補助金なし「RON95」を3.42リンギに引き上げ、7月16日から

【クアラルンプール】 財務省は15日、2026年7月16日から7月22日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり3.37リンギから5セン引き上げ3.42リンギにすると発表した。

補助金なし「ユーロ5 B10」および「B20」ディーゼルの小売価格も3.97リンギから10セン引き上げ、4.07リンギとする。「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料も10セン引き上げ、4.27リンギとする。

一方、新ガソリン補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」適用のガソリン価格は1.99リンギで据え置く。新ディーゼル補助金制度「ブディ・マダニ・ディーゼル」適用による「B10」および「B15」ディーゼル価格も2.10リンギで現状維持する。「BUDI95」適用外の「RON97」の価格も4.00リンギで据え置く。

財務省は声明の中で、「米国によるイランへの攻撃再開と、ホルムズ海峡の貿易ルートの安全保障に対する懸念から、原油リスクプレミアムと輸送コストが上昇している。ブレント原油価格は1バレルあたり85米ドルに達し、過去2週間で約20%上昇した。紛争が解決されない限り、世界の石油市場における価格は引き続き不安定な状態が続くと予想される」と指摘した。

(ザ・スター電子版、ポールタン、7月15日)

輸入完成車EV規制、MITI「撤回せず」

【クアラルンプール】 政府は、7月から導入した輸入完成車(CBU)の電気自動車(EV)に対する新規制について、国内自動車産業の振興に必要不可欠な措置として、撤回しない方針を改めて表明した。

投資貿易産業省(MITI)が15日、下院議会議員からの「EVの値上げにつながり、EV普及促進という政府の方針に矛盾する」との質問に、書面で回答した。新規制では、輸入が認められるのは、運賃と保険料込みの輸入価格(CIF)が20万リンギ以上で、かつ出力が180kW(245PS)以上のEVに限られる。

MITIは回答で、新規制は国家自動車政策(NAP)に基づき、国内自動車産業の発展を確保しつつ、EVモデルの市場参入を管理しながら製品の選択肢を広げることを目的としていると説明。一方で、現地組立(CKD)のEVについては2027年12月31日まで税制優遇措置を継続しているとし、「消費者の利益保護と国内自動車産業の発展のバランスを常に図っている」と強調した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、ポールタン、7月15日)

マラッカ州議会が任命州議員制度導入へ、州憲法改正案を可決

【マラッカ】 マラッカ州議会は14日、最大7人の議員を任命できる州議会議員制度の見直しを盛り込んだ州憲法改正案を賛成23人、反対5人で可決した。選挙手続きを経ない州議会議員を認めることになるため、共闘する民主行動党(DAP)は即日、「民主主義に反する」として州政権からの離脱を発表した。

任命制の州議会議員制度導入は、2021年のマラッカ州議会選挙に向けた同州第一会派・国民戦線(BN)のマニフェストに盛り込まれていたもの。法案提出にあたりアブ・ラウフ州首相は、法律、経済、教育、投資、技術、州開発などの分野における専門知識と経験を持つ人材を任命することで、政策決定や立法審議に直接貢献させることを目的としていると説明。「選挙では当選できないかもしれないが、州の発展に貢献できる女性、若者、オラン・アスリ(先住民)、少数民族、専門家、業界代表者の参加を促進するだろう」と述べた。

クー・ポアイティオンDAPマラッカ支部長は、民主主義の原則に反するこの動きを党として支持することはできないとした。これに伴いDAP所属で起業家育成・協同組合・消費者問題担当のアレックス・シー評議員、ロウ・チーリョン及びレン・チャウイェンの両副行政評議員、カーク・チーイー副議長が辞任する。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、7月14日)

アンワル首相が早期解散論を一蹴、経済回復と安定を優先

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は14日の下院質疑の中で早期の国会解散の可能性について聞かれ、「時間を与えてほしい」と言明。「国民は際限のない政治的駆け引きよりも、経済回復と政治的安定を優先している」と述べ、次期総選挙の前倒し実施に否定的な考えを示した。

アンワル氏は、「政府の当面の最優先事項は世界的な不確実性の中で政治的安定を維持し、経済成長を持続させることだ」と言明。「(政府に評価のための)時間を与えて欲しい。結論を急がずしばらく様子を見てほしい」と述べた。

