エアアジア、KLーパレンバン及びスマラン線を近く就航

【パレンバン】 エアアジア・マレーシアは、クアラルンプール新国際空港(KLIA)とインドネシアのパレンバン(スマトラ島)およびスマラン(ジャワ島)を結ぶ新たな直行便2路線を開設すると発表した。これによりエアアジアのマレーシアーインドネシア間の便は週188便となる。

いずれもデイリーの運航。就航予定日はパレンバン線が7月17日、スマラン線が9月5日となっている。

パレンバン線のスケジュールは往路の「AK462」便はKLIA発が9時35分、パレンバン着が10時5分。復路の「AK461」便はパレンバン発が10時30分、KLIA着が午後13時となっている。またスマラン線のスケジュールは往路の「AK452」便はKLIA発が9時25分、スマラン着が10時35分。復路の「AK451」便はスマラン発が11時15分、KLIA着が14時40分となっている。

2路線の就航により、エアアジア・マレーシアのインドネシアへの乗り入れ先は、ジャカルタ、バリ(デンパサール)、メダン、ジョグジャカルタ、バンダ・アチェ、マカッサル、パダン、ペカンバル、バリクパパン、ラブアンバジョ、ロンボク、ペナンからジャカルタ、メダン――の13都市となる。
(ビジネス・トゥデー、6月17日、エアアジア発表資料)

燃料補助金合理化は炭素税導入への一歩=第2財務相

【クアラルンプール】 アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は、今年下半期に実施が予定されている「RON95」レギュラーガソリン補助金合理化が、2026年に導入予定の炭素税導入に向けた第一歩となるとの認識を示した。燃料補助金の見直し時期については、「適切な議論を行う」と述べるにとどめた。

「エナジー・アジア会議2025」のパネルディスカッションに出席したアミル・ハムザ氏は、補助金改革が「より安定した正確な市場構造」を確立するために不可欠であり、それによって炭素税のような政策手段を効果的に導入できるようになると強調。「昨年、ディーゼル価格を変動制に移行させた結果、消費者の行動に顕著かつ前向きな変化が見られた。マレーシアはもはや安価な燃料密輸の目的地ではない」と述べ、「今年はRON95を対象とする。これらの歪みが取り除かれれば、炭素税を導入するための適切な市場基盤が整うだろう」と強調した。

アミル・ハムザ氏は、炭素税が「財務的なシグナル」として機能し、企業が炭素排出量の多い活動からより環境に優しい選択肢へと移行するよう促すとした上で、マレーシアが掲げるネットゼロ排出目標の達成に向けた取り組みと合致すると強調。ただしこれには長年にわたる一括補助金によってエネルギー部門の価格シグナルが歪められてきた状況からの脱却、つまり「安定した経済基盤」が必要だと指摘した。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、6月17日)

脱炭素目標達成に向け原子力導入は不可欠=エネルギー副相

【クアラルンプール】 エネルギー移行・水利転換省(PETRA)のアクマル・ナスルアー副大臣は、既存のロードマップでは2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロの目標を達成するのは困難だとし、原子力発電の導入が不可欠との見方を示した。

「エナジー・アジア会議2025」のパネルディスカッション「マレーシアのエネルギー転換を推進する」に登壇したアクマル氏は、将来のエネルギー需要を満たすため、エネルギーの3つの要素(手頃な価格、持続可能性、安定供給)を再評価する必要があると言明。「石炭、石油、ガスの段階的削減を進める中で、化石燃料に代わる安定したベースロード電源を何で代替するのか。これは真剣に検討しなければならない問題だ」と問いかけた。

またアクマル氏は原子力エネルギーは再生可能エネルギーには分類されないものの、クリーンな発電源であると主張し、「原子力は再生可能エネルギーとは見なされないが、クリーンなエネルギー生産源の一つである。私見では原子力がなければ2050年までのネットゼロ目標達成は難しいだろう」と述べた。

その上でアクマル氏は政府と国民に対し、国家のカーボンニュートラル目標達成のために原子力発電を導入する現実的な側面を認識するよう促し、「我々には独自の計画があるが、政府が本格的に原子力に舵を切る際には、政府だけでなく国民もネットゼロ目標を達成するためには原子力エネルギーが不可欠であるという現実を受け入れる準備ができていることを願う」と述べた。

2023年に発表された国家エネルギー転換ロードマップ(NETR)では、2050年までにマレーシアのエネルギーミックスにおける再生可能エネルギー比率を70%とし、太陽光と水力が主要な貢献源、天然ガスが移行期の燃料として位置づけられている。
(ビジネス・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、6月17日)

マレーシアは5年内にエネルギー純輸入国に転落=ペトロナスCEO

【クアラルンプール】 国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のムハンマド・タウフィク社長兼最高経営責任者(CEO)は、マレーシアは電力需要の増加に伴い、今後5年以内にエネルギー純輸入国になる可能性があると述べた。

タウフィク氏は「エネルギー・アジア会議2025」に合わせて行われた記者会見で、「電力需要増加は急速な経済発展、中間層の増加、そして人工知能(AI)などの技術への依存度の高まりによって引き起こされている」と指摘。現在の電力供給インフラでは、年率6.5%と急増している需要に対応しきれない可能性があると警告した。

タウフィク氏は、「電力需要はもはや産業界や一般家庭からだけでなく、データセンターやAI駆動システムからも増加しており、既存の供給だけではこれを支えることは不可能だ」と言明。ペトロナスは既にこのシナリオに備えており、マラッカとジョホールに続く3番目の再ガス化ターミナルの建設に取り組んでいると述べた。

さらにタウフィク氏は、マレーシアが東マレーシアから液化天然ガス(LNG)を輸出し続けているものの、半島マレーシアでの需要がいずれ供給を上回ると指摘。「現在、半島マレーシア東海岸沖のガス田だけでなく、タイとの共同開発地域からも安定的にガスを供給できているが、沿岸部や電力・非電力需要を満たしてきた約20億立方フィートのガスもやがて不足するだろう。今後4―5年で期待されるガス改革にもよるが、我々はLNGへの依存度を高めていくことになる」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、6月17日)