マレーシア航空、KLIA―豪ブリスベン直行便を11月に再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空は18日、クアラルンプール新国際空港(KLIA)と豪ブリスベンを結ぶ直行便を11月29日から、2年ぶりに再開すると発表した。週5便の運航となる。

KLIA発のMH135便は、午後8時40分(月曜と水曜を除く毎日)発で、翌日の午前6時45分ブリスベン着。ブリスベン発のMH134便は午前8時(火曜と木曜を除く毎日)発で、午後2時10分KLIA着となっている。

ブリスベンへの直行便は、事業見直しの一環として2023年3月に運航が中止された。今回、ニーズが高まっているとして復活を決めた。プロモーション運賃としてエコノミークラスの往復航空券で1,999リンギからの運航開始となる。予約は5月18日から。

またシドニーやメルボルンなどの豪州とニュージーランドへの一部路線に、エアバスの最新ワイドボディ機A330neoを導入し、快適性、燃費効率、客室設備を向上させる。さらにシドニーとメルボルンを週21便、オークランドを週10便に増便した。

親会社であるマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)のイザム・イスマイル社長は、アジア太平洋地域のネットワークを強化し、主要なトランジットハブとしてのKLIAの地位を築くための幅広い取り組みの一環であることを強調。最近ではインドネシア・スラバヤ週14便、タイ・プーケット週21便、インド・トリバンドラム週5便に増便するなどの影響で、トランジット旅客数は約10%増加したという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、ベルナマ通信、4月18日)

東海岸鉄道線プロジェクト、全区間の工事進捗率が81%に

【パシル・プテ】 東海岸鉄道線(ECRL)プロジェクト(全長665キロメートル=km)は、2026年12月の完成に向けて順調に進んでおり、クランタン州コタバルからセランゴール州までの全区間の工事進捗率は3月時点で81.07%となっている。進捗率はトレンガヌ州内では90%、パハン州内では86%となっている。

クランタン州パシル・プテ駅の現地視察を行ったマレーシア・レール・リンク(MRL)のダルウィス・アブドル・ラザク最高経営責任者(CEO)は、同州政府がプロジェクトの円滑な実施、特に土地収用に関する問題の解決において重要な役割を果たしたと言明。「同州の43km区間の工事進捗率は88.86%に達し、プロジェクト全体の進捗に大きく貢献している」と述べた。

同州のトゥンジョンとパシル・プテの2駅の工事進捗率もそれぞれ69%と68%に達しており、2駅の工事は来年5月までに完了する予定。試験・試運転は2026年6月に開始される予定だ。

ECRLプロジェクトは、半島部東海岸のクランタン州、トレンガヌ州、パハン州を縦断し、西海岸のセランゴール州を結ぶ新線。コタバルからゴンバック統合ターミナルまでの区間は2026年12月に完成し、2027年1月に運行開始の予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月17日)

カーシェアのゴーカー、日産のEVを導入

【クアラルンプール】 カーシェアリングサービスの「ゴーカー」は、日産の電気自動車(EV)「キックスe―POWER」を導入した。

コンパクトSUVのキックスは昨年マレーシアで発売されており、ゴーカーは今回、日産の販売代理店エダラン・タンチョン・モーター(ETCM)と提携した。燃費性能や航続距離に優れた車種で、ゴーカーでは「首都圏クランバレーなど、市街地走行に最適」としている。1時間あたり17.9リンギ(予約は最低3時間以上)で利用できるほか、月単位や年単位のリースが可能な「ゴーカー・サブ」でも利用できる。

また、7月31日までゴーカーでキックスを利用した人に賞品が当たるキャンペーンも実施している。
(カーシフ、モタオート、4月15日)

ジェトロ、ヘルスケア展示会「SEACare2025」に出展

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、4月23―25日にKLで開催されるヘルスケア関連の展示会「東南アジア・ヘルスケア・アンド・ファーマ・ショー(SEACare)2025」に出展すると発表した。

