多国籍企業9社が国内事業を停止、パンデミックの影響で

【ペタリンジャヤ】  昨年3月から今年5月までの間に国内事業を停止した多国籍企業は9社に上る。アズミン・アリ上級相(兼通産相)が下院答弁で明らかにした。
具体的な社名として、▽香港系繊維企業エスクエル・マレーシア(ペナン)▽同(クランタン)▽香港系繊維企業ペン・アパレル▽ベルギー系鋼線企業ベカート・イポー▽米系金属加工・供給企業ハウコ・メタル・マネージメント・マレーシア▽独系機械製造企業トランスノーム・システム▽仏系建材企業テリアル・マレーシア▽スイス系化学企業シーカ・キミア▽日系家電製造企業ソニーEMCS (マレーシア) ーーを挙げた。
同相によると、パンデミックによる世界経済の低迷や海外需要の減少が事業停止の主要因。その他、運営コストの上昇、同業他社との競争激化、製品需要の不足、企業再編なども要因だという。
一方、同相は、マレーシアは依然として東南アジアでトップレベルの投資先であり続けていると強調。1月から6月までに承認された投資額は1,075億リンギで、前年同期の633億リンギに比べて69.8%増加。そのうち625億リンギは海外からの直接投資で、前年同期比214.9%の大幅増加。その内訳は、▽シンガポール(435億リンギ)▽韓国(63億リンギ)▽オランダ(51億リンギ)▽英領バージン諸島(30億リンギ)▽日本(6億リンギ)ーーだったという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月1日)

12月の海外旅行解禁目指す、接種率90%超で=首相

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は3日、観光目的での海外旅行について、12月までの解禁を目指すと発表した。成人の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種率が早期に90%を越えた場合、さらに解禁が早まる可能性も示した。
外国人のマレーシア入国も可能にする。海外旅行解禁後には、出入国許可申請プログラム「マイトラベルパス」での申請も不要となる。また、シンガポールとの間で相互グリーンレーン(RGL)を停止している件については、ジョホール州の労働者がシンガポールに通勤できるよう、シンガポールと協議中であるとした。
首相は、また、州間移動解禁を切望する国民の気持ちを理解しているとし、行動制限令(MCO)により打撃を受けた観光業を復興させるためにも州間移動は必要だと強調。ワクチン接種率が86%を越えたことから、州間移動が解禁される日も近いと述べた。解禁のための基準を以前の80%から90%に変更したことについては、州・地域により接種率に違いが生じているため、全国で90%にすることで各州・地域の平均値も80%以上になるとした。州間移動を解禁する際には、どの州・地域も取りこぼさず全国的に実施する方針だ。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、10月3日)

 

店内飲食や施設利用はワクチン接種完了者のみ

【ペタリンジャヤ】 ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相)は1日、国家復興計画(NRP)のすべてのフェーズにおいて、新型コロナウイルス(Covid-19)ワクチン接種完了者のみが店内飲食や施設利用を許可されると発表した。
同相によると、従来の標準的運用手順(SOP)では、NRP第3フェーズにおいては「ワクチン接種の状況にかかわらず店内飲食ができる」としていたが、ワクチン接種が店内飲食・施設利用の条件として追加されたという。
カイリー・ジャマルディン保健相も同日声明を発表。健康と経済の両面を考慮した上で、ワクチン接種完了者にのみ店内飲食・施設利用を認めるとした。その理由として、現状、感染性の強いデルタ変異株が国内感染例の95%を占めているためとし、健康上の理由でワクチン接種ができない場合は、それを証明する書類を提出する必要があると述べた。
10月1日付けで首都圏クランバレーとマラッカ州がNRP第3フェーズに移行している。
(ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、10月1日)

マスク着用義務、今後も継続の見通し=イスマイル首相

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、ワクチン接種が進んで新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックがエンデミック(風土病)の段階に近づいているものの、公的場所におけるフェイスマスク着用の義務を撤廃する可能性は低いと述べた。
イスマイル首相は、新型コロナ感染症がデング熱や他の病気のように居座り続けると考えられることから、「今後、マスク着用が標準となり文化になると思う」と言明。日本、韓国、中国と同じように、マスク着用を規範化させるだろうと述べた。
その上でマレーシアでは一般的に法律がよく遵守されていることから、マスク着用を文化とすることは難しいとは思わないと言明。実際、マスクを着用していない人をみかけるとそれを積極的に指摘するなど、国民の法の遵守意識や公衆衛生への意識は高いと述べた。
昨年8月1日以降、マレーシア政府は公の場でマスクを着用を義務付けており、感染症予防および管理法に基づき、違反者には最高1,000リンギの罰金が科されることになっている。
(ザ・スター、10月3日)

新型コロナの感染者数は8075人、2日連続で1万人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は4日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は8,075人だったと発表した。2日連続で1万人を下回った。累計感染者数は228万5,640人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く1,189人だった。それに▽クランタン(1,020人)▽ペナン(853人)▽ジョホール(781人)▽セランゴール(686人)▽サバ(677人)▽トレンガヌ(636人)▽ケダ(628人)▽ペラ(548人)▽パハン(522人)▽マラッカ(219人)▽クアラルンプール(KL、151人)▽ネグリ・センビラン(108人)▽ペルリス(36人)▽プトラジャヤ(19人)▽ラブアン(2人)ーーが続いた。
3日の新規感染者は9,066人で、7月16日以来初めて1万人を下回った。1万4,454人が回復し、累計治癒者は累計で210万565人となり、死者数は118人で、累計で2万6,683人となった。アクティブ感染者は、前日から5,506人減少し、15万317人となった。アクティブ染者数のうち、82.1%が自宅、11.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.9%が医療機関、0.6%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また同日は新たに6カ所のクラスターを確認。5月13日ぶりに10カ所を下回った。職場とコミュニティでそれぞれ3カ所でクラスターが発生した。州・地域別ではジョホールとクランタン、パハンでそれぞれ2カ所となった。