イオンマレーシア第3四半期、前期の赤字から黒字に転換

【クアラルンプール】 ショッピングモール運営のイオンマレーシアが25日発表した第3四半期決算は1,636万リンギの純利益で、前期の赤字(956万リンギ)から改善した。売上高は3.7%増の9億8,962万リンギだった。回復のための行動制限令(RMCO)の緩和による消費活動の拡大が貢献した。
前年同期比では純利益は123%増だったが、売上高は6.9%の減少だった。消費低迷で小売部門の収入は5.9%減の8億3,632万リンギで、不動産部門は賃料収入減や賃料免除などで11.8%減の1億5,339万リンギだった。
1ー9月期の純利益は前年同期比76%減の1,427万リンギ、売上高は7%減の33.1億リンギだった。
(ザ・スター、11月26日、エッジ、11月25日)

 

経済はU字回復の見込み、感染者再び増加で=アズミン上級相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アズミン・アリ通産相(上級相)はブルームバーグテレビとの会見で、経済の回復見通しについてV字型を見込んでいたが、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者が増加していることから、回復まで時間がかかるU字型になるとの予想を示した。

新規感染者が4桁となる日が多く、感染拡大を食い止めるために一部に行動制限令を実施していることで、経済の回復に遅れが出る可能性があると明らかにした。

一方で総選挙については、連立政府与党としていつでも臨む用意があり、過去8カ月の政権実績から今以上の過半数を確信していると述べた。しかし現時点ではウイルス禍のため選挙は行えないという。

アズミン氏は、現政権が総選挙を経てではなく、前政権の崩壊で誕生したものである以上、国民の信託を問うため早期に解散総選挙に踏み切るべきだったと述べた。国民の信を問い、強固な政権を構築して初めて、経済再建に注力できるという。

来年度予算案の採決が26日に行われるが、政権の信が試されることになる。否決は政権に対する不信任を意味するからだ。

アズミン氏は「議員が予算案に反対する理由はない。予算はマレーシア人民、経済活動のためのものだからだ」と語った。

テーマパーク&娯楽施設、2カ月で5億リンギの損失

【クアラルンプール】 マレーシア国内のテーマパークや家族向け娯楽センター(FEC)は、大部分の州で条件付き行動制限令(CMCO)が発令されたことから、10、11月のわずか2カ月足らずの間に5億2,000万リンギの損失を被ったと推定している。

90カ所のFECが加盟するマレーシア・アミューズメント・テーマパーク&ファミリー・アトラクション協会(MAATFA)のリチャード・CK・コー会長によると、ある大手ウォーター・テーマパークの場合で、一カ月に最低200万リンギあった営業収益が失われた上に、家賃や人件費のために月々200万リンギの出費を強いられている。他の事業者はそれほどではないにしろ、最低でも月々100万リンギの損失を被っているという。

FECの場合には特に閉鎖・清算を強いられるリスクが確実に高まっており、小規模なFECが10—20カ所、面積3,000平方フィート以上の大型FECも10—15カ所すでに閉鎖されている。

コー会長は先ごろ発表された来年度予算案の中に社会保障機構(SOCSO)の賃金助成金制度を除けばFEC業界に利益をもたらす内容は盛り込まれていないと指摘。業界が完全に回復するには3年から5年かかると悲観的な見方を示した。

サンウェイ・テーマパークの場合、新型コロナウイルス「Covid-19」流行前には平日に平均2,000人、週末には1万—1.5万人が来場していた。3月の行動制限令(MCO)発令によってほぼゼロまで落ち込んだ後、大幅に規制が緩和された今年第3四半期には週末の来場者が4,000—5,000人まで回復していた。

(マレーシアン・リザーブ、11月19日)

