パナソニック、ペナンのカーオーディオ工場でCO2排出ゼロ達成

【クアラルンプール】 パナソニックのグループ企業で、自動車用オーディオやナビゲーション・システムを製造するパナソニック・オートモーティブ・システムズ・マレーシアは、同社のペナン工場がCO2排出ゼロを達成したと発表した。

同工場は、敷地面積10万700平方メートル、建物面積2万8,430平方メートルで、国際規格であるISO14001認証を取得。給水ポンプ、照明、空調・冷却システムの機器交換、人感センサーの設置、空気漏れ対策などによるCO2排出量の削減に取り組んできた。2018年10月には、工場全体の電力消費量の0.8%を発電する小型太陽光発電システムを設置している。エネルギー消費量を年間3.0%削減することを目指しており、2024年3月までに工場の屋上に3,284枚のソーラーパネルを設置し、工場使用電力の20%を賄う予定。

同社の鈴木太比呂社長は、マレーシアの「2050年までのカーボンニュートラル」という目標達成に向けた取り組みに足並みを揃えるため、ペナン州環境局と常に協議しているとし、CO2排出ゼロの工場を維持し続けるには、経営陣と従業員双方の貢献が必要だと強調。工場では、エアコンの代わりに低速ファンを設置し、休憩時間には照明を消灯するなど、持続可能な省エネ慣行を取り入れており、従業員の協力と参加に心から感謝していると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月12日)

ニトリが9号店をニライに開設、ネグリセンビラン州では初

【二ライ=マレーシアBIZナビ】 ニトリホールディングス(本社・北海道札幌市)は12日付けで、マレーシア9号店をネグリ・センビラン州ニライのショッピングモール「イオンモールニライ」内にオープンした。ネグリ・センビラン州では初出店となり、ニトリグループとしては947店舗目となる。

店舗名は「ニトリ・イオンモールニライ店」。グランドフロアに位置し、売り場面積は約260坪。営業時間は日ー木曜日が午前10時から午後10時、金ー土曜日および祝日前日が午前10時から午後10時30分。

同社はマレーシア国内において、これまでクアラルンプール(KL)の「ららぽーとブキ・ビンタンシティセンター」、「パビリオン・ブキジャリル」、「スリアKLCC」、セランゴール州プトラジャヤの「IOIシティモール」、ペタリンジャヤの「ワンウタマ」と首都圏に出店してきたが、昨年12月にジョホールバルの「ミッドバレー・サウスキー」に地方初出店し、今年1月にも同じくジョホールで「トッペン・ショッピングセンター」にオープン。6月にはペナン州ジョージタウンの「ガーニー・パラゴン・モール」にも出店していた。

ニトリは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」という同社のロマンを実現するため、今後も積極的に海外展開を進めていく方針だ。

EV開発のツバメイータイム、合弁設立で日本のEV技術を提供

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 電気自動車(EV)車両開発のツバメ・イータイム(本社・山口県岩国市)は10日、マレーシアへの日本のEV・エネルギー技術提供に向け、若手起業家を支援するサホカ(Sahoca)起業家協会(SEA)との間で合意文書を締結し、また、9月12日付けで合弁会社も設立したと発表した。

合意文書は、マレーシア政府が掲げるグリーン成長戦略にツバメ・イータイムのEV、エネルギー技術を用いて包括的に貢献していくことを目指すもの。一方、合弁会社「ツバメズAAH」は、2050年までのゼロカーボン排出目標の達成に向け、ハラル(イスラムの戒律に則った)和牛輸入販売のAAHニッポンとの間で設立した。

AAHニッポンは資源の活用、経営戦略、資金の調達を担当し、ツバメ・イータイムは日本のテクノロジーの提供およびビジネス運営を担当する。

合意文書締結式には、サホカ起業家協会を率いるマハティール・モハマド元首相も立ち合った。マハティール氏は、今回の提携がマレーシアの海外直接投資増加と二酸化炭素排出量の削減に役立つとし、地元起業家は日本の技術から学ぶだけでなく、日本人から労働倫理も学び、従業員や次世代に伝え共有することで、将来の成功の礎とすることができると述べた。

