米マリオット、サービス付きアパートメントをKLに開業

【クアラルンプール】 米マリオット・インターナショナルは、主に中長期滞在者向けの「マリオット・エグゼクティブ・アパートメント」をクアラルンプール(KL)のKLCCパーク近くにオープンした。

新施設は353室からなるサービス付きアパートメントで、クアラルンプール中心部に位置する。客室は48―139平方メートルのスタジオから3ベッドルームで構成。キッチンや室内ランドリー設備が備わり、短期から長期滞在まで幅広いニーズに対応する。建物内には、24時間利用可能なフィットネスセンターやプール、子供向けプレイルームのほか、朝食から夕食まで提供する「ビストロ・キア・ペン」などがある。

同社はエグゼクティブ・アパートメントを世界17カ国以上の都市部で展開しており、マレーシアではペナン州に続き2軒目で、中国を除いたアジア太平洋地域で最大級の施設になるという。
(エッジ、8月14日)

配車サービスのBolt、ビジネス向け新サービスを首都圏で開始

【クアラルンプール】 配車サービス、Boltマレーシアは13日、新サービス「Boltビジネス」を首都圏クランバレーで開始。利用社員は会社に対して立て替え払いの精算をする必要がなくなり、企業と社員の両方の業務が簡素化されるという。

新サービスの導入は無料で、社員は通常の利用と同様にアプリを通じて配車するが、支払いは会社に請求される形になる。会社側は、自動レポートなどを通じ、財務部門と人事部門の経費管理と事務作業の削減につながる。また乗車人数の制限や、目的地の承認、リアルタイム追跡など必要に応じて設定できる。予約は最大90日先まででき、外部ゲスト向けの割引コードも生成できる。

24時間365日対応のカスタマーサービスに加え、専任のアカウントマネジャーによるサポートも追加料金なしで提供される。アフザン・ルトフィ責任者は「企業と従業員の双方にメリットがあると同時に、地元のドライバーパートナーの収益機会を拡大する」としている。今後全国展開を目指していく。

欧州エストニア発祥のBoltは昨年11月にマレーシアでサービスを開始。約3カ月で、ドライバーパートナーは540%、登録乗客は280%増加したという。
(ポールタン、ローヤット・ドットネット、8月14日)

1MDB資金流用事件、総額297億リンギを回収

【クアラルンプール】 ナジブ・ラザク元首相の主導で設立された国策投資会社、ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)、同子会社SRCインターナショナルによる公金流用事件で、政府は財産回収信託口座を2018年に設けて以降、297億リンギの資金をこれまでに回収した。議員の質問に財務省が書面で回答した。

1MDB債務返済のため、1MDBに移転された資金は今年7月末の時点で約422億リンギうち約154億リンギが財務省と財務大臣法人による株主貸し付けで、約267億リンギが回収資金からのもの。約289億リンギが元本返済、132億リンギが利子支払いに充当された。

1MDBの残存債務はイスラム債の償還義務(約90億リンギ)で、2039年まで返済が続けられる。50億リンギが元本、約40億リンギが利子など。SRCに対し政府は53億5,000万リンギを移転した。元本、利子支払いに充当される。財務省は、資金回収には外国政府機関の協力が欠かせず、裁判手続きもあるため、まだ数年を要する複雑な作業だと説明した。

(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、8月14日)

ハラル認証プロセスの効率化で新システム導入、18日に説明会

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証プロセスの効率化に向け、新たなデジタルシステム「Myハラル・イングリディエンツ」を15日から導入する。

新システムはイスラム開発局(JAKIM)を通じ、全ての原材料を記録・評価するために開発された。これまでのハラル認証システム「MyeHALAL」と統合される。MyeHALALに比べ、登録の簡素化や原材料審査の迅速化、サプライチェーン管理の改善が期待されている。従来は書類の提出を何度も求められることが多かったため、そうしたやり取りを減らし、認証処理全体の時間を短縮。マレーシアのハラル分野の国際的な競争力の強化を図る。

18日に新システムに関するオンライン説明会が予定されており、政府は関係企業の担当者らに参加を呼びかけている。
(ビジネス・トゥデー、8月14日)

