RON95補助金、次段階では高所得者を除外へ=首相補佐官

【イポー】 全マレーシア国民を対象に9月30日から実施される新たな「RON95」レギュラーガソリン補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」について、次段階では上位15%を占める高所得者(T15)が対象から除外される見通しだ。

ムハンマド・カミル・アブドル・ムニム首相補佐官は、「BUDI95」については燃料補助金の公平性と効率性を改善するために受給対象を段階的に見直す計画の一環だと説明。第1段階では外国人のみが除外され、身分証明書と運転免許証を所持するすべてのマレーシア国民が1リットルあたり1.99リンギで購入できるようにすることに重点を置いているとした上で、「我々は第1段階の実施状況を注意深く監視し、どのように機能するかを評価してから次の段階に進む」と述べた。

ムハンマド・カミル氏はまた、混乱や国民の反発を避けるため政府は段階的なアプローチを取っていると強調。「一度に実施したらどうなるか想像して欲しい。問題や技術的な課題が発生するだろう。しかし段階的なプロセスにより、歳入への影響を最小限に抑えながら制度を改善できる」と述べた。

購入上限の設定については、広範な協議を経て平均消費量を200―220リットルと想定し、少し引き上げて300リットルの上限を設定したと説明。「これ以上引き上げても苦情は出るだろう」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・サン、マレー・メイル、ベルナマ通信、9月24日)

「日馬フードイノベーション推進フォーラム」、在馬大使館と共催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 サステナブル・フード・アジア(Sustainable Food Asia、本社・東京都港区)は、11月27日に在マレーシア日本国大使館と「日馬フードイノベーション推進フォーラム」をクアラルンプール(KL)の大使公邸で開催すると発表した。

フードテック分野でマレーシア市場に関心を持つ日本のスタートアップ企業とマレーシアの有力企業との連携を目的としたマッチングイベントで、日本のスタートアップのマレーシア・東南アジア諸国連合(ASEAN)市場への進出、マレーシア・ASEAN大手食品企業との共創機会を創出するのが狙い。

イベントでは▽日本のスタートアップによる企業紹介プレゼンテーション▽マレーシア企業による企業紹介▽試食交流会▽マッチング形式の商談会――を予定しており、これに合わせて参加を希望する日本のスタートアップを5社程度をめどに募集する。

応募条件は▽フードテック・サステナブルフード分野での事業展開を行っていること▽マレーシアを含むASEAN地域への進出・販路開拓に関心があること▽マレーシアにて試食提供可能な商品があること▽英語での商談が可能なこと――で、参加料は無料。渡航・滞在費などは自己負担となる。

イケアマレーシア、国内の全飲食施設がハラル認証を取得

【クアラルンプール】 スウェーデン系家具メーカー、イケア・マレーシアは24日、国内のすべてのレストランなどでイスラム開発局(JAKIM)からハラル(イスラムの戒律に則った)認証を取得した、と発表した。

イケアによると、1996年のマレーシア初進出以来、ハラル認証を受けた食材の調達から、厨房における許可されていない食材の使用禁止などを実施してきたが、正式なハラル認証は取得していなかった。取得にあたり、食材のトレーサビリティ(追跡可能性)、厨房のワークフロー、従業員の研修などの厳格な検査が行われたという。

同社小売部門責任者のマルコム・プルイス氏は「今回の認証は、信頼、文化、そしてコミュニティへの敬意を反映したもので、地元の価値観や期待を尊重した食事の提供をさらに強化していく」としている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、9月24日)

ネグリセンビラン州ニライに「オートシティ」を建設へ

【ニライ】 ネグリ・センビラン州は、「ニライ・スマートシティ」(面積728.43ヘクタール)開発プロジェクトの第1期として10億リンギ規模の近代的な自動車産業ハブ「オートシティ」を建設する予定だ。ニライ・リソーシズ・グループが23日に開催した「ニライ・スマートシティ」起工式でアミヌディン・ハルン州首相が明らかにした。

