【クアラルンプール】 北朝鮮政府は19日、マレーシア政府が先ごろ北朝鮮人容疑者を米国政府に引き渡したことへの報復として、マレーシアとの国交断絶を発表した。
北朝鮮外務省は声明の中で「マレーシア当局は(北朝鮮の)無実の市民を米国に強制的に引き渡すという容赦のない犯罪を犯した」と指弾。「米国の圧力に屈服して平壌(北朝鮮政府)に対して行われた敵対行為」とした。
米国に引き渡された北朝鮮人、ムン・チョルミョン容疑者については、「シンガポールで合法的な対外貿易活動に従事している人物」と主張し、違法なマネーロンダリングに関与しているとの指摘は捏造だと非難した。
ムン容疑者は家族と共にマレーシアに10年にわたり在住していたが、北朝鮮への禁輸品の密輸や会社を通じた資金洗浄の容疑で米国政府からの身柄引き渡しの要請を受け、2019年に逮捕された。マレーシア連邦裁判所は今年3月3日、米国への引き渡し差し止め請求を棄却していた。ムン容疑者は、北朝鮮が酒や時計などの高級品を北朝鮮に密輸していたとされる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、AFP、3月19日)