ネグリセンビラン州議会選で国民戦線が圧勝、PHは野党に転落へ

【セレンバン=アジアインフォネット】 ネグリ・センビラン州議会(定数36)選挙の投開票が1日に行われ、国政でアンワル政権と協力関係にある国民戦線(BN)が18議席を獲得。7議席を獲得した国民同盟(PN)と共に州憲法改正が可能になる3分の2を上回る合計25議席を獲得し、連立政権を樹立した。

両政党連合の共闘はBN中核党である統一マレー国民組織(UMNO)とPNの中核である汎マレーシア・イスラム党(PAS)の関係修復によるもので、公式発表していないもののBNとPNの事実上の選挙協力が双方の躍進を後押しした。国政レベルでBNは、国政与党連合の希望同盟(PH)と共闘しており、PNとは敵対関係にある。

BNが改選前の14議席から4議席増やす一方、PNはPASが1議席増の4議席とし、統一プリブミ党(PPBM)離党組が立ち上げた国家ビジョン党(PWN、ワワサン)は初めて3議席を獲得した。

一方、同州で第一会派だったPHは全選挙区に独自候補を擁立したが、改選前の17議席から6議席を減らし11議席にとどまり、同州政権における野党に転落した。PHの中核を担う華人系政党の民主行動党(DAP)が11議席から9議席に減らし、DAP書記長であるアンソニー・ローク運輸相が落選した。

現職のアミヌディン・ハルン州首相が敗北するなど人民正義党(PKR)が5議席から2議席に減らした。自身の信任を賭けて今回の州議会解散に踏み切ったアミヌディン氏だが、州民からノーが突き付けられた格好となった。

同州議会は国政と同様、PHとBNによる連立が政権を運営していたが、PHとUMNOの支部どうしの対立が深まっており、双方から早期選挙で決着をつけるべきとの声が上がっていた。

補助金なし「RON95」3.82リンギに引き上げ、30日から

【クアラルンプール】 財務省は29日、30日―8月5日の1週間の燃料小売価格について、燃料補助金制度「ブディ・マダニ」の対象外となる燃料価格をそれぞれ20セン引き上げると発表。レギュラーガソリン「RON95」は、前週の1リットル当たり3.62リンギから3.82リンギとなる。

補助金なしのハイオクガソリン「RON97」の価格は4.40リンギ、「ユーロ5 B10」および「B20」ディーゼルの小売価格は4.62リンギ、「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料は4.82リンギにそれぞれ上昇した。

補助金付きの「RON95」の価格は1.99リンギ、「B10」および「B15」ディーゼル価格は2.10リンギで引き続き据え置く。

財務省は、ブレント原油価格が6週間ぶりの高値となる1バレル96米ドルまで上昇したことを背景として挙げた。ホルムズ海峡や紅海での供給途絶懸念、各国の石油備蓄補充の動きなどにより、中期的に原油価格への上昇圧力が続く可能性があるとしている。
(ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、7月29日)

米国が対マレーシア製品関税10%を決定、パーム油などは除外

【クアラルンプール/ワシントン】 米通商代表部(USTR)は23日、通商法301条調査の最終判断を公表し、マレーシアからの輸入品に10%の追加関税を課すと発表した。関税は米東部時間7月24日午前0時1分から適用され、既に船舶に積載され輸送中の貨物には適用されない。

今回の決定は、今年3月に開始した60カ国・地域を対象とする強制労働輸入規制に関する301条調査を受けたもの。USTRは6月2日、各国・地域の制度や運用が米国の通商を不当に制限しているとして、1974年通商法301条に基づく措置の対象になると判断していた。

マレーシアは、バングラデシュ、カンボジア、カナダ、インド、インドネシア、スリランカ、英国など16カ国・地域とともに追加関税率10%の対象となった。一方、日本、欧州連合(EU)、台湾、韓国、スイスは対象品目に応じて10%または12.5%の税率が、その他の対象国・地域には12.5%の関税が適用されることになった。

一方、米国内で代替調達が困難な原材料や、供給不足による経済への影響が大きい製品などについては適用除外とした。マレーシア向けの除外品目には、一部のパーム油製品、熱帯木材・合板、ラタン製品、絹製品、貴石などが含まれる。