オートシティは、自動車ショールーム、スペアパーツ販売店、サービスセンター、自動車エステティックトリートメント施設、テクノロジーを駆使したライフスタイルスペースを備えた近代的な自動車ハブとして機能する。国際的な自動車ブランドを誘致するほか、地元企業が自動車サプライチェーンとエコシステムに参加する機会も提供する。技術、サービス、物流、マーケティング、管理の分野で5,000人以上の雇用が創出される見込みだという。

アミヌディン氏は、同プロジェクトが「ニライ・スマートシティ」内の他の地区における電気自動車(EV)製造、医療、教育、倉庫、住宅といった分野での開発を促進すると期待されていると述べた。
(エッジ、マレー・メイル、ベルナマ通信、9月23日)

補助金付きRON95、商用車向け価格は2.05リンギに

【クアラルンプール】 30日から導入されるレギュラーガソリン「RON95」の新補助金制度で、商用車向けの販売価格は2.05リンギになる。アミル・ハムザ・アジザン第2財務相が23日、記者会見で明らかにした。

商用車向けに関し、政府は15日から、「ガソリン補助金管理制度(SKPS)」に基づき、フリートカード(車両用給油カード)の申請を受け付けている。対象は、公共陸上輸送車両(9カテゴリー)と、貨物車両(12カテゴリー)。また、公共陸上輸送車両のうち、警察と軍関係者については、「試験運用」として27日から補助金価格での販売を実施する。

一方、対象以外の商用車は、外国人と同様、補助金なしとなり、自動価格設定メカニズムに基づき週単位で調整された価格での販売になる。対象外には「大企業」が含まれるとされているものの、その詳細は明らかにされていない。対象外の商用車と、外国人による消費量は、全体の約22%にあたるという。また外国ナンバープレートの車両は従来通り、RON95は購入できない。

配車サービスで生計を立てるドライバーのうち、マレーシア国民は新補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」に基づき1.99リンギが適用され、毎月300リットルまでという制限を関係なく利用できる措置がとられる。ただし、300リットル以上を消費するドライバーは0.7%程度とみられている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、エッジ、9月23日)

日本を旅行したことがあるマレーシア人は37.0%=アイブリッジ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アイブリッジ(本社・大阪市)がセルフ型アンケートツール「Freeasy(フリージー)」(https://freeasy-survey.com/を通じて28カ国を対象に実施したインバウンドに関する調査で、日本を1回以上旅行したことがあると答えたマレーシア人は37.0%に上った。

同調査は14言語・28カ国に対応し、最短即日で調査が可能なセルフ型アンケートツール「Freeasy Global」のリリースを記念して、各国200人、合計5,600人を対象に2025年8月8日から8月21日にかけて実施された。

これまでに日本を観光目的で訪れた回数を聞いたところ、マレーシア人は「1回」が21.5%、「2回」が8.5%、「3回」が4.5%、「4ー5回」が2.0%、「6ー9回」が0.5%となり、「ない」は63.0%だった。また日本に観光旅行に行ってみたいと思うと答えたマレーシア人は93.5%に上り、「思わない」は6.5%にとどまった。

東南アジア諸国連合(ASEAN)では、シンガポール人は69.5%が「日本を1回以上旅行したことがある」と回答してトップ。日本を訪問したいとの回答は95.5%に上った。

スズキのコンパクトSUV「フロンクス」、予約受付を開始

【クアラルンプール】 スズキ・カーズ・マレーシアは、マレーシア市場初投入となるコンパクト多目的スポーツ車(SUV)「フロンクス」の予約受付を開始した。販売代理店ナザ・イースタン・モーターズを通じ、今年第4四半期に正式な販売が予定されている。

今回、マレーシアで発売されるモデルの詳細は発表されていないが、1.5リッター4気筒エンジンに、12ボルトのリチウムイオンバッテリーの補助モーターを組み合わせたマイルドハイブリッドの見込み。最高出力101馬力(PS)、最大トルク135Nm、6AT(6速オートマチックトランスミッション)が採用され、自動緊急ブレーキ(AEB)や360度カメラなどを備えた最上級モデルになるとみられる。