北部回廊経済圏、今年の投資誘致目標をすでに突破

るマレーシア北部回廊実行庁(NCIA)は今年に入って155億リンギの投資案件を認可し、すでに通年目標の70億リンギを120%上回ったと明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」が流行し経済は停滞する傾向にあるが、インセンティブや税の優遇措置を実施したことが奏功した。
雇用創出は認可ベースですでに2万3,000人分に達しており、今年通年目標としていた5,900人分を大幅に上回った。NCIAは、NCERの今年の総生産(GDP)成長率についてはマイナス4%となると予想した上で、今年9月にムヒディン・ヤシン首相が発表した「2021ー2025年戦略的開発計画(SDP)」の効果で来年には新型コロナ流行前の水準に戻ると予想した。
NCIAは、スキルアッププログラム「ジョムケルジャ(JomKerja)@NCER」と「ジョムニアガ(JomNiaga)@NCER」を今年8月に立ち上げており、人的資本プログラムにも力を入れている。
NCERでは、ペルリス州の「チュピン・バレー工業地域(CVIA)」、ケダ州のゴム産業集積地「ケダ・ラバー・シティ(KRC)」、「シダム物流・航空・製造ハブ(SLAM)」などの開発が進められている。
NCIAのジェバシンガム・イサアチェ・ジョン最高責任者(CEO)は、NCIAでは経済に大きな影響を及ぼすプロジェクトや人的資本プログラムを推進しており、NCERが世界的な経済、技術の拠点とすることに力添えしていると述べた。

第3四半期の為替相場、リンギが2.9%値上がり

【クアラルンプール】 リンギは第3四半期、対米ドル相場で2.9%値上がりした。非居住者による有価証券投資が買い越しだったことが主因だ。
中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のノル・シャムシア総裁は経済統計発表会見で、各国が経済活動を再開し、また米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和を長期化させる姿勢を明確にしたことなどで投資家心理が改善した。このためほかの域内通貨も米ドルに対し値上がりした。
中国経済の堅調な回復や、国際通貨基金(IMF)が今年の世界経済の見通しを上方修正したことも好材料だという。
マレーシア有価証券市場では9月以降も外国人による買い越しが続いており,9月末との比較で11月12日のリンギは米ドルに対し0.6%値上がりした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月14日)

マレーシアのGDP、第3四半期は2.7%のマイナス成長

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は13日、2020年第3四半期(7ー9月)の国内総生産(GDP)成長率が2.7%のマイナス成長になったと明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大の影響を受けてマイナス17.1%に落ち込んだ前期からは改善した。

セクター別では、前期にマイナス18.3%だった製造業が堅調な対外需要を受けて3.3%にプラス回復した。また景気を牽引してきたサービス業も行動制限令(MCO)解除後の需要拡大から、マイナス16.2%からマイナス4.0%へ回復した。鉱業も石油ガス需要回復によりマイナス20.0%からマイナス6.8%へ、建設も工事再開によりマイナス44.5%からマイナス12.4%へといずれもマイナス成長ながらも回復した。ただ農業はアブラヤシ収量が減少したことから、前期の1.0%のプラス成長から0.7%のマイナス成長に落ち込んだ。

国内需要は前期のマイナス18.7%からマイナス3.3%に改善、民間消費もマイナス18.5%からマイナス2.1%に、民間投資もマイナス26.4%からマイナス9.3%にそれぞれ改善した。

公共支出は新型コロナ対策に基づく補助金拡大などにより前期のプラス2.3%からプラス6.9%に拡大。公共投資もマイナス38.7%からマイナス18.6%に改善した。

モノとサービスの輸出はマイナス21.7%からマイナス4.7%に回復。輸入もマイナス19.7%からマイナス7.8%に改善した。

■来年通年は6.5—7.5%のプラス成長■

中銀のノル・シャムシア・ユヌス総裁は、新型コロナの第三波にともなう全国規模の条件付き行動制限令(CMCO)が第4四半期の経済に一定の影響を及ぼす可能性があると指摘。マイナス3.5—5.5%としている今年通年の経済成長予想にはすでに織り込み済みだが、予想の下限に近づきつつあるとした。

