Eコマース、2027年まで11%成長の見込み=調査

【クアラルンプール】 IT大手の米メタ(旧称・フェイスブック)とコンサルティングの米ベイン・アンド・カンパニーによる「SYNC東南アジア(SEA)年次報告書」によると、マレーシアのEコマースの見通しは明るく、流通取引総額(GMV)は2022年から2027年にかけて年平均成長率(CAGR)11%で成長すると予測されている。

マレーシアのデジタル消費者人口は、15歳以上の人口の99%を占める2,500万人で、調査対象の東南アジア6カ国中最多。1人あたりが利用するオンラインプラットフォームの平均数は、2021年から2022年にかけて1.9倍となった。ソーシャルメディアを経由しての購入が最多を占め、その中でもライブ経由での購入が61%、広告経由が34%、ビジネスメッセージ経由が36%を占めた。動画コンテンツの消費量も増えており、ソーシャルメディア上の動画はオンラインで消費者が商品を発見するための最速の情報源になっている。

メタ・マレーシアの責任者であるニコル・タン氏は、新型コロナウイルス「Covid-19」のエンデミック(風土病)段階への移行に伴い、消費者は実店舗に戻っているものの、購入プロセスのうち商品発見と評価の段階では、回答者の78%がオンラインの方を好むなど、オンラインは重要な購入チャネルであり続けていると述べた。

東南アジア市場全体としては、中国、米国、欧州、日本などの市場に比べ、Eウォレット、暗号通貨、非代替性トークン(NFT)の普及率が高くなっている。東南アジアの回答者の10人に7人は、過去1年間にメタバース関連の技術を試したことがあるという。

「SYNC SEA年次報告書」は、東南アジア6カ国(マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の1万5,767人のデジタル消費者を対象とし、2022年6月に実施されたオンライン調査結果に基づくもの。
(ザ・サン、9月7日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、9月6日)

日本から今行きやすい国、マレーシアは4位=令和トラベル

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 令和トラベル(本社・東京都渋谷区)は7日、同社の調査研究機関である令和トラベル研究所が、同日からの日本の入国規制緩和を受け、今日本から行きやすい旅行先を調査した「リベンジ海外旅行攻略ランキング」を発表。マレーシアは、フランスと並び4位にランクインした。

「リベンジ海外旅行攻略ランキング」は日本人渡航者数上位20カ国中、観光入国が認められていない中国・台湾を除いた18カ国を対象に、「渡航条件」、「フライト時間」、「燃油高」、「滞在費用(物価・為替)」、「訪問者回復」、「マスク規制」の6つの指標により算出したもの。

マレーシアは、渡航条件、フライト時間の短さ、滞在費用の低さに(削除)の指標で高得点だったが、マスク規制や訪問者数回復については低得点だった。都会の観光を楽しめるクアラルンプールや、ペナン島、ランカウイ島等の美しい島々が人気で、有効なワクチン接種証明書があれば入国時のPCR検査は不要という渡航条件の良さが好評価につながった。円安の影響をやや受けてはいるが、物価水準が低い上、物価上昇率も調査対象国の中で最低水準のため、現地滞在費用を抑えられる点も魅力だという。

令和トラベルは、訪問者数の回復はこれからで、公共交通機関におけるマスク着用は必要になるが、観光回復が本格化して混雑する前にマレーシアを楽しむのも良いと述べている。

ランキング上位3カ国は、▽タイ(1位)▽ハワイ(同率2位)▽韓国(同率2位)ーーだった。シンガポールは6位にランクインし、東南アジア3か国がトップ6に入る結果となった。

中銀バンクネガラ、今年3度目の利上げで2.50%に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは8日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を0.25ポイント引き上げて2.50%とすることを決定した。中銀は2020年7月から1.75%で維持していたが、今年5月11日、7月6日にそれぞれ0.25ポイント引き上げており、今回で3会合連続の利上げとなった。
 中銀は声明の中で、国内経済の成長の見通しが明るいとして、3度目の利上げを決めたと説明。現在の金融政策のスタンスも緩和的であることから、引き続き経済成長を支えることが可能だとした。
 国内経済について中銀は、新型コロナウイルス「Covid-19」のエンデミック(風土病)段階への移行や政策が、第2四半期の経済成長に貢献し、複数の統計が民間部門の支出が経済成長を下支えしていることを示しているとした上で、労働市場でも引き続き失業率の低下、労働力率の上昇、所得の見通しが改善していると指摘。その一方で今後は外需の減速や金融および為替市場のボラティリティー(変動性)の高まりが懸念されるものの、マレーシアの経済成長を阻害することはないとの予想を示した。そして今後も世界経済の回復が予想を下回る可能性、ロシアのウクライナ軍事侵攻の激化、サプライチェーンの混乱悪化が成長リスクとなり続けるとし、今年のコア・インフレ率の予想については、2.0ー3.0%で維持するとした。
 また中銀は世界経済について、成長率は減速しているが労働市場の改善や国境の再開が成長を下支えし続けているとした上で、インフレ圧力を軽減するためにマレーシア以外でも中銀による政策金利の調整が行われると予想。特に米国の積極的な金融緩和策が金融市場を変動させていると指摘し、金融政策により生じる影響や中国の「ゼロコロナ」政策下で実施されるロックダウン、コスト圧力の上昇、欧州のエネルギー危機の可能性などが下振れリスクになるとの見解を示した。

ジェトロ、ハラル見本市に「ジェトロブース」設置

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)は、7日にクアラルンプール(KL)で開幕したマレーシア最大のハラル(イスラムの戒律に則った)製品の食品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2022」にジェトロ・ブースを設置した。ジェトロのブース開設は2019年に続く2回目で、8社が提供する24製品が展示される。

「ジェトロ・ブース」に商品を出展するのは▽アセットフロンティア▽グリーングレープグローバル▽比叡ゆば本舗ゆば八▽井村屋スタートアッププランニング▽共栄製茶▽築野食品工業▽上万糧食製粉所▽横井醸造工業――の8社。築野食品工業を除く7社は商品のみの出展で、バイヤー対応はジェトロが行っている。

マレーシア食品市場でニーズの高い菓子類(フルーツゼリー、せんべい、干し芋、バームクーヘン)、健康食品(フルーツバー、リンゴ酢、こめ油)、業務用調味料(だし、酢、煮きり、茶パウダー) などが展示された。

こめ油製造の築野食品工業はジェトロブースの隣に自社ブースを設置。今年から小売り製品にもハラルマークの添付を開始したことを受けて、マレーシア市場に売り込みをかける。同社のこめ油は加工食品や健康食品の原材料としての需要が高く、マレーシアでもBtoB向けの販売にも力を入れる方針だ。

18回目となるMIHAS2022は10日までの開催。新型コロナウイルス「Covid-19」のため2020年は中止、2021年はバーチャル開催となったため、リアル開催としては3年ぶりとなる。

新型コロナの新規感染者数は2428人、病床使用率は73.9%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、7日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,428人で、累計感染者数は479万7,437人となった。
新たに2,673人が回復し、累計治癒者は473万4,099人。死者数は7人で、累計3万6,262人となった。アクティブ感染者は、前日から252人減の2万7,076人。うち94.7%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.0%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は73.9%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,749万7,970人で、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,622万2,625人で、接種率は49.7%、2回目が47万7,235人で、1.5%だった。
新たに発生したクラスターは1件で、ペラ州の教育機関で確認。感染者が出続けているアクティブなクラスター数は21件に減少した。