社会経済研究センターのGDP成長予想4%

【クアラルンプール】 シンクタンクの社会経済研究センター(SERC)は17日公表した第1四半期経済報告で、今年の国内総生産(GDP)は4%になるとの予想を示した。中央銀行が先に示した予想は4.5-5.5%。

発表に当たったリー・ヘングイエ専務理事によれば、トランプ関税は国際貿易や投資家マインドにマイナスだが、国内の個人消費、投資とも堅調を維持しているため、短期的衝撃を緩和できるという。

関税措置に対しては、90日間の猶予期間中の前倒し出荷の動きが世界的に見られ、購買担当者指数(PMI)が上昇している。

SERCは華人商工会議所(ACCCIM)と共同で4月7日から10日にかけ緊急調査を行った。輸出業者122社のうち、最大の輸出先が米国との回答は66%。米国のクライアントから値下げの申し入れがあった、との企業の割合は46.2%だった。

リー氏はまた、14日に開かれたマレーシア証券取引所での会議で、対米貿易黒字を減らす必要があるとの認識を示した。米国の関税逃れのためにマレーシアを利用されるようなことは回避すべきだという。
(マレーシアン・リザーブ、4月17日、エッジ、4月14日)

第1四半期のGDP成長速報値、プラス4.4%=統計局

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は18日、2025年第1四半期(1ー3月期)のマレーシア国内総生産(GDP)成長率の速報値を発表。前期(2024年10ー12月期)のプラス5.0%から、プラス4.4%に減速した。正式発表は5月16日に予定されている。

牽引役のサービス業は、前期のプラス5.5%からやや減速したもののプラス5.2%の水準を維持した。卸売・小売、輸送・倉庫、情報通信が貢献した。

製造業も、前期のプラス4.4%から、プラス4.2%にやや減速。電気・電子・光学製品、植物性・動物性油脂・食品加工、石油・化学・ゴム・プラスチック製品の好調に支えられた。

建設業は前期のプラス20.7%から、プラス14.5%に減速したものの、特殊建設、住宅建設の成長に支えられ、2ケタ成長は維持した。

農業は、前期のマイナス0.5%からプラス0.7%に持ち直した。アブラヤシ・サブセクターが低迷したものの、漁業およびその他の農業サブセクターに支えられた。

一方、鉱業・採石業は原油・コンデンセートおよび天然ガスの生産量減少が影響し、前期のマイナス0.9%からマイナス4.9%にさらに落ち込んだ。

今年のマレーシアGDP成長予想、ムーディーズが下方修正

【クアラルンプール】 ムーディーズ・アナリティクスはマレーシアの今年の国内総生産(GDP)増加率予想を5%から4.4%へ下方修正した。米国政権の関税措置で国際貿易が不透明になっているためだ。

ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)での会議においてムーディーズのアジア太平洋地域幹部カトリーナ・エル氏は「相互関税措置が長期に及ぶことはない、との前提での修正であり、もし長期にわたる場合、さらに大幅な修正になる」と言明。「関税措置の現状は変動が激しい。こうした不透明感はマレーシアのような輸出依存国には大問題だ。輸出は減少する」と述べた。

ムーディーズ・アナリティクスはインフレ予想も2%から1.6%へ修正した。物価上昇が予想より緩やかであれば、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)には金融緩和を考える余地が生じるという。

アブドル・ラシードBNM総裁は同じ会議で、中銀のGDP増加率予想(4.5-5.5%)の見直しに着手したことを明らかにした。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、4月14日)

ペナン国際空港、新ターミナル建設など最大12億リンギの見通し

【クアラルンプール】 昨年から始まったペナン国際空港(PIA)の拡張工事で、新メインターミナルビル建設を含む「パッケージ3」の入札が5月に行われる見通しだ。CIMB証券が10日に報告書を発表し、契約額は最大12億リンギになるとしている。

PIAの拡張工事は3つのパッケージに分けて進められている。パッケージ3には、新ターミナルの建設、既存ターミナルの改修などが含まれる。2027年に完工予定。
管制塔建設などを含むパッケージ1は、高速道路建設などを多く手掛けるガガサン・マヤが昨年9月に1億800万リンギで受注。現在の進捗率は31%で、今年11月の完成を目指している。

