ペットホテル「ワンルーク」、マレーシア駐在事務所を開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ペットホテル&トリミングサロン「ワンルーク」を運営する日本ペットホテル協会(本社・愛知県名古屋市)は17日、市場調査のためにマレーシアに駐在事務所を開設することを4月5日付けで決定したと発表した。

同社はワンルークを2023年4月に設立して以来、名古屋を中心に日本国内49拠点でペットホテル&トリミングサロンをフランチャイズ展開している。国内に限らず、海外進出も視野に入れており、2025年に上海、フィリピンに店舗出店することも計画している。

今回、海外進出への取り組みの一環として、マレーシア駐在事務所の開設を決定した。市場調査を行い、海外におけるニーズや特性を分析することで、海外展開を本格化していく方針だ。

第1四半期のGDP成長率、プラス4.2%に加速

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は17日、2024年第1四半期(1ー3月)の国内総生産(GDP)成長率が前年同期比プラス4.2%だったと発表した。4月に統計局が発表した事前予測値のプラス3.9%を上回った。
民間支出の増加や輸出の好転に支えられて、10四半期連続でプラス成長を維持し、前期の2.9%を上回った。
セクター別の成長率が最も高かったのは建設業で、土木工事や専門建設の伸びに支えられ、前期のプラス3.6%から11.9%に大幅増となった。サービス業も、卸売・小売業や運輸・倉庫、ビジネス・サービスの業績向上により4.1%から4.7%に上昇した。製造業は非金属鉱物製品・卑金属・組立金属の好調などが影響し、前期(マイナス0.3%)からプラス1.9%にアップ。鉱業もプラス3.5%から5.7%に上昇したが、農業はプラス1.9%からプラス1.6%にダウンした。
国内需要は前期のプラス4.9%から6.1%にアップし、民間消費と民間投資はそれぞれ4.7%、9.2%となった(前期は4.2%、4.0%)。公共支出は前期のプラス5.8%から7.3%に加速。公共投資もプラス11.3%から11.5%に増加した。前期はマイナス7.9%だったモノとサービスの輸出はプラス5.2%に、輸入もマイナス2.6%からプラス8.0%に改善した。
中銀は声明の中で、2024年の成長については、世界経済の回復の遅れや地政学的紛争のさらなる激化、一次産品の生産落ち込みの長期化などが主な下振れリスクとなるが、ハイテク産業や観光産業の回復、既存・新規投資プロジェクトの迅速な実施などが上振れリスクとなると説明。底堅い内需と外需の回復が成長を支えることが期待できるとした。2024年のインフレ率に関しては、ヘッドライン・コアともに緩やかな傾向が続き、ヘッドライン・インフレ率は2ー3.5%、コア・インフレ率は2ー3%の範囲に収まると予想している。

イオンマレーシア、第1四半期は51%の大幅増益に

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)(イオンマレーシア)は、今年第1四半期(2024年1―3月期)決算で純利益が5,739万リンギとなり、前年同期比51%の大幅増益となったと明らかにした。小売事業部門と不動産管理サービス部門の成長が寄与した。

同期の売り上げは11億6,735万リンギで、前年同期の11億684万リンギから5.5%増加した。小売事業部門の売り上げが4.2%増の9億8,050万リンギとなり、祝祭シーズンを背景にした食品と衣料品の好調な販売が後押しした。

不動産管理サービス部門は売り上げが1億8,690万リンギとなり、前年同期の1億6,540万リンギから13%増加した。稼働率の改善と効果的な賃貸更新が貢献したもので、モールの刷新プロジェクトと店舗改装の成功に支えられ稼働率は2024年3月時点で93.6%に達した。

イオンマレーシアは、「イオン・バンダル・プチョン」、「イオン・ブキ・インダ」、「イオン・テブラウ・シティ」、「イオン・イポー・ステーション18」の改修工事を含む、いくつかのプロジェクトが進行中だと明らかにした。

イオンは今年、マレーシア創業40周年を迎える。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月16日、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、5月15日、イオンマレーシア発表資料)

ホンダマレーシア、改良版「シティハッチバック」を発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ホンダ・マレーシアは13日、Bセグメント・ハッチバック車「シティ・ハッチバック」のフェイスリフトモデル5種を発表した。月間900台の販売を見込んでいる。2021年12月の発売以来、「シティ・ハッチバック」の累計販売台数は2万8,700台に達した。

バリアントはガソリン車の「1.5L S」、「1.5L E」、「1.5L V」の3種に新たに「RS」バージョンの「1.5L RS」が加わり、ハイブリッド車の「1.5L RS e:HEV」を合わせて5種となった。保険なし価格はそれぞれ▽8万5,900リンギ▽9万900リンギ▽9万5,900リンギ▽10万900リンギ▽11万2,900リンギーーとなっている。車体カラーはガソリン車で4色、ハイブリッド車で3色を用意した。

