焼き芋のnoniiがFHMに出展へ、フランチャイズ展開目指す

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 焼き芋販売のnonii(本社・静岡市)は、2025年9月23日―26日の日程でクアラルンプール(KL)で開催されるマレーシア最大規模の食品関連見本市「フード・アンド・ホテル・マレーシア(FHM)」に出展すると発表した。

日本発の「焼き芋文化」を東南アジア市場へ広げるのが目的。高品質の冷凍焼き芋の輸出提案、現地市場に合わせた芋を使ったスイーツのローカライズを提案するほか、マレーシアおよび東南アジア地域におけるマスターフランチャイズパートナーを募集する。東南アジア市場でのプレゼンスを強化し、現地パートナーとともに「高品質な日本の焼き芋とスイーツ」を広めることを目指す。

募集対象は▽食品・小売業界での豊富な経験を持つ企業▽現地市場への深い理解と強固なネットワークを有する企業▽品質へのこだわりと長期的なビジョンを共有できるパートナー――で、noniiは▽製品製造技術の移転▽店舗運営ノウハウの提供▽継続的な商品開発支援▽ブランド管理・マーケティング支援――といった提供サポートを行う。

noniiは、日本全国から厳選した素材、農家との連携による最適な土壌・産地・栽培方法を選び抜いた高品質なさつまいもを使用した「oimo&coco.」ブランドを国内11店舗で展開している。パティシエと連携した商品開発にも力をいれており、30種類以上のスイーツ・フードメニューを展開している。

新レギュラーガソリン補助制度、マレーシア国民に限定し導入

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は22日、レギュラーガソリン「RON95」の新たな補助金制度を9月30日から導入すると発表。価格は現在の2.05リンギに対し、マレーシア国民は1リットルあたり1.99リンギに引き下げられる一方、外国人などは補助金なしの2.60リンギでの販売になる。

新制度は「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」と呼ばれ、対象は有効な運転免許証を持つマレーシア国民で1,600万人超になる。購入上限は原則、毎月300リットルまで。所得下位40%の層(B40)は28日から前倒しで補助金価格で購入できる。

配車サービスのドライバーなど上限枠の拡大を希望する人は別途申請が必要だが、それ以外の国民は、身分証カード「MyKad」の提示のみで、特に手続きは不要。「タッチ・アンド・ゴー(TNG)イーウォレット」など決済機能のあるアプリを活用し、MyKadを毎回提示することなく購入することもできる。

周辺国で比較すると、▽サウジアラビア2.61リンギ▽インドネシアの3.22リンギ▽フィリピン4.22リンギ▽タイ5.68リンギ▽シンガポール9.02リンギ――で、アンワル首相は「マレーシアより安く販売されているのはブルネイぐらい。不透明な世界経済状況にもかかわらず、マレーシアは国民のために燃料価格を引き下げる勇気を持つ世界で唯一の国」と強調。さらに今回所得階層による区分を設けなかったことについて「マレーシア国民に対する感謝の気持ちを表す取り組み」と付け加えた。

ガソリン補助金については、財政健全化のため、ディーゼル油(軽油)と合わせ対象を限定した形での合理化が検討されてきた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、9月22日)

バティックエア、コタキナバル―仁川直行便を就航

【クアラルンプール】 バティック・エアは13日、コタキナバル国際空港(KKIA)と韓国ソウル・インチョン(仁川)を結ぶ直行便を就航した。

週3便の運航でKKIA発が水・金・日、インチョン発が月・木・土となっている。機材はボーイングB733-800型機を使用。スケジュールは往路の「OD822」便はKKIA発が午後11時10分、インチョン着が翌日の午前5時20分。復路の「OD823」便はインチョン発が午前6時20分、KKIA着が午前10時45分となっている。

バティック・エアの就航により、ソウル―コタキナバル間の便数は週25便から28便に増加した。

サバ州を訪問した韓国の観光客は今年1―7月に約10万3,060人を記録し、サバ州にとり韓国は最大かつ最も急速な成長市場となっている。昨年、サバ州を訪問した韓国人観光客は19万2,059人だった。
(ザ・サン、フリー・マレーシア・トゥデー、ボルネオポスト、ラクヤットポスト、9月13日)

第2四半期の国内観光客数、21年以降最多の7千万人超=統計局

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は18日、2025年第2四半期の国内観光に関する調査を発表。国内観光客数は7,375万人となり、2021年以降で最多を記録した。

