科学技術革新省、2025年までに5千社の起業を目標

【クアラルンプール】 科学技術革新省(MOSTI)は、2025年までに5社のユニコーン企業(評価額が10億米ドル以上の未上場スタートアップ企業)を含む5,000社の起業を目標に、スタートアップ開発ロードマップを策定している。アダム・ババ科技相が11日、上院で明らかにした。
同相によると、MOSTIは、国内スタートアップ企業の発展を促進するため、年内に「マイスタートアップ(MyStartup)」という名称の包括的プラットフォームを立ち上げる。起業家とさまざまな機関や関連省庁を結び、資金調達、トレーニング、助言などを受けられる場とする。
同相は、既存の国内ユニコーン企業として、中古乗用車取引のカーサム・マレーシアの例を挙げた。カーサムは、MOSTI傘下のベンチャー投資会社MAVCAP(マレーシア・ベンチャー・キャピタル・マネジメント)を通じて1,400万リンギの資金提供を受け、また、500スタートアップスやゴビ・パートナーズなど、様々なベンチャーキャピタルからも資金提供を受けているため、インドネシア、タイ、シンガポールなどへの海外進出やネットワーク拡大が可能になったとした。ドローンサービスを提供しているエアロダイン・グループ・マレーシアも、MOSTIの2,500万リンギの投資により、「ドローンサービス企業ランキング2021」において世界第5位から第1位のドローン点検企業へと成長したと強調した。
また、シンガポールとの間の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種証明書の相互承認について、保健省、外務省、国家サイバーセキュリティー局とともに、両国で技術面についての議論を重ねてきたと説明。両国は7月6日に相互承認について合意したが、関連政策や技術についてはいまだ改良中だと述べた。
(ザ・サン、10月12日、ベルナマ通信、10月11日)

カード決済市場、2025年までに3,220億リンギ規模に成長

【ペタリンジャヤ】 マレーシアのカード決済市場は、2025年までに3,220億リンギまで成長する見込みだ。英国データ分析会社のグローバルデータが予想を発表した。
カード決済額は、2020年には新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大に伴うロックダウン、ソーシャルディスタンス規制、実店舗の閉鎖などによって24.9%減少したが、経済状況の改善およびワクチン接種率の向上により、2021年には8.5%の成長が見込まれるという。
クローバルデータのシニアアナリストであるラビ・シャルマ氏によると、銀行サービスの拡充や電子決済に対する消費者意識の向上、加盟店の増加などにより、この数年間でカード決済が浸透した。中央銀行バンク・ネガラ(BNM)の統計によると、2020年には非接触型カード取引が前年から33%増加し、カード決済全体の50%を占めた。パンデミックが成長を一時的に阻害したものの、カード決済市場は継続的に成長しており、決済インフラが改善され、感染予防の面からも非接触・オンライン決済に対する需要が高まっていることから、今後数年間カード決済市場は成長し続けることが見込まれている。
マレーシアではクレジットカードおよびプリペイドカードが、2020年のカード決済総額の73.1%を占め、デビットカードは26.9%だった。今後、コロナに関する規制緩和により個人消費が増加することで、カード取引が増加すると考えられ、2021年の決済額は、クレジットカード・プリペイドカードで5.5%増、デビットカードで24.4%増が見込まれるという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月11日)

政府債務は今月末には対GDP比で60%超に、国会で財務相

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル財務相は11日、下院における法案審議でガ・コーミン議員(希望同盟所属)の質問に対し、政府債務は10月末には対国内総生産(GDP)比で法定上限の60%を超えるとの見通しを示した。コロナウイルス対策に追加予算を組んだためだ。
政府収入1リンギに対する利子負担は18セン。債務返済能力を示す元利金返済カバー率は今年が18%となる390億リンギ、来年が431億リンギ程度になるという。
法案には、法定債務上限の65%への引き上げと、ウイルス対策予算の増額が含まれており、発声投票で承認された。
ザフルル氏によると、中期的計画として政府は財政赤字を対GDP比で25年までに3ー3.5%に減らすことを目指す。
ガ議員は、法案が承認されると政府債務は1兆3,000億リンギになり、国民1人当たり4万リンギに相当するとし、債務削減の行程表の明示を求めた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月11日)

コロナ状況は改善、エンデミック段階へ=保健事務次官

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は11日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の状況は改善しつつあり、エンデミック(風土病)の段階に入ろうとしていると発表した。
1日あたりの新規感染者数、クラスター数、病院の稼働率がすべて減少しており、ワクチン接種率も向上していることから改善は明らかだとした。感染症週報の第34週(8月22日 28日)以降、新規感染者数、アクティブ感染者数、死者数、集中治療室(ICU)で療養中の症例数、実効再生産数(RT)などの主要指標が一貫して減少傾向にある。新規感染者数は、第39週の1週間あたり8万3,368人から第40週の6万2,722人へと23.6%減少。第40週のアクティブ感染者数は前週(第39週)比21%減の13万3,806人。第40週の死者数は前週比50.2%減の700人(1日平均100人)。第40週のICU療養者数は前週比9%減の778人で、呼吸補助が必要な人数は前週比11.2%減の331人。第40週のクラスター数も前週比21%減の79件。コロナ専用病床として通常病棟1万6,199床、ICU病棟1,514床が割り当てられているが、第40週はそのうち8,164床を使用しており、前週比で5%減少した。
同氏は、国民に対し、現状に満足するのではなく、ほんの少し前に感染者数が急増し経済や社会を麻痺させてしまったことを思い出し、そこから学ばなければならないと警鐘を鳴らした。すべての関係者が標準的運用手順(SOP)を遵守し、特に州間移動が可能になった後は、TRIIS(検査、報告、隔離、通知、探求)をベースにしたセルフ検査を強化することで、コロナ感染の連鎖を断ち切るべきだと強調した。
(ベルナマ通信、10月11日)

新型コロナの感染者数は7276人、前日より増加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は12日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は7,276人だったと発表した。累計感染者数は235万3,579人となった。
11日時点での成人の2,115万4,357人が新型コロナワクチン接種を完了し、接種率は90.4%。1回以上接種したのは2,220万207人で、率としては94.8%となった。マレーシアの基本再生産数(R0)は0.88だった。
また11日には、1万833人が回復し、累計治癒者は累計で220万6,502人となり、死者数は93人で、累計で2万7,422人となった。アクティブ感染者は、前日から4,217人減少し、11万2,379人となった。アクティブ染者数のうち、78.9%が自宅、13.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、6.8%が医療機関、0.7%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
同日は新たに9カ所のクラスターを確認。うちコミュニティで4カ所、職場で2カ所、福祉施設で2カ所、教育機関で1カ所のクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴールとジョホール、クランタンがそれぞれ2カ所、ペナンとパハン、ネグリ・センビランでそれぞれ1カ所のクラスターを確認した。