格安航空エアアジア、KL―印ポートブレア線を開設

【クアラルンプール】 格安航空エアアジアは13日、クアラルンプール(KL)―印ポートブレア線の運航を11月16日に開始すると発表した。ポートブレアはリゾートアイランドとして知られるインド領アンダマン諸島の中心都市。

火・木・土曜の週3往復の運航で、スケジュールは往路の「AK65」便がKL発10時40分、ポートブレア着10時20分。復路の「AK64」便がポートブレア発10時55分、KL着16時15分となっている。

新路線の開設を記念して、片道199リンギからの特別運賃を提供する。対象旅行期間は2024年11月16日から2025年10月25日までで、2024年8月19日まで専用アプリ「エアアジアMOVE」およびウェブサイト(airasia.com)から予約できる。

エアアジアにとってインドで17番目の路線で、ポートブレアへの直行便を飛ばす初の東南アジア諸国連合(ASEAN)の航空会社となる。エアアジアは2024年だけで、ジャイプール、ブバネーシュワル、コーリコード(カリカット)線などインド線8路線を開設している。
(ザ・サン電子版、ビジネス・トゥデー、8月13日、エアアジア発表資料)

中銀がメイバンクとCIMBに罰金、長期のシステム中断で

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は14日、長期にわたるサービス中断が金融サービス法違反にあたるとして、国内大手銀行であるメイバンクとCIMBにそれぞれ432万リンギ、76万リンギの罰金を科したと発表した。

BNMは声明で、全金融機関が業務中断に対する高レベルの技術的回復力を維持し、金融サービスの継続的な利用を保証することを期待しているとし、金融機関が規制当局の期待に達しない場合には、適切な監督および執行措置をためらうことなく講じると強調した。また、ダウンタイムへの適切な対応やコンプライアンス違反回避の失敗、サービス中断の深刻度や影響、過去の執行措置の履歴などを考慮し、罰金額を定めたとしている。両行はすでに罰金を支払ったという。

BNMによると、今回は、「2013年金融サービス法」、「2013年イスラム金融サービス法」、「テクノロジー・リスク管理(RMiT)規約」への違反となる。RMiT規約では、予定外のダウンタイムを12カ月間累計で最大4時間、1回あたり120分以内までに抑えることが義務づけられている。

CIMBは2024年4月にシステム障害によるサービス中断が発生し、オンラインバンキングやATM、デビットカード、クレジットカードが一時使えなくなった。メイバンクは2023年6月―2024年5月にかけ、複数回のシステムダウンを発生させていた。両行は、システム強化によりシステムダウンを最小限に抑える措置を講じたとしている。

(エッジ、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、8月14日)

UMWトヨタ、7月の販売台数は前月比18.4%増の9千台

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、2024年7月の新車販売台数(トヨタとレクサスの合計)が9,000台となったと発表した。

前月の7,600台から18.4%増で、2024年1―7月の累計販売台数は5万5,800台を超えたという。

ラビンドラン・クルサミー社長は、7月の販売実績は、戦略的アプローチが功を奏したのに加え、顧客からの信頼も得られたからだとし、今後も顧客の進化するニーズを満たす卓越した価値や革新的なモビリティ・ソリューションを継続的に提供することに全力を尽くしていくと述べた。

UMWトヨタは、8月31日の独立記念日に向けたキャンペーンを実施しており、「カローラ・クロス」のハイブリッド版を対象とした割引や8月17―18日には全国のショールームで試乗会などのイベントを行うとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、8月14日)

マレーシアの出生数が前年同期比10.2%減=統計局

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は2024年第2四半期の人口統計を発表。同期の出生数は10万732人となり、前年同期比10.2%減少した。

男性が5万1,759人、女性が4万8,973人。男女比は106対100。マレー系が前年から0.3ポイントアップの67.4%を占め、ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)全体では80.3%を占めた。華人は0.2ポイントダウンの9.7%、インド系は0.7ポイントダウンの3.7%にとどまった。

死者数は4万8,460人で、5.4%減となった。マレー系が52.7%を占め、ブミプトラ全体では63.2%を占めた。華人は26.0%、インド系が8.1%を占めた。

総人口は推定3,410万人に到達し、前年同期(3,340万人)比で1.9%増となった。内訳はマレーシア国民が全体の90%を占め、前年同期比30万人増の3,070万人、非国民が同40万人増の340万人。男性が同40万人増の1,790万人、女性が同30万人増の1,620万人となり、男女比は111対100となった。年齢別では0-14歳が760万人、15-64歳が2,390万人、65歳以上が260万人となった。

