルンプール】 マレーシア中央銀行(BNM)とカンボジア国立銀行(NBC)は8日、QRコードによる相互決済協定の第2期を開始した。これにより、マレーシア国民はカンボジアにおける買い物で、カンボジアの標準QRコードをマレーシアのアプリで読み取る決済が可能になる。

昨年9月に開始された第1期では、カンボジア人旅行者はマレーシアで、カンボジアのアプリを利用し、マレーシアのドゥイットナウQRコードをスキャンする支払いが可能になった。

第2期の開始により、両国で700万余りの商店がQRコード決済の恩恵を受けることになる。開始式はクアラルンプールで開催の東南アジア諸国連合(ASEAN)財務相・中央銀行総裁会議に合わせ行われた。

BNMのアブドル・ラシード総裁は「さらに多くの商店で相互決済が利用できるようにする」とした。

NBCのチア・セレイ総裁は「第2期の開始は、国境を越えた取引を簡単にするだけでなく、観光、金融包摂、域内統合の可能性を解き放つもの」と述べた。

昨年のASEANにおける国境を越えたQRコード決済は520万件で、前年の4倍。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、BNM報道資料、4月8日)

銀行系アナリスト、通年の経済成長予想を下方修正

【クアラルンプール】 米国政府がマレーシアからの輸入品に4月9日から24%の「相互関税」を課すと発表したことを受け、複数の銀行系アナリストがマレーシアの今年の国内総生産(GDP)成長率予想を下方修正している。

CIMBは、米国がマレーシアにとり第3位の貿易相手国であることから、両国間の貿易関係に混乱をもたらす恐れがあると指摘。2024年のマレーシアの対米貿易黒字が724億リンギだったとし、「相互関税」により対米輸出が大幅に減速するとみられることに加えて、輸出収入の減少が家計支出と民間投資を鈍化させ、経済減速にさらに拍車をかけるとの予測から、通年の経済成長予想を1.0ポイント下方修正し4.0%とした。

RHBインベストメント・バンクは、これまで対米貿易黒字が比較的小さいと考えられてきたマレーシアで「相互関税」が現実化したことが経済の下振れリスクを大幅に高めているとし、成長予想を5.0%から4.5%に下方修正。「マレーシアのGDPは0.4%引き下げられ、さらに米国による中国への関税引き上げにより、(中国による緩和政策がないと仮定した場合)さらに0.7%引き下げられる」とし、関税問題・貿易問題がさらに深刻化した場合には経済成長率が4.0%の方に引き下げられるリスクがあると述べた。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月5日)

米関税引き上げ、パーム油業界への影響は最小限

【プトラジャヤ】 マレーシア・パーム油委員会(MPOB)のアハマド・パルヴィーズ委員長は、米国の「相互関税」実施によるパーム油業界への影響は最小限にとどまるとの見方を表明。マレーシアに対する24%の関税率は、それぞれ32%、36%の高税率に直面しているインドネシア、タイに対して若干有利だと指摘した。

パルヴィーズ氏は、米国ではパーム油は主に一般的な調理用ではなく特殊な油として使用されているとし、マレーシアの米国へのパーム油輸出は国内総生産量の1%以下にとどまっていると指摘。「関税引き上げは価格上昇などの間接的な影響があるかもしれないが、米国での需要に大きな影響はないだろう。影響は直接的ではないが、特に最終製品の価格上昇という形で連鎖的な影響があり、最終的には米国の消費者が負担することになるだろう」と述べた。

パルヴィーズ氏は、初期段階では貿易の混乱が生じる可能性があるとした上で、米国ではトランス脂肪酸政策などにより、製菓業など特定の分野でパーム油に依存している業界があると指摘。パーム油の需要が依然として強いと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、4月7日)

OCBCが経済成長率予想を下方修正、米の相互関税受け

【クアラルンプール】 米国トランプ政権による、貿易相手国に対する相互関税の発表を受け、シンガポール系銀行のOCBCマレーシアはマレーシアの国内総生産(GDP)増加率予想を4.3%に下方修正した。関税率はOCBCアナリストの予想以上で、域内経済の先行きに脅威だという。

OCBCは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国のうち、カンボジア、ラオス、ベトナム、ミャンマーが最も深刻な影響を受け、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンも大きな影響を受けると分析している。

OCBCはASEAN全体の経済成長率予想も下方修正した。こうした進展を背景に、域内の中央銀行は経済成長を支えるため、下半期に利下げに踏み切る可能性があるという。

相互関税措置は証券市場や為替相場にも影響を及ぼしており、米ドルは人民元、韓国ウォン、リンギ、シンガポールドル、タイバーツに対し値上がりした。

OCBCは、事態は流動的で、米国と貿易相手国との交渉、関税措置に対する報復措置、米国による関税率の追加引き上げもあり得るとしている。
(ビジネス・トゥデー、4月3日)

米国の関税引き上げ、E&E、ゴム、家具などに影響=UOB

【クアラルンプール】 UOBのエコノミストは、米国の関税引き上げが実施されれば、マレーシアでは電気・電子(E&E)機器、ゴム、家具、光学機器の輸出が最も影響を受けるとの見方を示している。米トランプ政権は2日、マレーシアに対して24%の「相互関税」を課すと発表した。

