ボルボマレーシア、昨年の販売台数は16%減の2694台

【クアラルンプール】 ボルボ・カー・マレーシア(VCM)は、2023年通年の新車販売台数が2,694台となったと発表した。前年の3,194台からは16%減少したが、電気自動車(EV)販売台数は37%増加した。

マレーシアでは、リチャージ(完全電動車とハイブリッド車を指すボルボ独自の呼称)の販売比率が71%と突出しており(全世界平均は38%)、リチャージ販売上位15カ国・地域にランクインした。EVのみの販売比率は18%だった(全世界平均は16%)。

VCMのチャールズ・フランプ社長は、2023年は、EVの未来に向けた転換の年だったとし、ボルボの完全電動モデルが同社サイトで直接オンライン購入できるようになり、購入プロセスの安全性や透明性が増し、手間もかからなくなったと言明。前年比での販売台数は若干減少したものの、新車種の発売がなかった上でシェアを維持できたことを誇りに思うと述べた。

VCMは2024年に電動スポーツ車(SUV)の「EX30」および「EX90」をマレーシア市場に投入する予定だ。
(ポールタン、1月9日)

海外投資を国内に回すよう政府系企業に指示=アンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は、政府系投資会社(GLIC)や政府系企業(GLC)に対して、海外投資を減らしてその分を国内投資に回すよう指示したことを明らかにした。ただし必要性があれば海外投資を認める柔軟性を維持していくという。

9日の財務省会議に出席したアンワル首相は、「海外投資を行う理由が、国内投資に魅力がないというのであるなら、我々がマレーシアに外国投資家を誘致するキャンペーンを行う根拠はない」と言明。その上で、財務省とパンタウ・マダニに対し、GLICとGLCが「新工業化マスタープラン(NIMP2030)」と「エネルギー移行ロードマップ」に沿って戦略的投資を実施できるよう、取り組みを調整するよう求めた。パンタウ・マダニは、政府の政策やイニシアチブの実施状況を監視するために2023年12月に設立された独立機関。官僚や専門家、非政府組織(NGO)の代表で構成される。

アンワル首相は、「GLICやGLCのプログラムが政策に則って実施されていることを確認するために、指導者と直接対話することも求めている」と言明。「例えば、エネルギー転換とデジタル変革はこの国にとって非常に緊急かつ重要であり、全員の関与が必要だ。教育システムや企業統治の変革がなければ、遅れを取ることになる」 と述べた。
(ザ・スター、1月10日、エッジ、ベルナマ、1月9日)

プラサラナ、来年から導入するバスをすべてEVバスに=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ロ―ク運輸相は9日、公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアに対し、今後電気(EV)バスのみを調達するよう指示したと明らかにした。発注済みのディーゼル・バスの最終ロット310台が来年3月に納入された後、新型バスはすべてEVバスとなる。

プラサラナのバス電化プログラムでは、15台のEVバスがサンウェイBRTシステムのフィーダーバスとして運行されている。また、2025年3月に運行開始予定の首都圏クランバレー軽便鉄道3号線(LRT3、LRTシャアラム線)でもEVフィーダーバス150台を導入予定となっている。

ローク運輸相はこれらに加え、年内にEVバス100台を購入する可能性があるとし、EVバス導入は「国家エネルギー移行ロードマップ(NETR)」に沿った動きで、プラサラナは「2037年までにディーゼル・バスを廃止する」という目標を掲げ、2025ー2030年にEVバスを1,166台導入することを目指していると述べた。また、今年第1四半期にはバス・鉄道の駅・停留所など103カ所を対象として、NETRに沿った3つの取り組みを開始するとしている。75カ所にはソーラーパネルを設置する計画で、2027年までに発電容量13メガワット(MW)を目指している。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、1月9日)

今年もIPO市場は活況、楽天トレードは15件以上を予想

【クアラルンプール】 昨年の新規株式公開(IPO)は32件で、調達された資金の総額は26億リンギに上った。アーンスト・アンド・ヤング(EY)の「2023年世界IPOトレンド報告」によれば、マレーシアのIPOは件数で5年間の平均を21%上回り、調達した資金も25%上回った。

オンライン証券、楽天トレードのトン・パクレン副社長(調査部門)によれば、コロナ後の事業活動の回復でIPOを目指す企業が急増する見通しで、今年はテクノロジー、医療、建設を中心に15件以上が見込めると指摘。米国で利下げが行われるため、資金がアジア太平洋地域に還流し、マレーシアも恩恵に浴するとの見解を示した。

