招来舎とJICA、知的障害児発達事業のワークショップを開催へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 招来舎(本社・東京都杉並区)と国際協力機構(JICA)マレーシア事務所は、知的障害児を対象とした体系的認知発達プログラム「ちのとれ」のワークショップをマレーシア国内で共同開催する。

「ちのとれ2025プログラム」ワークショップは、開発途上国の課題解決に貢献する日本の民間企業等のビジネスづくりを支援する、中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)の下、「ちのとれ」を用いた認知機能向上にかかるニーズ確認調査の一環として、マレーシアの社会的企業であるマワダー・ビズ・エンタープライズと協力して開催する。

ワークショップは計5回の開催の予定で、1回目は2025年9月16日―22日の日程でセランゴール州サイバージャヤで、2回目はサラワク州クチン(詳細未定)で予定している。

「ちのとれ」は、2000年代初頭に日本で開発された知的障害児を対象とした体系的認知発達プログラムで、専用教材を用いて、集中力、記憶力、運動協調、問題解決能力、自立生活能力を強化するもの。本事業では「ちのとれ」を用いた指導者を育成ステップに基づき育成するプログラムについて、マレーシアでの全国展開を目指してニーズを調査する。

農水省、日本料理の調理技能認定制度説明会を開催へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 農林水産省は、日本料理の調理技能認定制度説明会及び調理実演会を9月18日にクアラルンプール(KL)市内のレストランで開催する。

農水省は、日本食・食文化の海外発信を強化するため「海外における日本料理の調理技能の認定に関するガイドライン」を定め、日本料理に関する知識及び調理技能が一定のレベルに達した海外の外国人日本食料理人を民間団体等が自主的に認定する制度を設けている。

調理実演会では、KLの人気の寿司レストラン「織部」のマスターシェフで日本食普及の親善大使を務める川崎直也さんが実演を行う。

ホンダのEV「e:N1」25台、KTMBの会議の公式車両に

【クアラルンプール】 ホンダ・マレーシアは、マレーシア国鉄(KTMB)と提携し、KTMBの主催で開催中の「第45回ASEAN鉄道CEO会議(ARCEOs)」の公式車両として、バッテリー電気自動車(BEV)「e:N1」25台を提供している。

ARCEOsはクアラルンプールのルネッサンスホテルで8―12日、開催されている。マレーシアのほか、タイ、インドネシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)の7カ国の鉄道会社の代表者らが参加しており、e:N1はその輸送に使われる。ホンダの矢﨑成司 社長兼最高経営責任者(CEO)は提携について「持続可能なモビリティの推進に向け、鉄道業界と自動車業界の強力な相乗効果を象徴している」としている。

e:N1は同社初のBEVとして今年5月に発売された。中国からの輸入完成車(CBU)。発売以来、関心は高いものの納入台数が限られていたため、会場周辺では実際に目にした車愛好家らの話題となり、PRの絶好の機会になっている。
(ポールタン、カーズ・オートメディア、9月9日、ソヤチンチャウ、9月8日)

 

静岡わさびフェアのマレーシア開催、農水省補助事業に採択

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 伊豆わさび漬組合(所在地・静岡県三島市)は、2025年9月1日ー10月24日の日程で静岡県伊豆地域の老舗14社共同による「静岡わさびフェアinマレーシア」をクアラルンプール(KL)で開催する。同イベントは農林水産省補助事業「令和6年度補正予算・加工食品クラスター輸出緊急対策事業」に採択された。

「静岡わさびフェアinマレーシア」は、マレーシア初の十割そば店舗×展示スペース併設型店舗である「元年堂」パブリカ店で開催する。従来の展示会形式にとどまらず、現地卸業者と連携し、小売店やレストランへ直接アプローチを行い、生活者の声を起点に“持続可能な輸出モデル”を構築するという。

