「お金を信じる」との意識、マレーシアがアジア8カ国中最上位

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 博報堂生活総合研究所が日本・中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)の8カ国調査「グローバル定点」の第2弾調査結果によると、「お金を信じる」との回答が53.2%となり、8カ国中最も回答率が高かった。

マレーシアでは「家庭生活よりも仕事を第一に考える方だ​」との回答率が14.8%にとどまり、7位となった。一生懸命働くことを通じて生活水準を高めるため、家庭より仕事を優先する人が他国より少ないことが明らかになった。また「夫婦で家事や子育て、仕事などの役割を平等に分担している(既婚者のみ回答)​」との回答は44.9%で、5位となった。

信念や価値観に関する質問では、25.7%が「学歴を信じる」と答えて5位。また38.1%が「来世を信じる」、48.1%が「愛を信じる」と答えて、順位はそれぞれ2位となり、宗教的なバックグラウンドなどが回答率に影響を与えていることも浮き彫りとなった。

その他の質問では、「海外旅行にひとりで行くことに抵抗はない」との回答率は28.8%となり、シンガポールに次いで2位。また「地球環境の保護につながる行動をしていない方だ​」との回答は18.8%となり、3番目に回答率が高かった。​

「グローバル定点」調査は、博報堂生活綜研(上海)および博報堂生活総合研究所アセアンの協力の下、8カ国の15ー59歳の男女1万1,000人を対象に1月10ー31日にかけてインターネットで実施した。生活者の意識や価値観、行動を把握することを目的として実施した。

トクヤマ、韓国企業と合弁で半導体用多結晶シリコン半製品生産へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 総合化学工業メーカーのトクヤマ(東京本部・東京都千代田区)は、24日開催の取締役会で、マレーシアにおける半導体用多結晶シリコン事業の協業に向け、同業の韓国企業OCIカンパニーとの間で覚書を締結することを決議したと発表した。

両社は、半導体用多結晶シリコンの半製品の共同生産に関する合弁会社(年間生産能力約1万トン)を設立する。なお、製品化や販売については現状どおり各社が独自に行う。

トクヤマは「中期経営計画 2025」で「事業ポートフォリオの転換」を掲げ、電子・健康・環境の成長事業へ経営資源を投入し事業拡大を進めるとともに、国際展開の推進を図っており、今回の協業はその施策のひとつとなる。将来の半導体市場拡大に伴う多結晶シリコンの需要増加を見据え、クリーンエネルギーを使用した半導体用多結晶シリコンの生産・供給体制の構築に向け、OCI との協業の可能性を模索し、二酸化炭素(CO2)の排出量増加を抑えつつ電子分野の事業拡大の加速を推進していく方針だ。

米・香港上場株式の売買可能に、マラッカ証券が取引基盤運用開始

【クアラルンプール】 マラッカ・セキュリティーズは世界各地の証券取引所に上場している株の取引を可能にするオンライン・プラットフォーム「エムプラス・グローバル」の運用を開始した。まず米国と香港市場の株から始める。

アップル、テスラを含め米国株では約7,000銘柄、アリババ、テンセントなど香港に上場する株では約3,000銘柄、および無数の金融派生商品が取引可能だ。米ナスダックと提携し、リアルタイムの株価情報、必須データを提供する。

リム・チアウェイ代表は「エムプラスの誕生でマレーシアのトレーダーは世界を相手にできる。米国、香港に上場の有力企業に投資する機会がもたらされる」と述べた。

投資家向けにライブ動画配信やセミナーで両市場に関する情報を提供し、またディーラーを200人待機させ、客の要望や質問に対応する。証券口座を開設したユーザーは30日間、リアルタイム株価を無料で検索できる。

情報サービス業者の米アイデアル・レーティングスとの提携を通じ、株式がイスラム法に準拠しているかの「シャリア審査」能力をプラットフォームに持たせた。
(マレーシアン・リザーブ、5月24日)

レクサスマレーシア、環境に配慮したショールームを初オープン

【クアラルンプール】 レクサス・マレーシアは24日、同ブランド初のグリーン建設技術を導入したショールーム「レクサス・クラン」をセランゴール州クランにオープンしたと発表した。

ディーラーであるPCMクラン・モーターが運営する。最新の環境に優しい技術を使用して設計され、従来よりも寿命が長い持続可能性のある材料が使われている。内装には、ドラム缶などを再利用した家具が置かれ、エネルギー効率の高いLED照明やモーション・センサーも設置されており、電力や水の消費量の削減も可能だという。サービスに関しては、PCMクラン・モーターがセランゴール州シャアラムのスンガイ・ラサで運営するサービス店舗で受けることができる。

