12月1日付けでサバ州渡航に検査不要、ワクチン接種を条件に

【コタキナバル】 サバ州のハジジ・ヌール首相は20日、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種完了者に対し、12月1日付けでスクリーニング検査なしのサバ州入境を許可すると発表した。サバ州が8日、国家復興計画(NRP)の第4フェーズへ移行したことを受けての決定。
ハジジ州首相は、サバ州への海外客の受け入れに関しても、来年の国境再開と同じタイミングで開始できるとし、11月までに▽クアラルンプール▽ジョホールバル▽ペナン▽コタバル▽ラブアン▽サラワクーーからサバへの週266便の直行便がすでに就航し、総座席数は4万3,000席、州内でも▽コタキナバル▽ラハドダトゥ▽サンダカン▽タワウーーを結ぶ便が週123便就航、総座席数は1万6,720席となっていると強調。さらに、2022年には宿泊需要の急増に対応するため、州内にホテル11カ所が新規オープン、3,506室が追加されるとした。
また、国内外向けの「サバ州観光復興計画」を進めており、サバ州観光局(STB)が観光業界と協力の上、オンライン化や旅行博、プロモーション、最新情報提供などに関するトレーニングを実施。STBは、▽中国▽韓国▽ノルウェー▽インドネシア▽ブルネイ▽インド▽イタリア▽カザフスタン▽トルコーーといった国を対象に、B2B(企業間取引)やG2G(政府間取引)による貿易再開やこれらの国からの観光客再獲得も目指す。航空会社とも協力し、国内外からの直行便の再就航も支援するという。
サバ州の観光産業はパンデミック前には好調で、2019年には410万人の観光客が訪問、総収入83億4,200万リンギ、観光税収は1,200万リンギだった。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、11月20日)

KL市内でのハードリカー販売制限、条件付きで緩和も

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 シャヒダン・カシム連邦直轄地相は、11月1日付けで施行されたクアラルンプール(KL)市内の食料雑貨店、コンビニエンスストア、中医薬局におけるハードリカー販売禁止について、関連機関が設定した条件を店舗側が満たす場合には許可されると述べた。
国会質疑の中でシャヒダン氏は、中医薬局が保健省から許可を得ている場合には、医療目的ということで許可すると述べた。またコンビニについては、ハードリカーの横行を阻止するという目的のためにはすべてのライセンスを承認することはできないが、ケースバイケースで判断すると言明。KL市内にコンビニが137店舗あれば、うち50 60店舗が許可を得ることができるとの見方を示した。
食料雑貨店、コンビニエンスストア、中医薬局ではハードリカーの販売が禁止されたものの、ビールについては午前7時ー午後9時の時間制限付きで引き続き認められている。
KL市におけるハードリカー販売制限については、当初の予定では10月1日付けで施行されることになっていたが、食料雑貨店、コンビニエンスストア、中医薬局に対する差別であり、非ムスリムの心情を無視した一方的な決定だとして非ムスリム団体や野党などが反発したため1カ月延期され、利害関係者との間で解決案を巡って話し合いが行われていた。

マクドナルドマレーシア、向こう5年間で200店舗新設

【クアラルンプール 】 マクドナルド・マレーシアは、高まるファストフード需要に応えるため向こう5年間をかけて新たに200店舗を開設する計画だ。
アズミル・ジャーファル社長によると、同社は現在、マレーシア国内で310店舗運営している。新店舗は既存店舗から離れた場所に開設して顧客の需要に応える。店舗の増設に備えて1万人を雇用する予定だ。
マクドナルドは1982年にクアラルンプールのブキビンタンに1店舗目を開設。2013年に、社内にハラル(イスラムの戒律に則った)委員会を設置した。2016年12月には、マレーシアにおけるフランチャイズ権をサウジアラビアのライオンホーンが取得した。マレーシア国内では現在、およそ1万5,000人を雇用しており、月間1,350万人の顧客にファストフードを提供している。
マクドナルドは17日、ザカート(喜捨)の引き渡し式を実施した。アズミル氏によると、同社は社会的責任(CSR)活動として、年間400万ー500万リンギを割り当てている。新型コロナウイルス「Covid-19」関連では、最前線従事者に約100万リンギ分のファストフードを無償で提供今年9月にはワクチン接種者に対してコーヒー無料券を300万枚配布した。
(ベルナマ通信、エッジ、11月17日)

