アンワル首相率いるPKR支部選挙で大物が次々と落選

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 4月11日から20日にかけて行われた与党連合・希望同盟(PH)の中核を担う人民正義党(PKR)の党支部長選挙で閣僚・副大臣、下院議員を含む大物幹部が次々と落選する事態となっている。アンワル・イブラヒム党首(首相)は内閣改造を行う考えのないことを表明しているが、草の根党員の間で党上層部に対する不満が高まっているようだ。

PKR支部幹部選で敗れた大臣・副大臣は、ニック・ナズミ・ニック・アハマド天然資源・環境持続可能性相(セティア・ワングサ支部)、アクマル・ナスルラー・モハメド・ナシル副エネルギー移行・水利転換相(ジョホールバル支部)、アダム・アドリ・アブドル・ハリム副青年スポーツ相(ハン・トゥア・ジャヤ支部)。党中央幹部では、K・サラスワティ党首補(ブキ・ビンタン支部)チュア・ウェイキアット党副広報部長(セラヤン支部)が敗れた。

下院議員では、ザヒル・ハッサン氏(ワングサ・マジュ支部)、P・プラバカラン氏(バトゥ支部)、バクティアル・ワン・チク氏(バリク・プラウ支部)、ジミー・プア氏(テブラウ支部)、R.ユネスワラン氏(同)、S.ケサバン氏(スンガイ・シプ支部)、ロジア・イスマイル氏(アンパン支部)らが落選した。

PKRは党役員選挙を5月に開催する予定。マレーシア北部大学(UUM)のルスディ・オマル氏は、今回の相次ぐ党幹部の敗北は党員の間で変革を求める声が高まっていることを反映していると指摘。次期総選挙に向けて党内若返りの機会でもあると述べている。

マレーシアと中国、AI、貿易、観光分野で31件の協定覚書

【プトラジャヤ=アジアインフォネット】  中国の習近平・国家主席の12年ぶりの公式訪問に合わせ、マレーシアと中国は16日、人工知能(AI)、デジタル経済、貿易、運輸、観光、農業、教育、安全保障など様々な分野で合計31件の協力覚書(MOU)に署名した。

経済分野では、ザフルル・アジズ投資貿易産業相と中国の王文濤商務相が、サービス貿易、標準化協力、マレーシアと中国の「二国間ツインパーク」推進に関する3つの文書を取り交わした。

鉄道分野では、アンソニー・ローク運輸相と欧陽玉靖・駐マレーシア中国大使が、協力強化に関する協定にも署名した。デジタル分野では、デジタル省と中国国家発展改革委員会(NDRC)の間で、AIとデジタル経済における協力に関する2つの覚書が交換された

外交分野では、モハメド・ハサン外相と王毅外相が、グローバル安全保障イニシアチブ(GSI)およびグローバル文明イニシアチブ(GCI)の下での協力の共同推進、開発協力の強化及びグローバル開発イニシアチブ(GDI)の実施支援――の3件の文書を交換した。

国内取引物価省管轄下の事項では、知的財産分野での協力に関する覚書が署名された。

習主席はイブラヒム国王の招待を受けて15日から3日間マレーシアを公式訪問し、16日にはイブラヒム国王、アンワル・イブラヒム首相と個別に会談。アンワル首相とは二国間協力を活性化する方策について話し合い、相互に関心のある地域的および国際的な問題について意見を交換した。

デジタルクリエイティブ産業を振興、資金面で後押し

【クアラルンプール】 マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)は、デジタル技術を活用したコンテンツ制作や映像、ゲーム開発などデジタルクリエイティブ産業をさらに振興するため、資金支援措置を講じる。

アヌアル・ファリズ最高責任者は声明で「人材育成から市場参入まで、価値連鎖全般を強化し、デジタルコンテンツ創造センターとしてのマレーシアの地位強化を図る」とした。

支援のうちデジタルゲーム実証基盤プログラムでは、少なくとも5つのゲーム開発会社に計350万リンギを交付し、新たなゲームジャンルの開発を促進する。マレーシア資本のゲームスタジオが応募できる。

アニメ部門では、応募者から選んだ12人に計120万リンギを交付し、ショートアニメの製作を競わせる。専門家による指導もある。

メタバース(インターネット上に構築された3次元の仮想空間)ビジネスプログラムでは、メタバースを活用したマーケティングの採用を後押しする。受給対象は200の事業者で、5,000リンギの交付金を活用し仮想店舗などを構築する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ビジネス・トゥデー、4月11日)

米国の関税措置、米国向けE&Eの半分が影響=投資貿易産業相

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、米国政府がマレーシアからの輸入品に24%の「相互関税」を課すと発表したことについて、マレーシアの米国向け電気・電子(E&E)製品輸出の半分が影響を受けるリスクがあると述べた。