マレーシアで需要増が見込まれるヘルスケア市場において、日本企業のヘルスケア商品の販路拡大を目的として、オンラインカタログサイト「Japan Street」の広報ブースを出展する。「Japan Street」はジェトロが招待した海外バイヤー専用のオンラインカタログサイトで、バイヤーは登録するだけで日本企業9,726社・6万8,156製品(4月15日時点)を閲覧、希望に応じてオンライン商談が可能となっている。また、カタログ掲載商品の参考として、歯科関連用品や高齢者ケア用品、サプリメント等の商品サンプルを展示紹介し、マレーシアのバイヤー開拓を目指す。

同ブースでは、日本企業とスタートアップなどの海外企業の協業連携のためのプラットフォーム「ジャパン・イノベーション・ブリッジ(J-Bridge)」についても紹介し、同プラットフォームを活用したヘルスケア分野における日本企業とマレーシアのスタートアップ企業とのマッチングを支援する。「J-Bridge」は会員制のポータルサイトで、海外とのオープンイノベーションに関心のある日本企業1,789社(2025年2月末時点)が登録されている。

KLタワー、17日から一時閉鎖、背景に運営権騒動

【クアラルンプール】 通信省は17日、クアラルンプール(KL)のランドマーク「KLタワー」が同日夜から、保守・改修工事のため、一時閉鎖すると発表した。再開日は未定で、追って発表される。閉鎖はKLタワーの営業開始以来初めてという。

KLタワーを巡っては、投資持株会社リム・ソンハイ・キャピタル傘下のLSHサービスマスター(LSHSM)が4月1日から、運営管理・保守業務を政府から委託された。しかし、これを不服とする旧運営会社のメナラ・クアランプール(MKLSB)と、その親会社が、政府とLSHSMに対する仮差し止めを求めて3月27日に提訴。高等裁判所が4月8日にこれを却下した。しかし、MKLSB側は4月13日にも、タワー完成直後の28年前のタイムカプセルを開封するイベントを、マハティール・モハマド元首相を招いて行うなど、混乱が続いている。

こうした事情を受け、通信省は17日の声明で、今回の一時閉鎖はあくまで保守・改修工事のためとしつつ、KLタワーは政府の所有物であることを強調。MKLSBに対し、2回の立ち退き通知を発行したとし、MKLSBの不法占拠を非難した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、ベルナマ通信、4月17日)

第1四半期のGDP成長速報値、プラス4.4%=統計局

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は18日、2025年第1四半期(1ー3月期)のマレーシア国内総生産(GDP)成長率の速報値を発表。前期(2024年10ー12月期)のプラス5.0%から、プラス4.4%に減速した。正式発表は5月16日に予定されている。

牽引役のサービス業は、前期のプラス5.5%からやや減速したもののプラス5.2%の水準を維持した。卸売・小売、輸送・倉庫、情報通信が貢献した。

製造業も、前期のプラス4.4%から、プラス4.2%にやや減速。電気・電子・光学製品、植物性・動物性油脂・食品加工、石油・化学・ゴム・プラスチック製品の好調に支えられた。

建設業は前期のプラス20.7%から、プラス14.5%に減速したものの、特殊建設、住宅建設の成長に支えられ、2ケタ成長は維持した。

農業は、前期のマイナス0.5%からプラス0.7%に持ち直した。アブラヤシ・サブセクターが低迷したものの、漁業およびその他の農業サブセクターに支えられた。

一方、鉱業・採石業は原油・コンデンセートおよび天然ガスの生産量減少が影響し、前期のマイナス0.9%からマイナス4.9%にさらに落ち込んだ。

研究支援のクリムゾン、AI校正でマレーシアの研究団体と提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 学術研究支援サービス「エナゴ」を提供するクリムゾンインタラクティブ・ジャパン(本社東京都千代田区)は16日、マレーシア研究管理者協会(MyRMA)と提携し、AIライティングアシスタント「Trinka」を通じ、論文執筆をサポートすると発表した。

エナゴは、英語を母語としない研究者の論文の英文校正などのサービスを提供しており、Trinkaは学術論文およびテクニカルライティングに特化した人工知能(AI)搭載の英文校正ツールとして開発された。またMyRMAは、マレーシアの25以上の研究機関が登録する団体で、今回の提携で、会員はTrinka利用に割引などが得られるという。MyRMAのシュコール・ラザク会長は「このパートナーシップは、マレーシア全体の研究水準の向上という私たちの使命を間違いなく支えてくれる」とコメントしている。