また来年についても引き続き下振れリスクに晒されているとした上で、今年第2四半期のマイナス幅から推察するとそれほど深刻にならないと予想されると指摘。6.5—7.5%のプラス成長に回復するとの見方を示した。

来年度予算案発表、過去最大規模の3225億リンギに

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 テンク・ザフルル財務相は6日、下院議会に2021年度(2021年1月1日—12月31日)予算案を提出した。

新型コロナウイルス「Covid-19」対策などの支出増加のため、予算規模は過去最高の3,225億4,000万リンギとなり、今年度予算の2,970億リンギを255億4,000万リンギも上回った。2021年の歳入は2,369億リンギの見込み。なお今年の歳出は当初予算を177億リンギオーバーして3,147億リンギとなり、財政赤字の対国内総生産(GDP)比は当初の見込みの3.2%から6.0%に大幅に上昇した。

来年度の一般歳出は2,365億リンギで全体の73.3%を占めた。開発予算は690億リンギで全体の21.4%、このほか新型コロナウイルスの対策基金として5.3%に当たる170億リンギを割り当てた。予算のテーマは「我々の強さは我々の集団的勝利にある」で、▽国民の幸福▽ビジネスの継続性▽経済的回復力——の3つの柱に基づく。

新型コロナ第3波対策として10億リンギを計上。4億7,500万リンギを検査薬や消耗品の購入、3億1,800万リンギを個人用保護具(PPE)の購入、1億5,000万リンギを国家災害管理局(Nadma)にそれぞれ充てる。医療最前線のスタッフに500リンギの一時金を支払う。

低・中所得者向けの支援策「Kita Prihatin(私たちの関心事)」基金への拠出額をこれまでの200億リンギから650億リンギに増額する。

生活費に困窮している人に配慮し、従業員積立基金(EPF)の第一口座から向こう12カ月間、最大で月々500リンギの引き出しを認める。また2021年1月から従業員の最低拠出率を9%に引き下げる。このほか生命保険やタカフル購入、重大な疾病に際しては第2口座からの引き出しを認める。

年収5万—7万リンギを対象に所得税率を1ポイント引き下げる。140万人が対象になるとみられる。また最初の住宅購入に際する印紙税を、50万リンギを上限に免除する。

「プリンシプル・ハブ」の税制優遇条件緩和を2022年12月31日まで延長する。また選ばれた製造業におけるマレーシアへの移転に伴う税制優遇措置についても、2022年12月31日まで延長する。

国家デジタル・ネットワーク(JENDELA)に5億リンギ、2021—22年にかけブロードバンドサービス拡充のため74億リンギを計上する。ブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)底上げに向けて46億リンギを割り当て、またブミ中小零細企業向けの融資に5.1億リンギ割り当てる。石油・ガスや航空宇宙産業などの高技術企業に30億リンギを充てる。

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■来年のGDP成長、6.5ー7.5%と予想■

財務省は同日、「2020/21年経済リポート」を発表。 2020年の国内総生産(GDP)成長率予想についてマイナス4.5%、2021年についてはプラス6.5ー7.5%とした。

産業別の今年のGDP成長率予想は、建設業が18.7%、鉱業・採掘業が7.8%、サービス業が3.7%、製造業が3.0%、農業が1.2%と全てマイナス成長の見込み。2021年は建設業が13.9%、サービス業と製造業が7.0%、農業が4.7%、鉱業が4.1%とすべてプラス成長が見込まれている。

失業率は昨年3.3%だったが、今年は4.2%に上昇することが予想されるが、来年は3.5%に下降することが見込まれている。

今年の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)はー1.0%で、来年はプラス2.5%に転じる予想だ。

