SUKE高速道路第2期が開通、2週間は通行料無料

【クアラルンプール】 スンガイ・ベシーウル・クラン高速道路(SUKE)の第2期(スリ・ペタリンーチェラス間、全長7.8キロメートル)が15日に開通した。開通を記念し、6月29日までの2週間、通行料金が無料になる。6月30日からはアラム・ダマイ料金所で料金2.30リンギが徴収される。

第1期(チェラスーカジャン間、16.6キロメートル)は昨年9月に開通していた。今回、第2期が開通したことにより、▽シャアラム高速道路(KESAS)▽スンガイ・ベシ高速道路(BESRAYA)▽クアラルンプール(KL)ーセレンバン高速道路▽チェラス・カジャン高速道路(CKE)▽東西リンク高速道路(SALAK)ーーの主要高速道路5路線および首都圏の複数の道路網を繋ぐ。スンガイ・ベシとスリ・ペタリンにはそれぞれインターチェンジが設置された。アラム・ダマイのインターチェンジは第3期でオープンする予定で、今年第3四半期までの完工が見込まれている。

開通式典に臨席したアレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は、第2期が完成したことで、走行する道路の選択肢が増えたとした上で、接続性がさらにアップし、効果的に交通量が分散されるようになったと言明。車の通行がよりスムーズになることで、通勤時間の短縮にも繋がるとした上で、経済活動の促進も期待できるとの見解を示した。
(ザ・スター、6月16日、ポールタン、6月15日)

首都圏の公共交通機関、8月から増便=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は、8月から9月にかけて首都圏クランバレーの公共交通機関で増便を計画しているとして、通勤者の移動時間短縮が期待できるとの見解を示した。

下院議会質疑の中でローク大臣は、これまでは故障や運行休止などの問題が起きていたが、公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアおよび軽便鉄道(LRT)の運営企業ラピッド・レールは、信頼回復に向けて、増便やピーク時の混雑解消などの取り組みを実施していると説明。プラサラナは4両19編成の車両を購入する予定で、8月より段階的に納入される予定だと述べた。1998年から運行している2両編成のLRT車両は9月より、新車両に置き換えられるという。

また首都圏大量高速輸送(MRT)カジャン線について、ローク大臣は、車輪の交換作業が今年8月に完了する予定だとし、ピーク時の運行間隔は現在の6分から4分に戻ると説明。LRTアンパン線については、全車両の部品のオーバーホール作業が昨年10月から実施されており、2027年12月に完了する見込みだとした。なお、モノレール線については、新車両2両の製造と1両の修理が2025年3月に完了する予定で、完了後のピーク時の運行頻度は5分になるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月15日、マレー・メイル、ビジネス・トゥデー、6月14日)

KLIAの大規模改修、2026年に開始=運輸省

【クアラルンプール】 マレーシア運輸省は、12日の下院議会質疑において、クアラルンプール新国際空港(KLIA)の大規模改修を、取扱能力が90%に達する2026年に開始する予定だと明らかにした。

空港運営会社、マレーシア・エアポート・ホールディングス(MAHB)は2019年、KLIAの2050年までの30年間にわたるマスタープラン調査を策定するコンサルタントを指名しており、調査は年間最大旅客数(mppa)1億4,000万人と年間最大250万トンの貨物需要に対応するための2段階の開発を含む開発要件に基づいて行われている。

現時点での取扱能力はターミナル1(旧称KLIA1)が年間3,000万人、ターミナル2(旧称KLIA2)が同4,500万人となっており、MAHBによる予測に基づくとターミナル1は2030年に、ターミナル2は2030年以降にそれぞれ飽和状態となる。取扱旅客数は2019年にはターミナル1が2,920万人、ターミナル2が3,300万人に達した。

KLIAでは現在、トラック・トランジット・システム(TTS)と手荷物処理システム(BHS)の刷新が行われており、2025年末までに完了する見込み。また国家空港戦略計画(NASP)の調査については、今年末までに完了する予定だ。
(エッジ、ベルナマ通信、6月12日)

弱から中程度のエルニーニョ現象、6月以降に発生の見込み

【クアラルンプール】 ニック・ナズミ天然資源環境気候変動相は7日、今月以降、弱から中程度のエルニーニョ現象が発生するという予想を発表した

ニック・ナズミ大臣によると、今月から弱いエルニーニョが発生し、11月には中程度の強さに発達し、6ー10月にかけて特にマレー半島南部の州、サラワク州西部、サバ州東部で降雨量が20ー40%減少すると予想されている。通常、南西モンスーン期には大気の状態が安定するため、ほとんどの地方で降雨量が少なくなるが、マレー半島西海岸とサバ州西部で、特に早朝に強風と雷を伴う大雨が発生する可能性があるとした。

