無料バス「ゴーKL」、1月1日付けで外国人は1リンギ

【クアラルンプール】 クアラルンプール市政府(DBKL)は19日、無料巡回バス・サービスの「ゴーKL」について、2024年1月1日付けで外国人を対象に1回の乗車ごとに運賃1リンギを徴収すると発表した。

運賃有料化は、01(緑)、02(紫)、03(赤)、04(青)の4路線で段階的に実施される予定で、運賃支払いは、タッチ・アンド・ゴー(TNG)カード、QR コード、クレジットカード、デビット カードなどを介してキャッシュレスで行う。12歳以下の子供については、外国人もこれまで通り無料となる。

マレーシア国民が「ゴーKL」を無料で利用するには、多機能身分証カード「MyKad」を登録する必要がある。登録は12月1日から設置しているKLCCバスターミナル、ティティワンサ(ペケリリン)ターミナル、パサ・セニ・ターミナル (空白削除)の3か所のカウンターで行うことができるほか、12月6日からはDBKL市庁舎のカウンターでも受け付けている。

DBKLは11月、外国人を対象に「ゴーKL」の運賃有料化方針を明らかにしていたが、実施時期や運賃については明らかにしていなかった。
(ザ・スター、12月20日、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ、12月19日)

ビレッジグローサー、KLに29店舗目をオープン

【クアラルンプール】 高級スーパーマーケットチェーン「ビレッジ・グローサー」は、クアラルンプールのキアラベイにある「ザ・ビート」に29号店をオープンした。

店舗面積は、スーパーマーケットが2万3,885平方フィート、売店が2万168平方フィートの合計4万4,053平方フィート。高品質な肉・魚などの生鮮食品や、独占輸入のブランド製品、オーガニック製品、鮮度を保つために空輸された世界中の珍味まで、食品を幅広く取り揃えている。また、豪スーパー大手のウールワースとの提携により、高品質で手頃な価格のウールワース商品も扱っている。キアラベイのコミュニティの利便性向上やライフスタイルの改善が期待されている。

「ザ・ビート」は、不動産開発のUEMサンライズ(UEMS)が開発した小売スペース。UEMSは、「ビレッジ・グローサー」の入居により、訪問者の小売体験が大幅に向上すると期待している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月18日)

条件を緩和した新MM2Hを発表=観光芸術文化相

【クアラルンプール】 ティオン・キンシン観光芸術文化相は15日、外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの改定版を発表した。MM2Hの見直しについては、10月に発表された2024年度予算案でも触れられていた。

ティオン大臣によると、新MM2Hでは、プラチナ、ゴールド、シルバーの3カテゴリーを導入する。申請できる年齢は30歳以上となり、年間で60日以上の現地滞在が必要。帯同可能な扶養家族は、21歳未満の子どもおよび障害のある子ども(年齢制限なし)に加え、マレーシア国内で就労・結婚しない21ー34歳までの子どもや両親(実両親および義理の両親)も含まれるようになった。なお、申請手続きは観光芸術文化省に登録されたエージェント経由でのみ可能となる。

プラチナでは、マレーシア国内銀行に500万リンギの定期預金が必要で、ビザ取得後1年以降に150万リンギ以上の不動産の購入や医療、国内観光活動を目的として50%までの引き出しが可能。プラチナ取得後には永住権(PR)の申請資格が得られる。
ゴールドでは定期預金の必要額が200万リンギ、シルバーでは50万リンギとなり、ビザの有効期限はそれぞれ15年間、5年間。いずれも1年後以降に75万リンギ以上の不動産の購入や医療、国内観光活動を目的として最大50%の引き出しが可能。
ティオン大臣は、新MM2Hによりマレーシアへの世界的な関心が高まり、多くの申請が行われることを期待しているとし、1年間の試験運用により調整も行っていくと述べた。

新MM2Hの発表を受け、マレーシア国防大学(UPNM)国防・国際研究センター非常勤研究員のゾクリ・イドリス氏は、人身売買、密輸などの犯罪にMM2Hが悪用される危険があるため、資金の出所についての調査を徹底すべきだという見解を示している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月17日、16日、ザ・スター、12月16日)