E&Eの輸出はマレーシアの総輸出の約40%を占める。マレーシアはアジアで米国にとって3番目に大きな電気機械、装置、家電製品の供給国となっている。ゴム製品はマレーシアの対米総輸出の2.9%を占め、家具は3.5%を占めている。また光学・科学機器はマレーシアの対米総輸出の9%を占めている。

UOBは3月27日に発表したメモの中で、マレーシアに対する関税率について10%未満、10―30%、30%超という3つの潜在的なシナリオを提示。電気・電子、ゴム、家具、光学・科学機器は、相互関税に直面するリスクが最も高い4つの分野だと指摘した。3つのシナリオでは関税引き上げにより米国への輸出が減速し、関税が高ければ高いほど二次的影響が悪化すると予測。30%を超える関税が課せられた場合、世界貿易の幅広い減少とともに輸出が縮小すると予想されるとし、国内部門への影響は、世界的な供給減と激しい価格競争によって悪化するとした。一方、10%未満の場合、米国への輸出は減速するが、供給への影響は限定的であり、規模の経済による地域経済からの健全な価格競争により、国内部門への二次的影響は管理可能と予想している。

またUOBは、マレーシアは中立的な貿易姿勢を維持しており、報復措置を実施する可能性は低いと指摘した。
(エッジ、3月27日)

ガソリン補助金制度でMyKadを使用、下半期に正式発表へ

【クアラルンプール】 近く実施する予定のレギュラーガソリン「RON95」の補助金合理化メカニズムについて、アミル・ハムザ第2財務相は、多機能身分証カード「MyKad」によって補助金対象者とそれ以外を判別する方針だと明らかにした。今年下半期に正式発表する予定だという。

アミル氏は「国会で何度も答弁したように、実施メカニズムについてはまだ改良中だ」と述べた上で、「最も重要なのはシステムの堅牢性を保証することだ」と言明。「(合理化では)補助金付きと補助金なしの2段階価格システムを採用する。補助金付き価格の恩恵を受ける人は総人口の85%以上になる」と述べた。

その上でアミル氏は、すでにMyKadが使用されている貧困層向け生活費支援給付制度、「スンバンガン・アサス・ラフマ―(SARA=基礎的慈悲の寄付)」プログラムを例に挙げ、SARA受給者は毎月50リンギまたは100リンギの給付金をMyKadで受け取り、MyKadを使用して指定の小売店やスーパーマーケットで商品を購入することができると指摘した。

現在、SARA受給者は70万人だが、4月1日から540万人に増えることになる見込み。現在、SARA支援のためにMyKadシステムをサポートしている小売店やスーパーマーケットは3,500店以上ある。アミル氏は「3,500店舗で540万人の受給者がMyKadを使用できるのであれば、RON95でも可能だ」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、3月27日)

高速道路の半額、ハリラヤ連休前の28、29日に実施

【クアラルンプール】 政府は26日、今年のハリラヤ(断食月明け大祭)に先だって、28、29日両日の高速道路の通行料金を50%割引にすると発表した。

アレキサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相によると、割引になるのは28日(金)の午前零時1分から、29日(土)の午後11時59分まで。旧正月連休と同様、対象はクラス1の乗用車のみで、シンガポールとの国境を結ぶ有料道路は割引対象外となる。すでに閣議決定され、連邦政府は高速道路運営会社の利益補填のため1,969万リンギを負担するという。

またファーミ・ファジル通信相はハリラヤ初日にマレーシア国民は5ギガの追加データが無料で提供されることも発表。マキシス、Uモバイル、セルコムDigiなどの4,500万アカウントが対象になるといい、詳細については各モバイルネットワーク事業者で確認するよう説明している。
(ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、3月26日)

KLIAマスタープラン見直し、物理的拡張計画は保留=MAHB

【パース】 空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は、クアラルンプール新国際空港(KLIA)マスタープランを見直し、物理的拡張計画を保留する一方で、既存資産の刷新によって当面の取扱能力拡大につなげる考えだ。

2020年に新型コロナが流行したときに発表されたKLIAマスタープランには、ターミナル1(T1)とターミナル2(T2)の段階的なアップグレードが含まれており、年間旅客取扱能力をT1は3,000万人から5,900万人に、T2は4,500万人から6,700万人へ拡大させることや、将来的な第4滑走路建設と新ターミナル(T3)の開発が含まれていた。

MAHBの戦略担当シニアゼネラルマネジャー、メガット・アルディアン氏は「需要予測を修正し、マスタープランを見直している。問題は”拡張を行うかどうか”ではなく”いつ行うか”であり、拡張は必ず行う」とした上で、「KLIAに関しては、今のところ最適化の方針を取っている。旅客が空港内の各ポイントを通過する時間を短縮できれば取扱容量が拡大する」と述べた。

政府系ファンド、カザナ・ナショナル率いるコンソーシアム、ゲートウェイ・デベロプメント・アライアンス(GDA)は先ごろ、MAHB買収を完了。ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)上場を廃止した。長期的な戦略的意思決定を迅速化し、空港インフラ、旅客サービス、航空会社の接続性を向上させるためだとしている。
(エッジ、3月26日)