【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 第15回総選挙の公示が5日にあり、すでに出馬の意向を示していた97歳のマハティール・モハマド元首相を筆頭に、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相、アンワル・イブラヒム元副首相、ムヒディン・ヤシン前首相ら次期首相に指名される可能性のある大物政治家が次々と下院選に立候補を届け出た。

前回に続いてケダ州ランカウイ選挙区から出馬するマハティール氏(野党・祖国戦士党=ペジュアン会長)は、「まだ片付いていない仕事に決着をつけるため」と立候補理由を説明した上で、今回が最後の出馬になるだろうと言明。ペジュアンを含むマレー系4政党を糾合した新たな政党連合「祖国運動」(Gerakan Tanah Air)でまだ首相候補が決まっていないことについては、「多数派となってから決定する」と述べ、自身の三度目の首相就任の可能性を匂わせた。なお息子でペジュアン党首のムクリズ氏(元ケダ州首相)も同州ジェルルン選挙区から立候補を届け出た。

与党連合・国民戦線(BN)の首相候補となっているイスマイル首相は、地元のパハン州ベラ選挙区で、野党連合・希望同盟(PH)と国民同盟(PN)の2候補を交えた三つ巴の戦いに挑む。2018年の前回総選挙では43.89%を獲得し、粘るPH候補を振り切った。

野党連合PHを率いるアンワル氏は、今回は選挙区をペラ州タンブン選挙区に変更し出馬。BN、PN、ペジュアンの3候補と戦う。PNを率いるムヒディン前首相は、地元のジョホール州パゴー選挙区から再び出馬する。

このほか野党・マレーシア統一民主同盟(MUDA)を率いる若手政治家、サイド・サディック党首はジョホール州ムアル選挙区から、汚職裁判で係争中のアハマド・ザヒド元副首相(BN総裁、統一マレー国民組織=UMNO総裁)はペラ州バガン・ダトゥック選挙区からそれぞれ出馬する。