ペトロナスはサラワク州法違反、両者の関係が悪化

【クアラルンプール】 サラワク州政府は国営石油会社ペトロナスの上流部門、ペトロナス・チャリガリがガス配送に関する州法に違反しているとして、4月30日付で警告文書を出した。州法では天然ガスの配送に関し、ガスパイプラインなどガスの配送のための装置、機器の建設、管理、維持について規定している。

州法違反とされたのはペトロナス・チャリガリがミリで運営するプラントで、同社は許可なくプラントを操業していると州は主張。同日から21日以内に操業を停止しない場合、罰金を科すとした。これに対しペトロナスは、チャリガリは連邦法の石油開発法に基づきプラントを運営していると反論。「ペトロナスは国益を守る義務がある」とした。

サラワク州にある石油・ガス資源をめぐっては、州は所有権を主張する姿勢を強めており、最近も州営石油会社のペトロスが天然ガス供給をめぐりペトロナスに支払いを求める訴訟を起こしている。

今回の紛争についてロンドン訪問中のアバン・ジョハリ州首相はアンワル・イブラヒム首相から連絡を受けた。アバン・ジョハリ氏は「石油・ガス収入は公正に分配されるべき」との立場だ。アンワル氏はアバン・ジョハリ氏の帰国を待って政治決着を目指す。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、5月2日、バイブズ・ドットコム、5月4日)

マレーシアのハラル製品輸出額、昨年は15%増の618億リンギ

【クアラルンプール】 マレーシアのハラル(イスラムの戒律に則った)製品輸出額は2024年に617億9,000万リンギに達し、前年の537億2,000万リンギから15%増加した。「第21回マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2025」の発表式典でザフルル・アジズ投資貿易産業相が明らかにした。

ザフルル氏は、マレーシアが世界イスラム経済指標ランキングでサウジアラビア、インドネシア、アラブ首長国連邦を抑え、10年連続でトップの座を維持していると指摘。「マレーシアの強みはイスラム金融、ハラル食品、メディアと娯楽にある。ハラル産業はマレーシアの国内総生産(GDP)への貢献度が大きく、2030年までにGDPの10.8%、額にして2,310億リンギに達すると予測されている」と述べた。
またザフルル氏は、ハラル製品の世界需要が現在3兆米ドルを超え、2030年までに5兆米ドルに増加すると予想されているとして、世界的に魅力的な産業となっていることを強調した。

「MIHAS2025」は9月17―20日の日程でマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開催される予定。前回は2,100のブースが開設され、成約額は43億リンギに上った。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月1日)

KL―バンコク間の直通列車が年内復活へ=運輸相

【バンコク】 アンソニー・ローク運輸相は、クアラルンプール(KL)・バンコク間の直通列車サービスを今年中に復活させる意向を示した

2日にタイを訪問したローク運輸相は、バンコク、パダン・ベサル、バターワース、クアラルンプールを結ぶ既存の鉄道路線を利用するため迅速に開始できると指摘。マレーシア国鉄(KTMB)とタイ国鉄(SRT)に対して向こう3カ月間の準備期間を与えたと述べ、「新たな線路の建設は不要だが、両国間の調整、共同マーケティング、乗車券発行システムの共有化が必要になる」とした。

ローク氏は、タイのスリヤ・ジュンルンルアンキット副首相兼運輸相と会談。またバンスー中央ターミナルを視察し、タイの高速鉄道サービスに関する説明を受けた。

タイ当局からはタイのスンガイコロクとマレーシアのランタウ・パンジャン及びパシル・マスを結ぶ鉄道サービスの復活が提案され、ローク氏は歓迎の意を示した上で、線路が長らく使われていなかったため復旧工事が必要だとし、復活には一定の時間が必要との考えを示した。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、5月3日)

世界報道自由度ランキング、マレーシアは88位に上昇

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 5月3日の世界報道自由デーに合わせて「国境なき記者団(RSF)」が発表した2025年度版の「世界報道自由度インデックス」で、マレーシアは前年(107位)から19ランク上昇し、世界180カ国・地域中88位となった。

同ランキングは、▽政治▽経済▽法律▽社会▽安全ーーの5指標に基づいて報道の自由度をランキング化したもの。マレーシアは「安全」は67位から90位に下がったものの、「政治」は106位から92位、「経済」が82位から60位、「法律」は156位から133位、「社会」が119位から81位にそれぞれ改善した。

昨年の34ランクの大幅ダウンから一転し大幅アップとなった。最新のマレーシアのスコアは56.09で、前年の52.07から改善した。

RSFはマレーシアについて、「政治」と「法律」のスコアが引き続き低いレベルにとどまっていると指摘。当局が調査報道記者を付け狙っていたり、王室問題が人種や宗教に関する議論と同様に極めてデリケートな問題となっているとし、「王室を批判しているとみなされるいかなる論評や報道も訴追の対象となる可能性があり、この問題に関する自己検閲につながっている」と批判した。

東南アジアでトップはタイ(85位)で、ブルネイ(97位)、フィリピン(116位)、シンガポール(123位)、インドネシア(127位)、ラオス(150位)、カンボジア(161位)、ミャンマー(169位)、ベトナム(173位)となった。全体トップはノルウェーで、日本は66位だった。