民族別ではマレー系が全体の58.1%に当たる1,780万人となり、前年同月比で20万人増加した。華人は22.4%、インド系は6.5%、その他ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)は12.3%を占めた。

州別ではセランゴール州が736万3,400人で最も多く、これにジョホール州、サバ州、ペラ州、サラワク州、ケダ州、クアラルンプール(KL)と続いた。

過去12カ月間に国内IT企業の79%にサイバー攻撃=調査

【クアラルンプール】 カナダのブラックベリーの調査によると、過去12カ月間にマレーシアのIT企業の79%がサイバー攻撃を受けている。

ブラックベリーは、調査会社コールマン・パークスの協力を得て、2024年4月に国内IT企業100社を対象に調査を実施した。マレーシアの79%は世界平均の76%を上回っているという。回答者が、「最もリスクが最も高い対象」として挙げたのはオペレーティングシステム(OS)で30%。次いでモノのインターネット(IoT)および接続コンポーネントが19%で続いた。

また、サイバー攻撃が引き起こす最も深刻な影響としては、金銭的損失(71%)、会社の評判の低下(66%)、データ損失(59%)が挙げられた。

サイバー攻撃の予防対策としては、スタッフへのセキュリティ意識向上トレーニング(58%)、データの暗号化(48%)、多要素認証(47%)などが実施されているが、脆弱性開示(外部からの脆弱性発見報告を受け入れる仕組み)は43%、ソフトウェア部品表(SBOM)の整備は40%にとどまった。SBOMはソフトウェアを構成する要素や依存関係、ライセンス情報などを一覧化したもの。

ブラックベリーは、国際的な規制およびコンプライアンス要件により、特にグローバル市場で技術部品の設計・販売を行う製造企業では、今後12―24カ月でSBOMの重要性が高まる可能性があると指摘。また、地政学情勢が不安定化する中、攻撃者は半導体産業など、影響範囲が大きい分野を狙う傾向があるとし、従業員へのセキュリティ教育、設計段階からのセキュリティ対策、最新の人工知能(AI)監視ツール導入など、包括的なセキュリティ対策を施すことが、マレーシア企業への信頼性向上や今後の経済成長につながるとした。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、8月13日)

ジャヤグローサー、エコワールドのカジャン高層住宅に出店へ

【クアラルンプール】 不動産開発のエコ・ワールド・デベロップメント・グループ(エコワールド・マレーシア)は、スーパーマーケット・チェーンのジャヤ・グローサーとの間で、セランゴール州の高層住宅「セドゥドゥク・D・カジャン」への出店に関する覚書(MoA)を締結した。

6.92エーカーの「セドゥドゥク・D・カジャン」は5ブロック、合計1,220戸のサービスアパートを中心とした開発で、2027年の完成時には、2,500人以上が居住する予定。サービスアパート価格は40万リンギから。高速道路やマレー鉄道(KTM)および首都圏大量高速輸送(MRT)のカジャン駅にも近く、交通の利便性が高いという。

ジャヤ・グローサーは、サービスアパートから徒歩1―2分の場所に位置する、商業エリア「セドゥドゥク・スクエア」の25店舗のうち8店舗分、面積にして約1万5,000平方フィート(約1,390平方メートル)のスペースに入居するという。
(エッジ、エッジプロップ、8月13日)

物流のテレポート、サバ州に輸出向け冷凍貯蔵施設を設立

【コタキナバル】 キャピタルAの貨物・物流部門であるテレポートは、サバ州で輸出向けの冷凍貯蔵施設を設立したと発表した。今回が1カ所目で、同州内で合計3カ所の建設を予定しているという。

キャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、新施設は、サバ州の農家や漁業従事者が中国や日本の市場に農産物・水産物を販売するのを支援するものだと説明。サバ州がブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピンから成る東ASEAN(東南アジア諸国連合)成長地域(BIMP-EAGA)における物流の中心になり、アジアと豪州間の物流を促進できると述べた。生産拠点である同州タワウやサンダカンにも冷凍貯蔵施設を建設していくとしている。