レクサス・マレーシアのラビンドラン・クルサミー社長は、環境に優しいショールームを初オープンできたことを嬉しく思うと表明。環境に優しい未来を目指して努力する我々の地球への敬意が調和しているこのショールームで、最も洗練された体験を顧客に提供できることを誇りに思うとした。
(ポールタン、エッジ、5月23日)

三井アウトレットパークKLIA、ESGイニシアチブを開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 「三井アウトレットパーク・クアラルンプール国際空港・セパン(MOP KLIA)」は23日、環境・社会・企業統治(ESG)に関するイニシアチブを開始した。

MOP KLIAは同日、ESGイニシアチブの開始に合わせて「ゴー・グリーン・フューチャー」をテーマとした誰でも参加可能な環境に優しいイベントを開催。音楽パフォーマンスや環境に関するトークショー、塗り絵コンテスト、DIYトートバッグのワークショップなどを実施した。またリム・コックウィン創造技術大学とコラボしたリサイクル衣料のファションショーが開催された。

また店舗内には、テナントや買い物客が不要なものを寄付するリサイクル・ボックスが設置された。回収されたものは毎月、現金化して貧困層の支援のため、非政府組織(NGO)に寄付される。

三井不動産とMAHBの合弁会社であるMFMAデベロップメントのT.J. チア副社長は、モールがこうした取り組みを行うのは初めてであるため、月間社会貢献額の目標はまだ設定していないと説明。今後、寄付されたリサイクル品の量などを監視し、環境や貧困層のためにさらに貢献していきたいとした。

プロトン、セランゴール州に新3Sセンターをオープン

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、セランゴール州セリ・ケンバンガンのプンチャク・ジャリルに新たな3S(販売、サービス、部品交換)センターをオープンした。

同州プチョンで1S(販売)センターおよび4S(販売、サービス、部品交換、板金塗装)センターを運営するプロトンのディーラー、アティアラ・ジョハン・グループが運営するもので、同社グループにとり3カ所目のプロトン車販売拠点となる。
自動車10台を展示できるショールーム、10基のサービスベイ、1日当たり最大60台に対してクイックサービスを提供可能なスペア・パーツ・センターを備え、ラウンジや保険更新などのサービスも行うほか、顧客を送迎するシャトルサービスも行う。板金や塗装を希望する顧客には、プチョンにある4Sセンターの協力の下でサービスを提供することも可能となっているという。

3Sセンターには太陽光エネルギー・システムが導入されており、環境に優しい施設となっている。
(ポールタン、5月23日)

仮想通貨取引所のフォビグローバル、証券委員会が業務停止命令

【クアラルンプール】 マレーシア証券委員会(SC)は22日、仮想通貨取引所「フォビ・グローバル」に対し、国内で無認可のデジタル資産取引所(DAX)を運営しているとして業務を停止するよう命じた。

SCはフォビの業務停止とともにウェブサイト、アプリの無効化や国内投資家に対する広告配信の停止も命じており、レオン・リー最高経営責任者(CEO)に対しても、命令を確実に実行するよう要求した。また、無認可でのDAX運営は「2007年資本市場およびサービス法」第7条1項に違反しており、投資家の利益を損ねる懸念があると言明。国内投資家に対し、フォビのプラットフォーム上での取引を直ちに停止し、投資資金を引き出した上で、口座を閉鎖するよう呼びかけた。無免許または未登録の団体や個人に投資する場合、詐欺の危険性があり、証券法の下で保護されない可能性もあるとした。

SCはさらに、投資プラットフォームの選択や、投資の意思決定を行う際には常に注意し、事前調査を行うべきだとし、低リスク高リターンを約束する投資には注意する必要があると警告。これらの予防措置を講じることで、詐欺被害を予防できるとした。

現時点で、SCに登録されている仮想通貨取引所は、▽ルノ・マレーシア▽MXグローバル▽シネジー▽トークナイズ・テクノロジーーーの4社となっている。
(コインデスク、ファイナンスフィーズ、フリー・マレーシア・トゥデー、5月22日、マレーシア証券委員会発表資料)

半導体の展示会「セミコン東南アジア2023」がペナンで開幕

【ペナン=マレーシアBIZナビ】 半導体産業の国際展示会「セミコン東南アジア2023」が23日、ペナン州のセティアSPICEコンベンション・センターで開幕した。東南アジア地域を中心とした電子機器のサプライチェーンが一堂に会する展示会で、25日まで開催される。