以前のモデルからフロントグリル、LEDフロントフォグランプ、リアバンパー、ホイールなどが変更されたほか、全長は「RS」2種が4,369ミリメートル、その他3種が4,350ミリメートルに延長された。

エンジンはガソリン車4種には最高出力121PS・最大トルク145Nmを発揮する1.5リットル4気筒DOHC i-VTECエンジンを、「RS e:HEV」には最高出力109馬力・最大トルク253Nmのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載した。

吉村宏信 社長兼最高経営責任者(CEO)は、今年第1四半期の販売台数が2万1,500台となり、前年同期比23%の大幅増になったと明らかにした。

富士フイルム、中小企業向けDX支援ソリューションを発表

【クアラルンプール】 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(本社・東京都江東区)傘下でマレーシア事業を管轄する富士フイルムビジネスイノベーション・アジアパシフィックは、マレーシアの中小企業(SME)のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する2つのソリューションを発表した。

「富士フイルムIWpro」は、文書の自動取込み・仕分けから、データ共有、管理、出力、そしてセキュリティや操作のしやすさまで、業務デジタル化に求められる機能を集約したクラウドサービス。「ITエキスパートサービス」は、専門スタッフが、顧客企業のIT運用・管理業務を支援し、新たなITの活用や戦略を提案するサービスとなり、効率性の向上、経費削減、セキュリティ対策の強化が見込まれるという。

富士フイルムビジネスイノベーション・マレーシアのジョン・ウォン ゼネラルマネージャーは、2つのソリューションの総売上高を約800万リンギと見込んでおり、中小企業のワークスタイルの変革や業務最適化を支援していくと述べた。
(ビジネス・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月15日)

 

丸紅、サラワク州でSAF製造事業に向けた検討を開始へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 丸紅(本社・東京都千代田区)は15日、サラワク州におけるバイオマス資源を原料とする持続可能な航空燃料(SAF)製造事業に関する検討を開始すると発表した。SAFは化石燃料に比べライフサイクルでCO2排出量が少ない非化石燃料由来のジェット燃料。

同日、サラワク州政府系投資機関のインベスト・サラワクとSAFの製造・販売を目的とした実現可能性調査に関する覚書を締結した。今後インベスト・サラワクと共に、同調査による新たな事業の創出を目指す。

航空業界ではCO2排出量の削減が喫緊の課題となっており、国際民間航空機関(ICAO)はCO2排出削減制度を導入している。こうしたことを背景に丸紅は、SAFが従来の航空機燃料を代替する次世代低炭素燃料として需要拡大が見込まれるとしている。

丸紅は、2021年3月に気候変動長期ビジョンを策定、中期経営戦略「GC2024」ではグリーン戦略を企業価値向上に向けた基本方針の一つと位置づけている。

国営企業と米系投資会社の企業連合、空港運営MAHBの買収を提案

【クアラルンプール】空港運営の政府系マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は15日、政府系投資会社カザナ・ナショナル、従業員積立基金(EPF)、空港運営で経験豊富な米系投資会社グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)、アブダビ投資庁で構成される企業連合から買収提案を受けたと発表した。

連合名はゲートウェイ・デベロップメント・アライアンスで、4社合わせてMAHB発行済み株式の約41.1%を保有しており、残余株(同58.78%)を1株11リンギ、総額122億9,800万リンギで取得する。買収提案価格は過去3カ月間の平均株価に15.2%のプレミアムを上乗せした。

買収後の持ち株比率は、カザナが40%、EPFが30%、外資側が計30%。企業連合は第4四半期をめどにMAHBの上場を廃止するが、マレーシア政府は特別株を保持し、会長、最高経営責任者(CEO)には引き続きマレーシア人が就任する。

買収は空港施設、旅客サービス、長距離便の接続性の改善が狙いで、企業連合はクアラルンプール国際空港の旅客手荷物処理システムの改善、運休しているエアロトレインの再開、混雑緩和、小売店・飲食施設の拡充に取り組む。また新たに航空会社を誘致し、長距離、域内便の接続性を高める。
(ザ・スター、5月16日、マレーシアン・リザーブ、エッジ、5月15日)

【従業員の勤労意欲を高めるために】第875回:高齢化社会との向き合い方(2)男性らしさを求める社会でエイジズムが見られる理由

第875回:高齢化社会との向き合い方(2)男性らしさを求める社会でエイジズムが見られる理由

前回は、ハングリー精神を強く持つ人ほど、高齢者を社会のお荷物と感じる度合いが大きいというお話でした。これは、お金や成功に執着する人ほど、高齢者を支えるための社会的負担の増加による分け前の低下に敏感なためです。今回も、これに関連した「男性らしさ」のお話です。