誘導路や駐機場(エプロン)を含むパッケージ2は、建設会社エーカーワークスが2億5,500万リンギで受注し、今月中旬の着工を予定している。

CIMB証券によると、カタールのハマド国際空港建設で実績のある建設大手のガムダが、パッケージ3の最有力候補に挙げられており、そのほかIJMコープ、マレーシアン・リソーシーズ・コープ (MRCB)、サンウェイ ・コンストラクション・グループなども入札参加が見込まれているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月10日)

東南アジアは中国より米国を信頼、シンクタンク調査

【シンガポール=アジアインフォネット】 東南アジアの市民は中国より米国に信を置いていることが、シンガポールのシンクタンクISEASユソフ・イシャク研究所の調査で分かった。調査期間は米トランプ政権による関税引き上げ前の1月3日-2月15日であるため、現在同調査が行われれば逆の結果になる可能性もある。

調査対象は東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と東チモールで、東チモールの回答は集計結果には含まれていない。質問内容は「世界平和、安全保障、繁栄、統治のために米国・中国が正しいことをすると、どの程度確信しているか」で、学術者、民間セクター代表、一般市民、非政府組織代表、政府職員ら計2,023人に聞いた。

米国、中国のいずれかと緊密に協力せざるを得ない場合、米国を選ぶと回答したのは52.3%。カンボジア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ベトナムで、米国を選ぶとの回答が多数を占めた。前年調査ではシンガポール、タイ、ベトナム以外の国すべてで、中国と協力するとの回答が多数を占めた。

ASEAN10カ国の米国に対する信頼は47.2%(前年は42.4%)に上昇。不信は37.6%から33.0%へ縮小した。マレーシアの米国に対する信頼は23.3%(前年は23.1%)で、不信(56.3%)を大きく下回った。中国に対する不信が信頼を上回ったのは6カ国で、中国に対する信頼が不信を上回ったのは4カ国(ブルネイ、カンボジア、ラオス、タイ)にとどまった。マレーシアの中国に対する信頼は31.7%(前年は32.0%)で、不信(40.5%)を下回った。

マレーシアの消費者信頼感指数は3位の58.5=イプソス調査

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国際的な世論調査会社イプソスは3月28日、2025年3月の世界消費者信頼感指数を発表。マレーシアの消費者心理は58.4で、前月比で2.8ポイント上昇するなど好調だった。

調査は29カ国で75歳未満の計2万1,000人以上を対象に実施された。平均の消費者信頼感指数は48.2で、前月から0.6ポイントの下落となった。国別でみると、トップはインドで60.2、次いでインドネシアの58.5、マレーシアの58.4は3番目に高かった。一方、日本は、28位の35.7だった。

また前月比でみると、2.0ポイント以上上昇したのは5カ国で、マレーシアの2.8がトップだった。逆に2.0以上ダウンしたのは7カ国で、インドネシアがマイナス5.7で最も大幅に低下した。前年比ではマレーシアはトップの12.6ポイントの上昇だった。

将来の経済状況に関する消費者の期待を示す期待サブ指数でも、マレーシアは2.2ポイントで大幅に上昇した国に入った。

昨年のマグロの水揚げ量、前年比15.5%増の6万4千トン

【クアラルンプール】 マレーシア漁業局(DOF)は27日、マレーシア近海における2024年のマグロの水揚げ量は6万3,780トンだったと発表した。2023年の5万5,223トンに比べ15.5%増で、価値にして7億8,130万リンギ超となった。

水揚げ量が最も多かったのはベラ州で1万6,934トン、次いでサバ州の1万2,479トンとなった。

マグロについては国内取引物価省が市場価格の安定に取り組んでいる。DOFのアドナン・フセイン長官は「水揚げ量や価格を注視し、消費者にとって十分な量を確保しながら、持続可能性に向けて関連機関と引き続き協力していく」と述べた。
(ベルナマ通信、3月27日)

中小零細企業は業績拡大を予想、アライアンス銀調査

【クアラルンプール】 中小零細企業は今年、堅調な内需、デジタル技術の導入で売り上げの増加を予想していることが、アライアンス・バンクの業況見通し調査から分かった。一方で事業費の上昇、現金収支面の制約を課題として挙げた。

