ぴあがマラヤ大学との連携開始、言語学部の「花火大会」に協力

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ぴあ(本社・東京都渋谷区)は、グローバルリージョン展開強化の一環としてマラヤ大学言語学部と連携していくことで合意覚書(MOU)を締結したと発表した。

まずは同大学主催イベントに対し、日本コンテンツの提供、出演者ブッキング、協賛営業、イベント運営支援等を通じて、日本文化の交流を行う。将来的には、ぴあが架け橋となり、日本とマレーシアの間での人材・文化交流を拡充していく予定。また、各国政府、文化機関、現地企業との連携なども視野に入れて活動を推進していく。

第1弾の取り組みとして、同大学の公認サークル「ジャパニーズ・クラブ・ユニバーシティ・マラヤ (JCUM)」が主催する学内イベント「花火大会」(6月28日開催)に協力名義で参画した。ぴあが落語協会、ホリプロインターナショナルの協力を得て、出演者をブッキング。落語家の柳家喬之助、林家楽一、歌手・作詞家の大木貢祐が登場し、それぞれ落語、紙切りといった古典芸能や、アニソンライブなど、日本ならではのカルチャーを披露した。

糖尿病重症化予防のセカンドハート、マレーシアで事業を展開

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 糖尿病重症化予防に取り組むセカンドハート(本社・京都府長岡京市)は6月30日、糖尿病による足切断をなくすことを目的とした足ケア管理アプリ「ステップライフ」が総務省の支援事業として採択されたと発表。今後、マレーシア社会保障機構(PERKESO)との連携など海外展開を加速させるという。

2019年創業のセカンドハートは、糖尿病に特化した予防事業を手掛けている。糖尿病の場合、神経障害や血流障害が発生し足にトラブルが出やすくなり、重症化すると切断が必要になる。日本では糖尿病患者約1000万人のうち年間約1万人が切断を余儀なくされている。このため同社は独自にアプリを開発し、足の状況を日々記録し、ケアにつなげている。

今回、このアプリを通じ、総務省の「安全性・信頼性を確保したデジタルインフラの海外展開支援事業」の地方枠に採択された。糖尿病が社会問題化しているマレーシアを皮切りに、官民連携体制を確立。英語やマレー語などアプリの多言語化や、現地の実情や文化的背景などを考慮した改良を図っていく。

5月のマレーシア人訪日者数、前年同月比30.7%増の5.17万人

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2025年5月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は5万1,700人となり、前年同月比で30.7%増、前月比では1.0%増となった。

査証免除措置による訪中旅行への人気の高まり等があるものの、祝日やスクールホリデー、マレーシア・リンギ高などの影響もあり、訪日外客数は5月として過去最高を記録した。1―5月の累計では29万5,900人となり、前年同期比で34.6%の大幅増となった。

5月の世界全体の訪日者数は、前年同月比21.5%増の369万3,300人。5月としては過去最高だった2024年の304万294人を65万人以上上回り過去最高となった。1―5月の累計では1,814万100人となり、前年同期比23.9%増となった。

桜シーズンと夏休みシーズンの間に挟まれ訪日需要が落ち着く時期であるものの、一部市場で祝日やスクールホリデーに合わせた訪日需要が高まったことにより、中国、フィリピン、米国を中心に訪日外客数が増加したことが全体の押し上げ要因となった。

高級和牛のゼンリッチ、年間最多輸入量でASEAN記録達成

【クアラルンプール】 高級和牛の輸入を手掛けるゼンリッチ・アライドは、年間最多の日本産和牛輸入量を達成したとして、東南アジア諸国連合(ASEAN)におけるさまざまな記録の顕彰団体「ASEANレコーズ」の認定を受けた。

ゼンリッチは昨年、牛600頭分、19万2000キログラムを輸入した。宮崎、鹿児島、北海道などの生産者から直接仕入れを行っている。マレーシアイスラム開発局(JAKIM)と、日本の認証団体のハラル(イスラムの戒律に則った)認証を得た高級和牛を、マレーシアのホテルや焼き肉店などに提供している。

