【クアラルンプール】 リンギは先週も米ドルに対し値下がりし、23日には1米ドル=4.5775リンギと過去最低を更新した。サンウェイ大学のイア・キムレン教授は、輸入価格上昇が物価、インフレ予想に影響することが懸念材料で、こうしたリスクにさらされている家計、企業への配慮が政府には必要だと指摘した。

イア氏によれば、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを継続する見通しで、強いドルは少なくとも来年第1四半期まで続く見通しだという。

23日の記者会見でノル・シャムシア中央銀行総裁は資本規制に乗り出す意向はないとするかたわら、物価安定の中での経済成長の維持を重視していると述べた。

社会経済研究センターのリー・ヘングイエ専務理事も、いつFRBが利上げをやめるかに相場は左右されるため、短期的にリンギ下落圧力は続くとの見解だ。

一方で、リンギ安は輸出業者にはプラスで、外国人旅行客の入国も増加が期待できるという。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月26日)