【クアラルンプール】 トヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)の子会社ダイハツ工業(本社・大阪府池田市)は28日、海外向け乗用車4車種で認証に必要な側面衝突試験における不正行為があったと発表したが、マレーシア国内で製造・販売されているダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)「アジア」も該当するもののリコールは行わない方針だ。

不正の対象となったのは▽プロドゥア「アジア」▽トヨタ「ヴィオス」▽トヨタ「アギヤ」(6月よりインドネシアで生産開始予定)▽開発中で車名非公表の1車種。衝突試験に合格しやすくするため不適切な加工がなされていた。4月に内部通報があり、不正が発覚したという。約8万8,000台が販売済で、そのうちタイとマレーシアで2022年8月より製造が開始された「ヴィオス」が7万6,289台、「アジア」が1万1,834台を占めている。ダイハツでは、不正を行っていない車両も衝突試験で求められる基準を満たしていることから、販売済みの車の安全性に問題はないと判断し、リコールを行わないとしている。今後、第三者委員会を設置し、調査を継続する方針だ。

プロドゥアのザイナル・アビディン・アハマド社長兼最高経営責任者(CEO)は30日の声明で、専門機関に確認を行ったところ、「アジア」が取得している側面衝突時の乗員保護に関する国連法規「UN-R95」認証の取消しが行われないことが明らかになったため、「アジア」のリコールや出荷停止は実施しないと述べた。プロドゥアは引き続き状況を監視し、進展について報告を行っていくとしている。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、4月30日、ポールタン、カースクープス、ロイター、4月28日)