ザフルル氏は、マレーシアの米国向け輸出の60%がE&E製品で構成されていると指摘。E&E製品の半分は半導体で「相互関税」の対象外だが残りの半分は非半導体であるとし、「したがって相互関税を免除されるのは米国向け輸出の30%のみ」と述べた。

またザフルル氏は、米国向けE&E製品の輸出の大半は在マレーシア米国企業によるものだとした上で、「マレーシアから米国に輸出している米国企業は中間財を輸出しており、完成品は米国で生産されている」と指摘。マレーシアに拠点を置く米国企業には地元企業が供給しているため、サプライチェーンへの影響と、それがマレーシアの産業や企業にどのような影響を与えるかを検討する必要があると述べた。

その上でザフルル氏は、マレーシアの経済及び輸出セクターに与える影響を緩和するため5つの主要措置をとると明らかにした。

政府がとる措置は▽アンワル・イブラヒム首相を座長とする国家地政経済調整評議会(NGCC)の発足▽業界関係者や利害関係者からのフィードバックを集めるための専門タスクフォース結成▽東南アジア諸国連合(ASEAN)経済閣僚特別会議での共同対応策定▽既存の貿易投資枠組み協定(TIFA)を通じた米国との継続的折衝▽輸出市場の多様化に向けた取り組みの継続――。

ザフルル氏は、米国輸入品に課せられた実際の平均関税率が米国が主張する47%ではなく5.6%程度だったと指摘。米国側に計算方法の明確化を求めているとした上で、外交的解決に向けて努力していると述べた。

米国の課税、「経済成長予想の下方修正やむなし」首相

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 米国政府がマレーシアからの輸入品に24%の「相互関税」を課すと発表したことについて、アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は「相互関税が実施されれば、4.5―5.5%としていた2025年の国内総生産(GDP)成長率予測を見直す必要があるだろう」と述べた。

アンワル首相は、「相互関税」の根拠となっている米国の関税計算の根拠は「根本的に間違っている」と批判。世界貿易機関(WTO)の自由で差別のない開かれた貿易原則の否定だとした上で、マレーシアが報復関税を導入する考えのないことを改めて強調した

また「現時点ではマレーシアの景気後退を予測していない」と述べ、近日中に投資貿易産業省(MITI)が輸出セクターに与える影響に関する詳細な調査を提出する予定だと明らかにした。マレーシアではゴム、プラスチック、繊維、家具産業が最も大きな打撃を受けると予想されているという。

マレーシア政府は米国との高官協議をすでに開始しており、「フリー・マレーシア・トゥデー」によると、アンワル首相はトランプ米大統領に近い人物と連絡を取っている。またモハマド・ハサン外相もマルコ・ルビオ米国務長官から交渉継続の電話を受けたという。

またアンワル首相は、東南アジア諸国連合(ASEAN)としての対応を協議するため、ASEAN諸国の経済担当大臣全員とバーチャル会議を開催する予定だと公表。協調的な対応に向けて日本、中国、韓国の政府首相とも連絡を取る予定だと述べた。

マレーシアは経済危機に対処できる、会見で第2財務相

【プトラジャヤ】 アミル・ハムザ第2財務相は東南アジア諸国連合(ASEAN)財務相・中央銀行総裁会合を2日後に控えた5日の記者会見で、マレーシアを含む168カ国に対する米国の相互関税措置で経済危機が発生しても、国として対処できると述べた。

アミル・ハムザ氏は「国は輸出市場の拡大を図ってきた。外国からの直接投資の誘致活動も継続する。われわれが制御できる事柄に焦点を当て、ともに強靭さを構築しよう」と国民に呼び掛けた。

アミル・ハムザ氏によれば、対外債務は政府債務の3%以下。金融機関は国債、社債購入意欲が高く、政府系投資会社もこの先5年間で計1,200億リンギの国内投資を約束している。

外国人投資家の動きでは、株式売却が見られるが、彼らは債券に資金を転じているという。アミル・ハムザ氏は「マレーシア経済の先行き見通しが良好だからだ」と説明した。

米の関税措置に対しては、外交ルート、政府高官との接触を通じ、真意を探っていると述べた。
(ザ・サン電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、4月5日、マレー・メイル、4月4日)

マレーシア政府、米国の関税引き上げに報復関税実施せず

【クアラルンプール】 米国政府が2日、マレーシアを含むすべての国に高率の「相互関税」を課すと発表したことについて、マレーシア政府は米国に報復関税を課すことは考えていないと表明した。米国はマレーシアが米国からの輸入品に対して47%の関税を課していると主張しており、今後マレーシアからの輸入製品には24%の関税を課すとしている。