輸入低価格品への10%の売上税適用、1月1日付で施行

【ペタリンジャヤ】 オンライン販売される輸入低価格品に対する10%の売上税課税措置が、2024年1月1日付けで施行されることが分かった。同税制については昨年8月に下院で法案が承認され、今年4月から施行される予定だったが、諸事情により延期されていた。

10%の売上税導入はマレーシア国内外のオンライン販売者間の競争条件を平等にするためのもので、財務省に登録した業者が輸入する、500リンギ以下の低価格品目に適用される。商品の販売価格に対して課税されるもので、関税や手数料、輸送費、保険などのその他の費用は含まれない。

財務省への登録は、海外からの低価格品輸入額が年間50万リンギを超える業者に義務付けられている。同税制導入により、関税局は年間2億リンギの税収が見込まれるとしている。

同様な輸入低価格品への課税措置は、オーストラリア、スイス、ニュージーランド、ノルウェー、英国などでも行われている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、12月15日)

家電のエルバ、キッチン家電の新製品ラインを発表

【クアラルンプール】 家電メーカーのフィアンマが展開する、キッチン家電ブランド「エルバ」は、調理と冷却に重点を置いた、キッチン家電の新製品ラインを発表した。

調理に関しては、「マエストロ・コレクション」で、4つのサブカテゴリーでの新製品を紹介。「フード&コンロ」では、調理を開始すると自動的に排気機能が作動する。またプラズマフィルター技術やBLDCモーターにより効率的な給排気を行い、キッチンに煙がこもらない仕組みを実現した。

「ビルトインオーブン」は、TFTタッチパネルで簡単に操作でき、スチーム、グリル、ベーキング、エアフライ(油なしでの揚げ物)などの調理が可能。わかりやすい指示やタイマー設定で調理をサポートする。イタリアのガス機器メーカー・サバフ社のバーナーを採用した「レンジクッカー」も、ベーキング、ロースト、エアフライ、グリルなどさまざまな調理機能を可能にしている。料理を温かく保つ保温引き出し「ウォーミングドロワー」は、利便性だけでなく、メタリックなグラファイトマット仕上げでキッチンにスタイリッシュでエレガントな雰囲気ももたらしている。

冷却に関しては、12年保証を特徴とするマルチドア冷蔵庫やサイドバイサイド冷蔵庫(欧米で定番となっている、庫内を縦に2分割し、左右に冷凍室・冷蔵室を配置した冷蔵庫)を紹介。デュアルインバーターコンプレッサーや4ゾーンでの冷却システムを採用し、長期の鮮度を保証すると同時にエネルギー消費量を抑えることに成功した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月14日、ハイテク・センチュリー、12月8日、エルバ発表資料)

大型量販のロータスズ、セランゴール州IJMリンバユに店舗開設

【クアラルンプール】 大型量販店「ロータスズ」は、セランゴール州の総合タウンシップ「IJMリンバユ」に2024年末に新店舗を開設する。12日に起工式が行われた。

開発費用は4,200万リンギで、敷地面積は4.48エーカー、延床面積は6万4,066平方フィート。185台分の平面駐車場も設置する。完成は2024年第4四半期の予定。リース期間は2024年末から30年間。タウンシップ住民1万5,930人および半径5キロメートル(km)内の3万人が販売対象となる。

ロータスズのサクシット・パヌラック最高経営責任者(CEO)は、IJMリンバユの住民にワンストップショッピングの価値や利便性、品質を提供し、ライフスタイル全体を向上させることができることを嬉しく思うとし、コミュニティが集い、家族でさまざまな楽しいアクティビティに参加できるスペースを作ることを目指していると述べた。

IJMリンバユを運営するIJMランドによると、IJMリンバユでは現時点で住宅5,472戸が販売され、そのうち3,980戸が完成済みで、引き渡しが完了している。ロータスズ以外にも2024ー2026年に各種商業施設が開設される見込みだという。
(ザ・サン、12月14日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月12日)

KLーシンガ高速鉄道、来年1月に提案依頼書プロセスを開始

【クアラルンプール】 民間主導での復活を目指しているクアラルンプール(KL)ーシンガポール間の高速鉄道(HSR)建設計画は、来年1月15日以降に提案依頼書(RFP)提出プロセスを開始する見通しだ。