フロンクスは、グローバルカーとして2023年からインドで生産・販売が開始され、現在は、現地向け仕様を加え日本やASEAN(東南アジア諸国連合)主要国でも販売されている。マレーシアでのモデルは、日本でのモデルと同様、インドネシアのモデルをベースにした仕様になると予想される。

価格は未定だが、輸入完成車(CBU)のため10万リンギ以上になるとみられる。
(ポールタン、ジグホイールズ、9月18日)

東京ゲームショウにマレーシアパビリオン、9社が出展

【クアラルンプール】 世界最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ(TGS)2025」にマレーシアから9つのゲーム会社が参加する。マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)が22日、発表した。

TGS2025は25―28日の4日間、千葉県の幕張メッセで開催される。MATRADEは2016年から9年連続で、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)とともに「マレーシア・パビリオン」を開設。今年は、人気アニメ「ウピン&イピン」などを手掛けるレ・コパクプロダクションや、インディーズ系のマルチプレイヤーRPG「Re:Legend」で注目されるマグナス・ゲームズ・スタジオなど9社が、ビジネスマッチングなどに取り組む。

MDECのアヌアル・ファリズ・ファジル最高責任者(CEO)は「TGSを通じ、マレーシアの豊かな文化的アイデンティティを反映した大胆で独創的なゲーム作品を、世界の舞台に発信していきたい」としている。

世界のゲーム市場は2030年までに5,050億米ドルに達すると予測され、特にアジア太平洋地域ではモバイルゲームの急速な成長に牽引され、高い成長率が見込まれている。そうした背景のもと、マレーシアのデジタルクリエイティブ産業は2023年に約53億リンギの収益を上げ、うち約15%にあたる8億リンギが輸出によるものだった。マレーシア政府は今年4月には、ゲーム業界の国際的な競争力を高める支援プログラム(DGTP)などを導入し、さらなる輸出力の強化を目指している。
(ビジネス・トゥデー、9月22日、MATRADE発表資料)

補助金付きRON95販売価格、当面1.99リンギで固定

【バリク・プラウ】 9月30日から導入されるレギュラーガソリン「RON95」の新補助金制度に関し、世界的な原油価格の変動に関わらず、マレーシア国民向けの補助金付き販売価格は当面1リットルあたり1.99リンギで固定される。アミル・ハムザ・アジザン第2財務相が22日、明らかにした。

マレーシアにおける燃料の価格は現在、国際原油価格などをベースに、自動価格設定メカニズムに基づき週単位で調整されている。これを受け、原油価格が下落した場合の販売価格がどうなるのかという記者団からの質問に、アミル氏は「1.99リンギという水準が維持され、これ以上下がることはないだろう」と回答。「(1.99リンギという水準は)すでに世界的に見ても最も低い水準だ」と改めて強調した。

外国人など補助金適用外の消費者向け販売価格については、現在は1リットルあたり2.60リンギとなっているが、今後もこれまで通り毎週水曜に翌週分を財務省が発表することになる見通し。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、エッジ、9月22日)

ペナン州が固定資産税を大幅引き上げ、村落地の町への格上げで

【ジョージタウン】 ペナン州政府は不動産所有に対する固定資産税を来年から引き上げると発表した。村落地に分類されていたエリアを人口増に伴い町に格上げした結果で、1966年以来の抜本改革だ。

土地所有にかかる固定資産税は26年1月1日、コンドミニアムなど区分所有権の不動産にかかる税は27年1月1日から改定する。都市としての社会基盤を享受している住民に相応の税負担を求めるもので、税収を増やす狙いもある。

都市部の住宅用地の税は1平方メートル当たり0.54リンギから0.7リンギへ約30%、農村地域では同0.22リンギから0.5リンギへ127%引き上げる。

州政府は商工業用地の所有に対する税も26年1月1日から引き上げる。工業用地は1平方メートル当たり1.29リンギから3.25リンギへ152%引き上げ。商業用地は、都市部が3.25リンギへ152%、農村地域が2.8リンギへ201%、それぞれ引き上げる。

税負担軽減のため州政府は26年は32.5%、27年と28年はそれぞれ20%の税還付を行う。これまでの税滞納に対する罰金も来年は免除する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、9月19日、ザ・スター電子版、9月18日)