スターバックス、サラワク州初の手話ストアをオープン

【クチン】 コーヒーチェーン大手の米系スターバックス・マレーシアは、サラワク州初の聴覚障害者向け「手話ストア」をクチンのショッピングモール「ビバシティ・メガモール」内にオープンした。クアラルンプールとペナンに続く国内3店舗目となる。

店舗を運営するベルジャヤ・フードの最高経営責任者(CEO)兼社長であるシドニー・キーズ氏は、同社が店舗を展開している全ての州で「手話ストア」をオープンすることを目指しているとコメント。聴覚障害者コミュニティに雇用を提供することに加え、聴覚障害者の自信構築や聴覚障害に関する知識を人々に広げることも目的としていると説明した。

同店舗は7月27日にソフトオープンした。サラワクろう者協会(SSD)と協力して、店内で手話通訳やアクティビティを実施し、人々が集まり、繋がるための場を提供しており、顧客から非常に良い反応を得ているという。同店舗では8人の聴覚障害者が勤務しており、国内3店舗で計20人が働いている。
(ザ・スター、ザ・サン、8月18日)

購入品の炭素排出量を測定するクレカ、メイバンクが提供開始

【クアラルンプール】 銀行最大手のマラヤン・バンキング(メイバンク)は16日、利用者の二酸化炭素排出を測定するクレジットカード「マイインパクト」の提供を開始すると発表した。カードで購入した商品の二酸化炭素排出を商品の詳細データから計算する機能を盛り込んだカードで、東南アジア初だという。

カイルサレー・ラムリ社長は、環境保全に関心を持つ人の利用を想定しており、年内に2万枚の発行を計画していると述べた。

カード本体は食用に適さないトウモロコシを原料にしている。管理手数料はゼロで、延滞料金も課さない。顧客に持続可能性に対する意識を高めてもらうのがカード発行の狙い。

カード所持者は炭素排出を相殺するための森林再生イニシアチブに参加、または寄付を行うことができる。イニシアチブには、マレーシア緑化計画、インドネシア領カリマンタンにおける泥炭・森林保全計画が含まれる。

カイルサレー氏はまた、2020年以降、メイバンクが行った「持続可能な社会と地球を実現するための金融(サステナブルファイナンス)」の累積貸付額は400億リンギ近くになったと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、ザ・スター、8月17日)

タイのミルクティー店「チャトラムー」、年内に8店舗以上開設へ

【クアラルンプール】 スペイン発のフローズンヨーグルト専門店「ラオラオ」をマレーシアで展開するウッドペッカーズ・グループは、タイの老舗ミルクティー店「チャトラムー」を年内に国内で8ー10店舗オープンする計画を明らかにした。

ウッドペッカーズは、チャトラムーを運営するタイ企業チャ・タイ・インターナショナル・カンパニーとの間で、マレーシアにおける20年間の独占フランチャイズ契約を締結している。

ウッドペッカーズのブランドオペレーション・マネジャーであるリッキー・ジャンドラ氏は、年内に8ー10店舗、来年第1四半期にはさらに5店舗をオープンし、その後、四半期ごとに最大9店舗を開設することで、来年末には約40店舗にする計画で、店舗物件探しに着手していると述べた。マレーシアでも、チャトラムー向けに独自に生産されたタイの茶葉のみを使用し、タイと同じ味を出すとしている。

チャ・タイ・インターナショナルのスリスポーン・チャトゥロンカバニチ社長は、チャトラムーは1945年に創業したタイ紅茶の老舗であり、ウッドペッカーズがマレーシアに本格的なタイ紅茶をもたらし、ブランドを大きく成長させることを確信していると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、8月16日、マーケティング・インタラクティブ、8月15日)

サバ州BMWディーラー、州内初の公共EV充電施設を開設

【コタキナバル】 サバ州で唯一の独BMW車ディーラーであるリージャス・プレミアム・サバは、州内初となる公共電気自動車(EV)充電施設を開設したと発表した。

EV充電サービス「ジョムチャージ」の協力の下、コタキナバルのショッピングモール「T1ブンドゥサン」の地下駐車場に11キロワット(kW)のAC充電器2基を設置した。毎日24時間一般に開放され、標準料金は1時間あたり6リンギ。

BMWグループ・マレーシアのハンス・デ・ヴィッサー社長は、今回の充電施設の開設は、コタキナバルのBMW顧客やEV所有者の利便性向上に向けた第一歩だとし、サバ州でのEV普及を促進できると述べた。