またUSTRはマレーシアの繊維・衣料品について、米国産綿花や繊維原料の輸入実績を基準とした3年間の関税割当制度(TRQ)を導入する方針を示した。制度開始までは、対象製品にも10%の追加関税が適用される。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、7月24日)

通信省、2030年までの戦略計画を発表

【プトラジャヤ】 ファーミ・ファジル通信相は20日、通信省戦略計画(PSKK)2026―2030を発表。通信インフラの強化やコンテンツ産業の振興などを柱とする今後5年間の通信分野の重点方針となる。

PSKKは「つながり、情報に通じ、創造的なマレーシア」というビジョンのもと、通信省および傘下機関が優先的に取り組むべき方向性や施策が盛り込まれた。具体的には、高速で安定したインターネット環境の整備、クリエーティブ産業の育成、正確な情報発信の3項目を柱に、4つの重点分野、94のプログラムで構成される。

第13次マレーシア計画(13MP)にも沿ったもので、デジタル接続性の向上や国内コンテンツ産業の成長を支え、デジタル経済の発展につなげることを目指す。
(ザ・サン、ベルナマ通信、7月20日)

中東紛争による原油価格高騰、政府は対策を準備中=副経済相

【クアラルンプール】 モハマド・シャハル・アブドラ副経済大臣は、西アジアにおける地政学的紛争の再燃を受けて原油価格が上昇していることについて、国民の福祉を守り経済成長を維持するために適切な措置を講じる用意があるとした。

20日に開催された上院質疑の中でモハマド・シャハル氏は、7月8日に再燃した米イラン紛争により、世界の原油価格が上昇し、生産コストの上昇リスクが高まっていると指摘。紛争が長期化すれば、生産コストと物価に圧力がかかる可能性があるため、政府は状況を注視していると説明した。

その上でモハマド・シャハル氏は「供給確保、供給継続、価格上昇抑制、機会活用という4つの主要なアプローチに基づき、様々な戦略的かつ統合的な介入措置を講じている」と強調し、「これらのアプローチは、国民の保護、供給と価格の安定化、企業や産業への支援、そして的を絞った介入を通じて中長期的に経済の回復力を強化することを目的としている」と述べた。

モハマド・シャハル氏は続いて、「政府は供給と価格の安定化のため、国の戦略的ニーズに基づき二国間協力を強化している」と強調。「豪州との協力はエネルギーと農業資材の供給継続に重点を置いており、ロシアとの協力はエネルギー、技術、貿易分野に重点を置いている」と補足した。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、7月20日)

補助金なし「RON95」を3.42リンギに引き上げ、7月16日から

【クアラルンプール】 財務省は15日、2026年7月16日から7月22日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり3.37リンギから5セン引き上げ3.42リンギにすると発表した。

補助金なし「ユーロ5 B10」および「B20」ディーゼルの小売価格も3.97リンギから10セン引き上げ、4.07リンギとする。「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料も10セン引き上げ、4.27リンギとする。

一方、新ガソリン補助金制度「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」適用のガソリン価格は1.99リンギで据え置く。新ディーゼル補助金制度「ブディ・マダニ・ディーゼル」適用による「B10」および「B15」ディーゼル価格も2.10リンギで現状維持する。「BUDI95」適用外の「RON97」の価格も4.00リンギで据え置く。

財務省は声明の中で、「米国によるイランへの攻撃再開と、ホルムズ海峡の貿易ルートの安全保障に対する懸念から、原油リスクプレミアムと輸送コストが上昇している。ブレント原油価格は1バレルあたり85米ドルに達し、過去2週間で約20%上昇した。紛争が解決されない限り、世界の石油市場における価格は引き続き不安定な状態が続くと予想される」と指摘した。

(ザ・スター電子版、ポールタン、7月15日)

輸入完成車EV規制、MITI「撤回せず」

【クアラルンプール】 政府は、7月から導入した輸入完成車(CBU)の電気自動車(EV)に対する新規制について、国内自動車産業の振興に必要不可欠な措置として、撤回しない方針を改めて表明した。

投資貿易産業省(MITI)が15日、下院議会議員からの「EVの値上げにつながり、EV普及促進という政府の方針に矛盾する」との質問に、書面で回答した。新規制では、輸入が認められるのは、運賃と保険料込みの輸入価格(CIF)が20万リンギ以上で、かつ出力が180kW(245PS)以上のEVに限られる。

