バティックエアがスバン空港で運航拡大へ、エアアジア撤退受け

【クアラルンプール】 航空会社バティック・エアは、格安航空エアアジアのセランゴール州スバンのスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)撤退に伴い、同空港への乗り入れを拡大する計画だ。

バティック・エアのチャンドラン・ラマ・ムティ最高経営責任者(CEO)は14日に発表した声明で、スバン空港の主要地域ハブ空港化計画に全面的に協力する用意があると言明。今後数カ月で同空港の乗り入れ便数を増やし、さらに路線も拡大する予定だと述べた。

その上で運輸省、マレーシア民間航空局 (CAAM) 、マレーシア航空委員会(MAVCOM)、マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)など航空規制当局に対し、スバン空港での追加飛行枠の割り当てを迅速化することを検討するよう要請した。

エアアジアは、4月7日よりスバン空港の国内線運用を中止し、クアラルンプール新国際空港(KLIA)ターミナル2へ一本化すると発表した。KLIAターミナル2に業務を統合することで増加する交通量をより効果的に管理することが狙い。スバン空港への乗り入れ再開からわずか7カ月での撤退となる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、エッジ、3月14日)

ペナン州、年内に電気自動車充電ベイ600基が稼働

【ジョージタウン】 ペナン州で年内に電気自動車充電ベイ(EVCB)600基が稼働する見込みだ。島部のペナン市議会(MBPP)と、半島部のセベラン・ペライ市議会(MBSP)の各行政区域に300基ずつ稼働する。

ペナン州都市計画委員会のジェイソン・フン委員長が、13日に行われたジョージタウンにおけるEVCBの開設式に出席し、MBPPの取り組みを中心に記者団に説明した。ペナン島内では4月にも52基のEVCBが開設され、政府系電力会社のテナガ・ナショナル(TNB)が電力供給を予定。さらに年内に50基のEVCB設置計画が進められている。フン委員長は「島内は設置スペースが限られるため、既存の駐車場などを活用していきたい」と付け加えた。

また、現在ペナン島内には民間セクターによるEVCBが261基あり、今後も商業施設や住宅の開発業者に、EVCBの設置を働きかけていく。
(ベルナマ通信、ポールタン、3月13日)

エアアジアX、KL―カラチ直行便を週4便で就航

【クアラルンプール】 中・長距離格安航空エアアジアXは13日、5月30日からパキスタンの首都カラチのジンナー国際空港(KHI)へ直行便を就航すると発表した。

新航路は週4便(月、水、金、日)で、年間10万人以上の利用が想定されるという。クアラルンプール国際空港(KLIA)18時25分発―KHI21時30分着のD7108便と、KHI22時45分発―KLIA翌日8時5分着のD7109便になる。

同社によると、マレーシア外務省のデータでは2024年11月時点で、20万人以上のパキスタン人が居住しており、6番目に大きい外国人労働者グループになっているという。マレーシアと同国を結ぶ唯一の直行便で、オーストラリア、中国、東南アジアからの接続オプションにもなる。

ベンヤミン・イスマイル最高経営責任者(CEO)は「カラチは豊かな歴史と活気ある現代経済を持つダイナミックな都市。南アジア市場での存在感をさらに強化できることをうれしく思う」とコメントしている。就航記念プロモーションも実施される。
(ザ・サン、エアアジア発表資料、3月13日)

ティーライブ、タイに進出し10年間で80店舗まで拡大

【クアラルンプール】 タピオカティー・チェーンの「ティーライブ」を運営するルーブ・ホールディングスは、タイに進出し、10年間で80店舗まで拡大する計画だ。

先月発表したインド進出に続くもので、インドでのフランチャイズ権を獲得したディビヤニ・インターナショナル(DIL)の子会社で、タイでケンタッキーフライドチキンを300店舗以上運営するレストラン・デベロプメントとの間でフランチャイズ契約を締結した。

ループのブライアン・ルー創業者兼最高経営責任者(CEO)は「我々の優先事項は、現地のパートナーと緊密に協力して効率的に拡大すること。ティー以上のものを提供することで知られる我々のブランドを、タイの消費者にも浸透させていきたい」と述べた。
(ザ・スター、3月11日、ビジネス・トゥデー、3月10日)

ガスマレーシア、年末までの都市ガス料金を引き上げ

【クアラルンプール】 ガス・マレーシアの完全子会社ガス・マレーシア・ディストリビューションは、2025年末までの1日平均の都市ガスの基本配送料金を1ギガジュール(GJ)あたり0.005リンギ引き上げると発表した。

これによってインセンティブ・ベース規制(IBR)の枠組みに基づく平均料金は1.568リンギとなる。1月1日にさかのぼって適用される。

料金引き上げは都市ガスのみで、ガスボンベやバルク供給の液化石油ガス(LPG)には適用されない。
(ザ・スター、ビジネス・トゥデー、3月12日)

投資持株会社のLSH、4月からKLタワーを運営

【クアラルンプール】 投資持株会社リム・ソンハイ・キャピタル(LSH)は4月1日から、子会社を通じて、KLタワーの運営管理・保守業務に当たり、クアラルンプール(KL)のランドマークのさらなる活性化を目指す。

業務に当たるのは、完全子会社のLSHベストビルダーズが株式の7割を保有するLSHサービスマスター。昨年、首相府傘下の官民連携部門(UKAS)から、KLタワーの20年間の営業権を獲得していた。

タワーの運用コストは年間1,030万リンギと見積もられている。入場料の徴収などによる年間収益の15%を政府が受け取るという。イベント展開、小売スペースの開発なども許可されており、7,020万リンギをかけ新たな施設の建設を予定している。

