【東京=マレーシアBIZナビ】 世界で発行・流通する債券、ストラクチャード・ファイナンスなどの格付け、情報提供を行っている日本格付研究所(JCR)はマレーシアの信用格付けを引き上げた。

外貨建て長期発行体格付けを「A」から「A+」に、自国通貨建て長期発行体格付けを「A+」から「AA」に、それぞれ1ノッチ引き上げた。見通しは両方とも安定的。

JCRは、豊富な石油・ガス資源、輸出型製造業を中心とする堅固な産業基盤、健全な金融セクターを引き上げの理由に挙げた。
経済は第1四半期以降、新型コロナウイルス感染症の鎮静化に伴い、感染症拡大前の水準を超え、また外国からの直接投資の増加を背景に、産業基盤の強化、高度化が進んでいるという。

財政面では歳入基盤の増強が課題だが、政府は税収増に取り組んでおり、財政基盤の改善は進みつつあるとの分析を示した。
国内総生産(GDP)比での政府財務残高は感染症対策で増加したが、60%台半ばと管理可能な水準にあるとした。