ベルジャヤが開発の沖縄高級ホテル、マレーシア輸出入銀が融資

【クアラルンプール】 マレーシア輸出入銀行は、ベルジャヤ・ランドのシンガポール子会社ベルジャヤ・オキナワ・インベストメント(S)に7,000万米ドルのイスラム式融資を実行した。ベルジャヤ・ランドが沖縄県恩納村で建設中の高級ホテル、「フォーシーズンズ・リゾート・アンド・プライベート・レジデンス沖縄」の建設費に充当する。

開発用地は13万平方メートルで、米軍恩納通信所跡地。ホテル127室、コンドミニアム124室、自分の別荘のように利用できる一棟貸し切りのプライベートビラ28戸で構成する。3月初旬に起工式を行っており、27年7月に完工の予定。総工費は約1,000億円。

輸銀は過去にもベルジャヤ・ランドの海外事業に融資を行ったことがある。輸銀はマレーシア企業の海外でのプレゼンス強化を後押しする役割を担っており、今後もマレーシア企業の海外事業を支えるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、ビジネス・トゥデー、11月5日)

ソフト開発のネオジャパン、JACTIMの会員サイトを刷新

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ソフトウェア開発のネオジャパン(本社・横浜市西区)は5日、同社製品が、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)の会員ポータルサイトに導入されたと発表した。

導入されたのは、グループウェアの「デスクネッツネオ」と、ノーコード業務アプリ作成ツール「アップスイート」。マレーシア子会社のネオレカ・アジアを通じて行われ、10月から本稼働を開始した。

JACTIMは1983年に設立され、マレーシア経済振興に向けた日系企業のビジネスセンターとして、会員企業の交流やビジネス支援などを行っている。会員数は600社を超えるが、従来の会員ページは動作の重さや不具合などの課題を抱えていたという。今回の刷新で、複数のサービスに分散していた業務を集約し、情報共有の効率化と業務プロセスの改善を図った。

2019年創業のネオレカは今年6月、ジョホール州政府傘下の投資誘致機関「インベスト・ジョホール」と提携し、東南アジア地域における営業や人材育成などの拠点となるCoE(センターオブエクセレンス)を設立するなど、事業拡大を目指している。

コスモス、マレーシア初の日系不動産仲介業免許取得業者に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 コスモスリアルテイが、マレーシア初の日系不動産仲介業(REA)ライセンス取得業者として営業を開始した。同ライセンスを日本人で初めて取得した創立者の石原彰太郎代表が1031日の記者会見で明らかにした。

 マレーシアで不動産仲介業を営むためには、財務省傘下の不動産鑑定士・仲介業者委員会(BOVAEPが認定する国家資格であるREAライセンス取得が必要。多数いる仲介代理人(REN)は2日間の講習で誰でも取得でき、何人もの日本人が取得しているが、正式書類への署名や個人名での代金集金はできず、ライセンスを持つREAに所属しなければならない。1人のREAライセンス取得者は最大50人のRENを雇用することができる。

マレーシア国内にはREAライセンス取得者は3,000人ほどしかおらず、平均7年もかかる超難関の資格となっている。石原氏は同ライセンスを今年6月に日本人で初めて取得していた。

石原氏は1999年にマレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2Hビザ取得代行など日本人のマレーシア移住をサポートするトロピカルリゾートライフを設立。2008年に不動産取引業務を開始し、2012年に不動産コンサル会社、コスモスプランを設立した。

富士フイルム、健診センター新拠点をマレーシアなど4カ国に開設へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 富士フイルム(本社・東京都港区)は30日、クアラルンプール(KL)、ホーチミン(ベトナム)、バンコク(タイ)、マニラ(フィリピン)の東南アジア4都市にがん検診を中心とした健診センター「NURA(ニューラ)」の新拠点を開設すると発表した。

ベトナム新拠点は11月3日のオープンが決まっており、マレーシア、タイ、フィリピンの新拠点は富士フイルムの直営で、2025年度内の開設を予定している。

ホーチミンの新拠点は、昨年7月に開設したハノイ拠点に続くベトナムにおける2拠点目で、ベトナムで医療機関「T-マツオカ・メディカル・センター」を展開するベトナム・ジャパン・ヘルス・テクノロジー(VJH)が運営する。

富士フイルムは、2021年にインドのベンガルルに健診センター「NURA」を開設し、新興国での健診サービス事業を開始。「NURA」や、「NURA」のノウハウを取り入れた健診センターはその後、モンゴル、ベトナム、アラブ首長国連邦にも開設している。