M&Eや空調、冷凍機の展示会が9月にKLCCで開催

【クアラルンプール】 機械・電気(M&E)、土木、空調・冷凍・換気の最新技術が結集される「マレーシア技術展・会議2025(エンジニア)」および「空調・冷凍・換気機博覧会2025(マーベックス)」が9月9―12日の4日間、クアラルンプール・コンベンションセンター(KLCC)で開催される。

両イベントは、マレーシア技術者協会(IEM)、マレーシア空調・冷凍協会(MACRA)、展示会運営会社のC.I.Sネットワークによる共同開催。国内外から250社以上が参加し、50のセッションで160人以上の講演者が登壇する予定で、1万3,800人の来場者を目標に掲げている。

11日に行われたイベント発表の記者会見で、IEMのジェフリー・チャン会長は、多くの学生がSTEM(科学、技術、工学、数学)分野の科目を履修していないことに懸念を表明。「政府はSTEM教育を奨励するとともに、現役のエンジニアがマレーシアに留まり、国に貢献するよう促進してほしい」と付け加えた。

またC.I.Sネットワークのビンセント・リム会長は、「エンジニアがビジネスにより積極的に関わる必要があり、彼らの交流の場となるよう、より多くのエンジニアリング分野を取り上げていきたい」と述べた。
(エッジ、8月13日)

人口集中地域の7月末時点のインターネットカバー率98.82%

【クアラルンプール】 マレーシアの人口集中地域におけるインターネット通信のカバー率は7月31日時点で98.82%に達した。ファーミ・ファジル通信相が13日、下院議会質疑の中で明らかにした。

ファーミ氏は、高速通信規格「5G」のカバー率についても言及。国営デジタル・ナショナル(DNB)が計7,489カ所の基地局を設置し、全国の人口集中地域の82.4%をカバーしていると説明した。加入者数は2,800万を超えたという。

一方、Uモバイルによる、国内2つ目の5Gネットワーク構築は、7月14日に運用が開始され、計1,232の拠点が5Gにアップグレードされたという。

こうした動きは、ブロードバンド普及のための国家デジタル・ネットワーク計画(JENDELA)第1期に基づくもの。ファーミ氏によると、今年中に第1期は完了し、超過疎地域を衛星通信などでカバーする第2期の計画が、今年第4四半期に発表される見通しだ。マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)が現在、最終調整中という。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、8月13日)

イスラム教に沿ったAIモデル、ゼトリックスが発表

【クアラルンプール】 行政サービスの電子化を請け負っているゼトリックスAI(旧MyEGサービシズ)は12日、大規模言語モデル「NurAI」を開発したと発表した。世界初の、イスラム教の要件を満たす人工知能(AI)モデルで、グローバルサウスの世界観を反映させているという。

法律、保健医療、金融から、歴史、イスラム哲学、クルアン(コーラン)学などイスラムにかかわる事項まで広範な話題に回答を生成する。使用可能言語は、マレー語、インドネシア語、アラビア語、英語で、パソコン、モバイル端末のどちらでも利用できる。

ゼトリックスAIは声明で「イスラムの価値にそぐわない点がある西側、中国のAIモデルの代替になり得る、イスラム共同体向けAIだ」とした。発表式でアハマド・ザヒド副首相は「宗教と技術の調和の好例であり、官民、金融機関、宗教団体などすべての関係者にこうした技術の開発、普及を後押しするよう求める」と述べた。

NurAI開発には中国ディープシークのオープンソースノウハウを利用した。専門知識を学習したアバターを使っており、ユーザーはアバターを個人教授のように利用できる。
(エッジ、8月11日、ビジネス・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、8月12日)

カールスバーグ、9月からビールの販売価格を値上げへ

【クアラルンプール】 大手ビール会社カールスバーグ・ブリュワリー・マレーシアは、9月1日から国内でのビールの価格を引き上げる。今年の販売量が横ばいと見込まれる中、コスト上昇と需要低迷の中で利益率を確保するのが狙いだが、値上げ幅は小幅に抑える方針だ。

