ボルネオ島初の大規模データセンターをサラワクに設立へ

【クアラルンプール】 ボルネオ島初の大規模データセンターがサラワク州のコタ・サマラハンに開設される計画だ。

サラワクを拠点とするTSGグループとシンガポールの技術パートナーであるサイクレクト・グループが参加する企業連合体フューチャーデータが運営主体となる。フューチャーグリーン地区の複合開発タウンシップに建設され、受電容量は200メガワット(MW)。カーボンニュートラルかつエネルギー効率の高い技術を活用する。入居企業の要望に添った設備を設計・建設・運営するビルド・トゥ・スーツ方式を導入し、国際企業の多様なニーズに応じてカスタマイズを行う。

TSGグループのクリス・チュン最高経営責任者(CEO)は、フューチャーグリーン地区は、医療や教育施設、クチン近郊でのセカンドハウスを求める外国人居住者向けの高級住宅などがグリーンインフラにより運営されるもので、循環型経済を実現し、各家庭でグリーンエネルギーを生産して電力網に戻すことを目指しているとコメント。サラワク版のグリーンなライフスタイルに向け、考え方や行動の変革が必要だと述べた。
(マレー・メイル、ボルネオポスト、6月22日)

MM2Hの申請数は増加、条件厳格化に関わらず=内務相

【クアラルンプール】 サイフディン・ナスシオン内務相は22日、外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムについて、条件の厳格化にも関わらず申請件数が増加していると明らかにした

連邦政府は2021年10月に海外収入や銀行預金額の大幅引き上げや年間90日間のマレーシア滞在義務を課すなど、MM2Hの申請条件を厳格化している。

サイフディン内務相は、収入や預金額などの条件の厳格化は質の高い申請者を集めるためのもので、現時点で1,800ー1,900件の申請を受け付け、そのうち800件が承認されたと言明。承認を得た時点で100万リンギを口座に入金する必要があるとした。以前はMM2H申請のほとんどがバングラデシュからのものだったが、条件厳格化以降にはイギリス、日本、シンガポールからの申請者が増えたとしている。
一方、昨年10月に導入した、富裕層誘致を目的とする長期滞在ビザ「プレミアム・ビザ・プログラム(PVIP)」については、目標未達であるため再評価を行うとした。廃止までは行わず、見直しにとどめるとしている。

PVIPは国交のない国を除くすべての国の富裕層を受け入れるもので、最長20年間のマレーシア滞在が可能となり、滞在中の不動産購入や投資、事業運営なども許可される。マレーシア国外の収入が月4万リンギ以上あるいは年48万リンギ以上の個人(年齢不問)を対象としており、銀行口座残高100万リンギが必要となっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月23日)

今年第1四半期の外国人観光客数は450万人=観光芸術文化省

【クアラルンプール】 観光芸術文化省(MOTAC)によると、今年第1四半期(1ー3月)にマレーシアを訪問した外国人観光客は450万人となり、その大半は東南アジア諸国連合(ASEAN)地域からの観光客だった。

カイルル・フィルダウス副観光芸術文化相は、この勢いが続けば、MOTACが掲げる「年内に外国人観光客1,610万人」という目標を達成できる上、490億リンギ以上の観光収入が期待できると述べた。

カイルル副相は、観光客数増加には中国などの国境再開が寄与しているとし、マレーシア政府観光局との緊密な協力を通じ、観光客誘致に向けた多くのプログラムや取り組みを実施しているとコメント。ASEAN諸国以外にも、中東、中国、インド、欧州からの観光客も増えており、サバ州やサラワク州などは、その自然環境により中国、台湾、韓国からの観光客を惹きつけているとしている。

新型コロナ感染拡大前は、サバ州を訪れる外国人観光客のうち中国人観光客が大半を占め、2019年には59万8,566人となっていた。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、6月22日)

UMWトヨタ、新型MPV「イノーバゼニックス」を発売

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーター(UMWT)は、多目的車(MPV)「イノーバ」の3代目となる「イノーバ・ゼニックス」を発売した。

「イノーバ・ゼニックス」は、インドネシアからの輸入完成車(CBU)で、外観デザインがスポーツ車(SUV)風のスタイルとなっているのが特徴となっており、独自開発のトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)の「GA-C」プラットフォームを採用した。排気量2.0リットル自然吸気ガソリンエンジン搭載の「2.0V」および2.0リットルのガソリンエンジンとモーターを搭載するハイブリッドの「2.0HEV」の2バリアントを用意。「2.0V」は最高出力174PS/6,600rpm、最大トルク205Nm/4,500-4,900rpmを発揮する。「2.0HEV」のガソリンエンジンは単独で152PS/188Nm、モーターは206Nmを発揮し、システム総出力は186PSとなる。予防安全パッケージ「トヨタ・セーフティ・センス(TSS)」の最新版であるTSS3.0を搭載し、車体カラーはともに全5色。保険なしの価格は「2.0V」が16万5,000リンギ、「2.0HEV」が20万2,000リンギ。5年間走行距離無制限のメーカー保証および「2.0HEV」にはバッテリーパックを対象とした走行距離無制限の8年保証が付属する。

UMMTは、2021年2月に発売した2代目「イノーバ」についても、「イノーバ・ゼニックス」と並行して販売を継続するとしている。
(ポールタン、6月22日、トヨタマレーシア発表資料)

HSSとインデックスストラテジー、優先パートナー契約を締結

【クアラルンプール】 エンジニアリング・プロジェクト管理コンサルのHSSエンジニアズは、官民連携(PPP)プロジェクト管理に携わる日本企業インデックスストラテジー(本社・東京都港区)との間で、優先的パートナーシップ協力に向けた覚書(MoU)を締結した。

両社は、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、中東・北アフリカ地域などでのインフラ整備事業において協力する。HSS子会社のHSSエンジニアリングとインデックスストラテジーは、交通、水資源、公共インフラ分野におけるPPP投資を通じて、スマートシティ、病院、大学、公共住宅などの社会・土木インフラ整備事業に参加していく方針だ。

インデックスストラテジーは、日本の建設業界におけるプロジェクト管理の経験を有し、公共、民間、サービス利用者の要件やニーズに応じた、様々なプロジェクトの計画、調整、実施を専門としている。ガーナ、ベトナム、フィリピンなどにもPPP事業を展開している。

HSSエンジニアリングのクナ・シッタムパラム取締役副会長は、プロジェクト管理の専門家であるインデックスストラテジーとMoUを締結することで、大量高速輸送機関や汎ボルネオ高速道路プロジェクトなど、影響力の大きい国家プロジェクトで重要な役割を果たしているHSSの専門知識をさらに活用できると述べた。

HSSは、2022年にオリエンタルコンサルタンツグローバル、八千代エンジニヤリング、自然・インターナショナルという日本企業3社と同様のMoUを締結しており、今回が4社目の提携となる。
(ザ・サン、ザ・スター、6月23日)