次期総選挙は2028年2月までに開催される予定だが、アンワル首相自身が率いる与党連合・希望同盟(PH)と国民戦線(BN)の関係が緊迫の度を深めていることから、今年中に解散総選挙が実施されるのではないかとの憶測が飛び交っている。

国政レベルでは協力関係を続けているPHとBNだが地方レベルでは対立が深まっており、11日に投開票が行われたジョホール州議会選挙では両党派がそれぞれ独自に候補者を擁立し、PHがBNに敗北している。8月1日にはネグリ・センビラン州議会選挙が行われ、両党派が再び激突する。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、7月14日)

マレーシア・タイの水産物紛争が決着、農業では協力推進で合意

【プトラジャヤ】 マレーシアを初訪問したタイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相とアンワル・イブラヒム首相は9日、プトラジャヤで会談し、2国間水産物紛争の解決で合意した。互いに輸入制限を解除する。両国は農業分野での協力推進でも合意し、覚書を交わした。

タイは5月、マレーシア産スズキに化学物質、抗生物質が残留していたことから輸入検査を強化し、マレーシアの輸出業者に影響が出た。これに対抗しマレーシアは6月、タイ産の5種のエビの輸入を制限。タイの水産物輸出の約20%を占めるエビ業界に打撃となった。制限措置の解除時期は不明。

農業協力では、作物生産、畜産、水産、農産物販売、研究開発、検疫の領域で協力する。両国の関係当局は意思疎通を図り、課題に速やかに対処する。

10日にはアヌティン、アンワル両首相はタイ南部と国境を接するケダ州を訪問し、新たな国境検問所の開所式に臨む。
(マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、7月9日)

ジョホール州議会選挙、第一会派のBNが圧勝

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ジョホール州議会(定数56)選挙の投開票が11日に行われ、国民戦線(BN)が48議席を獲得して第一会派になった。改選前の40議席から8議席上乗せし、州憲法改正が可能な3分の2を大きく上回った。

国政与党の希望同盟(PH)は、アンワル・イブラヒム政権への不満から改選前の12議席から8議席に4議席減らした。PHは国政ではBNと共闘しているもののジョホール州など州レベルでは両党の対立が高まっており、今回の選挙もそれぞれ独自に候補を擁立していた。

野党連合・国民同盟(PN)は33選挙区に候補を擁立したが全敗。改選前の3議席すべてを失った。マレーシア統一民主同盟(MUDA)も、改選前の1議席から議席ゼロとなった。

PH所属政党の人民公正党(PKR)を離党したラフィジ・ラムリ氏とニック・ナズミ氏のマレーシア統一党(ベルサマ)は、15選挙区に候補者を擁立したものの全敗に終わった。

同州議会は本来の任期満了は2027年4月21日だったが、今年6月1日に解散。第一会派のBN率いるオン・ハフィズ州首相が高い支持を得ており、前倒し実施で現職効果を最大化する狙いから早期解散に踏み切った

政府は12月までの燃料備蓄の維持を保証=経済省

【クアラルンプール】 経済省は、政府が2026年後半を通じて石油備蓄を安全かつ十分な水準に維持し続ける方針であり、地政学的な不確実性が続く中でも、既存の措置で国内燃料供給を確保できると確信していると述べた。

経済省は9日に議会ウェブサイトに掲載された質疑に対する書面回答の中で、2月28日にホルムズ海峡で発生した混乱を受けて導入された段階的な政府介入により、2026年6月時点で国内の石油・燃料供給は安定しており、十分な水準を維持していると強調した。

その上で7月―12月についても、マレーシアのエネルギー安全保障は、輸入源の多様化、国内生産バイオディーゼルの利用拡大、長期供給契約の組み合わせによって引き続き支えられるとし、「多層的なアプローチにより、マレーシアは高い柔軟性と回復力を確保できる」と述べた。供給安定化を確保するため、漏洩対策の強化に加え、データ駆動型システムを用いた継続的な監視も緩和策に含まれるという。

経済省は、ブレント原油価格は4月初旬の1バレル144.50米ドルのピークから6月1日から5日の間に99.29米ドルまで下落したが、これは和平交渉を背景に市場心理が改善したことを反映しているものの、政府は依然として慎重な姿勢を維持していると強調。現物供給の制約と世界的な在庫減少は、依然として無視できないリスク要因であると指摘した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、7月8日)

