【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ちとせグループ(本社・神奈川県川崎市)は20日、 サラワク州にて建設を進めてきた世界最大規模の藻類生産設備「ちとせカーボン・キャプチャ・セントラル(C4)」が完成し、稼働を開始したと発表した。

C4は、ちとせグループの中核企業であるちとせ研究所が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として建設した。効率的な藻類の生産とその大規模化を叶える藻類生産設備で、隣接する火力発電所から出る排気ガス中のCO2を活用して持続可能な航空燃料(SAF)等の製造に向けた長期大規模藻類生産の実証試験を開始している。これは、産業分野から排出される排ガス中のCO2を活用した藻類生産の実証として世界最大となるという。C4では、700トン/年のCO2を固定しながら350トン/年の藻類バイオマス(乾燥重量)を生産することを目標としており、今後はC4で生産した藻類バイオマスを原料とした化成品や化粧品、燃料、飼料、食品などの幅広い用途開発を実施する。

ちとせは藻類の生産規模を2,000ヘクタール(ha)まで拡大する計画があり、現在この計画に向けた資金調達を進めている。2,000ha規模での藻類生産において、様々な製品の原料として300円/kg以下の生産コストで14万トン/年(乾燥重量)の藻類バイオマスを供給できる体制を確立する。なお、将来的には世界のとうもろこしの生産面積の1/20に値する1,000万ha規模にて、60円/kg以下の生産コストで7億トン/年(乾燥重量)の藻類生産を実現し、カーボンニュートラルで持続可能な社会づくりに貢献する方針だ。