マレーシア人のインターネット利用率、97.4%に上昇

【クアランプール=マレーシアBIZナビ】 統計局は、2022年の情報通信技術(ICT)の利用およびアクセスに関するレポートを発表。マレーシア人のインターネットの利用率は97.4%で、前年から0.6ポイント上昇した。

携帯電話の利用率は99.1%で、前年から0.4ポイントアップした。コンピュータの利用率は、前年から3.3ポイント下がり80.2%となった。

家庭でのICTへのアクセス方法で最も多かったのは、携帯電話で99.3%となり、前年から0.3ポイントダウン。2番目がインターネット(96.0%)、3番目はコンピュータ(91.3%)でそれぞれ前年から上昇した。

インターネットの主な利用目的として最も回答が多かったのは、ソーシャルネットワークへの参加で99.2%(前年99.0%)だった。2位が画像や映画、動画、音楽のダウンロード、ゲームのプレイ・ダウンロードで93.5%(同91.8%)、3位が商品やサービスの情報収集で92.5%(同89.4%)、4位がソフトウェアやアプリケーションのダウンロードで89.1%(同86.3%)、5位がインターネット回線やVoIP(インターネットなどのTCP/IPネットワークを通じて音声通話を行う技術)による音声通話が85.2%(同89.2%)となった。

総合医療区画「KLウェルネスシティ」、第1期は26年開業予定

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)のブキジャリルにおいて開発される総合医療タウンシップ「KLウェルネス・シティ(KLWC)」の着工式が1日、開催された。

推進母体のKLウェルネスシティが発表した声明によると、総開発価値(GDV)は110億リンギ。敷地面積は26.49エーカーで、医療、ウェルネス、ビジネス、小売分野で構成される「ノベル・ヘルスケア・パーク」、KL国際病院(KLIH)、研究所、臨床研究・開発施設、ヘルスケア企業向けのオフィスタワー、退職者向けのリゾート、ウェルネスに特化したサービスアパート、フィットネスをテーマとした「セントラル・パーク」などを開発する。

第1期ではヘルスケア・パークとKLIHを開発する計画で、2026年の開業を予定している。KLIHの初期投資額は8.6億リンギ。病床数は624床(1,000床まで拡張可能)で、心臓、脊椎、神経などの科目の他、スポーツ医療や美容外科、不妊治療なども行う。医師、看護師、薬剤師などを含む医療専門家向けに3,000人以上の雇用機会の創出が見込まれている。

KLウェルネスシティのコリン・リー社長は、医療観光先としてのマレーシアの認知度の向上目指すという国家計画に沿ったものだとして、医療、健康、ウェルネス、フィットネス、ビジネスのあらゆる側面を網羅したウェルネスハブというビジョンを通じて開発を進めるとした。

税収強化に向けた中期歳入戦略策定を、IMFが提言

【クアラルンプール】 国際通貨基金(IMF)は、マレーシアの税収は東南アジア諸国連合(ASEAN)5カ国および経済協力開発機構(OECD)加盟国38カ国中で最も低く、さらに減少傾向にあるため、中期的な歳入戦略の策定を急ぐべきだと提言した。

IMFが1日に発表したカントリー・リポートによると、2021年時点での税収は国内総生産(GDP)の約11%に過ぎず、2023年度予算案でも「税収漏れを最小限に抑え、税務強化により歳入を改善する」とされているが、具体的かつ中期的な歳入強化策や歳入戦略スケジュールが欠如しているという。

IMFは、「物品・サービス税(GST)を当面復活させない」としている政府に対し、世界経済の急激な減速や景気後退などの外的リスクに直面するため、復活の準備作業を速やかに開始すべきだと指摘。また炭素税の導入を検討すべきで、炭素税により2030年までに年間GDPの1ー3%の収入を生み出せるとした。第12次マレーシア計画(対象期間2021ー25年)に基づく歳出や高所得国化目標に向け、中期歳入戦略の策定を優先するよう提言している。一方、連立政権の発足により改革を協調的に推進できるとし、国家腐敗防止計画などで示された腐敗防止改革は、財政管理を強化し、公共部門のサービス品質を向上させられると述べた。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、6月2日)

訪日貿易使節団、230.7億リンギの投資誘致を確保

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は2日、5月29日ー6月2日に訪日した貿易・投資促進使節団がばね製造のニッパツ(日本発条、本社・神奈川県横浜市)、電気機器製造のオムロン(本社・京都府京都市)、石油開発の石油資源開発(JAPEX、本社・東京都千代田区)との間で総額230億7,000万リンギの投資を確保したと発表した。

1994年以降マレーシアで生産を行っているニッパツは、ネグリ・センビラン州で金属ベースプリント配線板(PWB)の生産拠点を拡大する。新工場・施設は今年12月に完成の予定。

オムロンは、再生可能エネルギー(RE)を利用した製品づくりに注力する、今後の事業投資計画を発表。RE投資を通じてマレーシアの低炭素経済への移行や技術的進歩を支援していく。

二酸化炭素回収・貯蔵(CCS)でマレーシア国営エネルギー会社であるペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)と協業しているJAPEXは、2022年1月に発表したペトロナスとの共同スタディにおいて地中貯留の実施を視野に入れた適地調査や技術的な検討を行っているとし、CCSソリューションの開発を目指すとした。

使節団は、テンク・ザフルル投資貿易産業相が率い、投資貿易産業省(MITI)、マレーシア投資開発庁(MIDA)、マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)の代表者が参加した。5日間の日程で、電気自動車(EV)部品、電気・電子(E&E)、機械部品、環境・社会・企業統治(ESG)、金属、化学製品などの日本企業と会談を行った。

MIDAによると、2023年第1四半期の投資誘致額(認可ベース)は714億リンギ(162億米ドル)。そのうち日本による製造業、サービス業のプロジェクトは14件。投資総額は4,700万米ドルで第7位を占め、653人の雇用を創出する見込み。

機械製造のCKD、ケダ州の新工場の不動産取得を完了

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 機械製造を手掛けるCKD(本社・愛知県小牧市)は1日、5月8日付で発表したケダ州クリム・ハイテク・パークの工場用地・建物の取得申請を州当局が承認し取得完了したとともに、マレーシア投資開発庁(MIDA)から製造ライセンスを付与されたと発表した。

CKDは、敷地面積8万平方メートルを超える本工場の取得により、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域における機器製品の生産体制を強化し、成長市場を含む製造業全般の堅調な需要拡大に対応し、顧客ニーズに高レスポンスで対応していく方針だ。

マレーシア政府による「2023年日本貿易投資ミッション」において、テンク・ザフルル投資貿易産業相とMIDAのウィラ・アルハム最高責任者(CEO)が来日し、2023年5月29日にCKDと会談を行った。

ウィラ・アルハムCEOは、「CKDがマレーシアの工場を取得したことは、マレーシアの活気ある半導体と機械のビジネス環境への信頼の証しである。マレーシアは、機器供給、組み立て、エンジニアリングサポートサービスなど、主要な事業者による強固なバリューチェーンを誇っている。注目度の高いビジネスをサポートできる優れた人材プールと相まって、CKDのマレーシアにおける存在感は永続的なインパクトを与え、技術的な進歩を先導し、トップクラスの投資先としての地位を固めるだろう。MIDAは、CKDの事業拡大を全面的に支援し、先駆的な成果を生み出すための環境づくりに尽力している」と述べた。

またCKD代表取締役会長(CEO)梶本一典氏は、「本工場は、ASEANにおけるメイン生産拠点として、顧客のグローバルサプライチェーン構築に対応するとともに、マレーシアの産業発展にも貢献していきたい」と述べた。