ファンド運営会社トレードビューのタン・チェンウェン副社長もIPO市況を楽観しており、証券委員会(SC)とブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のホームページに掲載された目論見書仮開示から見ると、20件のIPOが計画されており、計15億リンギの資金調達になる見通しだとした。

バンク・ムアマラット・マレーシアのモハメド・アフザニザム主任エコノミストは、世界の中央銀行が金融緩和に乗り出すと証券市場は活況が期待できると指摘した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月8日)

高級輸入車のシスマオート、KLに3Sセンター2号店を開設

【クアラルンプール】 高級輸入車販売のシスマ・オート(KL)は、複数のプレミアム・ブランドを取り扱う、3S(販売、サービス、部品交換)センター「シスマ・オートハブ」をクアラルンプール(KL)のスンガイベシ高速道路沿いに開設した。
同社は2022年2月にセランゴール州シャアラムのグレンマリーに3Sセンター1号店を開設しており、今回が2号店となる。

新店舗は、同社既存施設の2階と3階に位置し、全ブランド対応の最新診断機器を備えている。並行輸入車やメーカー保証が切れた正規輸入車なども含め、高級車の整備や修理が可能。スペアパーツについては、正規品と相手先ブランド生産(OEM)部品を組み合わせて調達する。タイヤ・サービス、ホイールやバランスの調整、エアコン整備やフロントガラス交換などのサービスも提供し、認定中古高級車の購入や所有高級車の売却も行える。営業時間は平日は午前9時ー午後7時、土・日曜は午前10時ー午後5時。
(ポールタン、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、1月8日)

ビントゥル港、6月をめどにサラワク州政府に引き渡しへ

【クチン】 連邦政府の管轄下にあるサラワク州ビントゥル港が、今年6月をめどにサラワク州政府に引き渡される見通しだ。2月にも覚書(MoU)が連邦政府とサラワク州政府の間で取り交わされる予定。

連邦政府運輸省とサラワク州インフラ・港湾開発省は8日の共同声明で、同日開催された連邦政府・州政府合同評議会で、半年内にサラワク州政府に引き渡すことが最終決定されたと明らかにした。同会議には連邦政府のアンソニー・ローク運輸相とサラワク州インフラ・港湾開発相を兼任するダグラス・ウガー・エンバス州副首相が出席した。

両者による決定を受け、運輸省は「1981年ビントゥル港湾局法」の廃止法案を今年の連邦議会に提出する方針。一方、サラワク州政府側は、「1961年港湾局令」に基づき、「ビントゥル港湾局(サラワク)」を設立する。ビントゥル港は、連邦政府議会が1981年に「連邦港湾法」によりビントゥル地区を連邦港として宣言した後に建設された。

サラワク州のアバン・ジョハリ州首相は、ビントゥル港を州政府が引き継ぐことで、州政府はサラワク州のすべての港の開発に関する基本計画を立てることが可能となり、各港が貿易とビジネスの促進において独自の特別な役割を果たすことが保証されると同時に、他の主要な国際交通・物流ハブとの船舶連絡も強化することが可能になると述べた。
(ボルネオポスト、1月8日)

イオン銀(M)が初のデジタルイスラム銀行に、営業許可を取得

【クアラルンプール】 消費者向け総合金融サービスのイオンクレジットサービス(マレーシア)は8日、傘下のデジタル・イスラム銀行であるイオン銀行(M)が営業許可を取得したと発表した。マレーシア初のデジタル・イスラム銀行となる。

イオン銀行(M)は、イオンクレジットとその親会社である日本のイオンフィナンシャルサービス(AFS)が設立するもので、シャリア(イスラム法)に準拠したデジタル銀行サービスを提供する。イオングループの従業員を対象としたベータテストを開始し、今年上半期に段階的な展開について発表する予定。

中央銀行バンク・ネガラ(BNM)が2022年4月にデジタル免許を5企業連合体に付与しており、そのうち配車サービス大手のグラブが主導するデジタル銀行GXバンクが2023年9月に営業許可を取得、11月に正式に発足している。他には、複合企業YTL子会社のYTLデジタル・キャピタルとシンガポール系通信会社シー・リミテッドの連合体およびKAF投資銀行を中心とした連合体によるデジタル銀行2行が営業開始予定。デジタル・イスラム銀行としての免許を取得したのは、イオンとKAFの2行となっている。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、エッジ、1月8日)

