政府は12月までの燃料備蓄の維持を保証=経済省

【クアラルンプール】 経済省は、政府が2026年後半を通じて石油備蓄を安全かつ十分な水準に維持し続ける方針であり、地政学的な不確実性が続く中でも、既存の措置で国内燃料供給を確保できると確信していると述べた。

経済省は9日に議会ウェブサイトに掲載された質疑に対する書面回答の中で、2月28日にホルムズ海峡で発生した混乱を受けて導入された段階的な政府介入により、2026年6月時点で国内の石油・燃料供給は安定しており、十分な水準を維持していると強調した。

その上で7月―12月についても、マレーシアのエネルギー安全保障は、輸入源の多様化、国内生産バイオディーゼルの利用拡大、長期供給契約の組み合わせによって引き続き支えられるとし、「多層的なアプローチにより、マレーシアは高い柔軟性と回復力を確保できる」と述べた。供給安定化を確保するため、漏洩対策の強化に加え、データ駆動型システムを用いた継続的な監視も緩和策に含まれるという。

経済省は、ブレント原油価格は4月初旬の1バレル144.50米ドルのピークから6月1日から5日の間に99.29米ドルまで下落したが、これは和平交渉を背景に市場心理が改善したことを反映しているものの、政府は依然として慎重な姿勢を維持していると強調。現物供給の制約と世界的な在庫減少は、依然として無視できないリスク要因であると指摘した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、7月8日)

デジタルインボイス、自主的修正には罰金を免除

【クアラルンプール】 中小零細企業支援策の一つとして政府は、納税者がデジタルインボイスの内容を2027年12月31日までに自主的に修正する場合、内国歳入庁(IRB)の罰金を免除する「自発的開示プログラム」を導入する。企業、特に中小零細企業が直面する問題を政府は認識しているか、また政府としてどのような措置を講じているかとの議員の質問に、アンワル・イブラヒム首相が7日の下院審議で答弁した。

政府はまた、デジタルインボイスを完全順守する企業に資本控除を認める税務上の奨励措置を前倒し実施する意向だ。機械購入など適格的支出を課税所得から控除する措置で、情報通信機器の購入、デジタルインボイスに利用するソフトウェアの修正などが適格費用として認められる。

このほかアンワル首相は、西アジア紛争の影響を受けた企業に運転資本として提供した融資あっせん・融資保証額は150億リンギに上ったなどと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、マレー・メイル、7月7日)

自動車産業向け新優遇制度、来年導入へ=MITI

【ラワン】 投資貿易産業省(MITI)は、自動車部品の国産化を促す新たなインセンティブ制度を、2027年に導入する方針だ。ジョハリ・アブドル・ガニ大臣が7日、明らかにした。

新たな優遇制度は、「カスタマイズド・インセンティブ・メカニズム」(NCM)といわれるもので、昨年から見直しを進めてきた。現行制度は、2014年の「国家自動車政策(NAP)」に基づき、現地組立(CKD)生産拠点を設けた外国メーカーや、電気自動車(EV)の開発などに適用されているが、政府との「ケース・バイ・ケース(個別交渉)」で進められることが多く、プロセスの不透明さが指摘されていた。

このため、新制度ではプロセスを簡素化・透明化。またエンジニアリング、ソフトウェア開発、エレクトロニクス、バッテリー技術といった高付加価値分野への投資を優先し、地元の中小企業(SME)が単なる部品の輸入や単純組み立てに終わらないよう成長促進を図る。

ジョハリ氏は、マレーシアが東南アジア諸国連合(ASEAN)市場への製造・輸出拠点になる戦略の一環と強調。NCMの導入に向け、現地調達率の算出方法も改良していると補足した。業界関係者との協議も進めており、「来年の導入を目指しているが、詳細な時期は後日決定する」と付け加えた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、エッジ、7月7日)

基礎医療保険を今月末から試験導入、来年全国展開へ

【クアラルンプール】 保健省は、新たな基礎医療保険・タカフル(イスラム式相互扶助保険)制度「メディアサス(MediAsas)」の試験導入を今月末から10月まで実施すると発表した。2027年1月から全国展開する方針。民間医療費に関する合同閣僚委員会(JBMKKS)の下で実施される。