またゼンリッチは、初の直営店「Wagyu by La Moon」をクアラルンプール(KL)にこのほど開業。開業に合わせてASEANレコーズの認定式が行われ、日本政府観光局(JNTO)KL事務所の尾崎健一郎所長や、日本貿易振興機構(ジェトロ)KL事務所の高野光一所長らが出席した。

ゼンリッチは、創業者が日本留学中に和牛農業で働いたことをきっかけに、2015年に創業された。直営店の2号店を三井ショッピングパークららぽーとブキッ・ビンタンシティセンター(ららぽーとBBCC)に近く開業予定のほか、3号店も計画しており、今年は800頭以上の輸入を目指しているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月25日、ASEANレコーズ発表資料)

全日空、マレーシアなどからの訪日客サービス向上で2社と提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 全日本空輸(ANA、本社・東京都港区)は24日、マレーシアなどアジアからの訪日観光客へのサービス向上のため、オンライン専業旅行代理店のトリップドットコム、日本情報発信メディアを運営するマイクロアド(本社・東京都渋谷区)の2社との連携をそれぞれ発表した。

トリップドットコムとの連携は、ANAのウェブサイトと同様のサービスを、日本発だけでなく、マレーシアを含めたアジア12カ国発に関してもトリップドットコム上で提供できるようにするもの。航空券を公式サイトと同じ運賃で予約・発券できるだけでなく、基本的な変更・払戻の手続きなども可能になる。

これは、NDCと呼ばれるIATA(国際航空運送協会)の新しい通信規格を利用するもので、ANAの近藤寛之グローバルセールス部長は「顧客ニーズに応じた利便性の高い運賃やサービスを国内外のお客様に提供できるよう、引き続きNDC接続による販売網を拡充していきたい」としている。

また、マイクロアドとの提携では、「ジャパホリック」のクーポンサイトを、クアラルンプール新国際空港(KLIA)のANAの搭乗カウンターで案内する。ジャパホリックは主にアジア圏の親日女性をターゲットに、ショッピングやファッション、美容情報などを多言語で発信している。マイクロアドはインドネシアでも同様のサービスを行っており、今後、他国でも展開していくという。

国際協力銀行、太陽鉱工のマレーシア法人に協調融資

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際協力銀行(本社・東京都千代田区、JBIC)は23日、太陽鉱工(本社・兵庫県神戸市)のマレーシア法人、太陽鉱工マレーシア(TKMSB)との間で、融資金額30億円を限度とする貸付契約を締結したと発表した。

今回の融資は、日本の民間金融機関との協調融資により実施するもので、協調融資総額は92億円。TKMSBがパハン州において実施する使用済み脱硫触媒からのモリブデンおよびバナジウムの分離回収事業に必要な資金を融通する

太陽鉱工は1949年に兵庫県で設立された非鉄金属類の製錬を主業とする中小企業で、モリブデンおよびバナジウムの製錬、販売を主体に、レアアースやジルコニウム、セラミック原料などのマテリアルの開発・製造を行っている。同社は使用済み脱硫触媒を引き取り、当該廃触媒からモリブデンおよびバナジウムを回収して再利用する事業の開始に伴いTKMSBを設立した。

JBICは太陽鉱工への協調融資について、太陽鉱工の海外事業展開支援を通じて、マレーシアの循環型社会構築に貢献するとともに、地球環境保全に資するとしている。

JS-SEZは今後の日馬関係に戦略的に重要=アンワル首相

【クアラルンプール】 ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)に日本からの関心が高まっていることに関し、アンワル・イブラヒム首相はマレーシアとシンガポールの強固な基盤に基づく信頼性を強調。日本からの投資を通じ「JS-SEZは今後の日本とマレーシアにとって戦略的にますます重要になる」との見方を示した。

アンワル首相は19日、ジョホール州で開かれたフォーラム「メディニ・ジョホール2025」で発言した。同フォーラムはイスカンダル・インベストメント(IIB)などが主催した。

またフォーラムに登壇した四方敬之 駐マレーシア日本大使は、今後の両国関係においてグリーンテクノロジー、交通インフラ、教育交流の3つの主要分野の重要性を指摘。同州で急増するデータセンターに付随するエネルギー関連での投資や、問題化している交通渋滞解消に向けた協力、共同学術プログラムの創設などの可能性について語った。

