ASEANは中立維持を、米中覇権争いについてアンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は米国と中国の対立が強まっている中、東南アジア諸国連合(ASEAN)は独立、中立を維持すべきとの認識を表明した。

中国公式訪問中、中国公共テレビ局の中央電視台との会見で述べたもので、会見の模様は7日夜に放映された。

ASEANは1967年に設立された東南アジア諸国が加盟する地域共同体で、地域の平和と安定、経済成長の促進が目的。

アンワル氏は「地域の平和と安定という目的は変わらない。われわれはすべての国と友好関係にある。地域が軍拡競争の基地となることを望まない」と述べた。
アンワル氏は米英豪の3カ国が21年に立ち上げたインド太平洋地域での安全保障協力の枠組み、オーカスに触れ、「地域の状況を悪化させるもの」と批判した。米英は豪州の原子力潜水艦配備を支援し、中国の軍事活動が活発になっている南シナ海などでの抑止力を高める。

アンワル氏は「オーカスが軍事的緊張になることを望まない」と強調。中国、米国は緊張緩和のため平和的解決法を模索すべきとした。内政については、汚職根絶に注力していると述べた。
(ザ・スター、4月9日)

マレーシア航空など、ハリラヤ期間中の提供座席数を追加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は6日、傘下のマレーシア航空、ファイアフライ、MASウィングスがハリラヤ(断食月明け大祭)を家族と過ごすことができるように、4月18日ー5月1日の提供座席数を1万8,000席追加すると発表した。3月29日に2万座席を追加販売していたが、ほぼ売り切れ状態となっているという。

座席数を追加するのは、クアラルンプールとアロースター、コタバル、クアラ・トレンガヌ、クアンタン、コタキナバル、ラブアン、タワウ、サンダカン、クチン、ビントゥル、シブ、ミリを結ぶ路線。予約や詳細はマレーシア航空、ファイアフライ、MASウィングスの公式ウェブサイトで公開している。

MAGのアハマド・ルクマン最高経営責任者(CEO)は、今年2月時点の同社グループの輸送能力は2019年時点の85%に達しており、今後祝祭シーズンやスクールホリデーがあることから、今後の航空需要に前向きな見通しを持っているとした。

国内最大のボルボ車修理センター、ペナンにオープン

【クアラルンプール】 ボルボ・カー・マレーシア(VCM)は、国内最大規模となる認定ボルボ車修理センターをペナン州ジュルにオープンしたと発表した。

ディーラーのアイロール・イポーが運営し、敷地面積は約4万平方フィート。主要高速道路に近接しており、モダンで機能的なデザインが特徴。最新のグリーンテクノロジーに準拠した最先端システムや高度技術者を擁し、大量のボルボ車を扱える高効率かつ高品質なボディ修理や塗装サービスを提供する。肉眼では見つけられない損傷も検出できる、先進的な車両検査・修理システム「カー・オ・ライナー」では、損傷車のボディフレームを、正確、迅速、安全に修理できる。また、スウェーデン・ピバブ社の塗装ブースなども備え、技術者の健康や安全に配慮している。

VCMのチャールズ・フランプ社長は、1年足らずで国内に3カ所の修理センターを開設したことで、マレーシア顧客は、ボルボの国際水準のアフターサービスを受けられるようになったと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ポールタン、4月7日)

