【クアラルンプール】 航空宇宙産業に特化した工業団地、セランゴール・エアロパーク(SAP)の起工式が5日、クアラルンプール新国際空港(KLIA)の隣接地で行われた。セランゴール州政府は、16日から開催される世界最大規模のパリ航空ショー(パリ国際航空宇宙ショー)で、SAPを含めたKLIAエアロポリス構想をアピールし、世界的な誘致に取り組む。

SAPは、空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)と、州政府系企業メンテリ・ベサル・セランゴールが提携して開発する。600エーカー(243ヘクタール)で、総開発価値(GDV)は23億リンギが見込まれる。第1フェーズとして開発される200エーカー(81ヘクタール)のうち半分は、米国の航空機エンジンメーカー、GEエアロスペースがMRO(保守・整備・オーバーホール)施設などの建設用地として確保している。残る400エーカー(162ヘクタール)は2028年以降、段階的に開発していく。

KLIAエアロポリスに関しては2022年、MAHBに対し、連邦政府所有地8,500エーカーの99年間のリースおよび開発権を付与している。

セランゴール州のアミルディン・シャリ州首相は「KLIA第2章の始まりであり、空港だけでなく、産業とサプライチェーンを統合した完全なエコシステムを構築する」と述べた。現在、国内の航空宇宙産業の68%超が同州に集中しているが、さらに2030年までに73%に引き上げるとしている。

アンソニー・ローク運輸相は「東南アジアにおけるトップクラスの航空貨物ハブを目指している。目指すのは、銅メダルや銀メダルではなく、金メダルだ」と意気込む。中国と協力して、「エア・シルクロード」構想のもと、KLIAを東南アジアと中国を結ぶゲートウェイとして強化していく方針も示している。
(マレーシアン・リザーブ、6月6日、ビジネス・トゥデー、6月6日、6月5日、エッジ、6月5日)