州政府傘下の投資誘致機関「インベスト・ジョホール」のナタザ・ハリス最高経営責任者(CEO)は「日本からの投資に必要な枠組みと支援体制は整っている」と述べ、より多くの投資獲得に向け対策を強化していくとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、6月19日)

豊田通商、サバ州のリチウム電池用銅箔製造会社に出資

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 豊田通商(本社・名古屋市)は、韓国SKグループでリチウムイオン電池部材の銅箔を製造するSKネクシリス(SKNX)と、マレーシア子会社、SK ネクシリス・マレーシア(SKNM)の株式譲渡契約を締結したと発表した。

車載用電池製造に欠かせない高品質の銅箔を安定的に調達・供給することを目的としたもので、出資金額は1億1,000万米ドル(約160億円)。SKNMはサバ州に年間5万7,000トンの生産能力を持つ工場を有し、豊富な水資源で発電された100%再生可能エネルギー由来の電力を利用し、車載電池用銅箔製造を行っている。

豊田通商は、同工場で製造された低炭素かつ価格競争力のある銅箔製品を、日本や北米を中心とする電池メーカーに供給していく予定。将来的には、豊田通商のグローバルなネットワークを活かし、市場ニーズを取り込みつつSKNMと連携し、次世代の車載用電池開発に必要な銅箔の開発も検討していく。

リチウムイオン電池は、電動車の普及に伴い、今後もさらなる需要の増加が見込まれている。豊田通商は、車載用電池関連ビジネスを次世代に向けた成長の柱として位置づけ銅箔をはじめとした車載用電池部材のサプライチェーン構築に注力していく方針だ。

近大、マレーシアの大学と共同で「雷・災害シンポジウム」開催へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国際協力機構(JICA)は、JICAの支援のもとで近畿大学がマラッカ技術大学及びのテナガ・ナショナル大学と共同で6月23日にマラッカで「第3回国際雷・災害シンポジウム」を開催すると明らかにした。

2023年6月に開始された「持続可能なエネルギー供給と極端気象災害の早期警報のための電荷分布リアルタイム3Dイメージングと雷活動予測(RTL-3D)プロジェクト」の一環で、シンポジウムではプロジェクトの研究者、マレーシア政府、学術機関、民間パートナーによる雷及び極端気象災害に対する早期警報システムの構築に関する発表が行われる。

RTL-3Dプロジェクトは、マレーシアにおける雷や極端気象による被害の低減を目的とし、先端技術を開発・活用するもの。技術革新により、雷災害が発生する前の予測を可能とし、マレーシアの防災対応能力を向上させることを目指す。目標達成に向け、雷および雷の電荷分布を精度数百メートル以下精度でマッピングする高度なアルゴリズムが開発されている。

RTL-3Dプロジェクトは、JICAおよび科学技術振興機構(JST)による「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の支援及びマレーシア高等教育省(MOHE)によるマレーシア政府予算の支援を受けており、2028年6月まで5年間実施される。

ジェトロKL、「エナジー・アジア2025」にブース展示

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、 アジアのエネルギー移行に関するシンポジウム・展示会「エナジー・アジア2025」(会期6月16日―18日)に、「マレーシアの脱炭素化に貢献する日系企業の製品・サービスカタログ」の広報ブースを出展している。

脱炭素分野における日本企業の製品・サービスの販路拡大を目的としたもので、同カタログには、各社のウェブサイト、プレスリリース、報道、展示会情報などの公開情報および各社へのヒアリングをもとに収集した、マレーシアで脱炭素化に貢献する日系企業47社の製品やサービスを、マレーシア政府が2023年に発表した脱炭素政策の柱である国家エネルギーロードマップ(NETR)で指定する重要6分野10基幹事業に合わせて、主要カテゴリーごとに分類して掲載している。

同ブースでは、日本企業の製品のマレーシアでの販路拡大を目的として、オンラインカタログサイト「Japan Street」についても紹介している。「Japan Street」はジェトロが招待した海外バイヤー専用のオンラインカタログサイトで、バイヤーは登録するだけで日本企業1万25社・7万2,330製品(6月13日時点)を閲覧、希望に応じてオンライン商談が可能。