新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向、変異種を検出

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数が再び増加しており、保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」の最新のデータによると、4月28日に1,067人となり、12月19日以来、約4カ月ぶりに千人を突破。4月29日の新規感染者数は1,050人となっている。

29日に確認された新たな死者数はゼロで、アクティブ感染者は、前日から450人増えて1万4,291人。そのうち93.6%が自宅、6.2%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は70.3%、ICU病床使用率は67.0%、人工呼吸器使用率は38.8%だった。

ザリハ・ムスタファ保健相によると、オミクロン株より感染力がはるかに強いとされる新たな変種であるXBB.1.16、通称「アークトゥルス」の感染者が首都圏クランバレーで初めて検出され、これまで12人の感染者が出ている。

同氏は27日、新規感染者数が増加していることを受けて、学校でのマスク再義務化を検討していると明らかにした。

なおマラッカ州政府は、公共の場でのマスク着用を推奨している。義務ではないが、蔓延を抑えるためだとし、将来的にマスクの着用が義務化された場合は、標準的運用手順(SOP)に従うとしている。

ジョホールバルのコロネーションスクエア、一部営業開始へ

【ジョホールバル】 ジョホール州ジョホールバルの複合開発「コロネーション・スクエア」では、金融タワー「バンク・ラキヤット・タワー」が6月に完成し、数カ月以内に営業を開始する計画だ。

「コロネーション・スクエア」は、ジョホール州スルタンであるイブラヒム殿下が2015年に開始したジョホールバル市街地101ヘクタールの再開発計画「イブラヒム国際ビジネス地区変革計画」内で進められているもの。商業施設やオフィス、医療施設、ホテル、サービスアパートなどにより構成される複合開発で、全6棟のタワーの開発が進められている。ジョホールバルとシンガポールを結ぶ高速鉄道輸送システム(RTS)の駅にも接続し、推定総開発価値(GDV)は50億リンギで、2028年までに完全稼働する予定だ。

35階建ての「バンク・ラキヤット・タワー」は、バンク・ラキヤットが29階分を購入している。30階建ての「KPJヘルスケアタワー」は2024年半ばに完成予定で、KPJヘルスケアが7階分を購入し、美容や歯科、介護、小児科などの非緊急医療サービスを提供する。

また、サービスアパートの「コロネード・レジデンス」は38階建てで、551室の居室を設け、屋上スパ、ヨガデッキ、プール、バーベキューデッキ、遊び場、高台庭園、水場、ジャグジー、サウナ、ジム、コンシェルジュ、医療コンシェルジュなどの設備も用意。32階建てのタワーには、ウィンダムホテルが運営する、250ー300室の4つ星ホテルも入居する予定だ。
(ザ・スター、5月1日)

ビーインフォマティカ、デジタル貸金業の条件付きライセンス取得

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 デジタル貸金プラットフォームのビー・インフォマティカ(本社・東京都)は4月28日、マレーシアの住宅・地方自治省よりデジタル貸金業の条件付きライセンスを取得したと発表した。

ビー・インフォマティカによると、条件付きライセンスを取得している企業は、マレーシア国内で11社のみ。同社は現在、基本貸金業ライセンスに基づいて事業を行っているため、一部の手続きを対面で行う必要があり、オペレーションエリアがクアラルンプールに限られていた。しかし、 デジタル貸金業ライセンス取得により、すべての手続きをオンラインで完結できるようになる。マレーシア全土で事業を行うことができるようになるため、これまで展開が難しかったマラッカやペナン、ジョホールといった地方都市への進出が可能になるという。

同社は、デジタル貸金業ライセンスを取得することで、マレーシアの貸金業市場において顧客により良いサービスを提供し、金融包摂の促進に貢献していくことを目指しており、今後は本ライセンスの取得に向けて、本人確認手続きをオンライン上で完結させる「eKYC」やデジタルサインといった必要なIT要件の開発に取り組んでいく方針だ。

UMWトヨタ「ヴィオス」は安全規制に準拠、リコールは行わず

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは1日、グループ企業のダイハツ工業(本社・大阪府池田市)が行っていた海外向け車両の認証手続きで不正が発覚した件に関連し、対象車とされるBセグメント・セダン「ヴィオス」について安全基準と品質に問題がないためリコールする予定はないと発表した。

ラビンドラン社長は、マレーシアで3月から販売している新型「ヴィオス」がUN-R95 認証を取得しており、すべての安全規制に準拠していると強調。「顧客に多大なご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げるとともに、当社の車両の安全性と品質を保証したい」、「顧客の安全に対する我々の取り組みは、これまでもこれからも最優先事項である」とのコメントを発表した。

不正の対象となったのは▽プロドゥア「アジア」▽トヨタ「ヴィオス」▽トヨタ「アギヤ」(6月よりインドネシアで生産開始予定)▽開発中で車名非公表の1車種――。いずれも認証手続きを日本のダイハツで行って衝突試験に合格しやすくするため不適切な加工がなされていた。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ポールタン、5月1日)

プロドゥア「アジア」のリコールは行わず=ダイハツ

【クアラルンプール】 トヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)の子会社ダイハツ工業(本社・大阪府池田市)は28日、海外向け乗用車4車種で認証に必要な側面衝突試験における不正行為があったと発表したが、マレーシア国内で製造・販売されているダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)「アジア」も該当するもののリコールは行わない方針だ。

不正の対象となったのは▽プロドゥア「アジア」▽トヨタ「ヴィオス」▽トヨタ「アギヤ」(6月よりインドネシアで生産開始予定)▽開発中で車名非公表の1車種。衝突試験に合格しやすくするため不適切な加工がなされていた。4月に内部通報があり、不正が発覚したという。約8万8,000台が販売済で、そのうちタイとマレーシアで2022年8月より製造が開始された「ヴィオス」が7万6,289台、「アジア」が1万1,834台を占めている。ダイハツでは、不正を行っていない車両も衝突試験で求められる基準を満たしていることから、販売済みの車の安全性に問題はないと判断し、リコールを行わないとしている。今後、第三者委員会を設置し、調査を継続する方針だ。

プロドゥアのザイナル・アビディン・アハマド社長兼最高経営責任者(CEO)は30日の声明で、専門機関に確認を行ったところ、「アジア」が取得している側面衝突時の乗員保護に関する国連法規「UN-R95」認証の取消しが行われないことが明らかになったため、「アジア」のリコールや出荷停止は実施しないと述べた。プロドゥアは引き続き状況を監視し、進展について報告を行っていくとしている。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、4月30日、ポールタン、カースクープス、ロイター、4月28日)