店舗フェアでは、元年堂の特別メニューにわさび加工食品を使用、アンケート取得200人を目標とする。また100社以上の取引実績を持つ卸業者と連携し販路を確立。現地小売・レストラン5社への営業代行を行う。さらにインスタグラム・TikTokを使った多言語発信(英語・マレー語)によるデジタルマーケティング、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証や商習慣をテーマに輸出人材育成・相談会を開催する。

国土交通省、ニライ技能短大で物流人材育成支援事業を実施

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ネグリ・センビラン州のニライ技能短期大学(ニライ・ポリテクニク)でこのほど、国土交通省の物流人材育成支援事業として、約120人の学生に対する集中講義が行われた。

同省の5日の発表によると、集中講義は8月18日から7日間実施された。同省の職員から日本の物流政策や、コールドチェーン物流サービスに関する取り組みについて説明があったほか、佐川グローバルロジスティクス(本社・東京都品川区)の社員が講師として協力。日本の物流現場で採り入れられている、整理、整頓、清掃、清潔、躾という「5S」を意識した業務改善を実技形式で紹介したり、学生たちによるディスカッション形式での新規提案などが行われた

同省では、東南アジア諸国連合(ASEAN)での物流マネジメント人材を育成するため、SGH財団(事務局・京都市下京区)の協力のもと、2015年から同事業を実施。今年はマレーシア以外に、ラオス、ベトナムでも実施した。

マツダの新高級SUV「CXー80」「CXー60」販売開始

【クアラルンプール】 マツダ車の販売を手掛けるベルマツ・モーターは3日、6人乗り高級クロスオーバーSUV「CXー80」を発表。6月から先行予約を受け付けていた5人乗りの「CXー60」とともに、正式に発売を開始した。両車種ともにマレーシア市場初投入で、注目される。

新たに発表されたCXー80は、全輪駆動(AWD)のプラグインハイブリッド車(PHEV)モデル。2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジン「SKYACTIVーG 2.5」と、17.8キロワット時(kWh)のリチウムイオンバッテリーを組み合わせた電動モーターを搭載する。8速オートマチックトランスミッションを採用。パワートレイン全体での最高出力は323馬力(328PS)、最大トルクは500Nmで、最高速度は195キロメートル(km)となる。電動モーターのみでの航続距離は、欧州基準(NEDC)で最大65km。

車内は2列目が左右独立式のキャプテンシート、3列目は2人掛けのベンチシートになっている。ボディーカラーは、メルティングカッパーメタリック、ロジウムホワイト、アーティザンレッド、プラチナクォーツ、ジェットブラックの5色展開。日本からの完全輸入車(CBU)で、マレーシア半島での価格は33万1,610リンギ(保険料込み)になる。
(ポールタン、ジグホイールズ、ローヤット・ドットネット、9月3日)

いすゞマレーシア、クアンタンに新しい3Sセンター開設

【クアンタン】 マレーシアいすゞは、パハン州クアンタンに新たな3S(販売、サービス、部品交換)センターをオープンした。新店舗はセマンブ工業地帯に位置しており、代理店のダイナミック・モーターズによって運営される。ショールームは毎日営業、サービスセンターは月曜日から土曜日まで営業している。

敷地面積は3,500平方メートルで、管理事務所が入っている中二階を含む建屋面積は1,700平方メートル。1階は顧客を迎える専用フロアで、建物内には各種ソフトドリンクを取りそろえた冷蔵庫やコーヒーマシン、リラックスできる回転椅子、カフェスタイルの椅子、テーブルを備えたラウンジがある。管理事務所は中2階にある。

ピックアップトラックのD-Maxシリーズに加え、いすゞの中型トラックのフォワードシリーズや大型トラックのギガシリーズを含む、いすゞ車全シリーズの販売とサービスを取り扱う。ショールームには、展示車両2台を収容できるスペースがあり、電子カタログやバーチャルリアリティ(VR)設備が用意されている。

いすゞマレーシアの山口朋之 最高経営責任者(CEO)は、「この最新のいすゞ3Sセンターのような店舗で顧客がより高いレベルの対応とサービスに満足して貰うことを願っている」と述べた。
(ポールタン、カーシフ、8月29日)

