ロックダウンではなく長期的なアプローチを=格付け会社

【クアラルンプール】 格付け会社マレーシアン・レーティングス(MARC)のフィルダオス・ロスリ主任エコノミストは、新型コロナウイルス(Covid-19)感染症拡大に対応するためには、ロックダウンのような一時的な手法ではなく、経済と人々の生活のバランスをとるための包括的なアプローチを導入すべきだと主張した。
同氏によると、ロックダウンは経済に悪影響を与えるのにも関わらず、人々は必ず逃れるための手段を見つけるので、人々の行動自体を変えることはできない。そのため、どの産業にも営業を許可し、その代わり、数値での感染管理を行ない、接触を防ぐためにデリバリーをできる限り導入するなど、長期的かつ包括的な方法を考えるべきだと述べた。
同氏は、また、政府が第12次マレーシア計画(12MP)を発表するのが大幅に遅れていると指摘。パンデミックと長期にわたるロックダウンによって、政府が過去10年間に行ってきた財政再建の努力は事実上すべて水泡に帰してしまい、公的債務と財政赤字は世界金融危機前のレベルにまで戻っているという。12MPがこれ以上延期されると、成長率にも影響し、海外からの投資も危うくなる可能性があると強調した。
同氏は、開発計画についても、基本的なインフラや公共施設へのアクセスに関しては、多くの州がまだ水準をはるかに下回っていると述べた。例えば、パハン、サバ、サラワクなどの農村部では、ゴミ処理施設が不足しており、飲用水を手に入れにくく、インターネットへの接続もできない状態で、このようなインフラの格差により、国民間で生活水準の格差が生じている。首都圏クランバレーに限らず、国中で大規模なインフラ投資を行なうことで、貧困を緩和し、雇用創出を促進するだけでなく、長期的には経済の見通しも改善するだろうと主張した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月19日、7月20日、ザ・スター、7月20日)

コロナ自己検査キットの輸入販売、保健省が条件付き承認

【クアラルンプール】 保健省(MoH)は、傘下の医療機器庁(MDA)を通じ、新型コロナウイルス「Covid-19」抗迅原迅速検査キット2種の輸入・販売を条件付きで承認した。
これらの検査キットにより40リンギ以下で新型コロナウイルス感染の自己診断ができ、結果もすぐに出るという。承認を受けたのは、「サリキシウムCovid-19抗原迅速検査キット (唾液/鼻腔ぬぐい液)」(製造企業:レスゾン・ディアグノスティック・インターナショナル・マレーシア)および「自宅用ジーメイトCovid-19 Ag唾液検査」 (製造企業:韓国フィロシス)。
サリキシウムCovid-19抗原迅速検査キットの販売を担当するメドカドによると、同キットは、初のマレーシア製の新型コロナウイルス抗原迅速検査キットであり、現状、コロナ情報アプリ「MySejahtera」との統合が可能な唯一の市販検査キットだという。
コロナ自己検査キットの条件付き承認リストは随時更新され、MDAポータル(https://www.mda.gov.my/announcement/631-kit-ujian-kendiri-covid-19-yang-telah-diberi-kelulusan-bersyarat.html)で確認が可能だ。
(マレー・メイル、7月20日)

アパレル業界の損失は1日1億6300万リンギ=業界団体

【ペタリンジャヤ】 マレーシア・ファッション繊維アパレル連盟(FMFTA)は、アパレル業界の製造企業や小売業者が1日あたり推定1億6,300万リンギの損失を被っているため、政府に対し、国家復興計画(NRP)第2フェーズでの営業許可を求めている。
FMFTAのタン・ティアンポー会長は、アパレル業界はNRP第3フェーズで営業を許可されることになっているが、それでは多くの企業が生き残れないと訴えた。有名な外資系アパレル4社が、2020年に国内事業を停止し、約6千人の従業員をリストラしている。その後も連鎖的な影響は続いており、多くの中小企業が事業を停止・縮小した結果、業界から約1万5千人の雇用が失われているという。
マレーシアのアパレル産業は、1970年代以降、特に米国、欧州、トルコなどへの輸出に大きく貢献してきたが、パンデミックの影響で、2019年の270億リンギから2020年の210億リンギへと輸出額が減少している。さらに今年は、繰り返される行動制限令(MCOおよびEMCO)により、輸出したくてもできない事態に陥り、未納による訴訟によって海外の顧客を失う恐れがあるという最悪の状況となっている。
同氏は、アパレル業界のサプライチェーンでは、全国で約50万人の従業員が働いており、営業停止が長引けば、50万人の従業員全員が失業の危険にさらされることになり、失業率が悪化することは間違いないと主張した。NRPの移行についても、ワクチン接種率がすでに移行基準を満たしているため、依然高い水準にある新規感染者数については、基準値の方を見直し、直ちに全国的に第2フェーズへ移行するよう求めている。
(マレーシアン・リザーブ、7月16日、ザ・スター、7月17日)