リージャス・プレミアム・サバのタン・ヨーツウ社長は、サバ州で環境に配慮した選択が当たり前になることを目指しているとし、EV充電施設の開設は、EVの普及促進に加え、持続可能な交通手段を促進する政府の取り組みにも合致しているとコメント。今後もタワウなど、州内のあらゆる場所で利用しやすい充電インフラを提供し、より多くの人々が自信を持ってEVを所有できるようにしたいと述べた。

BMWグループ・マレーシアは、充電施設1,000カ所以上をネットワーク化しており、ジョムチャージとの提携で100カ所以上、ジェンタリとの提携で150カ所以上の充電施設が利用可能となっている。シェル・リチャージ・ウィズ・パークイージー、チャージアンドゴー、チャージシニ、ゴートゥーユー、フレキシパーキングなどとも新しく提携し、合計約160カ所の充電設備を利用できるようにした。
(ザ・サン、ポールタン、8月16日)

通信マキシス、新5Gプランを発売開始

【クアラルンプール】 携帯電話通信サービスのマキシスは14日、15日付けで第5世代移動通信(5G)サービスの新プランを開始すると発表した。

個人向け5G後払いプランが月額79ー199リンギ、企業向け5G後払いプランが月額45リンギ。その他、週額15リンギのホットリンク5G後払い・先払いプランや、月額158リンギのホーム5G Wifiプランも用意する。

マキシスは声明で、新プランには、4G・5G両方で2倍以上のデータ量、5Gでは追加ボーナスデータが含まれるとし、個人と企業の両方、特に動画コンテンツや生産性向上ツールの利用ニーズの増加に対応しているとした。

マキシスのゴー・ショーエン最高経営責任者(CEO)は、「当社のプランは、あらゆる層に魅力的な価値を提供し、誰もが5Gのメリットを享受できるよう、手頃な価格と普及に重点を置いている」と述べた。

マキシスは7月、政府系デジタル・ナショナル(DNB)から第5世代移動通信(5G)ネットワーク回線の卸売を受けると発表していた。セルコムDigi(セルコム・アシアタとDigiドットコムが合併)、テレコム・マレーシア(TM)、Uモバイル、YTLコミュニケーションズの4社は卸売契約を昨年11月に締結している。
(ザ・スター、8月15日、エッジ、8月14日)

サラワク州独自のMM2Hプログラム、申請数が増加

【ペタリンジャヤ】 サラワク州が独自に導入した外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムは、連邦政府によるプログラムに比べて条件が緩やか、かつ魅力的であることから、申請数が増加している。

サラワク州のアブドル・カリム観光・創造産業・舞台芸術相によると、州政府は2007年に独自のMM2Hプログラムを導入しており、連邦政府が2021年に条件を厳格化した新たなMM2H基準を打ち出した際もこれを採用しなかった。2007年以来の同州における申請承認数は2,093件。昨年は411件を承認し、前年比で1,422%と大幅に増加した。今年年初8カ月の承認数は406件に上っている。

MM2H代理店協会のアンソニー・リュウ会長によると、申請者のほとんどが生活費の低さや緩やかな生活、美しい風景に惹かれて申し込んでいる。連邦政府のプログラムが厳格化されたことから、サラワク州のプログラムを選んだ人もいたという。

連邦政府のMM2Hプログラムでは、保有資産額が150万リンギ、海外所得が月4万リンギ、定期預金が 100万リンギであることが求められているが、サラワク州のプログラムでは、海外所得が月7,000リンギ(夫婦の場合は1万リンギ)、定期預金額が15万リンギ(同30万リンギ)となっている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、8月14日)

ベルジャヤフード、韓国「パリバゲット」をフィリピンで展開へ

【クアラルンプール】 飲食店チェーンのベルジャヤ・フードは14日、子会社ベルジャヤ・フード(インターナショナル)を通じ、フィリピンに韓国の人気ベーカリーチェーン「パリバゲット」を展開すると発表した。フィリピン1号店を今年第4四半期にオープンする。

ベルジャヤが発表した声明によると、ベルジャヤ・フード(インターナショナル)、フィリピン子会社のミドル・トレード、「パリバゲット」をシンガポールで運営するバリバゲット・シンガポールの3社間でマスター・フランチャイズ契約を締結した。ベルジャヤ・フード(インターナショナル)とミドル・トレードがフィリピンにおける「パリバゲット」運営企業となり、フィリピンの主要都市での多店舗展開を目指す。

ベルジャヤ・フードのシドニー・キー最高経営責任者(CEO)は、マレーシア国内での事業拡大が成功した約半年後に他国でも展開することになったとし、フィリピンでも成功が再現されることを期待していると述べた。