ステファノ・クリニ社長は今年の販売量について、旧正月など祝祭期の需要が低迷し、年間で3―4%減になる見込みと説明。また近年数億リンギ規模をインフラ改善に投資しつつ、生産コストは安定させていることから、コスト管理への自信を示し、「値上げは利益拡大ではなく、あくまで利益維持のためで、1桁台にとどめたい」と強調した。値上げにより、2、3カ月の短期的には消費が落ち込む可能性があるとする一方、長期的な影響については「時期尚早」とした。

さらに、マレーシア政府が第13次マレーシア計画(13MP)に盛り込んだ、健康増進税(プロヘルス税)について懸念を表明。アルコールやたばこ、電子タバコが含まれる可能性があり、過度な課税は違法市場の拡大を招きかねず、政府と協議を進めるとした。
(マレー・メイル、8月13日、エッジ、8月12日)

9月のハラル見本市「MIHAS2025」、過去最大級の見通し

【クアラルンプール】 9月に開催されるハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2025」は過去最大級になる見通しだ。マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)のリーザル・メリカン長官が12日、明らかにした。

MIHASは2004年に初開催。前回の2024年は2,028のブースで構成されたが、今年はそれを上回る2,300以上のブースが出展する。食品などに留まらず、教育、医療、フランチャイズ、イスラム美術工芸、物流などの14の産業分野にまたがる見込みだ。また来場者も過去最高の4万3,000人を上回る、45カ国以上から4万5,000人以上を目指すという。

さらに今年は、ASEAN・湾岸協力会議(GCC)の特別パビリオンが設置される。昨年、初開催となった海外版の「MIHAS@ドバイ」が好評だったことなどを受けたもの。今年は中国・上海でも開催が予定されており、リーザル氏は「来年はヨーロッパでも開催し、マレーシアのハラル企業が国際的にビジネスをアピールできるよう図りたい」と述べた。

MIHAS2025は「ハラルの卓越性の頂点」をテーマに、9月17―20日の4日間、クアラルンプール(KL)のマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開催される。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、8月12日、ザ・スター、8月13日)

エアアジアX、13年ぶりの欧州便 イスタンブール便を11月就航

【セパン】 中・長距離格安航空エアアジアXは11月14日から、クアラルンプール新国際空港(KLIA)と、トルコ最大の都市、イスタンブールのサビハ・ギョクチェン国際空港(SAW)を結ぶ路線を就航する。エアアジアXにとって13年ぶりのヨーロッパ直行便の復活となる

KLIA―SAW便は月・水・金・日曜の週4便。往路の「D7604」便は飛行時間約11時間でKLIA発が9時35分、 SAW着が16時5分、復路の「D7605」便は飛行時間約10時間で、SAW発17時20分、KLIA着が翌8時40分となる。使用機材はエアバスA330ー300型機。

SAWは現在、マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)が運営を行っており、アジアとヨーロッパの重要な中継地として、117以上の国際都市、40以上の国内都市への乗り継ぎが可能。エアアジアXはこのハブ機能を活用し、年間15万人の旅客輸送を目指していく。また、よりシームレスなサービスを提供するため、トルコを拠点とする航空会社と「インターライン契約」の協議を行っているという。

エアアジアXは2009―2012年にロンドンとパリへの路線を運航していたが、需要の低迷などで廃止した。一方、昨年はカザフスタンのアルマトイ路線や、初のアフリカ路線となるナイロビ路線を就航するなど、エアアジアXの親会社であるキャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は近年、世界的な格安航空会社ネットワークの構築を打ち出している。ヨーロッパ路線の復活はそのためにも重要で、その後に北米市場進出を目論む。エアアジアXが7月、最大70機のエアバスの長距離向けジェット機の購入を発表したのもその布石とみられている。しかし、ナイロビ路線は需要低迷のため9月1日からの運休が発表されており、エアアジアXのベンヤミン・イスマイルCEOは「イスタンブール便の就航は、これまで以上に力強く復興していく我々の新たな誇りとなる」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月12日、エッジ、8月11日)