調査を担当したレイモンド・チュイ幹部行員は声明で「外的環境が厳しい中、中小零細企業が先行きに自信を持っていることは、かれらの機敏さ、向上心を示している」とした。

中小零細企業の75%は生産性・顧客管理改善のためデジタルツール投資を計画している。最も価値ある投資とみなしているのは、ソーシャルメディア業務を効率化する管理ツールおよび電子商取引プラットフォームだ。

回答企業の69%は外部からの資金取り入れが必要と考えており、銀行融資を最も好むとした。しかし2024年に融資取得を目指した企業は、承認に手間がかかったことを問題点として挙げた。

アライアンス銀行はこうした不満にこたえるため、中小企業向け融資を、より入手しやすくしているという。
(ザ・スター電子版、ベルナマ通信、3月26日)

23年のOGSE事業所数は2894カ所、従事者は12.3万人

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は20日、2023年度の石油・ガスサービス・機器(OGSE)の国勢調査結果を発表した。今回が初めて調査で、2021年に発表した国家OGSE青写真を踏まえ、進捗を検証する指標になるという。

それによると、2023年にOGSE活動に従事した事業所は2,894カ所で、56.8%に当たる1,643カ所がサービス業、27.7%に当たる802カ所が建設業、8.7%に当たる251カ所が製造業、6.8%に当たる198カ所が鉱業・採石業だった。また総生産額は792億リンギで、鉱業・採石業の281億リンギ(35.5%)がトップとなり、サービス業の258億リンギ(32.5%)、建設業の154億リンギ(19.4%)、製造業の99億リンギ(12.5%)が続いた。

OGSE活動に従事した人は計12万3,288人。セクター別では建設業が5万696人(41.1%)で最も多く、これにサービス業(4万8,731人、39.5%)、製造業(1万2,365人、10.0%)、鉱業・採石業(1万1,496人、9.3%)が続いた。給与と賃金の総額は68億リンギで、1人当たり月平均4,609リンギが支払われた。セクター別で最も高かったのはサービス業の28億リンギ(41.6%)で、これに建設業(21億リンギ、30.8%)、鉱業・採石業(12億リンギ、17.2%)、製造業(7億リンギ、10.4%)が続いた。

2024年の洪水被害額は9.3億リンギ、GDPの0.05%に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は19日、マレーシアの洪水被害に関する特別レポートを発表。2024年通年の被害総額が9億3,340万リンギ(2023年:7億5,540万リンギ)に増加し、名目国内総生産(GDP)の0.05%(2023年:0.04%)に相当する額に上ったと明らかにした。

州別で最も被害が大きかったのはクランタン州(2億6,300万リンギ)で、これにケダ州(1億9,370万リンギ)、トレンガヌ州(1億8,200万リンギ)、ジョホール州(5,900万リンギ)、ペラ州(5,720万リンギ)と続いた。

項目別で最も被害が大きかったのは住宅で3億7,220万リンギ(2023年:1億6,830万リンギ)に急増。公共資産とインフラが3億340万リンギ(2023年:3億8,070万リンギ)で続いた。農業被害は1億8,520万リンギ(2023年:1億2,060万リンギ)に増加し、事業所への被害は5,410万リンギ(2023年:5,320万リンギ)となった。一方、車両への被害は1,730万リンギ(2023年:2,230万リンギ)に減少、製造セクターへの被害は120万リンギ(2023年:1,030万リンギ)と最も影響が少なかった。

住宅被害が州別で最も大きかったのはクランタン州の1億3,900万リンギで、これにトレンガヌ州が1億310万リンギ、ケダ州が5,400万リンギで続いた。

公共資産とインフラへの被害が最も大きかったのはトレンガヌ州の4,990万リンギで、これにクランタン州が4,810万リンギ、ペラ州が4,340万リンギで続いた。

農業への被害が最も大きかったのはケダ州の1億1,820万リンギで、これにクランタン州が4,380万リンギ、パハン州が880万リンギで続いた。

事業所への被害が最も大きかったのはクランタン州の2,710万リンギで、これにトレンガヌ州が1,640万リンギ、ケダ州が430万リンギで続いた。

車両被害はトレンガヌ州が580万リンギと最も大きく、これにクランタン州が400万リンギ、ケダ州が210万リンギで続いた。

製造業への被害が最も大きかったのはクランタン州の110万リンギで、その他の州の被害は軽微だった。