【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 住友商事(本社・東京都千代田区)とENEOS(本社・東京都千代田区)は18日、サラワク経済開発公社(SEDC)傘下のSEDCエナジーとマレーシアにおけるクリーン水素サプライチェーン構築に向け共同開発契約を締結したと発表した。

サラワク州ビントゥルにおいて、2030年までに水力発電による再生可能エネルギー由来の電力を用いた水素製造の開始を目指し、基本設計を開始する。年間9万トン規模のCO2フリー水素を製造する。約2,000トンの地産地消分を除き、効率的な水素の輸送形態の一つであるメチルシクロヘキサン(MCH)に変換して日本の需要地に海上輸送する。

住友商事は共同開発スコープ全体の事業性評価やファイナンスの組成、電力調達をサポート、ENEOSは日本の需要規模に合わせたメチルシクロヘキサン(MCH)製造に関するエンジニアリング、SEDCエナジーは電力調達と水素製造に関する検討をそれぞれ主導する。

サラワク州は現在、合計約3.5ギガワット(GW)の水力発電所が稼働中で、再生可能エネルギー由来の電力の確保が期待できる。ビントゥルは、大規模な石油化学工業団地を有しており、MCHの輸出にあたり、港湾や桟橋などの出荷設備を活用できるという利点もあるという。