マレーシア航空とシンガポール航空、29日に共同運航を再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア航空(MAS)は18日、シンガポール航空(SIA)とコードシェア(共同運航)便再開を合意したと発表した。29日よりシンガポールークアラルンプール(KL)間およびクアラルンプール国際空港からマレーシア主要都市間がコードシェア便となり、来年1月からは欧州7都市、南アフリカの2都市まで拡大する。
マレーシアとシンガポールが29日から入国時の隔離を免除する「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」導入を受け、移動規制緩和で航空旅行の需要が高まることが予想されることから再開が決定された。
SIA利用客はKLからMAS便を利用し▽アロースター▽ビントゥル▽ジョホールバル▽コタキナバル▽クアラ・トレンガヌ▽クアンタン▽クチン▽ラブアン▽ランカウイ▽ミリ▽ペナン▽サンダカン▽シブ▽タワウーーまで乗り継ぎが可能となる。来年1月1日からは、MAS利用客がシンガポールからSIA便を利用し欧州では▽バルセロナ▽コペンハーゲン▽フランクフルト▽モスクワ▽ミュンヘン▽ローマ▽チューリッヒーー、南アフリカではケープタウンとヨハネスブルグまで乗り継ぎが可能となる。両社は他の便も順次コードシェアの対象とする予定だ。コードシェア便は、当局の承認後、両社の予約システムで販売を開始する。
両社は▽フライトスケジュールの調整▽共同運賃商品の提供▽企業向けプログラムの調整▽マイレージプログラムの連携▽観光マーケティング活動の共同実施ーーなどについても検討する計画だ。

サバ州政府、日本人観光客の呼び込みに意欲表明

【コタキナバル】 サバ州政府の観光・文化・環境副大臣のジョニストン・バンクアイ氏は、日本は持続可能な観光やエコツーリズムという点で多くの共通点があるとして、日本人観光客を呼び込むことができるとの意欲を表明した。
サバ州政府観光局(STB)の局長でもあるジョニストン氏は、JTBマレーシアの藤田清代表と昼食会合を行った後の会見で、サバ州での農村観光では森林浴ができるとして日本人に人気が出ると考えを示した。STBは常に日本のパートナーと協力してサバ州に観光に来てもらえるよう宣伝を行っていると言明。来年の国境再開に伴い日本人観光客を歓迎することを楽しみにしていると述べた。
藤田氏は4日間の出張でコタキナバルを訪問。市場や公園、温泉などの観光地を視察した。藤田氏は、サバ州には日本人を惹きつけるたくさんの観光地があり、日本人に人気が出ると思われる観光地を実際に訪問することができたとコメント。観光産業において標準的運用手順(SOP)の順守は大切だとし、日本政府も非常に重視していると述べた。
(ザ・スター、ザ・サン、11月18日、ボルネオポスト、11月17日)

追加接種用ワクチン、シノバックとアストラゼネカを追加

【クアラルンプール】 薬物管理局(DCA)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの追加(ブースター)接種について、新たに中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)とアストラゼネカ製のワクチンを条件付きで追加することを承認した。ノール・ヒシャム保健省事務次官が明らかにした。これまで追加接種はファイザー製のみが認められていた。
追加接種の時期は、シノバック製は2回目の接種から3ー6カ月後、アストラゼネカ製は同6カ月後となっている。詳細については新型コロナワクチン追加接種作業部会(CITF-B)が逐次発表する。
全国的な新型コロナワクチン追加接種は10月13日、▽高齢者▽免疫不全の人▽基礎疾患を持つ人▽医療従事者▽介護施設勤務者ーーなどのリスクの高いグループを優先して開始した。その後、対象範囲を妊婦、非医療の最前線従事者、40歳以上の成人にまで拡大している。
11月22日からは全国の医療施設ワクチン接種センター(PPV)において追加接種のキャンセル待ち登録を受け付けることになっている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ザ・スター、11月17日)