KLタワーはもともと政府系通信大手のテレコム・マレーシア(TM)の通信塔として1996年に完成。2021年に観光を中心とした施設として運営されることになった際、所有権移転をめぐり不正問題が発覚したことから、政府所有になっていた。

LSHは21日、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のLEAP市場(有力起業家促進プラットフォーム)からACE市場への上場移行が予定されており、その一環でKLタワーの今後の運営計画を10日、発表した。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、3月10日、ザ・スター、3月11日)

ブルネイとまたがる鉱区で初の石油生産

【クアラルンプール】 マレーシア領海とブルネイ領海に鉱区がまたがっているグムスト・カカプ/ゲロンゴンジャグス・イースト第4期事業で初の石油生産・積み出しが行われた。石油・ガス資源の管理を国営ペトロナスに代わり行っているマレーシア・ペトロリアム・マネジメント(MPM)が発表した。

グムスト・カカプ油田はサバ州沖、ゲロンゴンジャグス・イーストはブルネイ領に位置している。生産に当たっているのはシェル子会社のサバ・シェル・ペトロリアム(SSPC)で、サバ州沖にあるシェルの浮体式生産設備が貯蔵・積み出しを行う。

生産井は3つで、2つはマレーシア側、1つはブルネイ側にある。2国間協力に基づく生産で、MPMとブルネイ当局が設置した一体化管理委員会が事業全体を管理している。グムスト・カカプは水深1,200メートルの深海鉱区。
(ザ・スター、3月11日、ベルナマ通信、エッジ、3月10日、ビジネス・トゥデー、3月7日)

B2Bに特化した新興アセンドエアウェイズ、年内に運航開始

【クアラルンプール】 B2Bビジネスサービスに特化した新興航空会社、アセンド・エアウェイズ・マレーシアが、ボーイング「B737-800型機」4機と「B737 MAX」型機8機で年内にも運航を開始する計画だ。

アイルランド・ダブリンに本拠を置く航空機、乗務員、整備、保険 (ACMI) 航空会社、アビア・ソリューションズ・グループ(ASG)の子会社である英アセンド・エアウェイズの支援を受け、ACMIに重点を置くという異なるアプローチを採用する。

季節的な航空需要に対応するため、マレーシアと英国の姉妹会社との間で輸送能力を季節ごとに移動させ、季節的なニーズを持つそれぞれの地元の航空会社をサポートする。これにより自社の航空機と乗務員の年間利用率を維持することが可能になる。チケットを乗客に直接販売するのではなく、クライアントである航空会社にACMIソリューションを提供し、ピークシーズンには航空会社に代わってフライトを運用して追加の需要を獲得する。

現在、マレーシア民間航空局(CAAM)に航空運送事業許可(AOC)を申請中で、マレーシア航空委員会(MAVCOM)から不定期航空サービスを提供する航空輸送業者に必要となる航空運送事業サービス許可(ASL)を取得し次第、運航を開始する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・サン電子版、3月10日)

移動通信のセルコムDigi、中国系2社と提携

【バルセロナ】 携帯電話サービス大手のセルコムDigiは、中国系通信機器のZTE(マレーシア)およびファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)マレーシアと協力覚書を、スペインのバルセロナで開催されたモバイルワールドコングレスの会場で交わした。最先端技術を取り入れる。

ZTEとの提携では新通話、ディープパケットインスペクション(DPI)、高度な保守など人工知能(AI)を活用したソリューションを提供し、通信の接続性を高め、企業業務のデジタル化を後押しし、マレーシアが推進するデジタル転換の加速に貢献する。

ファーウェイとの提携では、固定電話と携帯電話を融合した(FMC)通信ネットワークを構築する。ファーウェイのAI活用ソリューションをてこに、インテリジェント・オートメーション(AIとオートメーション技術を組み合わせ、業務を自動化する技術)やネットワーク最適化を提供する。FMCでは1つの端末や電話番号で、固定電話と携帯電話の両方の機能を利用できる。覚書締結式にはテオ・ニエチン通信副大臣が立ち会った。
(ザ・スター、3月7日、エッジ、ビジネス・トゥデー、3月6日)

エアアジア、国内線をスバン空港からKLIA2に移転

【クアラルンプール】 格安航空エアアジアは、4月7日よりセランゴール州スバンのスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)の国内線運用を中止し、クアラルンプール新国際空港(KLIA)ターミナル2へ一本化する。スバン空港への乗り入れ再開からわずか7カ月での撤退となる。

エアアジアは声明の中で、「乗客の動向と業務上のニーズを綿密に評価しているが、KLIA2は効率とサービスの質を高めるための最適なプラットフォームを提供している」と説明。「コタキナバルやクチンなどの主要目的地を結ぶ乗客数は前年比16%増と大幅に増加しており、KLIAターミナル2に業務を統合することで増加する交通量をより効果的に管理できるようになる」とした。

エアアジアは昨年8月のスバン空港のナロージェット機乗り入れ再開を受けて、同空港への乗り入れを再開し、スバン空港とコタキナバルとクチンの2都市を結ぶ週14便の運航を開始していた。エアアジアの早々の撤退で、航空アナリストらはスバン空港拡張計画にも影響を与える可能性を指摘している。

スバン空港の拡張計画は、旅客取扱能力を3ー4年で年間500万人に、2030年までに800万人にそれぞれ増やすことを目指している

エアアジアがスバン空港からの撤退を決めたことで、同空港からジェット機を運航する航空会社はファイアフライ、バティック・エア・マレーシア、トランスヌサ、シンガポールのスクートの4社のみとなった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、3月6日)