ツバメ・イータイムは、2015年に国内でのEV販売を開始、2016年には販路を海外にも広げ、ベトナムに進出し、大気汚染や排ガス問題の改善に寄与している。今後も、日本を代表するEV車両製造販売メーカーとして培ったテクノロジーを世界に提供し、グローバルな視点でグリーン戦略・脱炭素化に寄与していく方針だ。

アシアタ傘下のデジタルマーケ企業ADA、日本市場に参入

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 通信大手アシアタのグループ会社であり、ソフトバンク(本社・ 東京都港区)と住友商事(本社・東京都千代田区)が出資する、アシアタ・デジタル・アドバタイジング(ADA、本社・シンガポールおよびクアラルンプール)は10日、日本での事業を開始したと発表した。

ADAは、「データ×人工知能(AI)」をベースにした総合デジタルマーケティング支援を提供し、マレーシアをはじめとするアジア13カ国で事業を展開している。

今回の日本参入では、株主であるソフトバンクと住友商事との連携をさらに深め、デジタル・トランスフォーメーション(DX)およびデータ・トランスフォーメーションの支援をさらに強化し、主に▽カスタマーデータプラットフォーム(CDP)導入支援▽データ分析とAI技術▽グローバル知見・人材の活用ーーという3つの切り口から顧客企業の事業成長に貢献していく。

ADAのスリニヴァス・ガッタムネニ最高経営責任者(CEO)は、日本の顧客にとってのDXのベストパートナーになることを目指し、ADAの1,400人のグローバルチームをフルに活用するとし、機械学習、データ分析、パフォーマンスマーケティング、テクノロジー導入などの分野で、顧客企業のグローバル展開をサポートしていくと述べた。

NTT、サイバージャヤで6カ所目のデータセンター開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本電信電話(NTT、本社・東京都千代田区)は、セランゴール州サイバージャヤに「サイバージャヤ6データセンター(CBJ6)」を開設したと発表した。

マレーシア投資開発庁(MIDA)とNTTが共同で発表した声明によると、NTTの子会社NTTグローバルデータセンター(本社・東京都千代田区)を通じて開設するもので、投資額は2億3,400万リンギ(5,000万米ドル)。受電容量は7メガワット(MW)、面積は4,890平方メートル。2021年に完成した「サイバージャヤ5データセンター(CBJ5)」を補完する。両データセンターを合わせた面積は2万平方メートルとなり、受電容量は22MWとなる。

NTTグローバルデータセンター・マレーシアのホー・イーチュン社長は、過去20年にわたりNTTサイバージャヤ・キャンパスは、マレーシアのデジタル成長と共に成長してきたとし、誇りを持って24時間年中無休稼働していると述べた。

NTTは現在、マレーシア、インド、シンガポール、タイを接続する大容量の海底ケーブル「MIST」を建設中だ。「MIST」ケーブルシステムの全長は8,100キロメートル。

NXグループ、マレーシアで鉄道専用列車による試験輸送を実施

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 NIPPON EXPRESSホールディングス(本社・東京都千代田区)は10日、グループ会社のNX南アジア・オセアニアがマレーシアにおける鉄道専用列車によるトライアル輸送を9月20日から22日にかけて実施したと発表した。

CO2排出削減に貢献する物流サービスを開発するのが目的で、マレーシア、タイ、ラオス、カンボジアなどの鉄道を活用し、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内を繋ぐクロスボーダー鉄道貨物輸送サービスの構築を目指す。

今回、鉄道による試験輸送を行ったのはクアラルンプール(KL)からタイ国境のパダン・ベサルまでの区間で、40フィートコンテナ30本を往復輸送した。往路は20日21時にKLを出発し、翌21日9時にパダン・べサルに到着。復路は21日19時にパダン・べサルを出発し、翌22日の7時にKLに到着した。

NXグループは、上海からシンガポールの約7,000キロメートルを結ぶ陸路輸送サービス「SS7000」を整備し、トラック輸送の定期混載サービスを提供しているほか、2022年4月から、中国とラオスを結ぶ国際鉄道を利用し、ASEANと周辺国を繋ぐ新たな複合輸送サービスを開始している。

UMWトヨタ、年初9カ月の販売台数が8%増に

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、「トヨタ」と「レクサス」の両ブランドを合わせた2月の販売台数が9,228台となったと明らかにした。