ジェトロ奈良、「奈良フードフェア」をクアラルンプールで開催

【奈良】 日本貿易振興機構(ジェトロ)奈良事務所は、奈良の食品生産者とマレーシアのバイヤーとの間のビジネス関係を構築することを目的とする「奈良フードフェア」を来年2月までにクアラルンプールで開催する。奈良県産品の販路開拓を図るとともに、奈良の食文化の魅力を紹介し、マレーシアでの顧客を増やすことを目指す。
奈良市の仲川げん市長は、日本茶、麺、酒、墨、紙などは千年以上前にシルクロード経由で中国から奈良に伝わったとし、日本文化発祥の地である古都・奈良の食文化や郷土料理をマレーシアを含む海外市場に紹介したいと述べた。アジアにおけるマレーシアの経済的存在感は高まっており、また日本企業がマレーシアの社会的課題の解決や生活水準の向上に貢献できるとし、双方にとってメリットを生む関係を作ることが重要だと述べた。
奈良県桜井市の大手素麺メーカー池利は、1200年以上の歴史を持つ三輪素麺を海外に広めるビジネスチャンスを求めている。また、生駒郡斑鳩町で1900年から醤油を製造しているニシキ醤油では、様々な醤油をマレーシア市場に紹介し、代理店やビジネスパートナーの候補を探す予定。奈良市の人気かき氷店「ほうせき箱」は、伝統的な食文化に基づく新たな奈良名物をマレーシアに紹介したいと述べた。
(ザ・サン、4月10日、ベルナマ通信、4月9日)

ファイアフライ航空、コタキナバル空港をフルハブ化

【コタキナバル】 マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)傘下の航空会社、ファイアフライが、サバ州コタキナバル国際空港を5月中旬にもフルハブ化する計画だ。MAGのアハマド・ルクマン最高経営責任者(CEO、航空事業担当)の話としてサバ州のクリスティーナ・リュー副観光・文化・環境相が明らかにした。

ファイアフライは現在、ペナン空港とスバン空港をハブとして、マレーシア国内の地方空港やタイ南部、シンガポール、インドネシア・スマトラ島などと結んでいる。

フルハブ化により、姉妹会社のマレーシア航空(MAS)から路線を引き継ぎ、定員189人のボーイングB738型機を使ってコタキナバルーサンダカン、コタキナバルータワウ、コタキナバルークチンの3路線の運航を開始する予定。また第2四半期中にサバ州と中国を結ぶ直行便の運行を開始する予定だ。
(デイリー・エクスプレス、4月7日、ボルネオ・ポスト、ザ・スター、4月6日)

携帯電話番号漏洩率、マレーシアは73%と高め

【クアラルンプール】 マレーシアの携帯電話番号漏洩率は73%で、アジア4カ国の中で最も高く、2,100万人以上に影響が及んでいる。

電話詐欺撃退アプリを開発する台湾企業ゴゴルック(走著瞧)が発表した「2022年詐欺報告書」によると、マレーシアに次いで、▽台湾(65%)▽日本(56%)▽タイ(45%)――の順で漏洩率が高かった。マレーシア、台湾、タイでは、携帯電話番号以外にも、ログインパスワードや氏名、住所、国名、生年月日、メールアドレスなどが流出しているという。

ゴゴルックは、2022年の世界の詐欺電話・メッセージ件数は4億540万件以上に達しており、また流出した個人情報が詐欺の最初のステップになる場合が多いと言明。詐欺の76%で初回接触方法としてテキストメッセージが利用され、日本では95%、台湾、韓国、マレーシアでは80%が、電話ではなくテキストメッセージ経由で詐欺が行われていると注意を喚起した。

マレーシアでは、ダイヤル997で詐欺を報告できる国家詐欺対応センターを設置しており、警察もゴゴルックが開発した電話詐欺を防ぐスマホアプリ「フーズコール」と協力し、詐欺電話番号データベースを強化している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、4月6日)

家具見本市の成約額、今年は12.1億米ドルに増加

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大以降初となる、国際家具見本市「MIFF2023」が3月1ー4日にクアラルンプールで開催。会期中の成約額は2019年の10億1,000万米ドルから19%増の12億1,000万米ドルに達した。

マレーシア国際貿易展示センター(MITEC)とワールド・トレード・センター・クアラルンプール(WTCKL)の2会場に世界各国の家具バイヤーが集結した。マレーシア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムの11カ国・地域から673社が出展。36カ国から1万9,275人が来場し、そのうち約30%が海外バイヤー、40%が初来場者だった。