Ng & Lim-Soh(2021)は、英語圏にある20か国を対象にした研究により、80億語のデータベースを使用して評価された国ごとのエイジズム(年齢を理由とした差別)が、Hofstede(1980)の文化尺度であり、業績や成功、地位への執着の強さを表す「男性らしさ」と相関することを示しています。男性らしさがエイジズムに関係するのは、競争を重んじ、強者や成功者を高く評価する社会が、その対極にある年長者を弱者と決めつけ易いためです(Ng & Lim-Soh, 2021)。先行研究では、例えば、男性の筋肉労働が経済を支えるイングランドの重工業地帯の社交クラブで、高齢男性が働き盛りの若年男性から疎外される様子が描写されています(Pain et al., 2000)。

ちなみに、日本は78ヵ国の中で男性らしさが2番目に高い国です。そのため、エイジズムが高まり易い文化を持つ国といえます。一方、マレーシアは36番目で、日本に比べると、競争よりも生活の質を重視する「女性らしさ」の強い国です(Hofstede et al., 2010)。従って、マレーシアは、成功への執着心が低い分、高齢者には優しい社会と考えられます。現役を退いた後の少なくない日本人がマレーシアを移住先に選ぶのも、こうした文化に起因する居心地の良さが理由かも知れません。

Hofstede, G., Hofstede, G. J., and Minkov, M. (2010). Cultures and Organizations: Software of the Mind. Revised and expanded 3rd edition, New York: McGraw-Hill.

Ng, R., & Lim-Soh, J. W. (2021). Ageism linked to culture, not demographics: Evidence from an 8-billion-word corpus across 20 countries. The Journals of Gerontology: Series B, 76(9), 1791-1798. https://doi.org/10.1093/geronb/gbaa181

Pain, R., Mowl, G., & Talbot, C. (2000). Difference and the negotiation of ‘old age’. Environment and Planning D: Society and Space, 18(3), 377-393. https://doi.org/10.1068/d31j

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、東北大学客員准教授、国際経済労働研究所理事、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、産業創出学の構築に向けた研究に従事している。
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マレーシア総人口が推定3400万人に到達=統計局

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は2024年第1四半期の人口統計を発表。総人口は推定3,400万人に到達し、前年同期(3,320万人)比で2.3%増となった。

内訳はマレーシア国民が全体の90%を占め、前年同期比20万人増の3,060万人、非国民が同60万人増の340万人。男性が同40万人増の1,780万人、女性が同30万人増の1,610万人となり、男女比は111対100となった。年齢別では0-14歳が770万人、15-64歳が2,380万人、65歳以上が250万人となった。

民族別ではマレー系が全体の57.9%に当たる1,770万人となり、前年同月比で10万人増加した。華人は22.6%、インド系は6.6%、その他ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)は12.2%を占めた。

州別ではセランゴール州が734万1,300人で最も多く、これにジョホール州、サバ州、ペラ州、サラワク州、ケダ州、クアラルンプール(KL)と続いた。

同期の出生数は10万6,386人で、前年同期比9.4%減少した。男性が5万4,747人、女性が5万1,639人。マレー系が68.8%を占め、華人は8.8%、インド系は3.7%にとどまった。

死者数は4万7,964人で、1.5%減となった。マレー系が51.4%、華人が27.0%、インド系が8.5%を占めた。

南西モンスーン期、5月17日に始まる見通し=気象局

【クアラルンプール】 マレーシア気象局は、南西モンスーンの季節が5月17日から始まる見込みだと明らかにした。南西モンスーン期は9月まで続く見通し。全国的に大気の状態が安定し、気温が低下し、降雨量が減少すると予想されるという。

気象局のムハマド・ヘルミ・アブドラ局長は、南西モンスーンの季節は通常、風が一貫して南西から吹き、湿度が低く大気の状態がより安定するとし、このため雨雲が形成されず、期間中の降雨量の減少につながると指摘。野焼きを規制しないと、7月から9月にかけてヘイズ(煙害)が発生する恐れがあると警告した。ただ全体の降雨量が減っても、強風と雷を伴う大雨が特に早朝に半島の西海岸、サラワク州北部、サバ州西部で発生する可能性があるという。

気象局によると、エルニーニョ南方振動(ENSO)への移行が5月に始まり、9月まで続くと予測され、一方、ラニーニャ現象が今年第3四半期に発生すると予想されている。
(ザ・スター、5月15日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、5月14日)