健診センターでは、富士フイルムが持つCTスキャン・マンモグラフィなどの医療機器や医師の診断を支援するAI技術を活用して、すべての検査と医師による健診結果のフィードバックが、約120分という短時間で完了する点や、フィードバックの際に、医師から健診結果に関する説明を診断画像を見ながら分かりやすく受けられる点などが好評を得ているという。

サラワク州大臣、スマート農業推進で日本の先進農場を視察

【クチン】 サラワク州政府のステフェン・ルンディ食品一次産業・地域開発相らはこのほど、イオングループの農業法人イオンアグリ創造(本社・千葉市美浜区)が運営する埼玉県久喜市の農場を視察。日本の先進的なスマート農業技術を参考に、地域の農業変革を強化していく方針だ。

今回の視察は、2030年までに近代的な農業産業を開発するという州の目標に基づく調査ミッションの一環として実施された。久喜農場(3.3ヘクタール)では「プロバイオポニック」という有機水耕栽培法で、トマトを栽培。収穫量年間約990トンという高い生産性を目指した取り組みが行われている。

ルンディ氏は「今日の農業は、伝統だけではなく、データや科学に基づいている。今回の視察は食料安全保障と持続可能性をどのように両立できるかを具体的に示すものだった」と発言。州の熱帯気候に適したバイオベースのイノベーションの促進に向け、日本の機関や企業との協力の可能性を探っていくとした。

イオンアグリ創造は2009年に設立され、日本全国で20以上の農場を展開。新鮮な農産物を全国のイオンスーパーマーケットに直接供給している。
(ボルネオポスト、10月29日)

高市首相の日本人墓地訪問、誤解した一部から批判の声

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に合わせて訪馬した高市早苗首相が26日にクアラルンプール(KL)日本人墓地と国立記念碑の訪問をソーシャルメディアに投稿したことについて、その内容を誤解した一部のマレーシア人から批判の声が上がった。

高市首相はXに「本日、クアラルンプール日本人墓地を訪問し、慰霊碑に献花しました。マレーシアで命を落とした先人を慰霊することができ、感慨深く思います。これに続けて、二度の大戦やマレーシアの独立闘争で亡くなられた兵士と市民の霊を慰める国家記念碑も訪問し、マレーシアの歴史に思いを馳せました」と投稿した。

一部の大手メディア(マレー・メイル、星洲日報、中国報)は高市氏が訪問した事実のみを淡々と伝えており、批判の論調はみられない。しかしソーシャルメディア上では、日本人墓地を「神社」や「日本軍兵士のための墓地」と誤認して、「旧日本軍を賛美している」、「歴史認識が誤っている」などを指摘する書き込みが一部で散見される。代表的なものは「フェンディ氏」名義のXの投稿で、「マレーシア人としてこの投稿に怒るべきだ」と投稿。閲覧数はすでに100万回を超えている。

高市氏の投稿を批判するネット投稿があることについては、主に華字紙が中心になって取り上げており、親中的な論調の「東方日報」は、「高市氏の投稿に日本軍の行為に対する謝罪がなかった」との観点から、「日本が戦時中に犯した残虐行為については全く触れないのか?相変わらず偽善者だ」といった批判投稿を紹介している。

中国のポータル「網易」は、「丹徒生」氏の名義の記事で「高市早苗氏はマレーシアを訪れ、戦争で亡くなった日本兵に厚かましくも追悼の意を表した。本当に腹が立つ」などと事実誤認の内容を投稿し、さらに「マレーシアがこれを容認しているのが腹立たしい」とマレーシア政府まで批判した。

一方、ソーシャルメディア上では「高市氏の投稿はどう読んでも怒る内容ではない」、「高市氏はちゃんと国家記念碑にも訪れているじゃないか」、「過去の日本政府首脳も日本人墓地を訪問している」などと擁護する声も多く上がっており、「フェンディ氏」自身もその後、日本人に向け「怒らないでください。私もマレーシア人も日本も日本人も好き」と釈明のような投稿を行っている。

アスエネ、マレーシアゴム評議会と脱炭素連携で覚書

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アスエネ(本社・東京都港区)は、17日にクアラルンプールで開催された「第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)閣僚会合」で、同社シンガポール法人のアスエネAPACとマレーシア・ゴム評議会が脱炭素連携に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。