フェルナンデスCEOはまた、サバ州内に航空機の保守、修理、オーバーホール(MRO)施設を設置する計画もあるとし、ジョホールバルには14ベイの格納庫があるが、さらに28ベイが必要であるため、サバ州での設置に向け、州政府と協議すると述べた。
(マレー・メイル、8月13日)

アミタのマレーシア海外統括、インドネシアで再資源化事業

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アミタホールディングス(本社・京都府京都市)は、マレーシアにある海外事業統括会社であるアミタ・サーキュラー・デザイン(ACD)が、インドネシアでの100%再資源化事業の本格展開に向け、合弁会社を設立すると発表した。

ACDは9日、東南アジア最大級の複合企業サリムグループの傘下で、インドネシアで再生可能エネルギー事業や上水道事業などを行うタマリス・モヤグループのタマリス・プリマ・エネルギ(TPE)と、脱炭素・循環型の新事業創出に取り組む合弁会社アミタ・タマリス・レスタリ(アミタ・タマリス)の設立で基本合意した。8月下旬を目途に設立を目指す。

アミタ・タマリスは、9月下旬を目途にインドネシア大手セメント会社インドセメント・トゥンガル・プラカルサの子会社サリ・バクティ・セジャティと、現地で100%再資源化事業を行う合弁会社アミタ・プラカルサ・ヒジャウ(アミタ・プラカルサ)を設立する。アミタ・プラカルサは、2027年中にインドネシア国内での循環資源製造所の開所および事業の本格始動を目指し、現地での許認可取得や製造所建設などを進めていく。並行してサリムグループが有する広範なネットワークを活かした事業活動を企画、推進し、東南アジアにおける資源循環を加速していく。

両合弁会社は共同で、産業廃棄物・一般廃棄物・バイオマス資源由来のセメント産業向け代替原料・燃料を生産・供給する100%再資源化事業の開始準備を進める。具体的には、2027年中のインドネシアでの製造所稼働を目指し、サリムグループや日系企業のネットワークを軸に、廃棄物排出企業への営業活動を行いながら、事業開始に必要な許認可手続きや工場建設を進める。

技術革新指数の順位引き上げを推進、独自の指数を作成へ

【クアラルンプール】 政府はグローバル・イノベーション・インデックス(GII)の順位引き上げを目指し国全体での取り組みに着手する。チャン・リーカン科学技術革新相が12日、マレーシア商業化サミットで発表した。

チャン氏は省としてマレーシア独自のイノベーション・インデックスの開発に取り掛かっていると明らかにした。戦略策定を支援するツールとし、GII順位の上昇につなげる。行政部門、産業界、学術界にイノベーションを促す。世界知的所有権機関が2023年末に発行したGIIでマレーシアは36位だった。GIIでは132の経済圏のイノベーションエコシステムを調査し、ランキングを作成している。1位から5位は、スイス、スウェーデン、米国、英国、シンガポール。

アンワル・イブラヒム首相は「順位はマレーシアの潜在性を反映していない。あらゆる方法を講じ順位を上げるとの決意、努力が必要だ」と言明。さらにスタートアップのためのビジネスエコシステムでマレーシアはまだ多くの機会をとらえていないとし、科学技術革新省に国内だけでなく、国外でのネットワーク構築も促した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月13日、ベルナマ通信、8月12日)

サバ州の電力供給業者、25年1月から同州の適格証明のみ有効

【コタキナバル】 サバ州エネルギー委員会(ECoS)は12日、ECoSが管轄する電力供給や太陽光発電などの事業登録について、2025年1月からECoSが発行する適格証明書のみを有効とすると発表した。

同措置は「2024年電力供給法(EBE)」および「2024年電力供給規則(PPBE)」に沿ったもので、同規則では2024年1月3日以降、ECoSがマレーシア・エネルギー委員会から電力供給活動の規制権限を引き継ぐことになっている。

エネルギー委員会(EC)または持続可能エネルギー開発庁(SEDA)発行の適格証明書を保有している場合でも、ECoSから認定を取得する必要がある。

「EBE2024」と「PPBE2024」の研修コースを受講し試験に合格すれば、認定を取得できる。現在、16の認定トレーニングセンターで受講が可能となっている。

これにより、急速に設置が進められている電気自動車(EV)充電施設の運営事業者(CPO)も、サバ州内ではECoSが発行する適格証明書を取得する必要がある。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、モタオート、8月12日)