三井化学と山九、クラン港にコンテナ輸送ハブ拠点開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 三井化学(本社・東京都中央区)は20日、山九(同)と協業し、セランゴール州のクラン港に海上コンテナ輸送用の物流ハブ拠点を設置したと発表した。

新物流拠点は4月から本格稼働。化学産業にとって重要な、危険品や温度管理品のコンテナを長期保管できる機能に加え、貨物をデバンニング(コンテナを開けてから貨物を荷下ろしすること)して倉庫に保管したのちに第3国へ再輸出する機能もあり、東南アジア・インド・欧州地区のさまざまなニーズなどにも柔軟に対応可能という。

新物流拠点に関しては、ウクライナ情勢などによる物流の不安定性への懸念を背景に、国土交通省が2022年度から実施した、国際物流の多元化に向けた実証実験に両社で参加。従来の日本向けの製品配送をメインとした海外物流拠点ではなく、主に日本からインド・中東・欧州向け輸出の「中継貿易拠点」としての機能と輸送ルート開発に取り組んでいた。

「マレーシアフェア2025大阪」、6月27―29日に開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 「マレーシアフェア2025大阪」が、6月27―29日の日程でららぽーとEXPOCITY(大阪府吹田市)で開催される。マレーシアフェア2025運営事務局が明らかにした。

昨年開催された「マレーシアフェア2024東京」に続くもので、大阪での開催は今回が初めて。開催テーマは「All About Malaysia」となっている。日本にいながらもマレーシアのグルメや民族舞踊、伝統文化など、さまざまなコンテンツを楽しめるという。

みどころはマレーシアから来日したダンサーによる民族舞踊ショー。このほかマレーシアの国民食「ナシレマ」や「サテー」が味わえるマレーシア伝統グルメ、マレーシアの伝統技法を使ったバティックの染色体験やヘナタトゥーも体験できる。マレーシアのお菓子や調味料、雑貨の販売も行われる。
詳細はウエブサイトで紹介している(http://malaysiafair.jp/)。

日本とマレーシア、商事紛争調停分野で法務協力を強化

【東京】 マレーシアの商事紛争調停機関、アジア・インターナショナル・アービトレーション・センター(AIAC)と日本商事仲裁協会(JCAA)は調停の分野において協力を強化する覚書を交わした。マレーシア首相府法務部が発表した。アザリナ・オスマン首相府相(法律・制度改革担当)の訪日に合わせ締結された。

商事紛争調停、能力構築、共同研修が協力の柱で、8月に開催の閣僚級対話で内容を詰め、具体的計画に落とし込む。対話には政府認定の仲裁・調停機関の関係者が出席する。マレーシアは調停に関する特別作業班を設ける計画で、裁判に代わる手段として、経費負担も軽い調停を商事紛争解決手段として推進する。

アザリナ氏は日本初の国際調停専門機関である京都国際調停センター、および同志社大学法学部を訪問。また鈴木馨祐法相を訪問し、法務改革、法務のデジタル化などを話し合った。
(ベルナマ通信、マレー・メイル、5月19日)

ヤクルト、乳酸菌シロタ株によるカビ毒抑制をマレーシアで確認

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ヤクルト(本社・東京都港区)は16日、マレーシアプトラ大学(UPM)との共同研究で、高温多湿の地域において増殖しやすいカビ毒で発がん性物質のアフラトキシンに関し、ヤクルト独自の乳酸菌シロタ株を含む乳製品を継続飲用することで、体内蓄積の抑制につながったとする研究結果を発表した。

高温多湿な地域では、農作物や動物用飼料にカビが発生しやすく、アフラトキシンを産出。マレーシアでは、食品に含まれるアフラトキシンを摂取したことによる、がん発生率の増加が認められているという。

今回、20―60歳のマレーシア人535人から、尿中や血清中のアフラトキシン量が高い174人を抽出し、2グループに分け比較した。その結果、乳酸菌シロタ株(正式名称:L.パラカゼイ・シロタ株)を含む乳製品を12週間毎日飲用したグループでは、飲用しなかったグループに比べ、有意にアフラトキシン量が減少した。

同社では、この成果を踏まえ、マレーシアのような高温多湿な地域に住む人々のアフラトキシンによる健康被害の予防につなげていきたいとしている。

外国発行の自動車免許証の切り替えを停止=道路交通局

【プトラジャヤ】 道路交通局(JPJ)は16日、外国人の道路安全基準遵守を強化するための取り組みの一環として、外国の自動車運転免許証のマレーシアの免許証(LMM)への切り替え措置を5月19日付けで停止すると発表した。

すでに発行済みのLMMについては今後も有効となる。また新たな規定は外交団員やマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラム参加者など、特定の申請者には適用されない。

一方、12カ月未満の短期滞在でマレーシアに居住する外国人については、日本を含む「1949年道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)」および「1968年道路交通に関する条約(ウィーン条約)」の締約国を対象に、自国の関連当局が発行する国際運転免許証(IDP)を使用して運転することができる。

JPJのアエディ・ファドリ・ラムリ局長は、現政権による道路安全の向上、ガバナンスの強化、公共サービスの質の向上に向けた取り組みとコミットメントの一環だとした上で、LMMを申請する外国人はマレーシア国民と同じ手続きに従う必要があると述べた。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、5月16日)

在留証明のオンライン発給、27日から開始=外務省

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 外務省は27日から、マレーシアなど海外に住む日本人の在留証明に関し、e―証明書としてオンラインでの発給を開始する。