ジェトロKL、JBのデジタルコンテンツ見本市にブース開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、ジョホールバル(JB)で9月2―4日の日程で開催される「東南アジア諸国連合(ASEAN)デジタル・コンテンツ・サミット(ADCS)」に独自ブースを開設すると発表した。

コンテンツをはじめとする日本企業の作品・製品のマレーシアでの販路拡大を目的として、ジェトロが運営する海外バイヤー専用オンラインカタログサイト「JAPAN STREET」の広報ブースを出展する。ブース内にはカタログに掲載されているゲーム作品の一部を試遊できるコーナーを設置し、マレーシアのバイヤー開拓を目指す。

バイヤーは「JAPAN STREET」に登録するだけで日本企業1万456社・7万8,820製品(8月26日時点)を閲覧でき、希望に応じてオンライン商談が可能となっている。

ファミリーマート、27年3月末までに国内で600店舗に拡大へ

【シャアラム】 コンビニエンスストアのファミリーマートは、マレーシア国内の店を現在の465店舗から、2027年3月末までに600店舗へと拡大させる計画だ。マレーシアでファミリーマートを展開するQLリソーシズが28日、明らかにした。

QLリソーシズは2016年、日本のファミリーマートとの間で、マレーシアにおける独占的なフランチャイズ契約を締結。もともと畜産、水産物製造、パーム油、クリーンエネルギーなどを手掛けてきたが、コンビニ事業にも参入した。2025年3月末現在、445店舗を展開しており、そのうち215店舗はハラル(イスラム戒律に則った)認証を受けたファミカフェという。またこの1年で自動販売機型の「FM Mini」48店舗を導入したほか、今年4―6月にかけて新たに20店舗をオープンした。

一方で近年、国内コンビニ業界は韓国系の「CU」や「emart24」が急増、マレーシア発の「BilaBilaマート」などの新規参入も相次ぎ、競争が激化している。さらに、売上・サービス税(SST)の拡大や最低賃金の引き上げ、関税措置の影響、店舗賃料の高騰などの外部要因もあり、経営環境は圧迫されている。

QLリソーシズのチア・リクカイ社長は同日開かれた年次株主総会後、店舗平均売上高の減少により、売上高は前年同期比6%増にとどまったと説明。「製造部門などに比べ利益率も低く、1桁台半ば」としつつ、長期的には成長を牽引する戦略事業とした。その上で、店舗拡大などを通じ「贅沢品の購入を減らし必需品に重点を置きつつある顧客のニーズに合った商品提供に注力していく」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、8月28日)

紀伊国屋書店の2号店、ダマンサラハイツに9月4日開業

【クアラルンプール】 紀伊国屋書店の現地法人キノクニヤ・ブックストアーズ(M)は9月4日正午、マレーシア2軒目となる新店を、クアラルンプール(KL)のショッピングモール「パビリオン・ダマンサラ・ハイツ」内にオープンする。

広さなどの詳細は明らかになっていないが、モールのレベル4の2区画に入居。書籍販売はもちろん、スリアKLCC店で好評の作家との交流会や、ブックディスカッションなどを通じ、文化交流の拠点としての役割を果たしていくという。

紀伊国屋はマレーシアでは1990年にイセタンKLCC店内で営業を始め、2001年にモール内に正式に店を構えた。来年25周年を迎える同店は、英語、日本語、中国語、マレー語によるさまざまなジャンルの書籍30万冊以上を揃え、地元の人からも「キノ」の愛称で親しまれてきた。現在は、エクスチェンジTRXモールの西武百貨店内に、文房具などのカウンターも構えている。海外ではマレーシアを含む10カ国で45店を営業しているという

日系書店では、「蔦屋書店」が2022年にマレーシアに初進出し、現在3店舗を運営。台湾の「誠品書店」も2022年に進出するなど注目されている。
(ザ・スター、8月27日、マレー・メイル、8月26日)