「セミコン東南アジア2023」は、電子機器の製造と設計のサプライチェーン全体を統合した世界的な業界団体であるSEMIと、マレーシア投資開発庁(MIDA)およびペナン州政府系投資会社インベスト・ペナンが戦略的パートナーとなり開催されるもので、テーマは「電子機器サプライチェーンの機敏性と回復力の向上」。持続可能性、スマート製造、スマートモビリティ、スマート医療技術、労働力開発など、半導体産業の成長の重要な分野に焦点を当てており、「CXOサミット」と「スマート・モビリティ・フォーラム」、「サステナビリティ・フォーラム」などのイベントも開催される。

パビリオンには、およそ300社以上が出展し、日系企業からはエリオニクス、岡本工作機械、清和光学、タカトリ、タカノなどが参加。1万人以上の来場が見込まれている。

ランカウイ国際海事航空宇宙展示会が開幕、27日まで開催

【クアラルンプール】 2019年以来4年ぶりとなるランカウイ国際海事・航空宇宙展示会(LIMA)が23日に開幕した。会期は27日までの5日間。

LIMAは国防省と運輸省が主催する、アジア太平洋地域最大級の防衛・商業分野の国際展示会。通常は2年に1度開催されるが、新型コロナ感染拡大の影響で2021年は開催が見送られていた。今年のテーマは「アジア海洋・航空貿易のつながり」。

23日に開催された海事部門の開会式には、アンワル・イブラヒム首相、モハマド・ハサン国防相、ザンブリー・アブドル・カディル外相、ファーミ・ファジル通信デジタル相が臨席。特別海軍チームの戦闘水中部隊がヘリコプターから水中に飛び込むなど、各種実演が行われた。海上での実演は27日まで開催され、特殊部隊による合同実演、船舶などの静態展示が行われる予定。

航空ショーも同日に開催され、モハマド・ハサン国防相、アンソニー・ローク運輸相、サイフディン・ナスシオン内務相、ケダ州のムハンマド・サヌシ首相が臨席。空軍戦闘機の飛行やヘリコプターによる救助実演などが行われた。会期中にインドネシア、中国、韓国、アラブ首長国連邦、ロシアの5カ国も曲技飛行を行う予定だという。
(ボルネオポスト、ベルナマ通信、5月23日)

スウォッチを家宅捜索、LGBT権利運動支援が理由か

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア内務省が5月13、14日の両日、レインボーカラーのプライドコレクションを巡ってスイスの時計メーカー、スウォッチの全店舗を強制捜査したことが明らかになった。マレーシア政府が認知していないLGBT権利運動を支援していると判断されたためとみられるが、強制捜査はやり過ぎだとの声が上がっている。

▽パビリオン・クアラルンプール▽ワン・ウタマ▽サンウェイ・ピラミッド▽セティア・シティ・モール▽ミッドバレー・メガモール▽ミッドバレー・サウスキー▽サンウェイ・プトラ・モール▽そごうKL▽クイーンズベイ▽ファーレンハイト88▽スリア・サバーーの各店舗でレインボーカラーのコレクションが押収され、▽KTCC(トレンガヌ)▽イオンKB▽アマン・セントラル・ケダ▽シティ・スクエア▽ビバシティ・クチンーーの5店舗が警告を受けた。

LGBT権利運動を巡っては、これを支援する英国のバンド、コールドプレイが11月に予定しているコンサートについてイスラム保守派が中止するよう要求しており、スウォッチ店舗の捜索との関連が疑われている。

スウォッチ・グループのニック・ハイエック・ジュニア最高経営責任者(CEO)は失望と懸念を表明する一方でイノベーションと多様性を擁護する同ブランドの精神を強調した。スウォッチグループは押収された時計の返還を求めている。

民主行動党(DAP)サラワク州支部のアラン・リン書記長は、警察には販売店がどの法律に違反したのか説明する義務があるとした上で、国民や観光客の間に不必要な恐怖を引き起こしていると指摘。虹のモチーフは子供の絵画にも見られるもので、虹がダメであれば学校までが強制捜査に遭う恐れがあると批判した。

マレーシア統一民主同盟(MUDA)のアミラ・アイシャ副党首は、何が「有害」と解釈されるか定義が曖昧だと懸念を表明。虹が描かれたものを販売している店舗をすべて捜索するのかと疑問を呈し、サイフディン・ナスティオン内務相に政府の見解を説明するよう求めた。