デジタルインボイス、自主的修正には罰金を免除

【クアラルンプール】 中小零細企業支援策の一つとして政府は、納税者がデジタルインボイスの内容を2027年12月31日までに自主的に修正する場合、内国歳入庁(IRB)の罰金を免除する「自発的開示プログラム」を導入する。企業、特に中小零細企業が直面する問題を政府は認識しているか、また政府としてどのような措置を講じているかとの議員の質問に、アンワル・イブラヒム首相が7日の下院審議で答弁した。

政府はまた、デジタルインボイスを完全順守する企業に資本控除を認める税務上の奨励措置を前倒し実施する意向だ。機械購入など適格的支出を課税所得から控除する措置で、情報通信機器の購入、デジタルインボイスに利用するソフトウェアの修正などが適格費用として認められる。

このほかアンワル首相は、西アジア紛争の影響を受けた企業に運転資本として提供した融資あっせん・融資保証額は150億リンギに上ったなどと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、マレー・メイル、7月7日)

自動車産業向け新優遇制度、来年導入へ=MITI

【ラワン】 投資貿易産業省(MITI)は、自動車部品の国産化を促す新たなインセンティブ制度を、2027年に導入する方針だ。ジョハリ・アブドル・ガニ大臣が7日、明らかにした。

新たな優遇制度は、「カスタマイズド・インセンティブ・メカニズム」(NCM)といわれるもので、昨年から見直しを進めてきた。現行制度は、2014年の「国家自動車政策(NAP)」に基づき、現地組立(CKD)生産拠点を設けた外国メーカーや、電気自動車(EV)の開発などに適用されているが、政府との「ケース・バイ・ケース(個別交渉)」で進められることが多く、プロセスの不透明さが指摘されていた。

このため、新制度ではプロセスを簡素化・透明化。またエンジニアリング、ソフトウェア開発、エレクトロニクス、バッテリー技術といった高付加価値分野への投資を優先し、地元の中小企業(SME)が単なる部品の輸入や単純組み立てに終わらないよう成長促進を図る。

ジョハリ氏は、マレーシアが東南アジア諸国連合(ASEAN)市場への製造・輸出拠点になる戦略の一環と強調。NCMの導入に向け、現地調達率の算出方法も改良していると補足した。業界関係者との協議も進めており、「来年の導入を目指しているが、詳細な時期は後日決定する」と付け加えた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、エッジ、7月7日)

基礎医療保険を今月末から試験導入、来年全国展開へ

【クアラルンプール】 保健省は、新たな基礎医療保険・タカフル(イスラム式相互扶助保険)制度「メディアサス(MediAsas)」の試験導入を今月末から10月まで実施すると発表した。2027年1月から全国展開する方針。民間医療費に関する合同閣僚委員会(JBMKKS)の下で実施される。

「メディアサス」には医療保険単体である標準型の「メディアサス・テラス(MediAsas Teras)」と、標準型に保障を追加した「MediAsas Fleksi」2商品を用意。対象年齢は85歳までとし、加入資格も従来より幅広く設定することで、長期にわたり手頃な保険料で保障を受けられる制度を目指す。医療費急騰を抑制する効果も期待される。

試験運用プログラムには、▽AIA▽アリアンツ▽グレート・イースタン▽プルデンシャルBSNタカフル▽エティカ・ファミリー・タカフル▽シャリカット・タカフル・マレーシア・ケルアルガ――の保険及びタカフル6社、首都圏クランバレーの選定された病院が参加する。保険料は過去の保険金支払実績と医療費の上昇率に基づいて決定され、加入年齢70歳までの想定保険額は月額60リンギから550リンギ程度の範囲内に収まる見込みだという。

アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は、「より幅広い加入資格基準と独自の製品特性により、長期的に手頃な価格で利用できるよう設計されており、より多くのマレーシア国民が医療保障を受けられるようになる」と説明。「試験導入を通じて制度の運用を検証し、来年の全国展開を円滑に進めるとともに、利用者が一貫したサービスを受けられる仕組みを構築したい」と述べた。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、7月6日)