MITIは回答で、新規制は国家自動車政策(NAP)に基づき、国内自動車産業の発展を確保しつつ、EVモデルの市場参入を管理しながら製品の選択肢を広げることを目的としていると説明。一方で、現地組立(CKD)のEVについては2027年12月31日まで税制優遇措置を継続しているとし、「消費者の利益保護と国内自動車産業の発展のバランスを常に図っている」と強調した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、ポールタン、7月15日)

マラッカ州議会が任命州議員制度導入へ、州憲法改正案を可決

【マラッカ】 マラッカ州議会は14日、最大7人の議員を任命できる州議会議員制度の見直しを盛り込んだ州憲法改正案を賛成23人、反対5人で可決した。選挙手続きを経ない州議会議員を認めることになるため、共闘する民主行動党(DAP)は即日、「民主主義に反する」として州政権からの離脱を発表した。

任命制の州議会議員制度導入は、2021年のマラッカ州議会選挙に向けた同州第一会派・国民戦線(BN)のマニフェストに盛り込まれていたもの。法案提出にあたりアブ・ラウフ州首相は、法律、経済、教育、投資、技術、州開発などの分野における専門知識と経験を持つ人材を任命することで、政策決定や立法審議に直接貢献させることを目的としていると説明。「選挙では当選できないかもしれないが、州の発展に貢献できる女性、若者、オラン・アスリ(先住民)、少数民族、専門家、業界代表者の参加を促進するだろう」と述べた。

クー・ポアイティオンDAPマラッカ支部長は、民主主義の原則に反するこの動きを党として支持することはできないとした。これに伴いDAP所属で起業家育成・協同組合・消費者問題担当のアレックス・シー評議員、ロウ・チーリョン及びレン・チャウイェンの両副行政評議員、カーク・チーイー副議長が辞任する。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、7月14日)

アンワル首相が早期解散論を一蹴、経済回復と安定を優先

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は14日の下院質疑の中で早期の国会解散の可能性について聞かれ、「時間を与えてほしい」と言明。「国民は際限のない政治的駆け引きよりも、経済回復と政治的安定を優先している」と述べ、次期総選挙の前倒し実施に否定的な考えを示した。

アンワル氏は、「政府の当面の最優先事項は世界的な不確実性の中で政治的安定を維持し、経済成長を持続させることだ」と言明。「(政府に評価のための)時間を与えて欲しい。結論を急がずしばらく様子を見てほしい」と述べた。

次期総選挙は2028年2月までに開催される予定だが、アンワル首相自身が率いる与党連合・希望同盟(PH)と国民戦線(BN)の関係が緊迫の度を深めていることから、今年中に解散総選挙が実施されるのではないかとの憶測が飛び交っている。

国政レベルでは協力関係を続けているPHとBNだが地方レベルでは対立が深まっており、11日に投開票が行われたジョホール州議会選挙では両党派がそれぞれ独自に候補者を擁立し、PHがBNに敗北している。8月1日にはネグリ・センビラン州議会選挙が行われ、両党派が再び激突する。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、7月14日)

マレーシア・タイの水産物紛争が決着、農業では協力推進で合意

【プトラジャヤ】 マレーシアを初訪問したタイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相とアンワル・イブラヒム首相は9日、プトラジャヤで会談し、2国間水産物紛争の解決で合意した。互いに輸入制限を解除する。両国は農業分野での協力推進でも合意し、覚書を交わした。

タイは5月、マレーシア産スズキに化学物質、抗生物質が残留していたことから輸入検査を強化し、マレーシアの輸出業者に影響が出た。これに対抗しマレーシアは6月、タイ産の5種のエビの輸入を制限。タイの水産物輸出の約20%を占めるエビ業界に打撃となった。制限措置の解除時期は不明。

農業協力では、作物生産、畜産、水産、農産物販売、研究開発、検疫の領域で協力する。両国の関係当局は意思疎通を図り、課題に速やかに対処する。

10日にはアヌティン、アンワル両首相はタイ南部と国境を接するケダ州を訪問し、新たな国境検問所の開所式に臨む。
(マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、7月9日)