ビレッジグローサー、KLに29店舗目をオープン

【クアラルンプール】 高級スーパーマーケットチェーン「ビレッジ・グローサー」は、クアラルンプールのキアラベイにある「ザ・ビート」に29号店をオープンした。

店舗面積は、スーパーマーケットが2万3,885平方フィート、売店が2万168平方フィートの合計4万4,053平方フィート。高品質な肉・魚などの生鮮食品や、独占輸入のブランド製品、オーガニック製品、鮮度を保つために空輸された世界中の珍味まで、食品を幅広く取り揃えている。また、豪スーパー大手のウールワースとの提携により、高品質で手頃な価格のウールワース商品も扱っている。キアラベイのコミュニティの利便性向上やライフスタイルの改善が期待されている。

「ザ・ビート」は、不動産開発のUEMサンライズ(UEMS)が開発した小売スペース。UEMSは、「ビレッジ・グローサー」の入居により、訪問者の小売体験が大幅に向上すると期待している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月18日)

アジアの脱炭素化に向けたAZECの首脳会合を東京で開催

【東京】 岸田文雄首相は18日、日本ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議の開催に合わせ、東京でアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合を開催した。

岸田首相は、「多様な道筋による、ネットゼロ」という共通目標の達成や、「脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障」の同時実現の重要性について言明。その上で、次世代グリーントランスフォーメーション(GX)技術の開発や導入加速に向けた日本の取り組みに触れつつ、AZEC構想を通じて日本の技術や経験を共有していく意思を表明した。

具体的には、▽東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)に設立される「アジア・ゼロエミッションセンター」を通じた政策協調▽ゼロエミッション工業団地の形成などの協力案件を通じたグリーンサプライチェーンの構築▽「AZECを支援する賢人会議(AZECアドボカシーグループ)」による経済界同士の連携▽エネルギー移行ファイナンスの推進ーーなどを提案した。

同会合に参加したアンワル・イブラヒム首相は、「公正な移行」を確保しながらクリーン・エネルギーの課題と機会に取り組むには、特に資金、インセンティブ、技術、インフラなど幅広い支援が必要であるとし、マレーシアは日本やオーストラリアなどからの継続的な支援や協力を歓迎すると述べた。AZECが長期的なプラットフォームとして機能し、東南アジアにおける互恵的な協力を促進することを楽観視しているとしている。

AZECはゼロエミッションに向けカーボンニュートラルやエネルギー移行を推進するための協力枠組み。参加国は、▽日本▽マレーシア▽オーストラリア▽ブルネイ▽カンボジア▽インドネシア▽ラオス▽フィリピン▽シンガポール▽タイ▽ベトナムーー。日本は2030年までに最大80億米ドル(375億リンギ)の支援を行うことを約束している。
(エッジ、ベルナマ通信、12月18日、外務省発表資料)

マレーシア日本国際工科院、研究コンペ開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際協力機構(JICA)は、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)が7日に、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)基金による、2023年度の研究コンペを実施したと発表した。

MJIITは毎年JACTIMから研究助成支援を受けている。2023年度の研究コンペでは、「持続的発展のためのスマート技術」をテーマとし、33件の応募を受け付けた。JACTIMから3名、マレーシア国内大学から3名の合計6名が外部評価員として参加し、選考を実施。選考会は、応募者が事前に作成した研究ポスターに基づき、評価者へ向けた研究目的やこれまでの成果を手短に発表する形式で行われた。

各カテゴリー(学部、修士、博士)で5人・チームが優秀賞として表彰され、バナジウム電池技術や磁気粘性グリースの高速機械への応用、都市部の洪水予測、A型インフルエンザの予測モデル、パルスレーザー技術、カボチャの皮を媒介するセレンナノ粒子など、多様なテーマが選ばれた。

また、MJIITの各講座(研究室)からの応募件数を考慮し、エンジニアリング材料・構造講座、都市環境風工学講座、化学エネルギー変換・応用講座の3つの講座が講座賞を受賞した。優秀者・チーム、講座にはそれぞれJACTIM基金より賞金が授与され、研究資金として活用される予定だ。

受賞した博士課程学生からは、「JACTIM基金研究コンペは、学生が研究成果をアカデミア以外の人に向けて発表するとても貴重な経験だった」との声が寄せられた。

JICAプロジェクトは、今後も学生と産業界の接点を増やし、多様な連携を促進していく方針だ。

住商とENEOS、SEDCとクリーン水素サプライチェーン契約

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 住友商事(本社・東京都千代田区)とENEOS(本社・東京都千代田区)は18日、サラワク経済開発公社(SEDC)傘下のSEDCエナジーとマレーシアにおけるクリーン水素サプライチェーン構築に向け共同開発契約を締結したと発表した。

サラワク州ビントゥルにおいて、2030年までに水力発電による再生可能エネルギー由来の電力を用いた水素製造の開始を目指し、基本設計を開始する。年間9万トン規模のCO2フリー水素を製造する。約2,000トンの地産地消分を除き、効率的な水素の輸送形態の一つであるメチルシクロヘキサン(MCH)に変換して日本の需要地に海上輸送する。

住友商事は共同開発スコープ全体の事業性評価やファイナンスの組成、電力調達をサポート、ENEOSは日本の需要規模に合わせたメチルシクロヘキサン(MCH)製造に関するエンジニアリング、SEDCエナジーは電力調達と水素製造に関する検討をそれぞれ主導する。

サラワク州は現在、合計約3.5ギガワット(GW)の水力発電所が稼働中で、再生可能エネルギー由来の電力の確保が期待できる。ビントゥルは、大規模な石油化学工業団地を有しており、MCHの輸出にあたり、港湾や桟橋などの出荷設備を活用できるという利点もあるという。

アンワル首相の訪日、65.6億リンギの潜在的投資を誘致

【東京】 日本ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議の開催に合わせ、15日から5日間の日程で日本を訪問したアンワル・イブラヒム首相は、今回の訪日で65億6,000万リンギ相当の潜在的投資の誘致に成功したと明らかにした。

アンワル首相は18日の記者会見で、マレーシアに進出済みのローム・ワコー、NEC、三井物産の3社との会談で投資拡大の意向を伝えられたとし、さらに別企業からの新規投資の可能性もあると言明。中でもクランタン州コタバルに工場を設立しているローム・ワコーはマレーシア人労働者の規律や労働倫理に満足しており、第2期の開発を計画していると述べた。連邦政府はインフラ提供で同社を支援するとしている。

アンワル首相はまた、日本ではメディアがマレーシアに好意的で、大企業だけでなく、中小企業もマレーシアへの投資に関心を抱いており、今後、再生可能エネルギー、電気・電子(E&E)、化学、デジタル分野からの投資が期待できるとした。貿易・投資促進使節団が6月に訪日し獲得した230億リンギと合わせ、今年の日本からの潜在的投資額は295億6,000万リンギに達したという。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月19日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、12月18日)