手足口病の感染が拡大、警戒レベルに=保健省

【プトラジャヤ】 保健省は20日、2023年19週(5月7ー13日)の手足口病(HFMD)の感染者数が1,150人を超え、警戒レベルを超えたと発表した。

ムハマド・ラジ事務次官によると、19週目までに確認されたHFMDの感染者数は累計9,822人で、前年同期の3万1,622人よりは少ないが、第18週(4月30日ー5月6日)の増加率は、前年を上回った。9,822人のうち、セランゴール州では全体の24.9%となる2,443人の感染を確認。その他、サバ州(1,505人)、クアラルンプール・プトラジャヤ(977人)、ジョホール州(915人)、サラワク州(750人)でも700人を超えている。死者は出ていない。

ムハマド・ラジ事務次官は、主に6歳以下の子供達間で感染が拡大しており、全体の87.4%を占めていると指摘。子供達が集まる施設は清潔が保たれていないことが多く、保育所や幼稚園などですでにクラスターが発生しているとして、HFMDの疑いがある場合は、公共の場や学校、保育権、幼稚園、託児所などに子供を連れて行かないよう注意を喚起した。またクラスターとなり得る施設の雇用主や管理人にも施設を清潔に保つように求めた。
(ベルナマ通信、ボルネオ・ポスト、5月21日)

新複合開発「キングスパーク」、ゲンティン高原で建設へ

【クアラルンプール】 ハイランズ・パーク・シティとユック・トゥン・グループは、パハン州ゲンティン・ハイランドにおいて、複合開発「キングス・パーク」を6月24日に正式スタートすると発表した。総開発価値(GDV)は10億リンギ以上。

両社が13日に発表した声明によると、「キングス・パーク」は、両社が開発中の「ハイランズ・パーク・シティ」(推定GDV100億リンギ)の第1期として、「アワナ・ゲンティン・ハイランド・ゴルフ・アンド・カントリ・リゾート」や「ゲンティン・プレミアム・アウトレット」の隣接地で開発される商業・レジャー施設で、面積は21エーカー。完成は2026年を予定している。

商業部分は、植民地時代やビンテージをテーマとした設計になっており、全長2キロメートルの歩行者専用道路に沿って小売店舗が立ち並び、2階建て小売店12ブロックに360店舗が入居する予定だ。

レジャー部分では、アバターの世界観をモチーフとした世界初の「テラリウム」、エコスポーツや、マウンテン・バイク・トレイルなど屋外アクティビティ施設を建設する。

また、「キングス・パーク」には、5つ星ホテルの「スイスホテル」もオープンする予定となっており、ネオンやレーザー光で彩られたアジアを体感できる「トゥルーリー・アジア・カルチュラル・ストリート」を整備する他、国際的なハラル(イスラムの戒律に則った)小売拠点や高級ブティック・ホテルの開発も計画されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月20日、エッジ、5月19日)

日系テクスケム、第1四半期決算で赤字転落

【クアラルンプール】 日系テクスケム・リソーシズは、第1四半期(1ー3月)に24万2,000リンギの純損失を計上したと発表した。前年同期は1,308万リンギの純利益を計上していた。

テクスケムが19日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、投入コストの上昇、市場需要の低下、税負担の増加の影響で赤字に転落した。売上高も工業部門および高分子材料科学部門が需要減少の影響を受け、前年同期の3億749万リンギから12.7%減の2億6,850万リンギにとどまっている。

テクスケムの創業者で会長の小西史彦氏は声明で、市場の不確実性が続く中で現在のビジネス運営環境が厳しく、特に、ハードディスク・ドライブ(HDD)や半導体の需要が鈍化していることから、それらの部品・包装材を製造する高分子材料科学部門が課題に直面していると言明。一方、新規事業の開発に継続的に取り組んでおり、レストラン部門も上昇し続ける投入コストを積極的に管理していると述べた。事業全体としては、多角化を行い、また中核事業部門全体で強固な基礎を築いているため、長期的な成長を確信しているとした。今後も、インフレ、利上げ、ウクライナ戦争などの影響で、世界経済の低迷が予想されるが、厳しい運営環境を乗り切るためにコスト削減やキャッシュフロー管理を戦略的に行っていくと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月19日)

トーヨータイヤ、高性能タイヤ「プロクセススポーツツー」を発表

【ペタリンジャヤ】 トーヨータイヤ・マレーシア(TTM)は、最新技術により設計され、優れたパフォーマンス、安全性、耐久性を有する高性能タイヤ「プロクセス・スポーツ・ツー」を発表した。

「プロクセス・スポーツ・ツー」は湿潤路・乾燥路いずれの場合にも適応する非対称デザイン・パターンを備えるスポーツタイヤ。正確なハンドリング性能によりコーナーリングを容易にし、濡れた路面でも優れた制動力を発揮し、厳しい気象条件の中でも最高の安全性と安定性を確保している。

タン・ソンチャイ社長は、「プロクセス・スポーツ・ツー」は高トルク・パワートレインに最適化され、スポーティーな走りを実現するとし、高性能タイヤを求める顧客に選ばれる製品になると確信していると述べた。

TTMでは、横方向の溝を増やして、厳しい条件下でもオフロードの制動力を向上させた全地形型タイヤである「オープンカントリー・エーティー・スリー」も発売した。オンロードとオフロードの両方に対応し、様々な地形や気象環境で高い走破性を発揮できるとしている。

オートバックスセブン、中古車販売のエコシステムを構築

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 オートバックスセブン(本社・東京都江東区)は19日、マレーシア全国協同組合中央会(ANGKASA)傘下の信用協同組合であるコペラシ・アル・ファラー・マレーシア(KOPFALAH)と、2つのプロジェクトにおいて基本合意書(MOU)を締結したと発表した。

1つ目のプロジェクトでは、ANGKASAの協同組合員である公務員が、日本の輸入中古車を購入する際に、KOPFALAHより融資を受け、公務員給与からの天引きで車の購入が可能となる。オートバックスセブンはこの仕組みを活用することで、組合員の自動車購入ハードルを大幅に下げることができると考え、順次台数の拡大を図る方針だ。

2つ目のプロジェクトでは、オートバックスセブンのマレーシア子会社、オートバックス・カー・サービス・マレーシアが推進する「オーソライズド・ディーラー・ネットワーク」を、KOPFALAHと提携する地元自動車整備業者へ展開する。認定店としてオートバックス・オリジナルのエンジンオイルなどメンテナンス商品を優先的に販売することで、輸入中古車の購入からメンテナンスまでのトータルエコシステムを、同組合員に向けて構築する。

ANGKASAに加盟する自動車整備業者は現在約150店舗あり、プロジェクト開始3年後には、全店舗を「オーソライズド・ディーラー店」とし、同時にKOPFALAHが提供する融資プログラムを利用できる工場を、同店舗数まで拡大する計画だ。

オートバックスセブンは、これら2つのプロジェクトを通し、マレーシア本土における日本からの輸入中古車の、流通チャネルおよびアフターサービス拠点の整備と、活性化を図るべく展開していく方針だ。