「メディアサス」には医療保険単体である標準型の「メディアサス・テラス(MediAsas Teras)」と、標準型に保障を追加した「MediAsas Fleksi」2商品を用意。対象年齢は85歳までとし、加入資格も従来より幅広く設定することで、長期にわたり手頃な保険料で保障を受けられる制度を目指す。医療費急騰を抑制する効果も期待される。

試験運用プログラムには、▽AIA▽アリアンツ▽グレート・イースタン▽プルデンシャルBSNタカフル▽エティカ・ファミリー・タカフル▽シャリカット・タカフル・マレーシア・ケルアルガ――の保険及びタカフル6社、首都圏クランバレーの選定された病院が参加する。保険料は過去の保険金支払実績と医療費の上昇率に基づいて決定され、加入年齢70歳までの想定保険額は月額60リンギから550リンギ程度の範囲内に収まる見込みだという。

アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は、「より幅広い加入資格基準と独自の製品特性により、長期的に手頃な価格で利用できるよう設計されており、より多くのマレーシア国民が医療保障を受けられるようになる」と説明。「試験導入を通じて制度の運用を検証し、来年の全国展開を円滑に進めるとともに、利用者が一貫したサービスを受けられる仕組みを構築したい」と述べた。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、7月6日)

政府、食料輸入依存度削減へ生産拡大を強化

【コタ・ティンギ】 マレーシア政府は、食料輸入依存度を2050年までに50%削減するという目標に向け、国内の食料生産拡大の取り組みを強化する方針だ。副首相を兼任するアハマド・ザヒド地方地域開発相が4日、明らかにした。

同省はこれまでに、食料安全保障の強化を目的に30年間の長期計画を策定。現在年間約800億リンギに上る食料輸入について、輸入依存度を段階的に引き下げ、2030年までに15%、40年までに30%、50年までに50%の削減を目指している。

具体的には、連邦土地再開発公社(FELCRA)や、ゴム産業小規模農家開発庁(RISDA)、各州の農業機関などとの連携を強化し、政府機関が所有する未利用地や遊休地を農業用地に転用。ブロイラー、採卵鶏、肉牛の飼育など、農業・畜産プロジェクトに活用する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、ザ・サン、7月4日)

RON95補助なし3.37リンギに、新ディーゼル補助も開始

【クアラルンプール】 財務省は6月30日、7月1―8日までの燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり3.47リンギから3.37リンギへ10セン引き下げた。7月から新燃料補助金制度「ブディ・マダニ・ディーゼル」が導入されることを受け、通常(毎水曜夜)より1日前倒しの発表となった。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も10セン引き下げ、前週の4.10リンギから4.00リンギになった。ディーゼルの小売価格についても、「ユーロ5 B10」および「B20」を3.97リンギに、「ユーロ5 B7」ディーゼルも4.17リンギに、それぞれ10セン引き下げた。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギに引き続き据え置く。

一方、ディーゼルの補助金付き価格は今回から全国一律で2.10リンギに設定された。補助対象は東マレーシアとマレー半島部の計70万人に拡大されるマレー半島部では6月27日から先行して試験導入されていたが、認証システムなどの大きな混乱はなかったという。4日間で約8万件の取引があり、合計約320万リットルが消費された。
(ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、エッジ、ポールタン、6月30日)

省エネ型エアコン・冷蔵庫購入に割り戻し、7月から実施

【プトラジャヤ】 エネルギー移行・水利転換省は7月1日から、省エネ型エアコンまたは冷蔵庫を購入する世帯に200リンギ、総額3,200万リンギを割り戻す、世帯向けNUR@PETRAプログラムを開始する。

割り戻し対象の商品は、エネルギー委員会が承認した4つ星または5つ星のラベルのあるエアコン、冷蔵庫で、全体で16万件の購入に割り戻す。

同省は声明で、西アジアにおける地政学上の緊張を原因とする世界エネルギー市場の不確定性、エネルギー価格の上昇に直面する家計への支援が目的で、政府のエネルギー移行計画にも資するとした。省エネ機器の購入は電力料金の低下にもなる。

同NUR@PETRAプログラムは5年間で552.25ギガワット時の電力節約になり、家計が支払う電力料金は2億5,072万リンギ減るという。機器の寿命、運転効率にもよるが、40万8,655トンの二酸化炭素排出削減になるという。

割り戻し対象のブランドなど詳細は実施機関である持続可能エネルギー開発庁(SEDA)のホームページに掲載している。
(ベルナマ通信、ビジネス・トゥデー、6月29日)