ガスパイプライン火災の全面復旧、最短でも7月1日の見通し

【クアラルンプール】 セランゴール州プトラハイツのガスパイプラインの大規模火災について、ペトロナス・ガス(PGB)による全面復旧は最短でも7月1日になりそうだ。

PGBの親会社の国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の発表によると、現在、関係当局による事故原因調査とともに、地盤安定化の工事やパイプラインの掘削など、復旧工事を進めている。全面復旧は規制当局の承認にもよると断ったうえで、早くて7月1日とした。

一方で、ガス供給再開を最優先とし、ペトロナス傘下のガス輸送業者ペトロナス・エナジー&ガス・トレーディング(PEGT)や、ガス供給業者のガス・マレーシアなどと緊密に連携し、段階的に復旧を進めている。

先週には、首都圏クランバレーへの天然ガス配給で重要な役割を担う、ガス・マレーシアのセルダン・シティゲート・ステーションが再開。火災で影響を受けたシティゲート・ステーション9つのうち、5つが復旧し、残り4つになっている。またこの再開で、火災の影響を受けた4つの発電所のうち、2つの発電所が運転を再開した。
(ザ・スター、エッジ、4月15日、ベルナマ通信、4月16日、ペトロナス発表資料)

「自然電力」傘下企業などによるケダ州の発電施設、税控除を取得

【クアラルンプール】 自然電力(本社・福岡市中央区)傘下の企業などが関わる、ケダ州の29.99メガワットAC(MWAC=AC変換済み)の大規模太陽光発電施設がマレーシア投資開発庁(MIDA)からグリーン投資税控除(GITA)の承認を取得した。大阪・関西万博のマレーシアパビリオンで16日、発表された。

発電施設は、このプロジェクトのために設立された特別目的会社(SVP)「SM01」が開発。SM01は、自然電力傘下の自然・インターナショナルのマレーシア子会社が49%、太陽光発電装置大手のソーラーベスト・ホールディングスの子会社ソーラーベスト・アセット・マネジメントが33%、エンジニアリング・プロジェクト管理コンサルのHSSエンジニアズの子会社HSSエンジニアリングが18%、それぞれ出資している。昨年11月、ソーラーベスト子会社のアトランティック・ブルーが、1億4,200万リンギで、設計・調達・建設・試運転(EPCC)契約をSM01から獲得した。

今回承認されたGITAは、マレーシア政府がグリーン技術への投資を促進するための戦略的優遇措置。SM01に出資する3社は「この優遇措置の承認により、施設の収益性の向上とプロジェクトの実現可能性の向上が期待される」としている。
(ビジネス・トゥデー、ソーラークオーター、4月17日)

マレーシアと中国、AI、貿易、観光分野で31件の協定覚書

【プトラジャヤ=アジアインフォネット】  中国の習近平・国家主席の12年ぶりの公式訪問に合わせ、マレーシアと中国は16日、人工知能(AI)、デジタル経済、貿易、運輸、観光、農業、教育、安全保障など様々な分野で合計31件の協力覚書(MOU)に署名した。

経済分野では、ザフルル・アジズ投資貿易産業相と中国の王文濤商務相が、サービス貿易、標準化協力、マレーシアと中国の「二国間ツインパーク」推進に関する3つの文書を取り交わした。

鉄道分野では、アンソニー・ローク運輸相と欧陽玉靖・駐マレーシア中国大使が、協力強化に関する協定にも署名した。デジタル分野では、デジタル省と中国国家発展改革委員会(NDRC)の間で、AIとデジタル経済における協力に関する2つの覚書が交換された

外交分野では、モハメド・ハサン外相と王毅外相が、グローバル安全保障イニシアチブ(GSI)およびグローバル文明イニシアチブ(GCI)の下での協力の共同推進、開発協力の強化及びグローバル開発イニシアチブ(GDI)の実施支援――の3件の文書を交換した。

国内取引物価省管轄下の事項では、知的財産分野での協力に関する覚書が署名された。

習主席はイブラヒム国王の招待を受けて15日から3日間マレーシアを公式訪問し、16日にはイブラヒム国王、アンワル・イブラヒム首相と個別に会談。アンワル首相とは二国間協力を活性化する方策について話し合い、相互に関心のある地域的および国際的な問題について意見を交換した。