「パリバゲット」を韓国で運営するSPCグループのホ・ジンス社長兼CEOは、「パリバゲット」は、1988年に韓国で創業し、「全てのパンをもれなく検査する」という「サンミダン」精神により韓国だけで約3,500店舗を展開し、世界的にも成功を収めているとして、フィリピンの顧客が高品質のパンを手軽に入手できるようになり、そのこだわりを体験してもらえるようになることを期待していると述べた。

「パリバゲット」は、韓国で初めてヨーロッパスタイルのベーカリー文化を導入・発展させ、韓国のベーカリー業界をリードしてきた。韓国以外にも、米国、英国、カナダ、中国、フランス、ベトナム、インドネシア、カンボジア、マレーシア、シンガポールに480以上の店舗を展開している。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月15日、エッジ、8月14日)

プロドゥア、クアンタン店舗での服装規定への公式声明を発表

【クアラルンプール】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は9日、パハン州クアンタンのサービスセンターで撮影され、ソーシャルメディアで話題となった服装規定の掲示に関し、公式声明を発表した。

掲示は、「サービスセンターの訪問者は短いスカート、ショートパンツ、破れたジーンズ、ノースリーブの着用が禁止されており、男性はネクタイ付きのシャツに長ズボン、女性はロングスカートに長袖シャツの着用が求められる」というもので、7日夜にソーシャルメディアで写真が拡散され、物議を醸していた。

プロドゥアのセールス担当最高執行責任者(COO)であるロズマン・ジャーファル氏は声明で、掲示は同社の公式ガイドラインに沿ったものではなく、すでに撤去されたとし、この件に関する公式調査を実施し、再発を防ぐための是正措置を講じていると述べた。

サービスセンター責任者も、掲示が誤解を招くものであったことを認め、本社と話し合った結果、これ以上の誤解を招かないよう看板を撤去することを決定したとし、服装規定はあくまでも奨励のつもりで、来店客が好きな服装を着用することを禁止しているわけではなかったと述べた。
(ポールタン、8月9日、ワールドオブバズ、8月8日)

ティオマン島の新空港計画、環境問題で中止に

【クアラルンプール】 ニック・ナズミ天然資源環境気候変動相は9日、計画が進められていたパハン州沖合のリゾート・アイランド、ティオマン島における新空港建設について、環境問題を理由に認めないことで閣内で原則合意したと明らかにした。

ニック・ナズミ大臣は、海洋保護区域内で行われる空港開発の一環としての土地の埋め立てがティオマン島の主な魅力であるサンゴ礁の破壊と数百種の海洋生物の生息地の喪失を引き起こすとの懸念の声に留意したと説明。6月21日から8月4日まで開催された環境影響評価(EIA)報告書の初回公開プロセスを通じて市民の意見が反映されたとした上で、「新空港建設の背景にはより多くの観光客を誘致する意図があるが、こうした開発はティオマン島の自然の魅力を損ない、持続可能な観光につながらない」と述べた。

開発者は、ティオマン・ヒル・リゾートの完全子会社であるティオマン・インフラ社で、同社はベルジャヤ・コープとパハン王室が折半所有している。

最初に計画が発表されたのは2018年6月で、ベルジャヤ・コープ創設者のビンセント・タン氏が、12億リンギの建設資金はグループの内部資金と借入金で賄われると発表。環境への影響を懸念する声が上がっていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、マレーシアン・リザーブ、8月9日)

チャージEV、スターバックスPD店にEV充電設備を設置

【クアラルンプール】 国内最大の電気自動車(EV)公共充電ネットワークを持つチャージEVは、ネグリ・センビラン州ポートディクソン(PD)にあるカフェチェーン「スターバックス」のドライブスルー店に、直流(DC)充電設備を設置したと発表した。

チャージEVによると、出力は80キロワット(kW)で、充電ソケットは国際規格のCCS2に対応している。充電料金は1キロワット時(kWh)当たり1.20リンギ。ポートディクソンは、クアラルンプールから車で約2時間の距離にあることから、休憩や充電に適している。充電中に飲み物を飲んだり、店舗が海辺にあることから海を眺めて待ったりすることもできるという。

チャージEVは、全国に300カ所以上の充電スポットを持っている。今年4月にはクアラルンプールのショッピングモール「ベルジャヤ・タイムズ・スクエア」に、225kWのCCS2対応の急速充電器を2基、22kWの交流(AC)充電器を6基設置している。