「いじめ防止法」施行で、世界初の解決機関「いじめ裁判所」始動

【コタ・ティンギ】 マレーシアでは6月から、いじめ対策を強化する新法「いじめ防止法」が施行され、紛争解決機関「いじめ裁判所」が発足した。政府は「世界初」と位置づけており、アザリナ・オスマン首相府相(法務・制度改革担当)は27日、「いじめに対して断固とした措置を取る」と改めて強調した。

16日に施行された「いじめ防止法」は、18歳以下が対象。学校などの教育機関に対し、いじめ防止方針の策定、相談窓口の設置、調査・対応体制の整備、カウンセリングなどを義務付けた。

また「いじめ裁判所」は、オンラインを中心として全国をカバーする準司法機関となる。学校の対応に不服がある場合など、被害者や保護者が直接申し立てでき、原則として60日以内の解決を目指す。最大25万リンギの損害賠償や謝罪、ネット上の投稿削除、カウンセリング受講などを命じることができる。原告に費用はかからない。

27日にはジョホール州でいじめ防止啓発プログラムが開催され、アザリナ氏が出席。いじめ防止は、被害者だけでなく、加害者自身も困難な環境に苦しんでいる可能性があることに着目したアプローチが大切と指摘。「いじめを絶対に許さない姿勢と、公平性のバランスが重要」と述べた。

マレーシア国内では昨年7月、サバ州の学校内でいじめが背景とみられる事案が発生したのを機に社会問題化。報告件数は年間1万4,000件を超えているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、6月27日)

補助金なし「RON95」3.47リンギに引き下げ、25日から

【クアラルンプール】 財務省は24日、25―30日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり3.72リンギから3.47リンギへ25セン引き下げた。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も前週の4.35リンギから、4.10リンギに25セン引き下げた。半島部のディーゼルの小売価格についても、「ユーロ5 B10」および「B20」を4.07リンギに、「ユーロ5 B7」ディーゼルも4.27リンギに、それぞれ30セン引き下げた。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ引き続き据え置く。

財務省は、米国とイランの協議進展を背景に原油価格は落ち着きを見せ始めているものの、「中期的には依然として不確実性に直面している」との見方を示した。なお7月1日からディーゼルの個人向け販売は、全国的な燃料補助金制度「ブディ・マダニ・ディーゼル」が適用されることになる。漁業者、小規模農家、商品生産者、公共陸上輸送事業者などの戦略的・重要セクターに対する補助金は引き続き維持される。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、フリー・マレーシア・トゥデー、6月24日)

7月からの新ディーゼル補助、年間最大約20億リンギの削減期待

【クアラルンプール】 7月から適用される全国的な燃料補助金制度「ブディ・マダニ・ディーゼル」(個人)について、アミル・ハムザ・アジザン第2財務相が22日、記者会見で詳細を説明。レギュラーガソリン「RON95」の補助金制度「BUDI95」と同様に、全国的な統一制度とするほか、補助価格で購入できる上限として月200リットルの枠が設けられる。

ディーゼル補助金は、これまで半島部では市場価格連動の変動価格制、サバ州・サラワク州・ラブアンでは1リットルあたり2.15リンギの固定価格制が適用されていた。新制度は、マレーシア国民向けの「ユーロ5 B10」および「B20」の補助金価格は当面1リットルあたり2.10リンギに設定。一方、「ユーロ5 B7」は補助金対象外で、市場価格連動の変動価格制となる。

対象となるのは、基本的にディーゼル車の所有者(道路交通局への登録者)となる。月200リットルの上限については、ディーゼルおよびRON95を合わせた1人あたりの枠となる。また、ピックアップトラックとSUV(計約73万台規模)については、追加申請により上限を最大300リットルまで引き上げ可能。さらに一部、河川船運航業者や地方の発電機所有者など、特定の業務用途にも対象が拡大される。

一方、世帯収入が10万リンギ以下の非高級ディーゼル車所有者や小規模農家など、約35万人を対象に実施していた現金給付については200リンギとし、既存の受給者は新たな申請は不要。

マレーシア国民身分証明書(MyKad)を持たない非対象者はRON95と同様、補助金なしの市場価格を支払う必要がある。

アミル氏は、新制度の導入により不正流用の防止が期待され、年間最大約20億リンギの財政負担軽減につながるとの試算を示した。
(エッジ、6月22日、ポールタン、6月23日)