IQエア大気汚染リポート、マレーシアはワースト59位

【クアラルンプール】 世界各地の大気汚染のレベルをリアルタイムで追跡しているスイスのIQエアが発表した2022年の大気質指数(AQI)リポートによると、マレーシアのPM2.5大気汚染測定値は17.7μg/m3となり、131カ国・地域で59番目に空気が汚染された国となった。

AQIは、▽緑(0ー5μg/m3)▽黄(5.1ー10μg/m3)▽◇橙(10.1ー15μg/m3 )▽赤(15.1ー20μg/m3)▽紫(20.1ー30μg/m3)▽栗色(30.1ー50μg/m3)ーーの6段階で評価しており、マレーシアは橙となった。
東南アジアからは、インドネシアが26番目(30.4μg/m3)、ベトナムが30番目(27.μg/m3)、タイが57番目(18.1μg/m3)、フィリピンが69番目(14.9μg/m3)、シンガポールが77番目(13.3μg/m3)となった。なお日本は97番目(9.1μμg/m3)となった。

マレーシア国内で最も指数が高かったのは、セランゴール州のクランで、27.1μg/m3 。2位もセランゴール州のペタリンジャヤで26.5μg/m3となった。それ以下は、ジョホール州ジョホールバルが20.μg/m3、クアラルンプールが17.μg/m3、ペラ州イポーが16.9μg/m3、パハン州クアンタンが10.3μg/m3となった。
IQエアはマレーシアの大気汚染は、工業化の発展、自動車の排気ガス、野焼き、ヘイズ(煙害)が原因だと指摘した。

米SVBの経営破綻、マレーシアへの影響はほぼゼロ

【クアラルンプール】 米国のシリコンバレー銀行(SVB)が10日経営破綻した。ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)の13日の取引ではろうばい売りが見られたが、マラッカ証券のケネス・リョン上級アナリストは、ブルサやマレーシア企業への影響はわずか、あるいはゼロだとの見解を示した。ラフィジ・ラムリ経済相もツイッターへの投稿で、SVBに預金しているマレーシア企業はなく、マレーシアへの直接的な影響はないと述べた。

SVBの破綻は過去10年余りで最大の銀行破綻と言われ、株式市場への影響が懸念されている。破綻は預金の取り付け騒ぎと増資の失敗による流動性不足が原因。
リョン氏は「銀行がこの件をきっかけに貸し付けに慎重になるといった間接的影響は考えられる」と述べた。

楽天トレードのトン・パクレン調査担当副社長もブルサへの影響はほとんどないとの意見で「マレーシアと米国の銀行システムは異なり、マレーシアの方が厳格なのでリスクは低い。13日のろうばい売りは反射的なもので、マレーシアへの影響はないと分かれば、買い戻しに来る」と語った。
(ベルナマ通信、3月14日)

マレーシア人訪日者数、2月は大幅増の3.2万人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年2月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は3万2,000人で、前年同月から293.6倍、前月比では18.1%増となった。

JNTOによると、日本の水際規制緩和、スクールホリデーの影響で、大幅増加した。なお2019年同月比では12.7%マイナスとなった。日本への直行便は、クアラルンプール(KL)羽田間の増便、KLー新千歳間の復便などもあり、前年同月に比べ回復傾向にある。

1−2月では5万9,100人となり、前年同期比211.1倍となったもの、2019年比13.2%減となった。

2月の世界全体の訪日者数は、前年同月から88.2倍の147万5,300人となり、2019年同月から43.4%減となった。年初2カ月では297万2,600人となり、前年同期比86.2倍、2019年比43.8%マイナスとなった。

JNTOによると、2月が桜シーズンを控えた閑散期にあたることや、前月の旧正月の反動などにより、特に東アジア市場からの訪日外客数が減少したものの、その他の市場の堅調な回復により、訪日外客数は回復率では前月を上回る結果となった。定期便においては増便・復便の傾向がみられるが、依然として多くの市場では回復途上にある。

JNTOは、今後は観光立国の復活に向けて、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しつつインバウンドのV字回復を図る必要があると指摘。個人旅行の再開や入国手続き等の実用情報の的確な発信と併せ、これからの訪日観光の柱となるサステナブルツーリズム等の情報発信や国際会議、展示会(MICE)誘致等の取組を強化していくことが求められるとした。

プロトンがタンジョンマリム工場に新ライン、部品輸入削減へ

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、ペラ州タンジョン・マリム工場に1億4,000万リンギを投じ新スタンピング(プレス)ラインを導入したと発表した。

プロトンによると、スタンピングラインとしては国内最大級で、最大2,500トンの加圧能力を有し、50種類の部品を生産できる。人工知能(AI)システム連動カメラによる材料の正確な位置決めやOEM(相手先ブランド製造)企業による遠隔サポートなど、インダストリー4.0(IR4.0)技術を取り入れ、工程の98%を自動化。材料の移動にもロボット6台を活用するため、高効率で人的ミスも少ないという。部品の年間輸入量を11万5,000個削減し、サプライチェーン混乱の影響を軽減できるとしている。

ロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)は、新ラインの立ち上げは、プロトンの自動車生産において大きな付加価値となり、また部品の国内調達を増やすことは国内自動車エコシステムにとって重要で、海外への資金流出を減らすのにも役立つと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月15日、ポールタン、ベルナマ通信、3月14日、プロトン発表資料)

日馬両政府、筑波大学のマレーシアキャンパス設立に向け協力

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 在マレーシア日本大使館の髙橋克彦大使は14日、カレド・ノルディン高等教育相との間で、筑波大学のマレーシア・キャンパス設立に向けた協力覚書(MOC)を締結した。

日本の文部科学省、外務省はマレーシア政府との間で今後20年間、筑波大学マレーシア・キャンパスの設立と運営に向けた協力関係を構築する。具体的な内容としては、▽キャンパス設立のための現地調査の促進▽法律手続きなどの円滑な実施▽学生募集の促進▽学習コース・プログラム開発の促進▽研究提携の促進▽その他の協力に関しての共同決定ーーが含まれる。キャンパス設立は最短で2024年9月となる予定。

カレド・ノルディン大臣は、今回のMOC締結は、マレーシアの高等教育に対する評価の表れであり、日本との関係をさらに強固にするとコメント。ノーベル賞受賞者やオリンピック選手を輩出するなど、歴史や伝統を持つ筑波大学がマレーシアにキャンパスを構えることで、学術界、産業界からの期待に応えられるとし、日本企業や業界関係者が実践的な研究・カリキュラムに参加し教育に貢献する道を開くものだと述べた。