必需品以外の貨物の積み下ろし、EMCO地域の港湾で特別に許可

【プトラジャヤ】 国家安全委員会(MKN)は、強化行動制限令(EMCO)を施行している地域の港湾において、必需品以外の貨物の上げ下ろしを15日から17日まで特別に許可することを決定した。ほかの港湾で混雑が発生しているためだ。
ウィー・カション運輸相によると、標準的運用手順(SOP)に基づき貨物の上げ下ろしは引き続き月曜、水曜、金曜も認められる。ウィー氏は「滞貨予防になる。クラン港のような貨物取扱量が多い港湾では効率的荷役業務の維持が重要だ」と語った。
輸出入業者、倉庫業者は積み下ろしに際し、港湾に至る道路を通過するための許可を警察から取得しなければならない。この際、輸出入を証明する書類として、送り状、船荷証券および作業に携わる労働者の氏名リストを携行しなければならない。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、7月15日)

インピアナホテル、ティオマン島に高級リゾートを共同開発

【クアラルンプール】 インピアナ・ホテル(インピアナ)は、ティオマン島で1億8,860万リンギの高級リゾートを共同開発する契約を締結した。1区画あたり5.089ヘクタール(12.58エーカー)、合計5区画にヴィラやその他の施設が建設される。工事開始から2年以内の完成を目指す。
インピアナによると、共同開発契約は、インピアナ・ティオマン(ITSB)、セロ・ティオマン・リゾート・ホールディングス(STRHL)、インピアナ・セロ・ティオマン・リゾート(ISTR)の3社間で締結された。ITSBは土地所有者、STRHLは不動産開発会社、ISTRは本プロジェクトのために設立された合弁会社。
STRHLは、工事のための資金調達を目的として、第1フェーズ(4区画の販売あるいは総売上1千万リンギ以上が目標)および第2フェーズ(残り区画の販売)を開始する。同社は、プロジェクト管理、販売、マーケティングを担当し、ISTRは、プロジェクトに必要な計画、図面、申請書類などを準備する。
インピアナによると、ティオマン島がリゾート地として人気があり、また共同開発という方法を取ることにより、少ない資本でリゾート開発が可能であることから、本プロジェクトが計画された。インピアナは、土地区画の販売やヴィラ管理という新たな収益源が得られ、事業ポートフォリオを多角化できるという。
(エッジ、7月12日)

小売業従事者を対象としたワクチン接種、26日に開始

【クアラルンプール】 アレクサンダー・ナンタ国内取引消費者行政相は、26日より小売業の従事者を対象とした新型コロナウイルス「Covid-19」感染症のワクチン接種を開始すると発表した。
レストラン、ガソリンスタンド、スーパーマーケット、デパート、理髪店、美容院、ショッピング複合施設、配送センターなどで働くレジや営業、マネジメントなどに携わる職員を対象にした小売業ワクチン接種プログラムの下で、クアラルンプール(KL)の「シティテル・ミッドバレー・シティ」にワクチンセンターを開設、KLで働く約3万1,000人にワクチン接種を行う。1日当たり1,500人へのワクチン投与を目指す。小売業従事者を対象にしたワクチン接種は今後様々な地域でも実施する計画だ。ワクチン接種を進めることで、消費者は安心して買い物や店舗での飲食をが可能になると期待されている。
国内取引消費者行政省は小売業従事者と対象としたワクチン接種の受付を5月26日に開始。これまでに全国の1,396社から18万6,245人のワクチン接種の申し込みを受け付けた。今後申し込みはさらに増える見通しだ。
(ベルナマ通信、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、7月12日)

プロトン、従業員へのワクチン接種プログラムを開始

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングス(プロトン)は、7月12日、ペラ州タンジョン・マリムとセランゴール州シャアラムの2拠点で、従業員に対するワクチン接種プログラムを開始した。
タンジョン・マリムでの接種を迅速に行うため、プロトンは連邦政府およびペラ州当局と協力し、スポーツ施設を産業用ワクチン調剤センター(PPVIN)に転用する。1日最大約800回分のワクチンが接種可能で、6日間運用される。
シャアラムでは、会社敷地内に十分なスペースがないため、プロトンのスタッフはシャアラム・コンベンションセンターでワクチンを接種する。ワクチン接種を希望するスタッフ全員が初回接種を受けられるよう、接種は数日に分けて実施される予定。
リー・チュンロン(李春栄)最高経営責任者(CEO)は、競合他社でも同様の取り組みを行っており、従業員のワクチン接種を進めることが、完全ロックダウンによって停止を余儀なくされている自動車産業の再開につながるだろうと述べた。プロトンでは、3週間後に2回目の接種のために同様のプログラムを繰り返す予定8月前半までにほとんどの従業員がワクチンの2回目接種を完了するという。
(エッジ、7月12日)