MIFFの主催企業インフォーマ・マーケッツのケリー・リム事業部長は、81%の来場者が新商品の発掘および発注を目的に来場し、売れ筋商品は、ダイニングルーム、ベッドルーム、リビングルーム、オフィス向けの家具や布張り家具・ソファ、キッチン家具だったとコメント。また、幅広い出展企業や商品により見本市に活気が生まれたとし、来年はMIFFの30周年となるため、さらにパワーアップした内容になることを期待していると述べた。
(ベルナマ通信、4月6日)

日本金属マレーシア、鋼帯切断機新設で品質向上やBCP強化へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本金属(本社・東京都港区)のマレーシアの現地法人である日本金属(マレーシア)は6日、3機目となるステンレス鋼帯切断機を6月に設置する計画を発表した。

既存の切断1号機、切断2号機の生産可能板厚をカバーし、原料の大単重化にも対応する。また、切断3号機は高精度コラムクランプ方式C型フローティングシート対応式やベクトルモーター速度制御を採用しており、既存の切断機と比べ品質が向上するほか、2軸フリクション巻取式により生産性・歩留も向上する見込みだ。

東南アジアへの集約が進むガソリン車向け内燃機関部品の拡販を目指す。また、工場自動化の流れを受け、中国・米国向けのエアシリンダーで需要が増えているため、シェアアップを推進する。医療やCASE、半導体関連などの新事業アイテムの獲得にも注力する。

日金マレーシアはジョホールバルを拠点として、マレーシア、シンガポール、インドネシアを中心に冷間圧延ステンレス鋼帯を供給しており、2022年8月に創立10周年を迎えた。インドを最大の拡販ターゲット国として、医療関連、自動車関連、メタルマスク(半導体製造等)をメインに拡販活動に取り組んでいる。今後は日本金属(タイ)とのBCP(事業継続計画)体制を強化し、カンボジアやラオス、ミャンマー、パキスタン、バングラデシュなどをターゲットに販売エリアの拡大を行う方針だ。

MM2H申請件数、条件厳格化で90%の大幅減に

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの申請条件が2021年に厳格化されたことを受け、プログラムの新規応募者が90%も減少している。

MM2Hプログラム参加者の斡旋を手掛けるMM2Hコンサルタント協会のアンソニー・リュー会長によると、2017年から2019年にかけて応募者数は年平均5,200人だったが、条件の厳格化により現在はその10%程度に落ち込んでいる。

リュー会長は、海外所得と預金の要件の厳格化が申請数が激減した主な理由のひとつであるとした上で、近隣諸国はそうした厳しい条件を設定していないと批判。十分な流動資産を持っていたとしても、十分な海外所得があるとは限らないと指摘し、資産要件を60万リンギ以下に見直すよう提言した。

新たな申請条件では、ビザ有効期間の10年から5年への短縮、年間ビザ料金引き上げ、年間90日間のマレーシア滞在義務化などが盛り込まれたが、特に問題視されているのが資産証明に関する条件の厳格化。これまで月1万リンギだった海外所得が4倍の4万リンギに、これまで15万ー30万リンギだった銀行への定期預金額が100万リンギに、これまで35万ー50万リンギだった流動資産額が150万リンギにそれぞれ大幅に引き上げられた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月4日)

乃村工藝社、マレーシア企業との資本業務提携を解消

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 店舗・商業施設ディスプレイの乃村工藝社(本社・東京都港区)は6日、デジタルコンテンツ企画制作のマレーシア企業、フレームモーション・スタジオとの資本業務提携に向けた取り組みを解消すると発表した。

乃村工藝社は2022年7月にフレームモーションとの資本業務提携契約を締結したと発表。フレームモーションへの出資を前提として、同社と連携した国内外でのリアルとバーチャルを融合させたハイ
ブリッドコミュニケーションの提供の拡充に向けて、企画の検討や戦略の策定など協議を継続していた。

乃村工藝社は声明の中で、マレーシアにおけるフレームモーションを取り巻く環境に変化が生じたことから、資本業務提携に向けた取り組みの解消を決めたと説明。今後は個別案件毎に協働を進めていくと言明。フレームモーションへの出資はまだ行われていないとしている。