在留証明など在外公館で発給する証明書は、これまでもオンラインで申請は可能だったが、紙の証明書を受け取るため、公館の窓口に出向く必要があった。しかし、27日からは従来通り窓口で受け取るか、e―証明書としてオンラインで受け取るか、申請時に選択できるようになる。

e―証明書を希望する場合、オンライン在留届(ORRネット、https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html)からログインして申請し、手数料はクレジット決済にする必要がある。 マレーシアの場合、在マレーシア日本国大使館、在ペナン日本国総領事館、在コタキナバル領事事務所がオンライン申請に対応している。

当面は、e―証明書で受け取れるのは在留証明に限られるが、出生証明や婚姻証明など順次、対象を広げる。

RE企業のリニコラ、住友商事と大規模バイオエネ開発で覚書締結

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー(RE)企業リニコラ・ホールディングスは13日、マレーシアとインドネシアで大規模バイオエネルギーを共同開発することで、住友商事と覚書(MoU)を締結したと発表した。

計画では、パーム油生産時の残渣からバイオメタン、液化バイオメタン(LBM)、バイオメタノールなどのRE燃料の生産を目指す。リニコラは、タイの産業用電力会社Bグリム・パワーの支援を受けている。

覚書の調印式は、大阪・関西万博のマレーシアパビリオンで12日に行われた。住友商事のインドネシアエネルギーソリューション第2ユニット長の村松⾼市氏は「両社の専門知識とリソースを組み合わせ、低炭素エネルギーソリューションの新たな基準を確立することを目指す」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、5月13日)

新興農業企業CULTA、独自開発の高級イチゴをKLなどで発売

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 農業ベンチャー企業CULTA(本社・東京都小金井市)は12日、自社開発の独自品種を用いたプレミアムイチゴブランド「サクラドロップス」を、マレーシアのスーパーマーケットで販売を開始したと発表した。

サクラドロップスは高糖度と、輸送時などでの鮮度保持力を備えているのが特徴。2017年創業のCULTAでは、ゲノム情報を活用し交配育種の高速化に取り組んでおり、サクラドロップスもその技術を応用して開発された。現在、全国11都府県で計16軒の生産者に生産を委託し、収穫されたイチゴは原則全量を買い取り、一部を輸出している。

マレーシアで販売しているのは、スーパーマーケット・チェーンのジャヤ・グローサー3店舗と、クアラルンプール(KL)市タマンデサの「デ・マーケット」。日本円換算で約1,500―2,500円の価格帯で販売されているという。シンガポールでも発売しており、CULTAは今後、東南アジア市場でのさらなる展開を目指し、現地販売パートナーや、国内の生産者との連携を強化していく。

ユニクロ、ネグリセンビラン州初の路面店「セレンバン2」店開業

【クアラルンプール】 今年マレーシア進出15周年を迎えるカジュアル衣料のユニクロ(マレーシア)は9日、ネグリ・センビラン州初の路面店となる「セレンバン2」店をオープンした。

新店は、敷地面積1,413平方メートル、延床面積1,231平方メートルの大型店。バリアフリー設計で、メンズ、ウィメンズ、キッズ・ベビーウェアなどすべてを展開する。開店記念の限定商品などを求め、初日から多くの人でにぎわった。営業時間は午前10時―午後10時。

セレンバン2は、不動産開発のIJMランドが1995年から開発を手掛け、3,800エーカーの敷地に6万2,000人以上の住民が暮らす。ユニクロの新店の近くでは、44階建て778戸の住居棟と商業の複合施設の建設も進められており、IJMのチャイ・キアンスーン最高執行責任者(COO)は「ユニクロの出店は、セレンバン2が地域のライフスタイル拠点としての魅力を増していることの反映」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、シチズンズ・ジャーナル、5月9日)

丸紅などの合弁MRO、スバン空港に新整備施設を開設

【シャアラム】 丸紅などの合弁による航空機整備専門会社カーボンMROサービシズ(KMRO)は8日、セランゴール州のスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)で、拡張した整備施設の開設式を行った。

今回、主に格納庫を改装し、単通路のナローボディー機2機の整備を同時に行うことができるようにした。マレーシア民間航空局(CAAM)からすでに、ボーイング737とエアバスA320の両方の機種の整備を行うための認定を受けている。

また、傘下に新たにカーボン・エンジン・サービシズを設立。航空機エンジンに関する包括的なサービスを提供する。

KMROは2023年に、丸紅と、航空機整備などを手掛けるマレーシアのディビエーショングループの合弁で設立された。ディビエーショングループのケビン・テオ社長によると、1年以内に最大で航空機30機のMRO(保守・整備・オーバーオール)契約獲得を目標に、格納庫の稼働率の現在の10%からの向上を図る。

開設式には、丸紅執行役員の岡崎徹エアロスペース・モビリティ部門長らが出席。岡崎氏は、マレーシアは東南アジアの中心に位置し航空産業の発展に理想的とし「アジアにおけるプレゼンスを高め、マレーシアの航空産業の発展に貢献する」と述べた。

同じく式典に出席した投資貿易産業省(MITI)のハナフィ・サクリ副事務次官(産業担当)は日馬の協業による今回の取り組みを歓迎するとともに、米国の相互関税対象から航空宇宙産業を除外するよう交渉を行っていることを強調した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月8日、ザ・スター、5月9日)