マレーシア投資貿易産業省(MITI)は、報復関税を課す代わりに貿易投資枠組み協定(TIFA)などの二国間枠組みを通じて米国当局との連携を継続するとともに、半導体、航空宇宙、デジタル経済などの主要分野におけるハイテク協力を深めるための技術保障協定を検討していく方針だ。

MITIは声明の中で、米国の関税引き上げ発表を真剣に受け止めており、自由で公正な貿易を維持するための解決策に到達することを期待して米国当局と積極的に交渉すると言明。一方で国内需要が経済成長の主な原動力となってマレーシア経済の堅調さが引き続き維持できると期待しているとし、「内閣が最近承認した国家地経学指揮センター(NGCC)は、米国の関税引き上げの影響を評価し、我が国の経済と産業に与える影響を緩和するための包括的かつ多面的な戦略を検討する。政府は影響を受ける産業と連携しながら、企業が適応できるよう支援プログラムを模索している。 MITIは、貿易紛争を解決し相互繁栄を促進するために、対話と協力の場を開くことに引き続き尽力する」と述べた。

NGCCの議長は財務相も兼務するアンワル・イブラヒム首相で、MITIが事務局を務める。
(マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、4月3日)

米国、マレーシアに24%の「相互関税」を課すと発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ドナルド・トランプ米大統領は2日、貿易相手国と同水準まで関税を引き上げる「相互関税」措置の詳細を発表。リストの11番目に記載されたマレーシアについては、24%の関税を課すとした。日本もマレーシアと同じ24%となっている。

「相互関税」はすべての国・地域が対象となっており、最高がレソトの50%、最低の国々でも10%となっている。表にはマレーシアが米国製品に対し47%の関税を課していると記されており、「相互関税」はその半分として計算されている。、「相互関税」は主要国では中国(34%)、欧州連合(EU、20%)、台湾(32%)、インド(26%)、韓国(25%)、スイス(31%)――などが高くなっている。

東南アジア諸国連合(ASEAN)では、カンボジアが49%と最も高く、ラオスが48%、ベトナムが46%、ミャンマーが44%、タイが36%、インドネシアが32%、ブルネイが24%、フィリピンが17%、シンガポールが10%となっている。

トランプ氏は「我々は米国経済再建と不正防止のため、他の国々に10%の最低基本関税を課す」と言明。「我々は本当に非常に裕福になれる。どの国よりもずっと裕福になれる。信じられないくらいだ。だが我々は賢くなっている」と述べた。

マレーシアやタイ、ベトナムなど共に米国との貿易黒字が巨大な国であることから、先ごろベッセント米財務長官が「ダーティ15」貿易相手国として挙げた国に入っていた。マレーシアと米国の二国間貿易額は2024年に3,249億リンギに達し、マレーシア貿易額の11.3%を占め、米国はマレーシアにとり第3位の貿易相手国となっている。

住宅でできるRE活用の新ガイドラインを発表=エネルギー委員会

【クアラルンプール】 エネルギー移行・水利転換省傘下のエネルギー委員会(EC)は3月28日、再生可能エネルギー(RE)に関する新たなガイドラインを発表した。エネルギー会社は、住宅の屋上でできた太陽光エネルギーを集約して、販売することが可能になる。

ガイドラインは、コミュニティ再生可能エネルギー集約メカニズム(CREAM)という名称で、企業向けRE供給スキーム(CRESS)の住宅版。エネルギー会社は住宅の屋上スペースを借りて太陽光パネルを設置し、規定の5キロメートル圏内の商業および家庭の消費者に電力を販売できる。住宅所有者は収入を得ることができるメリットがある。政府系電力会社のテナガ・ナショナル(TNB)の配電ネットワークを利用するなどの条件がつけられている。

マレーシアの建物は屋上に太陽光パネルを設置することで、3万4,000メガワットのエネルギー発電能力があるとされている。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、3月28日)

クアラトレンガヌ市、商業施設に31日の休業を指示

【クアラルンプール】 トレンガヌ州のクアラトレンガヌ市議会(MBKT)は、市内の商業施設に対し、ハリラヤ初日になると見込まれる3月31日を休業、あるいは半休するよう指示した。

フェイスブックに投稿された指示によると、営業形態によって全日休みと、午前零時から午後1時までの半休に分けられている。全日休みになるのは、ショッピングモールやスーパーマーケット・ハイパーマーケットなどの大型店。半休になるのは、コンビニエンスストア、ファストフード店などの小売り店になる。違反した場合、法的措置もとられるという。

トレンガヌ州は3月30日を臨時の公休日とすると発表しており、クランタン州も同様に3月30日を公休日にすると宣言している。
(ワールド・オブ・バズ、3月27日)