また最高気温については、東南アジア諸国では、数日間にわたり気温が38度を超えるような熱波の発生は予想されていないが、平年よりも0.5ー1.0度程度気温が上がる可能性があるという。

なお、南西モンスーン期の終わりにあたる9月には、マレー半島では大部分の州において平均降雨量が100ー450ミリメートル(mm)、サラワク州では200ー350mm、サバ州とラブアンでは50ー250mm程度となると予想。10月はモンスーンの第2移行期、11月は北東モンスーン期に入ると予想されるため、より多くの降雨が予想されるとした。
(ザ・スター電子版、エッジ、ロイター、6月7日)

 

エアアジア、ペナンー香港直行便を8月に再開

【ジョージタウン】 エアアジアは7日、8月10日付けでペナンー香港間の直行便を再開すると発表した。同社のペナン発着国際直行便としてはシンガポール、ホーチミン、ジャカルタ、バンコク、メダン、スラバヤに次いで7路線目となる。

火・木・土曜日の週3便を運航する。ペナン発香港行き「AK2281」便はペナン発が6時30分、香港着が10時30分。香港発ペナン行き「AK2280」便は香港発が11時10分、ペナン着が14時55分。使用機材はエアバス「A320」型機。

就航再開を記念して、8月10日から2024年10月26日までの便の予約について、片道運賃が燃油サーチャージ、税込みでエコノミークラスで299リンギからとなるキャンペーンを実施する。

ペナン州観光クリエイティブ経済委員会のヨー・スーンヒン議長(国政の閣僚に相当)は、エアアジアによる香港への週3便の再開は、ペナンの観光地としての地位を強化しペナン島の魅力向上に大きく貢献するとコメント。香港は香港・マカオ・広東省を結ぶ粤港澳大湾区(グレーターベイエリア、GBA)の一角を占め、中国政府が統合的な経済・ビジネス拠点を構築する計画を示しているため、ペナンがGBAとつながることで観光や州経済の成長を促進できるとし、民間セクターとの強力な協力関係を築き、革新的なマーケティング戦略やインフラ整備に投資することで観光客数の増加や滞在時間の延長が見込め、旅行体験も向上させられると述べた。観光客の増加はホスピタリティ、飲食、小売、輸送などの部門にも影響を与え、雇用の創出や州全体の繁栄に貢献するとしている。
(ザ・サン、6月8日、ベルナマ通信、6月7日、エアアジア発表資料)

家電販売のフィアンマ、香港家電を国内やシンガポールで販売へ

【クアラルンプール】 家電販売のフィアンマ・ホールディングスは、香港企業モデナ・グローバルとの間で、マレーシアとシンガポールにおけるモデナの家電製品の輸入販売に向けた覚書(MoU)を締結した。

フィアンマが6日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、モデナは、冷却、調理、清掃用機器、再生可能エネルギーシステム、電気自動車(EV)用バッテリー、電動スクーターなどの製造企業。モデナは、フィアンマ製品の相手先ブランド生産(OEM)も検討する。

MoUに基づき、両社は協力関係および製品品質、生産効率向上につき協議する。MoUの有効期限は1年で、さらに1年の更新が可能となっている。
(エッジ、6月6日、フィアンマ発表資料)

総合医療区画「KLウェルネスシティ」、第1期は26年開業予定

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)のブキジャリルにおいて開発される総合医療タウンシップ「KLウェルネス・シティ(KLWC)」の着工式が1日、開催された。

推進母体のKLウェルネスシティが発表した声明によると、総開発価値(GDV)は110億リンギ。敷地面積は26.49エーカーで、医療、ウェルネス、ビジネス、小売分野で構成される「ノベル・ヘルスケア・パーク」、KL国際病院(KLIH)、研究所、臨床研究・開発施設、ヘルスケア企業向けのオフィスタワー、退職者向けのリゾート、ウェルネスに特化したサービスアパート、フィットネスをテーマとした「セントラル・パーク」などを開発する。

第1期ではヘルスケア・パークとKLIHを開発する計画で、2026年の開業を予定している。KLIHの初期投資額は8.6億リンギ。病床数は624床(1,000床まで拡張可能)で、心臓、脊椎、神経などの科目の他、スポーツ医療や美容外科、不妊治療なども行う。医師、看護師、薬剤師などを含む医療専門家向けに3,000人以上の雇用機会の創出が見込まれている。

