【クアラルンプール】 昨年の新規株式公開(IPO)は32件で、調達された資金の総額は26億リンギに上った。アーンスト・アンド・ヤング(EY)の「2023年世界IPOトレンド報告」によれば、マレーシアのIPOは件数で5年間の平均を21%上回り、調達した資金も25%上回った。

オンライン証券、楽天トレードのトン・パクレン副社長(調査部門)によれば、コロナ後の事業活動の回復でIPOを目指す企業が急増する見通しで、今年はテクノロジー、医療、建設を中心に15件以上が見込めると指摘。米国で利下げが行われるため、資金がアジア太平洋地域に還流し、マレーシアも恩恵に浴するとの見解を示した。

ファンド運営会社トレードビューのタン・チェンウェン副社長もIPO市況を楽観しており、証券委員会(SC)とブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のホームページに掲載された目論見書仮開示から見ると、20件のIPOが計画されており、計15億リンギの資金調達になる見通しだとした。

バンク・ムアマラット・マレーシアのモハメド・アフザニザム主任エコノミストは、世界の中央銀行が金融緩和に乗り出すと証券市場は活況が期待できると指摘した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月8日)