MRTプトラジャヤ線第1期の開業、来年第2四半期に延期

【ペタリンジャヤ】 鉄道開発のMRTコープは16日、首都圏大量高速輸送(MRT)プトラジャヤ線(MRT2、旧称スンガイブロー—セルダン・プトラジャヤ線)の第1期を11月末に開業する予定だったが、来年第2四半期に延期すると発表した。
モハマド・ザリフ・ハシム最高経営責任者(CEO)は、新たな開業日については来年3月以降に発表すると明らかにした。開業の延期を決めた理由については、クワサ・ダマンサラからカンポン・バトゥ(全長17.5キロメートル)を結ぶ第1期では今年4月29日より試運転を行なっていたが、最終段階となる詳細な検査やシステムの動作確認が完了していないためと説明。これまで3,000時間以上に及ぶデータを収集したところ、改善すべき点が見つかったと明らかにした。
一方でジョホールバルとシンガポールを結ぶ高速鉄道輸送システム(RTS)の工事について、モハマドCEOは、2027年1月の運転開始に向けて順調に進んでいると説明。建設予定地での水道管の移設問題や立ち退き拒否が起きているが、運転開始が遅延することはないと強調した。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、11月16日)

5G通信網整備費用が2倍に、サービス開始に遅れの可能性

【クアラルンプール】 第5世代移動通信(5G)ネットワークの整備が遅れる見通しだ。整備費用が当初見込みの110億リンギから200億リンギに膨らんでおり、通信事業者がネットワーク利用契約の締結に慎重になっている。
アナリストによれば、5G基盤を構築する国営事業体のデジタル・ナショナル(DNB)に、通信事業者はネットワーク利用料金の変更を申し入れており、契約締結に至っていない。
通信事業者が問題にしているのは構築費用の急増で、当初見込みは110億リンギだった。DNBは基盤整備費用を、人件費などを理由に165億リンギに修正。さらに2030年までには200億リンギになる可能性があるとした。
ケナガ・インベストメント・バンクによれば、こうした不透明性を通信事業者は問題にしている。楽天トレードのアナリストも、全体像が明らかになるまで通信事業者が契約締結に慎重になるのは当然との意見だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月16日)

ペラ州政府、イポー市へのLRT導入を検討

【イポー】 ペラ州政府は、イポー市への軽便鉄道(LRT)導入を検討している。
住宅地方自治委員会のノリー・アシリン委員長は、イポー駅周辺の交通ハブの開発からスタートするが、開発には約60ヘクタールの面積が必要であり、コストや期間についてはまだ検討中であるとした。イポーでは現状、住民の多くが公共交通機関ではなく自分の車で移動しているため、交通ハブを効率的で近代的なものにし、LRT以外にも高速バスや通常バス、トラム、タクシーなど、都市の総合交通システムを強化していくという。交通システム整備にあたっては、都市周辺の山や石灰岩丘の保護にも注力するとし、開発案に107のプロジェクト、256の行動プランが策定されていると述べた。
同委員長はまた、「イポー広域圏観光地域行動計画およびブランディング」について、既存の観光商品だけではなく、関連自治体が一丸となり導入した新しい観光商品も含まれており、具体的には▽イポーをヒップスター観光の拠点にする▽バトゥ・ガジャをヘルスツーリズムの拠点とする▽ゴペンの「エコ・アドベンチャー・キャピタル」の広報宣伝▽王都クアラカンサーの活性化ーーなどの案が含まれているとした。
(ベルナマ通信、11月15日)

ランカウイで外国人旅行者の受け入れを再開

【ランカウイ】 国内旅行者向けの「トラベルバブル」第一号となったケダ州のリゾート島、ランカウイで、15日から外国人旅行者を対象とした試験運用が開始された。
ランカウイで外国人旅行者を受け入れるのは20カ月ぶり。当面は3カ月間の試験運用だが、国内観光業の復興を下支えするために来年1月からの本格的な国境開放を目指すマレーシア政府や観光業界はランカウイでの成果に注目している。ランカウイ開発公社(LADA)では年内に5,000人の誘致を目指す方針を示しており、2,440万リンギの観光収入を見込んでいる。
まだ国際直行便が運航を再開していないため、当面はクアラルンプール(KL)経由となる。▽公認旅行代理店を通じて予約すること▽ワクチン接種を完了したこと▽18歳未満の未接種者は接種を完了した保護者の同伴が必要▽最低3日間の滞在▽情報・追跡アプリ「MySejahtera」ダウンロード▽渡航72時間前のRT-PCR感染検査の陰性証明▽8万米ドル以上の海外旅行保険加入——などが許可条件となっている。感染検査はランカウイ到着時にも行われ、陽性反応が出た場合に隔離する旅客を受け入れるホテル20カ所(118室)を確保している。
一方、9月16日に開始された国内向けトラベルバブルについては、これまでに7万7,939人の旅客が利用し、観光収入は8,030万リンギに上っている。.
(ザ・スター、ベルナマ通信、11月15日)