観光客数は前年同期(6,844万人)から7.8%、前期(6,968万人)から5.8%それぞれ増加した。うち宿泊を伴った観光客は2,740万人で、前年同期比4.2%、前期比8.7%ともに増となった。

観光客の支出額は292億リンギで、前年同期(281億リンギ)から3.8%増、前期(294億リンギ)からは0.6%減となった。

観光関連産業の指標では、国内空港到着者数が前年同期から14.3%、前期から11.6%共にアップ。宿泊も前年同期比14.1%、前期比2.9%と共にプラスとなった。自動車用燃料販売は前年同期比5.5%、前期比2.8%それぞれ上昇した。一方、テーマパークは前年同期比で1.2%マイナス、前期比では3.6%のプラスだった。

QRコードによる出入国審査を22日から試験運用、陸路国境から

【クアラルンプール】 外国人を対象に含めたQRコードによる出入国審査の試験運用が22日から開始される。政府が整備を進めている「国家統合出入国管理システム(NIISe)」に基づくもので、シンガポールとの陸路国境から導入され、来年2月28日までの試験運用期間中にクアラルンプール新国際空港(KLIA)など国内の主要5国際空港でも順次拡大される見通しだ。

22日から試験運用が始まるのは、シンガポールとを結ぶ第1連絡橋(コーズウエイ)と第2リンクにある2カ所の国境検問所。両検問所では昨年から、マレーシア人のバスとオートバイ利用者に限り、「Myボーダーパス」というアプリを利用したQRコードによる審査がすでに行われており、対象を広げる形になる。

ただし、「Myボーダーパス」は試験運用期間中は使用可能だが、今後は新アプリ「MyNIISe」に移行。新アプリの大きな特徴として、1つのQRコードで複数人をまとめての入国審査が可能で、高速輸送システム(RTS)などでも利用が予定されている。審査手続きの大幅な迅速化や検問所の混雑緩和が期待されている。特に外国人はMyNIISeが推奨され、審査時にパスポートを見せる必要がなくなる。当面は、シンガポールや日本を含む63の国・地域の旅行者が対象になる見込み。

マレーシア政府は従来の出入国システム(MyIMMs)に代わる新システムの構築を2021年ごろから進めてきた。国家登録局や警察など関連機関のデータを統合し、人工知能(AI)や生体認証なども組み合わせ効率向上を図るもの。将来的にはビザ申請なども「MyNIISe」から可能になる予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月17日、マレー・メイル、9月18日)

ジェトロKL、ハラル専門BtoBプラットフォームに特設サイト

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、マレーシア最大のハラル(イスラムの戒律に則った)専門BtoBオンラインプラットフォーム「DagangHalal.com」に初となる日本企業の特設サイト、「ジャパンパビリオン」を設置したと発表した。

世界各国のムスリム市場(ハラル市場)への日本企業の参入を支援するのが目的。同プラットフォームに登録するハラルバイヤーに対して、日本企業の優れたハラル商品をプロモーションし、商流構築を目指す。「DagangHalal.com」には90カ国から1万4,000以上のハラルバイヤーが登録している。

参加企業は25社(113商品、醤油等調味料、緑茶、和牛、寿司、麺、菓子など)で、出展期間は2025年9月―12月となっている。

またオンラインの取り組みと合わせて、オフラインからオンラインへの流入を目指す取り組み(OtoO)として、マレーシア最大規模の食品関連見本市「フード・アンド・ホテル・マレーシア(FHM)」(開催地:クアラルンプール・コンベンション・センター=KLCC、会期:2025年9月23日―26日)に「ジャパンブース」を出展する。参加企業は9社(28商品)の予定。

ハラル見本市「MIHAS2025」開幕、ジェトロがブース開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 世界最大級のハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「MIHAS2025」が17日、マレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開幕した。20日までの4日間の開催で、日本貿易振興機構(ジェトロ)は「ジャパン・パビリオン」を開設した。

「ジャパン・パビリオン」では、ジェトロ・ブースにてダイショー・フード(M)やJAFフード・インダストリーズ、ゼンカ・トレーディング(M)、フォーカル・マーケティングなどの日本産食品の輸入業者やフンドーキン醤油、オタフクソースなどの食品メーカーの商品を出展。このほか、ふぁん・じゃぱん(和牛)、小林食品(カツオ節)、マルハニチロ(デザート、ゼリー)、AGCホールディングス(和牛)が独自ブースを設置した。

