農業分野で投資総額2.6万リンギの3件の覚書締結、大阪万博で

【クアラルンプール】 モハマド・サブ農業食糧安全相は2日、農業分野で投資総額2,573万リンギ(600万米ドル)相当の契約が、大阪・関西万博で締結されたと明らかにした。

モハマド氏のフェイスブックへの投稿によると、投資は3件の覚書(MoU)によるもの。1件目は、伊藤忠商事とアキナ・フルーツとの覚書で、パイナップル栽培での肥料に関するもの。2件目は、かをり果樹園(本社・横浜市中区)とピカシナジー・ホールディングス(M)との覚書で、パイナップルやトロピカルフルーツの日本への輸出に関するもの。3件目はアスク薬品(本社・千葉県市川市)とバイオトロピクス・マレーシアとの覚書で、トンカ・アリ(強壮効果のあるハーブ)の成分の日本での販売に関するもの。

2日から農業食糧安全省ウィークも開催されており、引き続き農業食品分野の発展に取り組んでいくという。
(ベルナマ通信、6月2日、フェイスブック投稿)

サラワク州、グリーン経済移行戦略を発表

【クチン】 サラワク州のアバン・ジョハリ首相は5月29日、マレーシアの州単位で初めてとなる「持続可能性ブループリント2030」を発表した。州主導による包括的なグリーン経済移行戦略で、同州エネルギー・環境持続可能性省(MEESty)が策定した。10の戦略的推進力、48の戦略、111の行動計画が含まれている。

再生可能エネルギーの推進に関しては、2030年までに再生可能エネルギーの比率を60%とし、水力発電容量を4,800メガワット(MW)、太陽光発電を1,500MWに拡大することを目指す。 炭素管理と市場の整備については、炭素捕捉・貯留(CCS)技術の導入や炭素市場の発展を支援する「カーボンプラン」の策定を進める。 森林・土地の保全については、自然資本の保護を強化し、生物多様性の維持と持続可能な土地利用を促進していく。循環型経済と持続可能な都市開発については、廃棄物の削減と資源の再利用を推進し、持続可能な都市の形成を目指していく。また人材育成と教育については、グリーン産業を支える人材の育成を目的とし、教育、研究、スキル開発への投資を強化していく。

具体的な数値目標については、包括的な温室効果ガス(GHG)インベントリの公開を2027年までに実施し、排出量の監視と炭素予算の管理を行う。 電気自動車(EV)インフラの整備に関しては、2030年までに400基のEV充電ステーションを設置し、持続可能なモビリティを推進する。またエネルギー輸出能力の拡大に関しては、再生可能エネルギーの輸出能力を130MWに増強するとしている
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月29日)

大阪・関西万博で、総額80億リンギ相当の潜在的投資を確保

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相は5月31日、大阪・関西万博開催2カ月で、20件の覚書(MoU)が締結され、総額80億リンギ相当の潜在的投資を確保したと発表した。

万博組織委員会の委員長も務めるファディラ氏によると、20件の覚書には101のマレーシア企業が関わっているという。万博で目標としている130億リンギの投資の61.5%が達成されたことになる。

そのほかマレーシアパビリオンではすでに398件の商談が行われた。またパビリオン来場者は100万人超になり、10月の会期終了までに150万人という目標の3分の2に達した

一方、マレーシア投資開発庁(MIDA)は3日、同庁として大阪・関西万博で総額46億8,000万リンギ相当の潜在的投資を確保したと発表した。
(エッジ、5月31日、ベルナマ通信、5月31日、6月3日、報道発表資料)

プトラジャヤでスマート都市「マダニシティ」計画、26日に起工

【クアラルンプール】 連邦政府は3日、プトラジャヤにおける総面積102エーカー(41ヘクタール)のスマート都市開発プロジェクト「マダニ・シティ」(コタ・マダニ)計画を発表した。持続可能な生活とハイテクな暮らしの両方を推進することを目指す。起工式は2025年6月26日に予定されている。

ザリハ・ムスタファ首相府相(連邦直轄地担当)が明らかにしたところによると、3万人以上が住むことができる住宅1万戸が高層的かつ高密度に開発される予定で、人工知能(AI)、高効率デジタルインフラ、グリーンモビリティシステムを統合した設計となっている。

アンワル・イブラヒム首相によると、「マダニ・シティ」には高層校舎の学校、技術・職業教育訓練(TVET)機関、金融機関、診療所、消防署、警察署、モスクといった複数の施設が設置される予定で、約3,000戸の住宅と学校の建設を含む第1フェーズは2027年末までに完成し、全面的に運用開始される予定だ。

連邦政府はクアラルンプール、プトラジャヤ、ラブアンの3カ所の連邦直轄領を対象に、▽Clean(清潔)▽Healthy(健康的)▽Advanced(先進的)▽Safe(安全)▽Eco-Friendly(環境に優しい)―の5つの価値を基盤とした持続可能で先進的な都市づくりを目指しており、その構想を5つの頭文字をとって「CHASEシティ・ビジョン」と称している。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、6月3日)