自動車整備工場、ロックダウンで瀕死の状態

【ペタリンジャヤ】 国内の自動車整備工場は、完全ロックダウンの状況下でバッテリーやタイヤの交換などの小規模な修理は認められているが、それだけでは経済的に成り立たず、続々と閉鎖している。マレーシア自動車整備工場連盟が懸念を表明した。
同団体によると、サービスを必要としている顧客のために、営業を続けようとした整備工場もあったが、収入が乏しい上に、省庁や警察など別々の機関が頻繁に標準的運用手順(SOP)を順守しているかどうかの立ち入り検査を行い、些細な欠陥で召喚状を発行し続けるため、閉鎖を決意したという。
同連盟のコー・コン・シア会長は、毎日何十万台もの自動車が走っていることから故障や事故はどうしても発生するため、自動車整備サービスが必要不可欠であるのに、整備工場の閉鎖が続いていることにより、事故後の修理が遅れていると述べた。国内には約10万の自動車工場があり、数十万人の従業員が働いているが、閉鎖によりその雇用も失われるという。
同氏は、国家安全保障委員会(MKN)と通産省(MITI)に対し、ロックダウン下での営業について、条件を見直すよう求めた。現在の規則では、自動車整備工場は規定の人数と営業時間内で小規模修理のみ可能とされているが、タイヤやバッテリーの交換のためだけに営業している状態だと、給料や光熱費などの支出が収入を上回り、経営者にとって大きな損失になるという。特にペナンやクアラルンプールの大きな店舗では、月に2万リンギ以上の家賃を支払っているところもあり、経済的に成り立たない。多くの小規模整備工場は、社会保障機構(SOCSO)からの賃金補助があっても、従業員に給料を支払うのに苦労している。
同連盟は、厳格なSOPに従った上で、一部の小規模修理だけではなく、完全な営業ができるように政府に訴えているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月9日)

再び非必需品販売の禁止、百貨店が対応に右往左往

【クアラルンプール】 国家復興計画(NRP)第1フェーズにおけるデパートやショッピングセンターの営業の可否について当局の判断が二転三転しており、現場で混乱が生じている。
国家安全委員会(NSC)が5日に発表した標準的運用手順(SOP)では、必需品のみの販売を認めるとされていたが、6日のSOPではこの項目が削除された。これを受けて伊勢丹やSOGOは9日から食品・飲料、ヘルスケア・医薬品以外の衣料品、化粧品、装飾品、子供用玩具などの販売フロアも再開したが、9日に新たに発表されたSOPでは再び必需品のみの販売に限定するとの内容が盛り込まれた。
これを受けて伊勢丹は11日、フェイスブック上で同日より営業時間を変更すると発表。KLCC店の食料品フロア、ワンウタマ店のレストラン街、ロット10店・ジャパンストアの食料品フロア及び眼鏡店、「ウェルネス」薬局のみの営業とし、その他は営業を休止するとした。
また同じくSOGOは、同じくフェイスブック上で11日より全店舗を再び休業すると発表した。
先ごろショッピングモールや小売店の再開を政府に陳情した複数の小売業界団体は、大量閉店を受けてすでに30万人が解雇されていると主張。ロックダウンが長引けばさらなる大量閉店が起きかけないと警告している。
(マレー・メイル、7月11日)

5G通信網の運用、年内にKLなどで開始

【クアラルンプール】スウェーデン系エリクソンによる基盤整備が最近決まった5G(第5世代移動通信)ネットワークの運用は、年内にクアラルンプール、プトラジャヤ、サイバージャヤで開始の予定だ。5G基盤を建設・所有・運営する国営デジタル・ナショナル(DNB)がマレーシアン・リザーブの取材に答えた。
22年末までにセランゴール、ペナン、ジョホール、サバ、サラワク各州の主要5都市・地域においてネットワークを整備し、23年からはほかの17都市で整備し、順次地方に広げる。
5Gサービスの実証試験は19年に通信6社が参加しランカウイ島で行われ、農業、医療、教育、娯楽、都市機能、運輸、観光の各領域で37件の利用法で成果があったという。
5Gネットワークは20年に建設開始の予定だったが、政府が周波数帯割当の決定を覆したため1年間遅れた。
DNBは財務省傘下の特別目的事業体。卸業者として周波数帯を通信事業者に販売する。
(マレーシアン・リザーブ、7月7日)