キャピタルA、航空部門をエアアジアXに売却・統合

【セパン=マレーシアBIZナビ】 キャピタルA(旧エアアジア・グループ)は8日、グループ合理化及び資金調達策の一環として航空会社部門を傘下のエアアジアX(AAX)に売却・統合する方針を明らかにした。再建を目指すキャピタルAは、デジタル部門などの非航空部門に注力する。

キャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)によると、AAXはエアアジア・マレーシアおよびエアアジア・アビエーション・グループ(AAGL)と合併することになる。AAGL は、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアのエアアジア子会社を傘下にもつ。キャピタルAは現在、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)より早期の財務改善を求められる「PN17」指定を受けており、資金調達が困難な状況にある。航空事業売却は、グループ内の航空事業の強化と共に非航空部門の成長を目論むキャピタルAが資金調達を目的として行うもの。

フェルナンデスCEOは、売買契約は2週間以内に取り交わされる見通しだとした上で、売却額を含む買収提案の詳細は近く発表されると言明。航空事業売却完了後、6月30日までにブルサ・マレーシアに対し「PN17」指定解除に向けた再建計画を提出すると述べた。

航空事業売却後、キャピタルAは▽テレポート(物流)▽エアアジア・デジタル・エンジニアリング(ADE)(航空機保守、修理、オーバーホール=MRO及び機内食サービス)▽エアアジア・ムーブ(旧エアアジア・スーパー・アプリ)(デジタルサービス)▽サンタン(外食)――の4部門に注力。本社をクアラルンプール(KL)のダマンサラ・ハイツに移転する。

一方AAXは、本社をクアラルンプール新国際空港(KLIA)ターミナル2に残したまま、エアアジア・アビエーション・グループ(AAG)に改称する。AAGは今後、カンボジアへの進出、保有機材とネットワークの拡大、貨物輸送能力の拡大に向けた戦略的取り組みを進める。保有機材については、2024年3月までに破綻したMYエアラインの機材を含めて206機に、2028年までに333機に増強する。またエアアジア・フィリピン(PAA)とエアアジア・インドネシア(IAA)の持株比率を100%に引き上げる計画だ。

コーヒーチェーンのバスクベア、今年はモール展開を強化

【クアラルンプール】 コーヒー・チェーン「バスク・ベア・コーヒー」は、今年ショッピングモール内店舗を増加させる計画だ。

バスク・ベアの親会社ルーブ・ホールディングのブライアン・ルー創業者兼最高経営責任者(CEO)は、現時点での店舗数は115店舗で、従来はモール内ではなく商店街(ショップロット)での展開を優先してきたが、今後はモール内展開も強化すると述べた。1年後くらいにはモールとショップロットの店舗数のバランスを取りたいとしている。

ルーCEOはまた、傘下のタピオカティー・チェーンの「ティーライブ」について、来月3カ国への進出を発表する予定だと言明。昨年の3カ国進出に引き続き今年も成長を目指すとした。ティーライブは全国に870店舗を展開。競争が激化する中でもその安定したブランドがルーブの成長を支えているという。

ルーCEOは、ルーブの新規株式公開(IPO)に関しては、計画はあるものの、いつ頃になるかは未定だとした。
(ザ・サン電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、1月4日)

タイ系オニキス、年内に3軒のホテル・サービスアパートを開設へ

【クアラルンプール】 タイ系オニキス・ホスピタリティ・グループは、年内に同社が保有する全ブランドである「アマリ」、「オゾ」、「シャーマ」の宿泊施設をマレーシアに開設すると発表した。全ブランド展開を行うのは、タイ以外ではマレーシアが初となる。

「アマリ」は五つ星、「オゾ」は三つ星ホテル。「シャーマ」はサービスアパート。同社は現時点で、「アマリ・ジョホールバル」、「オゾ・ジョージタウン・ペナン」、「アマリ・スパイス・ペナン」、「アマリ・クアラルンプール」の4軒を運営しているが、ジョホール州に「オゾ・メディニ」、「シャーマ・メディニ」、「シャーマ・スアサナ・ジョホールバル」の3軒を新規オープンし、合計7軒を運営する。

マレーシアでの新ホテル・サービスアパート開設は、同社の東南アジアにおける宿泊施設事業の大幅拡大戦略の一環。オニキスは2025年までに運営ホテル数を現在の44軒から50軒以上に増やし、2028年までに70軒を運営することを目指している。
(TTGアジア、1月5日、トラベルデイリーニュース、1月4日、オニキス発表資料)