来年度予算、「コロナ対策に最重点」ムヒディン首相

【プトラジャヤ=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン ヤシン首相は4日、来年度予算案発表を2日後に控えて記者会見を行ない、新型コロナウイルス「Covid-19」対策及び国民生活への支援、経済再建に注力する方針であることを強調。財政赤字拡大覚悟で歳出拡大に踏み切る可能性を示唆した。
ムヒディン首相は、かなりの額の予算を新型コロナ対策に割り当てるとし、特にインフラの形で医療の最前線が必要としている支援を増やすと言明。新型コロナ流行が去るまで予算投入を続けると強調した。
また2番目の重点分野については、脆弱な自営業や零細企業、特に新型コロナの影響を受けた企業の支援になるとし、第3の重点分野は雇用機会の拡大、事業活動活性化のための経済刺激策になると明らかにした。
ムヒディン首相は、公的債務残高の上限がこれまでの55%から60%に引き上げられたことから、歳出拡大の余地が十分あると指摘。与党だけでなく野党や非政府組織、経済団体などあらゆる方面の意見を取り入れた包括的な予算案になると強調した。
ムヒディン首相によると、新型コロナの影響で400億リンギ、率にして20%の歳入減が予想されている。一方で政府がこれまでに発表した経済対策の総額は国内総生産(GDP)の20%に相当する2,995億リンギに達しており、うち政府の拠出額は450億リンギに上っている。

新型コロナ第3波&CMCO、ホテル業界に打撃=ホテル協会

【クアラルンプール】 ホテル業界関係者によると、業界は新型コロナウイルス「Covid-19」の感染第3波およびその抑制に向けた条件付き行動制限令(CMCO)の発令による打撃を受けている。
マレーシア・ホテル協会(MAH)のヤップ・リップセン最高責任者(CEO)は、新型コロナ感染者数の急増によりホテルの予約キャンセルが相次ぎ、10月の第2週におけるホテルの稼働率が約30%に低下したと指摘。CMCOの施行対象となっているサバ州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤ、セランゴール州ではさらに低下するとの見方を示した。ホテル業界における標準運用手順(SOP)については、感染ピーク時にも対処できるよう設定されていると強調した。
MAHによると1 7月間の平均稼働率は32.3%。7月単月では36.69%に上り、パハン州、トレンガヌ州、ペラ州の稼働率は50%を超えた。稼働率のピークは8月の連休で、42%にまで上昇。その後やや減少し約39%を維持していた。1ー6月間の客室の損失額は33億リンギを超えるという。
マレーシア旅行代理店協会(MATTA)のモハド・アキル・モハド・ユソフ副会長は、観光地に隣接する州で新型コロナが蔓延しているため、9月から予約キャンセル数が増加していると言明。ホテル経営者、航空会社、飲食店など観光客から収入を得ている業界が打撃を受けていると述べた。これらの業界が生き残るためには、感染率の低い国との国境再開だと主張した。
(マレーシアン・リザーブ、10月28日)

ロックダウン、都市部で10万—20万人が貧困に陥る恐れ

【クアラルンプール】 首都圏やサバ州その他で新型コロナウイルス「Covid-19」感染の再拡大が起きていることから条件付き行動制限令(CMCO)や強化行動制限令(EMCO)が発令されており、正規の会社登録を行なっていないインフォーマルセクター(非公式経済)に携わる労働者が最も打撃を受けるとみられている。
マラヤ大学経済学部のニアズ・アサドゥラー教授は、ロックダウンやMCOにより都市部で10万人から20万人が貧困に陥る恐れがあるとし、その半分がインフォーマルセクターが占めていると指摘。社会保険機構(Socso)などの支援対象になっていないだけでなく、預貯金や資産もほとんど持たない状態だとし、最新のデータは不明だが大多数が世帯収入が貧困ラインの2,208リンギを下回っているとの見方を示した。ニアズ教授によると、首都圏では5人に1人がインフォーマルセクターに携わっており、重要な労働力となっているという。
ビナリー大学のスロチャナ・ナイル副学長(経済学)は、インフォーマルセクターが政府の公式統計の盲点となっており、経済対策の恩恵が受けられないでいると指摘。今年第1四半期に実施された労働力調査ではマレーシアの総労働力の17.4%に当たる約266万人が自営業者であることが判明したとし、社会保障の対象になっていないことは問題だとした。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月28日)