KLウェルネスシティのコリン・リー社長は、医療観光先としてのマレーシアの認知度の向上目指すという国家計画に沿ったものだとして、医療、健康、ウェルネス、フィットネス、ビジネスのあらゆる側面を網羅したウェルネスハブというビジョンを通じて開発を進めるとした。

配車サービスのグラブ、相乗りサービスを再度導入

【クアラルンプール】 配車サービス大手のグラブは、5月29日付けで、首都圏で相乗りサービス「ジャストセーブ」を開始したと発表した。

グラブは2016年に「グラブヒッチ」、2017年に「グラブシェア」という名称で相乗りサービスを提供していたが、今回はそれらの改良版となる。乗客1人の場合のみ相乗りが予約でき、相乗り定員は2人。乗客はそれぞれ運賃を最大20%節約でき、運転手も1回の乗車で2人から支払いを受けることができる。ルートや相乗り客は事前に固定されるので、乗車後に予期せぬ遠回りが発生することはない。

現時点での相乗り利用可能地域は、▽KLCC▽ミッドバレー▽セントラル・ブリックフィールズ▽ワンウタマ周辺ーー。利用可能時間帯は、午後2時から午後9時59分まで。

相乗り客が見つからなかった場合には、通常の配車サービス「ジャストグラブ」の方を利用することになるが、若干の割引(現時点では1リンギ)を受けられる。また、相乗り客のうちひとりが乗車後にキャンセルした場合には、キャンセル料3リンギが必要となるが、もうひとりの予約は影響を受けず、目的地まで運行が継続するという。
(テックインアジア、バルカンポスト、5月30日、グラブ発表資料)

6月にエルニーニョ現象発生の見通し、ヘイズ悪化の可能性

【クアラルンプール】 気象専門家らは、東南アジアでは6月にもエルニーニョ現象が発生し、マレーシアなどでは乾燥した気候が続き、ヘイズ(煙害)が悪化する可能性があると予想している。

マレーシア国民大学(UKM)の地球科学・環境学部のモハマド・シャフルル准教授は、エルニーニョ現象について、マレーシアを含む東南アジアに少雨と乾燥気候をもたらすとして、森林や開墾地で火災が発生しやすくなると指摘。またエルニーニョ現象は乾季を長期化させる可能性もあるため、さらに火災発生の恐れが高まるとした。

シャフルル准教授によると、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は、年末に向けて強いエルニーニョ現象が発生する可能性を示している。また、気候科学者らは気候変動とエルニーニョ現象の再来により、マレーシアでは今年もしくは来年に、平均気温の最高記録を更新することを予想しているという。

エルニーニョ現象は2015年までに12回マレーシアを襲った。これまで最も影響を受けたのは1997ー1998年で、ペラ州において最高気温が40.1度を記録した。
(ザ・サン、5月31日、アジアワン、ザ・スター電子版、5月30日)

天然資源省、水道料金の見直しについて検討

【クアラルンプール】 ニック・ナズミ天然資源環境気候変動相は5月30日、水道料金の見直しを検討していると明らかにした。

水道会社アイル・セランゴールが実施する「ラサウ給水計画」の開始式典に参加したニック・ナズミ大臣は、水道事業者の財政的持続可能性が水道サービスの質に影響するとし、一部の州では20年以上料金体系が見直されていないことから、天然資源環境気候変動省が見直しを図っていると述べた。貧困層の負担増にならない形での値上げを検討しているという。

同じく式典に参加したセランゴール州のアミルディン・シャリ首相は、セランゴールにおける無収水率(NRW、漏水や盗水の割合を示す指標)は、パイプ交換や漏水対策、水処理施設の運用効率化により、2016年の36%から現在は27.8%まで減少し、2025年までに25%にすることを目標にしていると言明。セランゴールでは、2016年から全長3万キロメートル(km)のパイプ交換に取り組んでおり、コスト面への配慮から毎年計画的に150kmずつ交換作業を行っていると述べた。

ラサウ給水計画は、既存のスズ採掘池9カ所(489ヘクタール)を水源にするもので、スンガイ・ラサウ浄水場やクラン川を新たな原水供給源とする配水システムも建設し、水源確保と洪水軽減の両立を目指す。第1期は2025年に完工、第2期は2027年から開始し、工期3年を予定している。総工費は55.4億リンギ。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月31日、マレー・メイル、5月30日)