「MIHAS2025」のテーマは「ハラルの卓越性の頂点」で、マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)によると、今年は前回(2024年)の2,028のブースを超える2,400のブースが開設された。80カ国・地域から参加が見込まれており、来場者数は4万5,000人に達すると予想されている。

2024年にドバイで開催されたMIHASの成功に続き、今年は11月5―10日の日程で中国国際輸入博覧会(CIIE)と併せて中国で「MIHAS@上海」が開催される。

ペトロナス、マレーシア初の持続可能な航空燃料を納品

【セパン】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は、マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)向けに、マレーシアで初めてとなる現地生産の持続可能な航空燃料(SAF)をクアラルンプール新国際空港(KLIA)に納品したと発表した。

SAFはペトロナスの施設で混合され、マレーシアン・リファイニング・カンパニーのパイプラインを経由してKLIAに供給された。マレーシア航空はまずは9月1日から16日にかけてロンドン行きの深夜便MH2便で同燃料を使用。SAFを通常オペレーションに導入する第一歩となる。

ペトロナスの精油・マーケティング・トレーディング担当のアハマド・アドリー・アリアス副社長は、マレーシア航空に供給されたこの燃料は、同国の航空業界の脱炭素化に向けた一歩となると言明。「航空業界の脱炭素化においてSAFは現在利用可能な最も迅速な解決策の一つだ」と述べた。

一方、MAGグループの最高サステナビリティ責任者であるフィリップ・シー氏は、SAFの生産と導入を拡大するには、航空業界全体の協力が不可欠だと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、9月12日、ペトロナス発表資料)

業務用輸送車のガソリン補助金に向け受付開始、対象は10万台

【ペタリンジャヤ】 国内取引物価省(KPDN)は15日から、新たな「ガソリン補助金管理制度(SKPS)」の登録受付を開始した。レギュラーガソリン「RON95」の新たな補助金制度を前提とし、貨物輸送会社、公共陸上輸送会社の車両が対象で、全国で約10万台になるとみられる。

SKPSは、RON95の補助を受けるための制度。SKPSシステムと道路運輸局の記録を統合し、手続きを簡素化。必要書類が整っていれば申請後、即日承認される見通し。その後、承認書とともに、指定のガソリン会社3社にフリートカード(車両用給油カード)を申請する必要がある。RON95補助金制度の導入時期は未定だが、同省は導入され次第利用できるよう、あらかじめSKPSの申請を済ませておくよう呼びかけている。

同様の制度として、従来はディーゼル補助金管理システム(SKDS)を通じ、マレー半島で30万台以上の車両が対象となっていたが、ディーゼル車以外の業務車両は対象外であったうえ、密輸が問題化。従来のRON95補助金制度の合理化に合わせ、新たにSKPSが導入されることになった。

対象となる公共陸上輸送車両は、タクシー、レンタカー、スクールバス、霊柩車、救急車、消防車、シャトルバス、路線バス、ミニバスの9つのカテゴリーがある。貨物車両については、バン(窓なし/窓あり/セミパネル)、食品輸送車(トラック/バン)、一般大型貨物トラック、小型商用バン(移動販売など特殊用途車含む)、家具・引っ越し輸送車(ルートン/ボックス)、冷蔵貨物車、家畜輸送車、農産物輸送車の12カテゴリー。
(フリー・マレーシア・トゥデー、9月16日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、9月13日)

太陽光発電システム設置を後押しする新政策、12月に導入

【クアラルンプール】 政府は12月に、電力消費者に太陽光発電システムの屋上設置を促し、再生可能エネルギーへの移行を後押しする太陽光移行加速行動プログラム(ソーラーATAP)を導入する。

6月に終了した正味エネルギー計測(NEM)の後継政策。エネルギー移行・水利転換省が発表した。NEMは自宅で発電した余剰電力を電力網に送り返すことで、電力料金の割引を受けられる電力料金算定の仕組み。

ソーラーATAPは、消費者の電力料金が自宅で生産された電力で相殺される仕組みで、相殺には電力卸売料金が適用される。指針、登録のための詳細は12月1日、エネルギー委員会と再生可能エネルギー開発庁のホームページに掲載される。登録開始も同日から。

屋根上のソーラーシステム設置は普及度が低く、現在の発電能力は計2ギガワット余り。政府は数十ギガワットの設置が可能と推測している。
(エッジ、ザ・サン、バイブズ・ドットコム、9月12日)