アンワル・イブラヒム首相が12日に行った内閣改造で副公共事業相に就任したアハマド・マスラン氏は同日、コンセプト提案書の提出期限が来年1月15日であるため、RFPプロセスはその後開始されると説明。RFPの締切日から1カ月以内に、建設を請け負う企業を決定すると述べた。HSRについては、国内企業以外にも、中国、日本、韓国、欧州企業合わせて30社以上が関心を示しているとし、早期の開始を望んでいると述べた。建設費については、以前は700億リンギ程度になると見込まれていたが、現時点では1,000億リンギまで膨れ上がっているという。

HSR建設計画は、HSR開発の権限を持つMyHSRコーポレーションが、国内外の業界関係者からの要請を受け、当初11月15日となっていたコンセプト提案書の提出期限を来年1月15日まで延長していた。
(エッジ、ベルナマ通信、12月12日)

ペイネット、海外旅行者向けのQRコード決済アプリを発表

【クアラルンプール】 銀行間決済システムを運営するペイメント・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)は11日、海外からの旅行者を対象としたQRコード決済アプリ「MYツーリストペイ 」を発表した。

マレーシア国内で広く使われているQRコード決済「ドゥイットナウQR」は、国内銀行のみが対応しているため、これまでは海外からの旅行者は利用できなかった(QRコード決済の相互接続を行っている、タイ、インドネシア、シンガポールを除く)。「MYツーリストペイ 」では、マレーシアの銀行口座がなくても、国外発行のクレジットカード・デビットカードを登録するだけでドゥイットナウQR決済を利用できるようにした。なおアプリにはパスポート表記のフルネーム、電子メールアドレス、電話番号の入力も必要となっている。

ペイネットのファルハン・アフマド最高経営責任者(CEO)は、「MYツーリストペイ」 は、現金とQRコード決済のみを支払い方法として受け付けている農村部などで真価を発揮するとし、シームレスな決済方法を展開することで、旅行体験を向上させるだけでなく、地域経済にも大きく貢献できると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月12日、ローヤットドットネット、フィンテック・ニュース・マレーシア、12月11日)

トロピカナ、「WKLホテル」を2.7億リンギで売却

【クアラルンプール】 不動産開発のトロピカナ・コーポレーションは、完全子会社、トロピカナ・レジデンス(TRSB)が6日、IOI PFCCホテルおよびフローラ・デベロプメントと「Wクアラルンプール・ホテル(WKL)」の売却に向けて売買契約 (SPA) を締結したと発表した。売却先の2社は共に、IOIプロパティーズの間接子会社。

売却額は2億7,000万リンギ。取り引きは2024年第1四半期の完了を見込んでいる。 トロピカナは、売却益のうち1億500万リンギをWKLによる銀行からの借入金の返済、1億6,486万リンギを トロピカナ・グループの借入金返済にそれぞれ充てる。

WKLはジャラン・アンパンとジャラン・P・ラムリーの交差点に隣接する25 階建てホテルで、2018年8月に開業。客室150室、総床面積1万2,917平方フィートの会議場及び宴会場、346台分の駐車場などを有する。 トロピカナ・グループは、今年9月30日時点での借入総額は32億6,000万リンギに上っており、今後も資産売却を進めていく方針とみられる。

クチンの自動高速輸送システム、2026年初頭にも営業運転開始

【コタ・サマラハン】 サラワク州クチンで計画されている自動高速輸送(ART)システムについて、建設プロジェクトを視察した同州のリー・キムシン運輸相は、最初の路線が2025年末までに完成する予定だと明らかにした。早ければ2026年初頭の営業運転開始を予定している。

ARTの初の路線となる「ブルーライン」は、レンバスからリベリアまでの27.6キロメートル(km)を結ぶ路線で、レーザー光線を使って対象物の距離を測定するLiDARセンサーを使った誘導システムが採用されている。車両は今年9月に中国から到着しており、すでに概念実証(POC)が行われている。これまでに2,500人が試乗したが、結果は良好だという。

クチン都市交通システム(KUTS)の中心となるART計画では、「ブルーライン」のほか、クチン・セントラルとペンディングを結ぶ「レッドライン」(全長12.3km)、ペンディングとサントゥボンのダマイを結ぶ「グリーンライン」(同30km)が計画されており、全線開通は2027年末、運行開始は2028年を予定している。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、12月6日)