「トヨタ」の販売台数は9,020台、「レクサス」は208台だった。年初9カ月の累計販売台数は7万6,511台となり、前年同期の7万872台を8%上回った。

ラビンドラン・クルサミー社長は、Z世代のドライバーをターゲットにしている2023年版「ヤリス」の発売によりBセグメント・ハッチバック市場における主導的な地位を固めたと言明。「顧客の期待に応えるために、製品の更新と改善を続けてきた」と強調した。

UMWトヨタ・モーターは先ごろ、トヨタ車の所有者向け新アプリ「トヨタMY」を発表。従来提供していた2つのアプリ「トヨタドライブ」および「トヨタ24セブン」の機能をひとつのアプリに統合した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ザ・サン、10月10日、ベルナマ通信、10月9日)

UMWイクイップメント、豊田自動織機との協力強化

【クアラルンプール】 UMWホールディングス傘下のUMWイクイップメント・ディビジョン (UEDSB)は、完全子会社であるUMWトヨタ・マテリアル・ハンドリング(UTMH)の株式26%の譲渡に関して、豊田自動織機(本社・愛知県刈谷市)との間で株式売買契約を締結した。

産業機器部門での協力関係強化に向けたもので、譲渡額は2億6,000万リンギ。取引は年内に完了する見込みで、推定8,550万リンギ(1株あたり7.32セン)の譲渡益が見込まれる。なおUTMHの残り74%の株式は引き続きUEDSBが保有する。

UMWホールディングスのアハマド・フアド・ケナリ社長兼最高経営責任者(CEO)は、豊田自動織機との協力関係強化により、産業機器の販売から、ワンストップセンターサービスや物流自動化まで事業を拡大することができるようになるとし、新機器や革新的なソリューションの導入、付加価値サービスの向上により、顧客基盤や市場シェアの拡大を目指すと述べた。

UMWと豊田自動織機は、1967年に協業を開始。同年にUMWがマレーシアとシンガポールでトヨタのフォークリフトの販売代理店権を獲得し、現在ではベトナムや中国の上海・浙江地域においても販売を行っている。産業機器のトップメーカーである豊田自動織機と域内で強力な販売力を有するUMWが協力関係を深めることで、今後の産業機器事業の成長が期待できるという。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、10月9日)

イオン(M)、フードパンダとの協業を強化

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)は5日、食品デリバリーサービスのフードパンダ・マレーシアとの提携強化を発表した。

今年4月からフードパンダのアプリ上でイオン店舗の商品を購入することが可能になっているが、取扱店舗を▽スーパー「マックスバリュ」(8店舗)▽ドラッグストア「イオンウェルネス」(10店舗)▽100円ショップ「ダイソー」(12店舗)ーーの合計30店舗まで増やし、約1万3,000点の商品を、店舗と同じ手頃な価格で購入できるようにする。商品は最速で30分以内に配達されるという。

イオンは、フードパンダでの配達について、8月末時点で4月の開始当初から売上が5倍以上に伸びたとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月6日)

北海道産ホタテフェアをマレーシアなどで開催、札幌市とPPIH

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、本社・東京都目黒区)は6日、北海道産ホタテの消費拡大のためマレーシアを含むアジア店舗において「北海道産ホタテフェア」を開催することで札幌市と合意したと発表した。

開催期間は2023年11ー12月(国・地域により開催時期が異なる)で、ジャパンブランド専門店「DON DON DONKI」38店、寿司店「鮮選寿司」10店舗が対象。アジアでは「DON DON DONKI」はマレーシア、シンガポール、タイ、香港、台湾、マカオの6カ国・地域、「鮮選寿司」はマレーシア、シンガポール、香港、タイ、台湾の5カ国・地域で展開している。

札幌市とPPIHは、2022年10月21日に「札幌の食と文化の魅力発信と輸出拡大等に関する連携協定」を締結し、札幌市中央卸売市場を活用した輸出拡大等に取り組んでいる。

PPIHは声明の中で、中国への日本産水産物の全面禁輸の影響で北海道産ホタテの消費が減少する中、「北海道産ホタテフェア」を通して新鮮で安全な北海道産ホタテの海外での認知向上・消費拡大により水産事業者の支援につなげていくとしている。