海底トンネルに替えて架橋計画を検討=ペナン州政府

【ジョージタウン】 ペナン州政府は、本土と島部と結ぶ第3のルートとしてこれまで進めてきた海底トンネル計画を破棄して、第3橋の建設に切り替えることを検討している。同州インフラ・交通・デジタル委員会のザイリル・キル・ジョハリ議長(国政の閣僚に相当)が州議会演説で明らかにした。

ザイリル氏によると、架橋計画が実現すれば、島北部のプラウ・ティクスと本土側のバガン・アジャムを結ぶ可能性が高いという。橋の建設案やその他の代替案を含む実現可能性調査は2023年にすでに完了しており、新たな設計の調査がまもなく完了し、最終設計が確定する予定で、調査終了後、交通影響評価などが実施される。

海底トンネルプロジェクトは、島部ジョージタウン―本土側バターワース間全長7.2キロメートルをトンネルで結ぶというもので、ペナン州交通マスタープラン(PTMP)の一環として2011年に初めて提起された。しかし業者を巡る汚職疑惑の浮上や巨額な建設費(約63億リンギ)、海洋環境への影響懸念などから長らく進展せず、このため当初から建設費が海底トンネルに比べて半分程度と安い架橋計画への変更を期待する声も上がっていた。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、5月21日)

日本企業のマレーシアへの関心に高まり、テレビ番組で四方大使

【クアラルンプール】 四方敬之駐マレーシア大使はベルナマテレビの番組で、マレーシア参入に関心を持つ日本企業が増えており、特にサバ州におけるグリーン投資やサラワク州の水力発電能力への関心に高まりがみられると述べた。

四方氏は「日本企業は水素、アンモニア利用、炭素回収・貯留など最新技術をマレーシアに持ち込むことで貢献できる」とした。複数の日本企業が東南アジア諸国連合(ASEAN)国際送電網構想、とくにサラワク州とジョホール州間の海底ケーブルへの投資に意欲を示している。データセンター投資を検討している企業もあるという。

飲食市場も日本企業には魅力ある分野で、マレーシアにはすでに日本食レストランが推定2,000店あるが、日本を訪問するマレーシア人観光客が増えており、マレーシアの日本食レストランに対し、より高い期待を持つようになっているという。

四方氏はハラル(イスラムの戒律に則った)食品にも言及。マレーシアはハラル認証制度を確立しているため食品関連の投資誘致につながっていると述べ、一例としてハラル認証を受けた味の素マレーシアを挙げた。
(エッジ、5月21日)

ペナン州のマグロ水揚げ量が昨年倍増、加工拠点化の可能性も

【ジョージタウン】 ペナン州のマグロ水揚げ量は2024年に431トン、金額にして776万リンギに上り、前年比で2倍以上に増加した。2023年のマグロ水揚げ量は177トン、金額は319万リンギだった。

州農業技術・食料安全保障・協同組合開発委員会のファミ・ザイノル議長(国政の閣僚に相当)は州議会演説で、「同州におけるマグロ漁業の大きな可能性を浮き彫りにしている」と強調。「ペナン州は国内市場だけでなく国際市場にも対応できる、マグロの水揚げと加工の主要拠点となる能力を秘めている」とした上で、「マグロ漁業の発展を促進するため、施設、インフラ、物流、そして総合的な支援サービスを強化していく」と述べた。

ペナン州は新たなマグロ水揚げ専用港の設置場所を複数検討しており、ファミ氏は「マグロ漁業は雇用機会を創出する。世界市場向けに高品質な水産物を生産できるハイテク・マグロ加工センターなどの関連産業を育成することで、州経済にプラスの影響を与えることが期待される」と述べた。
(マレー・メイル、5月21日)

新デザインのカード型運転免許証を発表=道路交通局

【ジョホールバル】 道路交通局(JPJ)は21日、セキュリティを強化した新デザインのカード型の運転免許証(LMM)を発表した。

新免許証は表面にムルデカ広場にある「スルタン・アブドル・サマド・ビル (旧連邦事務局ビル)」、裏面にはイスタナ・ネガラと花が描かれている。カードの改ざんや偽造を防止し、最長10年間使用できる仕様になっている。すでに21日から段階的に全国で配布が始まっているが、デザインの切り替えに伴い発行に時間がかかる場合があるという。

マレーシアは2023年からデジタル免許証も導入しており、マレーシア国民の免許証は原則デジタル版のみとなる。ただし、旅行などで海外で運転する際は国際運転免許証と、発行国のカード型の免許証の両方の携帯を必要とする国が多いため、海外に渡航するマレーシア国民と、マレーシア在住の外国人向けに引き続きカード型の免許証が発行される。

またJPJでは現在、全国で248ある自動車教習所の運営のあり方や試験システム、教習所の新規設立などに関するガイドラインの見直しを進めている。アエディ・ファドリ・ラムリ局長によると、セランゴール州クランのような人口密集地では教習所を卒業するまで最大3カ月かかる場合があり、免許取得が1カ月程度で可能になるよう取り組んでいくという。
(ビジネス・トゥデー、ザ・スター、ベルナマ通信、5月21日)