企業や自治体を対象にCO2排出量に関する報告を支援するアスエネのクラウドサービス「ASUENE」を使って、マレーシア政府の管轄下にある公的機関と共に、主要輸出産業であるゴム分野のサプライチェーン全体で、CO2排出量の見える化と削減を推進する官民協働に取り組み、マレーシアにおけるゴム関連企業の気候変動対策とサステナブル経営の両立を推進していく。

アスエネは今後も、AZECをはじめとする国際的な枠組みを通じて、アジア各国の政府・企業・団体と連携し、地域全体の脱炭素化に向けた実効性あるビジネス連携モデルを構築していくとしている。

高市首相が初の外遊でマレーシア訪問、アンワル首相と会談

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議出席のために訪馬した高市早苗首相は26日、クアラルンプール市内でアンワル・イブラヒム首相と20分間にわたり会談。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現に向け、両国の協力関係を一層強化し、友好関係を発展させていくことなどで合意した。

両首相は経済分野では、二酸化炭素の回収・貯留(CCS)やアンモニア発電、脱炭素化・エネルギー移行で協力が進展していることを高く評価。炭素クレジットの創出を通じて両国の排出削減に貢献する二国間クレジット制度(JCM)の早期署名に向け、協議を加速させることで一致した。また、液化天然ガス(LNG)の安定供給やレアアース(希土類元素)、人工知能(AI)でも連携を一層強化していくことを確認した。

安全保障分野では、無償の資金協力の枠組みである「政府安全保障能力強化支援」(OSA)を通じた、日本からの無人航空機(UAV)と救難艇の引き渡しについて、アンワル首相が謝意を表明。新たに潜水作業支援船等の供与でも合意した。

高市首相は、カンボジア・タイ間の停戦合意におけるアンワル首相の取組に敬意を表し、停戦を後押しするため、マレーシアに停戦監視用機材の供与を決定したことを伝えたという

就任後初の外遊となった高市首相はこのほか、フィリピンのマルコス大統領、豪州のアルバニージー首相とも相次いで個別会談。25日夜から24時間強の短い滞在中、クアラルンプール日本人墓地の慰霊碑で献花するなど、精力的に活動し、外交デビューを印象づけた。

ホーブとちとせが提携、マレーシアでのイチゴ試験栽培で

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 農業法人ホーブ(本社・北海道上川郡)は24日、ちとせグループのマレーシア法人、ちとせ・アグリ・ラボラトリーとマレーシアにおけるいちご普及拡大に向けた試験栽培に関する契約を締結すると発表した。

ホーブが育成した四季成り性いちご品種について、パハン州キャメロンハイランドにあるちとせ・アグリ・ラボラトリーの農場で試験栽培を行い、栽培適性や市場適性を評価したうえで現地での普及拡大を目指す。ちとせ・アグリ・ラボラトリーの農園は一年を通して比較的冷涼な標高の高い地域にある栽培適地であることから、ホーブが育成した四季成り性いちご品種の生産、普及拡大が期待されるという。試験開始は2026年6月期中を予定している。

ホーブは四季成り性いちごの品種開発から、種苗の生産販売、栽培指導による果実生産及びその果実の販売を手掛けている。これまでに、夏秋期の国産いちご市場向け「ペチカ」をはじめ、収量性の高い「ペチカエバー」、食味の良さが特長の「ペチカほのか」といった品種を開発してきた。一方、ちとせ・アグリ・ラボラトリーは2016年からキャメロンハイランドで日本品種の高品質ないちご、トマト、葉物野菜等を生産し、マレーシア国内で販売するとともにシンガポールへ輸出している。

「マレーシア・島根フェア」をKLで開催、9社が30品目を出品

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 島根県は21日、マレーシアの食品輸入卸業者であるママミ・ショップ(M)と連携し、「マレーシア・島根フェア」をクアラルンプール(KL)で初開催すると発表した。現地小売店3店舗にて試食・試飲販売を行い、県産食品のマレーシア市場への参入を目指す。

開催時期は10月23日―11月2日で、23―26日の4日間は、県内食品等製造事業者による試食・試飲販売場所はDE-Market、伊勢丹KLCC店、西武百貨店ザ・エクスチェンジTRX店――の3カ所。県内食品製造事業者9社(うち7社が渡航)がお茶、お菓子、調味料、健康ドリンクをはじめとする島根県の特色ある約30品目を出品する。

ママミ・ショップ(M)は1950年創業の健康食品やオーガニックに強みを持つ会社で、スーパーマーケット、ドラッグストア、飲食店、ホテルやオンラインストアなど1,000を超える取引先を持っている。